仮面ライダーカラーズ   作:蒼宇宙EX

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初めましての人は初めまして、久しぶりの人はお久しぶりです。蒼ニ・スールです。

ボチボチ書いていた、完全オリジナルな仮面ライダー二次創作たる「仮面ライダーカラーズ」が遂に完成しました。

リハビリも兼ねてますので、至らぬ所もあるかもですが、楽しんで貰えれば幸いです。

4/12 追記:敵怪人の名称などを間違っているという大ミスを犯しておりましたので、一部分の表現を含めて加筆修正致しました。誠に申し訳ありません!


一色目:その名はカラーズ

それは、とある町での小さな噂。その街では、人々を怪物へと変えてしまう、悪魔の筆が配られているという。

 

『ANT……!』

 

しかし同時に、もう一つの噂があった。その怪物を、元の人間へと戻す事の出来る、奇跡の筆を持つ戦士も居るらしい。

 

「始まり。全てはここから……万能の白」

 

『WHITE!』

 

「変身」

 

『CHANGE! COLORS of WHITE!』

 

そして何時しか……怪物と戦う戦士の事を、人々はとある名前で呼ぶ様になった。その戦士の名前は……!

 

「仮面ライダーカラーズ……君に相応しい(カラー)は決まった!」

 

 

〜彩虹町・アートショップ月城〜

 

「ふむ……幾らか、絵の具が減っているな……補充しておくか」

 

その町の名前は彩虹町(さいこうちょう)。人々が、空に掛かる虹の様に、様々な彩りを見せてくれる様に……という思いが込められて付けられたらしい。

 

そんな町にて、絵を描く事や美術などに使う道具……つまりは画材を専門的に扱っている店があった。名を「アートショップ月城(つきしろ)」、その店内で絵の具の補充を行っている、一人の人間が居た。

 

「まあ、あんまり人は来ないが……これがボクの仕事だからな…………そろそろ、読書中毒な我らが店長の様子でも、確認しに行こう」

 

綺麗に整えられた、純白の髪。前髪に赤・橙・黄、後ろ髪に緑・水色・青・紫のメッシュを入れ、少し大きめの丸眼鏡からは透き通った空色の瞳が覗き、動きやすいタイプの服装の上から黄色い三日月が描かれた薄紫色のエプロンを付けた、非常に中性的な印象を与える者だった。

 

彼(彼女?)の名前は染谷 色希(そめたに しき)。見た目は関係無いが、色希曰く性別不明であり、現在進行形で呟いている独り言も、高い様な低い様な不思議な声で発せられている。

 

「補充は完了っと…………紫織、生きてるかな?」

 

「勝手に殺さないでくれますかぁ?ちゃんと生きてますよぉ」

 

「生存確認は大事さ。本ばっかり読んでて、寝落ち以外で生活らしい生活をしないんだから、紫織は」

 

商品の補充を終え、店の奥へと入っていく色希。経営者用らしき部屋をの扉を開けると、そこには大量の絵画本や画材カタログに囲まれ、ひたすら読書を続ける女性が居た。

 

髪や瞳、服装に至る全てが紫尽くしな彼女の名前は月城 紫織(つきしろ しおり)。苗字からも分かる通り、アートショップ月城の店長をしている……のだが。

 

見ての通り、彼女はダウナー且つ本の虫であり、最低限の経営はするものの、殆どを店員であるはずの色希に任せて、自分は暇さえあれば読書ばかりしているという、困った性格の女性である。

 

「取り敢えず……今日も平和そうだから、このまま昼食にしようか。何が良い?」

 

「別に何でも良いですよぉ?色希のご飯は美味しいですからねぇ」

 

「いつも、それしか言わないじゃないか。褒めてくれるのは、嬉しいんだけど……」

 

「作らないならぁ、此処に置いてるウエハースとエナドリで済ませまぁす」

 

「分かったよ、今日はカツサンドだ」

 

色希としては、ちゃんと彼女にも仕事などをして貰いたいが、実は色々と彼女に恩と借りがある故、結局は根負けして好きにやらせてしまうのが悩みの種だ。

 

それでも、確かな幸せを感じる事が出来ているのに感謝しながら、移動すらも面倒と言う紫織の手を引いて、調理器具などが用意されている休憩室に向かおうとしたが……

 

「すいません。色鉛筆と絵の具が、欲しいのですが」

 

「うわぁ……お客さんじゃないですかぁ……最悪のタイミングですよぉ」

 

「そんな事は言う物じゃないよ……すいません、お待たせしました。どんな物をお求めでしょうか?」

 

ちょうど、店には客が来ていた。文句を容赦なく言う紫織を宥めて近くの椅子に座らせながら、色希は店員として対応する。

 

「金・銀・銅。それぞれを可能ならば、単品で。友人に送る絵に、どうしても使ってくれと、リクエストされてしまいましてね」

 

「なるほど。大丈夫ですよ、直ぐ用意します」

 

「ありがとうございます。助かりました」

 

「いえいえ……それでは、金・銀・銅の色鉛筆と絵の具、合計で1500円になります」

 

何だか、客としても注文としても珍しいな……そう思いながらも、色希は商品をしっかり用意し、綺麗に袋詰めしていく。

 

そして、レジに客と一緒に移動すると、代金の1500円ちょうどを受け取り、袋詰めした商品をレシートと共に渡し、店を後にする客を見送りながら、一礼する。

 

その時に、眼鏡がズレてしまい、頭を上げて再びその客を見た時、色希は驚きの表情を浮かべながら、店の中へと戻って行く。

 

「漸く終わりましたねぇ。待ちくたびれましたよぉ…………色希?」

 

「今のお客さんの魂……どういう訳か、眩しい位の金色だったんだ……」

 

「それって、珍しい事なんですかぁ?」

 

「普通の人間で、そういう風に「染まっている」事は、まず有り得ないよ……「アレ」を使ってもいない限りは」

 

眼鏡を拭き直し、しっかりと掛けた色希の言葉や態度から、先程までの様子が嘘の様に、真面目な態度になる紫織。

 

「さっきの人……「ネガラー」じゃない事を祈るしか無いですねぇ……色希の能力を疑いはしませんけど」

 

「うん、そうだね。もしかしたら、気のせいかもしれないし。でも、もしもの時は……ボクはボクのやるべき事をするよ」

 

「……気をつけて下さいねぇ?取り敢えず、今度こそ昼食の時間ですよぉ」

 

何やら、意味深の言葉を使った会話を繰り広げた二人。色希は強い覚悟を、紫織は何処か悲しみを秘めた表情を浮かべながらも、漸くの昼食を取る準備をするのだった。

 

そして、数時間後。アートショップ月城の扉には、普段よりも何時間も早くCLOSEの看板が掛けられていたのは、言うまでもない……

 

 

 

「あーあ、今日も退屈で仕方ないぜ!」

 

一方その頃。彩虹町のとある公園のベンチを占領し、寝転がっている一人の男が居た。彼はちょっと良い所育ちで、親や周りに甘やかされて来たのと、それなりに才能があるせいで、常に毎日が退屈で仕方なかった。

 

怒りと呆れの感情混じりに、ついさっきコンビニで買った飲み物を、既に何本も飲み干しながら、いつもの様に昼寝をして時間を潰そうとしたが……

 

「ほう、良い素材を使った魂色(ソウルカラー)だ。君の様な人間こそ、俺達の求める芸術(ネガラー)に相応しい……」

 

「ああん?誰だ、テメェ……邪魔すんな!」

 

運命の悪戯か、彼の目の前に一人の青年が現れる。金髪金眼・長身痩躯で、小脇にアートショップ月城のマークが描かれた袋を抱え、何処か異様な雰囲気を放っていた。

 

そんな彼が、意味深な単語を呟きながら、袋から取り出した金の色鉛筆と絵の具に力を込めると、黄金のオーラを纏った手の中で、二つは溶けて混ざり合う様にして、全くの別物へと変化する。

 

「おいおい、手品なら何処か別の所でやれよ!」

 

「手品じゃないさ。君にとっても、俺達にとっても最高の芸術を生み出す為の……大事な道具「リライントペン」だ」

 

『SPIDER……!』

 

鈍い金属めいた輝きを放つ、骨状の装飾を施された禍々しいマジックペンの様なアイテム……リライントペンと呼ばれたソレを生み出した青年は、そのリライントペンの上部にあるスイッチを押し込む。

 

妖しげな光の点滅と、不気味な声質の電子音。それらと共に、リライントペンの下部から鋭い針の様な芯が飛び出したのを確認すると、目の前の男へと勢い良く突き刺した。

 

「ぎゃあああああああああああああああああああっ!?」

 

「さあ、見せてくれ。君の芸術を」

 

それにより、男は苦痛の叫びを上げる。同時に、リライントペンから大量に溢れ出した、濁った赤色のインクめいたエネルギーに飲み込まれると、その姿を書き換えられていく。

 

赤み掛かった巨大な蜘蛛が、そのまま人型に変化したかの様な、禍々しい異形の存在「スパイダー・ネガラー」が、誕生した瞬間だった。

 

「オオオオオオオオオッ!?チカラガアフレル……!イカリガタギルゥ!」

 

「怒りの炎が如き赤……やはり良い。さあ、君の芸術を更に見せてくれ」

 

「イイゼェ!」

 

青年に促されるまま、炎の様な赤いオーラを纏ったスパイダー・ネガラーは、腕からインク状の赤い糸を放出し、町の方へと勢い良く跳躍していった。

 

間もなくして……大きな爆発音や破壊音、人々の悲鳴が鳴り響く。そうして町から聞こえて来る物すら、まるで音楽鑑賞するかの様に堪能する青年は、ベンチに座りながら一言だけ呟くと、再び堪能する事に集中する。

 

「さあ、次は君が芸術を見せる番だ……カラーズ」

 

 

 

「……やっぱり、こうなったね」

 

町から聞こえてくる嫌な音は、アートショップ月城にも届いていた。それから何が起きているのかを察した色希は、愛用のジャンバーを羽織りながら外に出ると、懐から謎の青年が生み出した物とは別の、少し大きめなクレヨンの様な白色のリライントペンを取り出し、それを指揮棒の様に軽く振るう。

 

すると、何も無かった空間に突如として、白いボディとペン先を模した各部の装飾・虹色で描かれたラインとCOLORSの文字・筆で大きくCと描かれた様なライダークレスト・インクボトルめいた形のブースターが特徴的な、大型バイク「カラーズチェイサー」が現る。

 

それに跨りながらエンジンを起動し、掛けてあるヘルメットを被った色希は、騒動の起きている場所へ向かおうとするが、その直前で紫織に呼び止められる。

 

「ちょっとぉ、色希~大事な物を、忘れてますよぉ?」

 

「えっ?何かな?」

 

「ドライバーですぅ。変身出来なくて、戦えなくても良いんですかぁ?」

 

「あっ……本当だ。ありがとう、紫織」

 

紫織が持ってきたのは、何かを差し込むスロットが二つある、白を基調とした虹色のラインが描かれた、神秘的な雰囲気のあるペンスタンドめいたバックルの様な物。

 

それを受け取ると、しっかり懐にしまった色希は、今度こそ現場に向かおうとするが、再び紫織に止められる。

 

「そう言えばぁ、もう一つ忘れてる物がありますぅ」

 

「今度は何を忘れて……むぐっ」

 

「…………ぶはっ。絶対に、死なないで帰って来て下さい」

 

「ああ、勿論。このメガネ越しでも見える位……紫織の魂色が、濃い愛情の桃色と不安・悲しみの青に染まっているからね……!」

 

紫織からの深い口付けの後、彼女の魂色から自分に向けられている気持ちを理解した色希は、必ず戻ると約束する。そして遂に、現場に向かって全速力でバイクを走らせる。そのまま遠くなる色希の姿を見つめながら、紫織は溜息と共に一言だけ呟く……

 

「一言、余計ですよぉ……雰囲気が台無しじゃないですかぁ……」

 

 

 

「オモシレェ、オモシレェ!コンナニオモシロクテ、タノシイノハハジメテダァ!」

 

そんな街中では、スパイダー・ネガラーが未だに大暴れしていた。自身の糸を貼り付けた車を、ハンマー投げの要領で勢い良く振り回して人々を吹き飛ばし、投げつけた車で建物などを破壊していく。

 

自身を倒そうとする非力な警官達は、手足と背中から展開したクモの脚状の爪で切り裂き、貫いてその命を奪っていく。

 

「イママデ、オマエラバッカイイオモイシテタトオモウト、モットイライラスルゼェ!オレヲモットタノシマセロォ!」

 

「残念だけど、そういう訳にはいかないんだ」

 

「アアンッ!?ダレダァ!」

 

その事に有り得ない程の喜びと楽しさ・怒りを感じたスパイダー・ネガラーは、その感情を更に得ようと逃げ惑い続ける人々にも襲い掛かろうとするが、そこへカラーズチェイサーで駆けつけた色希が現れる。

 

「酷い有様だ……この街の光景も、書き換えられた君の姿も、塗り替えられた君の魂色も……!」

 

「ゴチャゴチャトウルサイゼ!テメェモコロシテヤル!」

 

「そういう訳にもいかないのさ。この街や人々は守るし、ボクは生きて紫織の所へ帰る、そう約束した。だから…………君を此処で止める」

 

『COLORS DRIVER!』

 

ヘルメットとメガネを取りながら、カラーズチェイサーから降りた色希は、その一際強く輝いて見える瞳で人々や町の状況だけでなく、スパイダー・ネガラーとその魂色まで確かめる。

 

メガネを掛け直した色希は紫織との約束を守り、これ以上の被害を出ない様にする為にも、スパイダー・ネガラーを止めると力強く宣言すると、紫織から手渡されたバックル「カラーズドライバー」と、先程も使用した白色のリライントペンを懐から取り出し、ドライバーを腰に装着。

 

カラーズドライバーから伸びたベルトが腰に巻かれ、起動音声が鳴ったのを確認すると、色希は左手に持ったリライントペンを構え、内蔵されたスイッチを押し込む。

 

『WHITE!』

 

「ナッ!?テメェモオレミタクナレルノカ!?」

 

「違うね。ボクは……仮面ライダーだ」

 

白く美しい光の輝きを見せた、自身に使われた物とは別タイプのリライントペンに驚くスパイダー・ネガラーの叫びを否定しつつ、色希はそのリライントペンをドライバーの左スロットへと装填する。

 

「始まり。全てはここから……万能の白」

 

『CHOICE the COLOR?』

 

色希がリライントペンの色に独特な表現をすると、カラーズドライバーの中心部に存在する円形状の液晶に、カラーズチェイサーにも描かれているライダークレストが出現。そのまま色とりどりの点滅を繰り返しながら、待機音声が流れる。

 

そして色希は、右手でドライバーの右スロット部分を掴みながら、右斜め上へ伸ばした左腕を大きく回すと、ドライバーに装填されたリライントペンを支える様にゆっくりと手を置き、指で内蔵されたスイッチを勢い良く押し込み、呟く。

 

「変身」

 

『CHANGE! COLORS of WHITE!』

 

その瞬間、カラーズドライバーの液晶が白い光を灯し、特徴的な電子音声を鳴り響かせると、何処からともなく現れたペンキブラシめいた物体と筆ペンめいた物体が、白いインク状のエネルギーを色希の全身へ塗りたくる様に動き、虹色に輝くインク状のエネルギーでラインを引いていく。

 

「グオッ……!テメェハナンナンダ!?」

 

「仮面ライダーカラーズ……!」

 

色希を完全に包み込んだインク状のエネルギーにしっかりとした形が出来上がると、閃光と共に余分なエネルギーが弾け飛び、スパイダー・ネガラーを吹き飛ばす。

 

閃光の中から現れたのは、純白のアンダースーツと装甲・装飾、全身を余す事無く走る虹色のライン、絵具筆の筆先を模した先端が虹色に染まった頭部、同じく絵具筆の筆先を模した虹色に輝く複眼。

 

両横の腰には、ペンキが溢れ出したペンキ缶を模した、細長い銀色の鞘に納められたペンキブラシ型の剣と、リライントペンを納める四角いホルダーがある姿となった、色希だった。

 

正に文字通りの「変身」をした色希……仮面ライダーカラーズは、立ち上がったスパイダー・ネガラーの問いに答える形で名乗ると、素早く接近を開始する。

 

「ナンデモイイ!ブッツブス!」

 

「………………フッ!」

 

「グガッ!?」

 

スパイダー・ネガラーは、湧き上がる怒りの衝動に任せ、その身に炎の様な赤いオーラを纏うと、口や手から赤い糸の弾丸を連射するが、それをカラーズは必要最低限の動きだけで全て避ける。

 

そのままスパイダー・ネガラーの目の前まで移動したカラーズは、左手に白いインク状のエネルギーを集めると、スパイダー・ネガラーの顔面に強烈なパンチを叩き込む。

 

思わぬ一撃を貰った事に驚きながらも、スパイダー・ネガラーズは両手の鋭い爪を振るい、カラーズを引き裂こうとするが、それらも全て避けられながら、次々とカウンターの攻撃を叩き込まれてしまう。

 

「ハアッ!」

 

「ゲフゥアアアアアアアアアアアアアッ!?」

 

「ボクのリライントペン……特に白のリライントペンには、君達ネガラーの力を抑制し、本来の魂色へと染め直す「浄化」の力を持つ……!」

 

「ユ、ユルサネェユルサネェ!オレノジャマシヤガッテ!コレナラ……ドウダァ!」

 

吹き飛んだスパイダー・ネガラーは、身体の所々が白く染まり、さっきまでの勢いと力が弱くなりつつあった。それはドライバーを通して流れる、カラーズが持つリライントペンの力による影響だった。

 

それでも尚、強い怒りの叫びと共に地面を殴りつけ、立ち上がったスパイダー・ネガラーは再びオーラを全身に纏うと、そのオーラを増大させながら背中にある蜘蛛の脚状のアームを展開。

 

更に、展開したアームのサイズを先程より大きい物に変化させると、それを勢い良く振り下ろし、カラーズを貫こうとする。

 

「凄い攻撃だ…………それでも」

 

『COLORS EDGE!』

 

「ナッ、ナニィ!?」

 

「ボクには届かない……!」

 

しかしカラーズは、右腰の鞘から引き抜いたペンキブラシ型のショートソード「カラーズエッジ」を抜刀。逆手に構えたカラーズエッジを振るい、自身に向かって来た全てのアームを一刀両断する。

 

「ネガラー、君に相応しい色は決まった!」

 

『COLORS IMPACT!』

 

カラーズは再びエッジを鞘へと戻すと、狼狽えるスパイダー・ネガラーを指差しながら、決め台詞と共にドライバーに装填されているリライントペンのスイッチを長押し。

 

電子音声が鳴り響き、カラーズの左足に色とりどりのインク状エネルギーが集束。それが白色になると同時に跳躍。

 

空中で一回転からの左足を突き出し、飛び蹴りの態勢になったカラーズは、その左足に集まったエネルギーを推進力として、凄まじいスピードでスパイダー・ネガラーに向かっていく。

 

「カラーズ……インパクト!」

 

「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!?」

 

必殺技(ライダーキック)……カラーズインパクトは、カラーズの叫びと共に抵抗する暇も無かった、スパイダー・ネガラーに直撃。

 

カラーズが着地すると共に、スパイダー・ネガラーは断末魔めいた悲鳴と共に爆発。インク状のエネルギーを撒き散らし、その中からネガラーに変化させられていた男が現れ、地面に倒れ伏す。

 

男の近くには、彼をスパイダー・ネガラーに変えていたリライントペンも転がっていたが、数回の点滅と共に消滅した。

 

「魂色の中にあった、怒りに満ちた赤は消えたね……気持ちをぶつけたくなったら、次は絵でも書いてみたらどうだい?」

 

「あ、ああ……ぐっ」

 

「さて、後はこの光景を元に戻そう」

 

それを確認したカラーズは、ドライバーからリライントペンを引き抜いて、変身を解除。元の姿に戻った色希は、倒れ伏している男にクレヨンを模したキャンディーを渡しながら、次はこうならない様にと告げる。

 

憑き物が落ちた様な顔で、それに頷いた男はそのまま気絶。それと同時に再び眼鏡を掛け直した色希は、ドライバーのホルダーに納めていた透明なリライントペンで、地面に広がったままのインク状エネルギーを吸収し、赤いリライントペンを完成させる。

 

そして、その赤いリライントペンを再びホルダーに納めた色希は、変身に使った白いリライントペンを、何かを描く様に振るっていく。

 

するとどういう訳か、スパイダー・ネガラーの大暴れで破壊された建物や車、傷つけられた人々が全て元通りとなる。

 

「君らの好きにはさせないさ……歪色衆(ネガラーズ)

 

漸くドライバーを腰から外し、リライントペンなどと一緒に懐へ納めた色希は、ホッと一息つきながらも何処か遠くを見つめながら呟き、カラーズチェイサーに乗って自身の事を待つ紫織の元へと帰って行くのであった……

 

 

 

「流石だよ、仮面ライダーカラーズ……俺達の芸術も良いが、やはり君の芸術(たたかい)を見るのも……面白い」

 

その頃、ベンチに座ってネガラーの破壊活動を堪能していた謎の青年は、色希……仮面ライダーカラーズの戦いも芸術として堪能していたらしく、満足気な表情と共に立ち上がり、その場を去る。

 

一瞬、その身に黄金の鳳凰めいた騎士の姿を、浮かび上がらせながら……




当初の予定では、3〜5000文字書ければ、充分過ぎる位だなぁと考えながら書いてました(創作のリハビリ中ですし)。

まさか、7000文字以上も書いてしまうとは。我ながら驚きと言うか、まだまだやれるんだなぁと思う事が出来ました。

やっぱり、創作って楽しいです。これからも頑張って、執筆・更新などを頑張りたいです。

良ければ、感想・評価・誤字報告などを宜しくお願いします。それでは、次回を楽しみにしていて下さいませ。
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