ディケイドに転生しました。でもディケイドにはなれません。   作:青青

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おのれディケイド!!!

『START!!!・・・オイオイどうした??賽は投げられたぞォリスナー諸君!!』

 

スピーカーから、試験監督であるプレゼントマイクが受験者に告げる。

あまりの唐突さに、受験者達は固まってしまうが、1人が再起動した途端にゲートになだれ込んでいく。

 

「なるほど、大体分かった。」

 

そう言って他の受験者より大きく遅れて歩いていく1人の受験者。

 

道中、「ブッコロス!!」なんて物騒な言葉吐きながら襲いかかってくる試験用のロボヴィランを本のような剣にも銃にも変わる少し変わった武器を使いながら会場内を練り歩いていると

 

「ここらでいいか」と

いきなり、首から提げたマゼンタ色のスマートフォンでパシャリと会場の写真を撮り、それを確認する。

しかしその写真の写りは悪く、世界が揺れているかのようにブレてしまっている。

 

「全く、俺にゃオーロラカーテンは愚かメインフォームすら使えないのになんでこうも写真が上手く撮れないのかねぇ・・・」

 

そうやって独りごちる受験者。

 

『残り5分だぜェ!リスナー達ィ!!!』

場内のところどころに設置されているスピーカーからマイクの声が聞こえてくる。と同時に謎の地震に見舞われる。

 

「おおっと、もうそんな時間か。うーむ振動的にこっちかな?」

と震源地に向かっていく受験者、もといこの話の主人公。

 

「キャーー!」「やべー!にげろ!」

と先程まで自分の進む先にいたであろうほかの受験者たちが焦ったように逃げていく。

 

「おい!お前も逃げろ!この先にゼロポイントが、くそでかいヤツがいる!」

親切な受験者が、主人公を心配してか声を掛ける。

 

「あぁ、気が向いたらな」

そんな相手の気も知らず、気にしたような素振りも見せずに進んでいく主人公。

 

「ッ!知らねぇぞ!!俺は行くからな!!」

そう言って少し後ろ髪を引かれながらも走り去っていく受験生。

 

「あーあ、少しでも立ち向かったり、逃げ遅れたヤツらを助ければレスキューポイントで浮かれたかもしんねーのに。」

主人公は振り返ることなく、本来受験者では知りえない情報をボソッと呟きながら、震源地へと進んでいく。

 

そして、正面に巨大なロボットが見え始めたその時ガラガラと瓦礫を押し退けるような音と、頑張れ、もう少しだ!と叫ぶ声が聞こえる。

その声と音の主は、瓦礫に下半身が埋もれてしまっている少女とそれを助けようとする少女。

 

「あっ!あんた!逃げな!もうすぐアイツはこっちに来る!私達も何とか逃げるから!」

と黒髪ショートで耳たぶがイヤホンのジャックのようになっている少女が言い、それに続けて埋もれてしまっている少女も

「貴方も逃げてください・・・!私は大丈夫ですので・・・!」

と、無理やり作ったような笑顔で2人に逃げるよう促す。

 

「なるほど、大体分かった。」

と我らが主人公は呟き、ロボットの方へと歩んでいく。

 

「ちょ、アンタ!」

黒髪の子が焦ったように言うが、主人公は無視して進む。

 

そして、あと50mかそのくらいになったところで止まる。

 

「全く、おばあちゃんが言っていた。太陽が素晴らしいのは塵さえも輝かせることだ、ってな、この場合俺が太陽でお前が塵な訳だが・・・言うだけ無駄か。」

 

そう言って、どこからか取り出したベルト、と言うには少しゴツすぎるそれを、腰に取り付ける。

そしてベルトのサイドに着いている先程剣や銃にしていた本らしき物、もといライドブッカーからカブトムシのような見た目をした赤い人物が写ったカードを取り出す。

 

「変身」

 

そう言ってそのカードをベルトの正面にある、カメラのような形状の場所に差し込む。

 

『KAMEN RIDE』『KABUTO』

 

という音声とともに、先ほどカードに映っていた赤い人物、ライダーに文字通り変身した主人公。

 

そして、ライドブッカーを開きもう1枚カードを取りだしそれを見せつけるようにして縁を叩いてからベルトに差し込む。

 

『ATTACK RIDE』『CLOCK UP』

 

今度はそんな音声が流れ、カブトに変身した主人公は目に捉えられないほどの超スピードで動き出す。

 

「なんなの・・・」

それを見ていた黒髪の子は思わず言葉を零す。

瓦礫に埋もれてしまっていた子は意識を失ってしまっているようだった。

 

彼女から見れば、いきなり赤い装甲をまとったと思えば、目に見えないスピードで巨大ロボが破壊されていくのだから、恐ろしいものだろう。

そして、あらかた破壊し尽くしたのか、物凄い音ともに後方に倒れていくロボット。

 

しかし、ガシャンと言う音と共にロボットの頭部パーツが弾みで飛んでいき、女子たちの方へと落ちていく。

 

「キャー!」と黒髪の子は叫び身をかがめて目をそらし、埋もれている子を庇う。

 

そして、それを主人公が見逃すはずもなく、3枚目のカード。黄色に彩られた特別感のあるカードを取りだし、差し込む。

 

『FINAL ATTACK RIDE』『KABUTO』

 

今度はその音声とともに青い電気が迸る。

超速で女子達と破片の間に立ち、青い電気が右足へと収束していく。

 

「ハァ!」

という掛け声と共に決められた回し蹴りはロボットの頭部を粉々にして吹き飛ばした。

 

「あ、ありがとう」

と、少し戸惑いながら言う黒髪少女

 

「どういたしまして、それよりちょっとどいてな」

返事をしつつ埋もれている女の子を助け出し、黒髪少女に預ける。

 

「ふぅ」

と息を着く主人公、そして変身が解除される。

 

「あ、あなたは?」

と黒髪の子が尋ねる。

 

 

 

 

 

 

「俺か?俺は門矢士。通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておけ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

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