ユグドラシル最終日、余所のギルド拠点で談笑中、現実世界の方で寝落ちしてしまいました   作:挫梛道

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大逆転しない裁判

◆まろんside◆

遂に裁判の日がやって来た。

俺は転移魔法でカルネ村に。

 

「…宜しく お願いします。」

カルネ村は俺達が この世界に転移して数日後、この世界で最初に縁が出来た地だ。

それは、この村を襲っていた…バハルス帝国騎士に偽装していた…スレイン法国の一団を退けたという縁。

この村の族長さn

マ・カ・ロ・ン・様??!

「(」゚O゚L)……!?」

怖ぇー! 失礼 、村長であるエンリ・エモット…もとい、バレアレをカルネ村、並びに近辺開拓村の被害者・証人の代表として裁きの場に出て貰う為、迎えに来たのだ。

 

「………………。」

「エンリ…」

「お姉ちゃん…?」

黒基調の…まるで喪服な様なドレスを身に纏い、何やら覚悟を決めた険しい表情を見せるエンリに、旦那さん(ンフィーレア)幼女ちゃん(いもうと)も何か察したのか、心配そうな顔をしている。

 

「大丈夫だよ、ネム、ンフィー。」

エンリも それに気付いたのか、安心させる様に、2人に笑顔を見せた。

 

「ま、マカロン様! お、お姉ちゃんを、」

「エンリを、頼みます…!」

「ああ、頼まれた。それじゃ行こうか、エンリ。」

「…はい!」

 

 

◆まろんside・了◆

 

▼▼▼

 

◆ジルクニフside◆

アインズの遣いによる転移魔法で、魔導国首都エ・ランテルの…この日の為に作ったという、裁判所の前に やって来た。

 

「法国のエライを潰す為だけに、これ程なデッカい建物を…

あの御骨様、どれだけ本気なんですかね?」

「……………。」

その迫力に、護衛役のバジウッドとナザミも、それに感心と呆れを合わせたかの表情を浮かべている。

確かに同意は するがな。

まぁ それ程に、本気なのだろうよ。

 

≫≫≫

「それでは皇帝陛下。此方の部屋で、暫し御待ちを。」

アインズの執事の男に、案内された控え室という大広間。

其処には、

「おお、ジルクニフ殿! 久しいのう!

まろんの結婚式以来か?」

「………………………。」

脱法幼女(ドラウディロン)が既に居た。

 

「む?! 貴様、また頗る失礼な事を考えていないか?」

「考えていない。」

私は只、事実を思っただけだ。

そのドラウディロンの脇には竜王国宰相と、騎士風の男。

 

「……。」

 

ペコリ…

 

無言で小さく頭を下げる男。

そうか。この男が、竜王国最強と云われるアダマンタイト冒険者チーム【クリスタル・ティア】の『閃烈』セラブレイトか。

そして部屋の隅側には…あれは、エルフか?

位の高そうな服装のエルフが数人、部屋に入ってきた私に一瞬 目を向けて苦虫を噛み潰した様な顔をしたと思えば、また顔を背け、自分達だけで何やら話し出した。

まあ我が帝国も、エルフを奴隷(しょうひん)として扱っているので、良くは思われていないのも当然か。

この件は、流通元の法国が滅んでしまったので、この先は廃れたも同然で、それを機に その在り方も改善していく予定なのだが…

 

「くくく…嫌われておるのう?」

黙れ、3桁カウントダウン突入の若作りBBAが。

 

「…………………。」

更にはエルフ達とは反対側の部屋の隅。

見るからに上等な全身鎧を纏った人物が、その壁に背を預けて佇んでいた。

他者を寄せ付けようとしない、独特な(オーラ)を放っているのが分かる。

 

「あれは、確か…」

「あぁ、あの者は、評議国からの代表じゃよ。

今回は口を出す事無く、事の終わりを見届ける為だけに来ているそうじゃ。」

 

≫≫≫

 

カチャ…

 

「ん? 俺達が最後か?…いや、モモンが まだ来ていないみたいだな。」

その後もローブル聖王国の お花畑(with腹黒&脳筋)、そしてリ・エスティーゼ王国のザナック王(withガゼフ・ストロノーフ)とも軽く挨拶を交わしている中、扉が開き、そこから入ってきたのは まろん…今回はマカロンと呼ぶべきか。…と、若い娘だった。

…誰だ? 貴族とも違う様だが?

 

 

◆ジルクニフside・了◆

 

≫≫≫

 

◆エンリside◆

せ、世界が違う!!

マカロン様に連れられて入った部屋に居る人達、皆さん王族とか貴族じゃないですか!?

何? 平民って、私だけ?

 

「やあ、マカロン。」

「御機嫌よう、マカロン殿。」

そんな感じに あたふたしていると、その内の2人が、御付きの人を連れて、マカロン様に話し掛けてきた。

 

「やあ、ジルクニフ君にザナック王。

エンリ、此方、バハルス帝国のジルクニフ皇帝と、リ・エスティーゼ王国のザナック王だ。

此方、カルネ村代表の、エンリ・バレアレ。」

「………………?!!!」

こ、皇帝陛下と国王ぉーーーーぅ!?

マカロン様、そんな御2方とも凄く親しげに話しているし?!

 

「か、カルネ村の村長の、エンリ・バレアレと申します。」

「あぁ…」

「彼女が…か…」

マカロン様の紹介に、私も御挨拶を。

すると この御2人は、何かを納得した様な顔をされている。

え? 私、何か やっちゃってる?

 

「バハルス帝国皇帝、ジルクニフ・ルーン・ファーロード・エル=ニクスである。」

「リ・エスティーゼ王国 国王、ザナック・ヴァルレオン・イガナ・ライル・ヴァイセルフだ。

エンリ・バレアレ殿。カルネ村の件は、国として救う事が出来ず、申し訳無い。」

 

ペコ…

 

「…どうか、赦して欲しい。」

ぇ…ええ゙ぇーーーーーーーっ!??

お、王様が、平民(わたし)に頭を下げたぁ?!

た、確かに あの時の事を思えば、王国には思う事が一杯 有りますけどっ!?

 

「ザナック王。王族が、今は他国の…とは云えど、平民に頭を下げる様な真似は控えた方が良い。

それに、確かに現在の王国のトップは貴方だが、その貴方が今 頭を下げるのは、少し違うと思うが?」

此処で透かさずマカロン様がフォローを。

はい、もっと言ってあげて下さい!

この重苦しい空気を解き放って下さい!

和ませて!和ませて!

 

「当時の貴方は まだ、第2王子。

政にも軍事にも、殆んど発言権は無かった筈だ。

前の無能王の不始末(ツケ)に迄、頭を下げる必要は無い。

言うとしても、『先代が役立たずで、ごめんなさい』だろう。

…なぁ、アンタも そう思わないか? 思うだろ?」

「………………。」

い、言い方あっ!?

ザナック様には優しく?言うも、その後ろに立っている騎士様…確か、あの襲撃の時に村に来た人ですよね?…には、何か冷たくというか、キツい当たりを見せる。

マカロン様は元々は冒険者…平民だ。

今でこそ魔導国の爵位を得られているが、それでも未だに貴族嫌いを公言されている。

特に この騎士様はカルネ村の件で、完全に無能認定しているみたいで、その辺りはブレていない。

 

「「「…………………。」」」

兎に角、凄く重い空気に。もう帰りたい。

  

「マカロン、その位にしておけ。」

「…。」

此処で場を収めたのはジルクニフ様。

帝国のトップの人の言葉だからか、それでマカロン様も不機嫌オーラを消して、

「失礼。少しばかり、感情的に なり過ぎていた様だ。」

何とか場の収拾に、努めてくれたのでした。

 

 

◆エンリside・了◆

 

≫≫≫

 

◆まろんside◆

「ははは…そんな事が…」

あの後。パンドラ扮するモモンも、この控え室に到着。

黒の全身鎧は着ておらず、現実の(リアル・)鈴木悟(モモンガさん)に少し歳を重ねた様な外見だ。

先程のガゼフ・ストロノーフとの やり取りを聞き、乾いた笑いを溢している。

 

カチャ…

 

「…御待たせしました。

法廷の準備が、整いました。」

此処で、シズ登場。

 

…ガタッ

 

「おお! 美少j(ガンッ!)ぉぐわっ?!」

それを見て、ドラちゃんの護衛役…確か、ロリブレイトだったか?…が喰い着こうとするが、その仲間から突っ込み(物理)されていた。

お仲間、ナイス判断。

止めなかったら あの男、蜂の巣にされていたぞ。

その上で、ナザリックの皆から殺されていた。

 

≫≫≫

シズの案内で、俺、パンドラ(モモン)、エンリ。

そしてジルクニフ君にドラちゃんツアー、王国聖王国エルフ王国の面々が法廷に。

 

「む…」

「これは…」

「何と…」

その部屋の造りに、皆さんが微妙な顔を見せる。

馬蹄型に重ねられた卓席の最前の柵の中、4人の御老体が立っていた。

 

「皆様、本日は御多忙の中の来訪、感謝致します。

各々、名前が標されている席に御着き下さい。」

…裁判官は お前か。

何時もの赤橙のスーツで無く、黒の法服を着たデミウルゴスが、俺達に着席を呼び掛けた。

卓の上に置かれた小さな黒い三角錐。

俺の名前が書かれている、それが置かれた席に着席。

パンドラとエンリは、俺の両隣に。

それにエルフ王国の連中が続いて並ぶ。

ジルクニフ君やドラちゃん達、王国や聖王国の皆さん達、そして この部屋で待機していたモモンガさんとは反対側の席。

きちんと証人席とか分けているのか。

 

カーンッ!

 

全員が席に着いたと同時、室内に甲高い音が響く。

 

「それでは只今より…」

(ガベル)打撃板(ベース)を叩き、裁判という名目の、公開処刑宣告の開始をデミウルゴスが宣言した。

 

≫≫≫

「それでは被告達の最初の罪。

貴方達は、自国兵をバハルス帝国の騎士に擬装させ、当時リ・エスティーゼ王国領…現在はアインズ・ウール・ゴウン魔導国領のカルネ村をはじめとする開拓村を襲撃を指示。

結果、数多の虐殺の末、多数の村を滅ぼした…間違い有りませんね?」

「ま、待ってくれ! それには、理由が…」

 

カーンッ!

 

「御黙りなさい! 私は今、行いの()()を問うているのでは有りません。

()()を、質しているのです!」

「「「「……!!」」」」

問われた罪状、何やら言い訳をしようとした大神官に、デミウルゴスの真っ当な指摘。

先に言っておくが、その言い訳って多分 悪手だぞ。

それ言うと、更なる厳しい指摘や追求が始まるぞ。

特に、俺とジルクニフ君から。

 

「それでは改めて、もう1度尋ねます。

貴方達は…」

 

 

◆まろんside・了◆

 

≫≫≫

 

◆モモンガside◆

「…間違い…有りません…。」

デミウルゴスの質問に、大神官が小さく応える。

弁護人無き裁判。

少し前にジルに聞いた事だが、この世界では弁護士なる専門職は どの国も無いらしい。

帝国でも裁判の様な物は在り、その罪人の友人等が任意で名乗りを上げて、被告の無実、或いは情状酌量を呼び掛ける事が有る程度だとか。

尤も帝国の場合、事前に被告の罪や その経緯・背景を事細か徹底的に調べた上で、その事実に応じた裁きを降すそうだから、大した意味は無いらしい。

当然、

「誤審は無いぞ?」

…らしい。

竜王国も、帝国と事前調査の規模は違うが、似た感じだそうだ。

…他の国は、知らん。

只、王国は今は分からないが少し前までは、賄賂やらコネやら何やらが横行する様な、クソ裁判だったのだろうな(偏見)。

そして法国、ついでに聖王国も大して変わらないだろう。

宗教国家って1度でも異端認定したら、都合の悪い存在として碌な調べもせすに、問答無用で有罪で殺すか、地下幽閉放置なのだろう?(偏見)

 

「…宜しい。己の罪を認めましたか。

それでは、この者達に死刑を宣告致しまs

「異議あり!」

  




【次回予告】
 
◆パンドラside◆
法廷内に響く、「異議あり!」の声。
その発言の主は、まさかの人物でした!
 
「誰か、まr…カロンを止めろ!
ザナック王とガゼフのMP(メンタル)は、もうマイナスだ!」
その後も まろん殿の口撃が炸裂する中、
「…………………………………。」
とある人物が放つ どす黒い殺気が、この場を支配しつつ有った!

次回『覚悟の凶刃(予定)』
Bitte erwarten!
  
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