仮面ライダーカラーズ   作:蒼宇宙EX

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皆さん、お久しぶりです!蒼ニ・スールです!

リアルで携帯の買い替えがあったりと、色々忙しかったりして、大分時間が掛かりましたが遂にカラーズの5話目となります!

今回の話も、やりたい事を全て詰め込んだ結果、予定よりも大幅に文字数増えました(汗)次からは、もう少し減らしたいですねえ。

兎に角、楽しんで貰えたら幸いです。それではどうぞ!


五色目:仮染の共闘

 

~彩虹町・歪色衆の根城たる廃墟~

 

「仮面ライダーフィールズ。己以外の芸術全てを否定する者か」

 

「アハッ☆何か面白くなさそう☆」

 

「カラーズ様とは違い、全ての芸術と魂塗料を黒く塗り潰してしまいます。最早、落書きですらありません」

 

無数の大小様々な白いキャンパスが置かれた、廃墟らしき部屋にて。シルエスから二人目の仮面ライダー、フィールズこと塗間黒奈の事を聞かされたゴールディーとロズヴィーは、各々の反応を示す。

 

彼女がそうなった元凶らしいシルエスは、自分達に近しい力を持っているにも関わらず、仮面ライダーとして戦うだけではなく、自分以外の全てを無価値・無意味な物にしてしまいそうな事を、強く非難していた。

 

「それはそれで面白そうだが……我々の活動に影響が出るのは好ましくない」

 

「だったら、次はアタシが行くよ☆ちょうど、面白そうな人達を見つけてるんだよね☆」

 

「フッ……積極的だな。ならば俺も、色々と動くとするか」

 

「そうですか。お二人とも……くれぐれも、お気をつけて。行ってらっしゃいませ」

 

しかしながら、歪色衆としての活動を止めるという選択肢は、彼らには存在しない。ロズヴィーは目星を付けているらしい人物をネガラーとする為、座っていた窓枠から落ちる様にして外へと出ていき、ゴールディーも何らかの行動をすべく、黄金の魂塗料となって何処かへと姿を消す。

 

その様子を、シルエスは優雅なお辞儀をしながら見送る。そして、完全に彼女以外には誰も居ない事を確認した瞬間、シルエスは今まで誰にも見せた事の無い邪悪な笑みを浮かべる。

 

「ああ……黒奈様。まさか、貴女が私の予想を上回る程の芸術を、見せようとしてくれているなんて、とても嬉しいですわ。初めて出会った時から、念入りに準備を重ねて正解でしたわね……」

 

邪悪な笑みを浮かべながら、恍惚とした雰囲気で呟くシルエスの全身からは、魂色の生み出す力が極限まで高まっている証である「魂彩光(ソウルカラー・オーラ)」が溢れ出していた。

 

そのままシルエスは、自身のネガラーリライントペンDを取り出すと、目の前にあるキャンパスに、黒奈の姿をゆっくりと描き始めるのであった……

 

 

 

~彩虹町・空架大橋~

 

「色希以外の仮面ライダーなんて……認めたくないです……」

 

場所は変わって、彩虹町の東西南北の4エリアを繋ぐ為に、それぞれのエリアの境目に存在する大橋「空架大橋」の一つ。その大橋の手すりに、珍しく一人で夜に店を抜け出して来た紫織が寄り掛かり、自分にとって最も大切な存在である色希以外で、仮面ライダーへと変身する者が居た事を思い悩んでいた。

 

「本当に何なんですか、あの女……仮面ライダーは、ネガラーから人々を救う為の存在なのに……」

 

「そこの悲し気な表情が美しいレディ!こんな真夜中に一人でいては危ないじゃないか!」

 

「……はい?」

 

そんな彼女に、突如として声を掛けてくる者がいた。紫織が振り向くと、そこにいたのは赤い髪を短く切り揃え、赤くオシャレなデザインのレディスーツを着こなしている、イケメン風で声が低めの女性だった。その女性は、紫織との距離を一気に詰めると、肩と腰を抱き寄せて自己紹介を始める。

 

「私の名前は赤刺敦子!君の様な美しいレディと出会えるとは何たる奇跡!これから私と一夜を共にしよう!」

 

「な、何を言ってるんですかぁ?それに私は未来を誓い合った人が既にいるんですけどぉ?」

 

「そんな物は関係ないのさ!さあ、これから私と一緒に其処のホテルへでも……痛っ!?」

 

「このバカ敦子!また桔梗様以外の女に、手を出そうとしたわね!」

 

そのまま紫織と強引にデートを行こうとする敦子。しかし、何処からともなく強烈な鞭の一撃が放たれ、紫織から引き離される。そこに現れたのは、誰から見ても夜の仕事をしていると言われそうなドレスに身を包み、片手に長い鞭を持った黄色い髪と瞳の女性だった。

 

「誰かと思えば桔梗じゃないか!仕事が終わるのを待ちわびていたよ!」

 

「何言ってんのよ、バカ敦子!アタシは、大人しく待っててと命令したじゃない!本当に女なら、誰でもナンパするんだから!この浮気者!」

 

「痛い!?痛いけど嬉しいよ!こうして、桔梗からの愛を感じ取れるからね!」

 

「愛なんて込めてないわよ!これはアンタへの罰と躾なの!」

 

(その割にはぁ、魂色が楽しさの黄色と喜びの緑なんですけどねぇ……)

 

桔梗という名前らしい女性は、非常にイラついた様子で敦子に対して鞭を振るい続けるが、当の敦子はその行為を拒む所か嬉々とした様子で叩かれ続けていた。最早、漫才の様なやり取りをしている二人に困惑しつつ、紫織は急いでその場から去るのであった。

 

「相変わらず、激しく愛し合ってるね☆お二人さん☆」

 

「「……!」」

 

「ヤッホー☆ロズヴィーちゃんだよ~☆そろそろ二人とも、慣れてくれたかな?」

 

それと入れ違いになる様に、橋を支えるアーチ状の柱の上から飛び降りてきたのは、一部始終を見ていたであろうロズヴィーだった。どうやら、彼女が目星を付けていたのは、この二人だったらしい。

 

「……当たり前よ。この潤座桔梗様に、出来ない事なんて無いんだから!」

 

『QUEEN BEE!』

 

「その通りだ、桔梗。そして僕は、君に尽くすという誓いと、心からの愛情を持って戦おう……女王を守る騎士の様にね!」

 

『WASP!』

 

ロズヴィーの言葉を受けた桔梗と敦子は、それぞれ黒掛かった黄色と赤の魂塗料が注がれた「ネガラーリライントペンQ(クイーンビー)」と「ネガラーリライントペンW(ワスプ)」を起動。

 

そのまま桔梗は右手に、敦子は左手にネガラーリライントペンを突き刺し、溢れ出した魂塗料に包まれていく。そして魂塗料に全身を包まれた二人の姿は、正しく蜂女とでも言うべきネガラーへと変わっていた。

 

桔梗は、黄色くボンテージドレス風の特徴があり、手には先程も使っていた鞭を持ち、腰には鋭く蜂をイメージした装飾のあるレイピアを差した「クイーンビー・ネガラー」に。敦子は、赤く女騎士風の特徴を持ち、両腕に蜂の腹部を模した大盾と激突槍を装備した「ワスプ・ネガラー」となったのである。

 

「アハハッ☆やっぱり二人とも面白いね☆私達と同じ様になるまで、後もう少しって感じ☆」

 

『アタシは……この力で全ての頂点に立ってやるわ……絶対に!』

 

『桔梗。やはり素敵だよ……君は』

 

歪色衆に匹敵する程、強い力を得つつあるクイーンビー・ネガラーとワスプ・ネガラーの様子に、ロズヴィーは無邪気に喜ぶのであった……

 

 

 

~アートショップ月城・地下トレーニング室~

 

「どうしたんだい?紫織。ここ最近、元気が無い様だけれど……」

 

「そう見えますかぁ……?」

 

「紫織の魂色、色々な感情が混ざり合って、嫌な色をしているからね。原因は「彼女」だろう?」

 

「……まあ、その通りですぅ」

 

数日後、アートショップ月城の地下に、新たに増築されたトレーニング室にて。何の感情も込められていない事を表す「透明」の魂塗料を用いて再現された、数々のネガラー達と広い駐車場めいた空間。

 

それを相手に模擬戦をしている、色希こと仮面ライダーカラーズは、部屋の端に体育座りして此方を見ていた紫織に元気が無い事と、その原因を察していた。

 

「感情を読み取れない魂色、塗り潰した存在を消し去る魂塗料、シルエスへの復讐……こんな危ない要素しかない彼女……塗間黒奈」

 

「そんな人が仮面ライダーだなんて……私は嫌。仮面ライダーは、ネガラーから人々を救う存在のはずですから……色希以外に居て欲しくないんですよねぇ」

 

「そう思ってくれる事が、ボクは嬉しいな。染まれ、迸る……雷光の黄」

 

『YELLOW!』

 

それはやはり、あの塗間黒奈こと仮面ライダーフィールズであった。自身とは何もかもが真逆な彼女を、紫織は受け入れられなかった。同時に、仮面ライダーは色希の様な人間であって欲しいという思いを吐露する紫織を、何処か嬉しく思いながらカラーズはイエローカラーズリライントペンを取り出し、起動する。

 

「第三の……カラード・リミックス!」

 

『CHANGE COLORS! WHITE and YELLOW!』

 

「仮面ライダーカラーズ、イエロー・パレット。ネガラー、君達に相応しい色は決まった!」

 

カラーズドライバーの右スロットに装填し、スイッチを押し込むカラーズ。電子音声が鳴り響くと、カラーズの全身を走るラインが黄色に染まりながら、稲妻の様に放電。複眼とドライバーの液晶画面も黄色に変わり、後頭部からは稲妻を彷彿とさせるジグザクの形に変化した黄色の魂塗料が飛び出し、カラーズ第三の形態変化「仮面ライダーカラーズ イエロー・パレット」が、遂にその姿を見せた。

 

『FINISH PAINT!』

 

「カラーズペインティング・イエロー!」

 

『YELLOW! COLORS PAINTING!』

 

イエロー・パレットの特殊能力により、カラーズエッジが二本に増え、それを逆手で構えたカラーズは片方の持ち手に設けられたスロットへと、イエローカラーズリライントペンを装填。

 

そのまま全身に雷光を纏うと、目にも止まらぬ高速移動と共に黄色い魂塗料の鋸めいた刃と化したカラーズエッジを振るい、残り全ての仮想ネガラー達を斬り刻む「カラーズペインティング・イエロー」を発動。

 

再びカラーズの姿が見えると同時に、仮想ネガラー達は許容範囲を超えるダメージを受けた事により消滅。カラーズが変身を解除し、色希の姿に戻ればトレーニング室の空間も元の何も無い待機状態に変わり、床の中央部分には大きくNという英文字が刻印された透明なリライントペンが、特殊な装置に装填されていた。

 

「お疲れ様でぇす。ここの初使用はどうでしたかぁ?」

 

「ああ、凄く良かったよ。でも、これだけの規模の部屋、一日でどうやって造ったのさ?」

 

「フフフッ、企業秘密ですねぇ」

 

そのリライントペンを引き抜き、色希と共に隣の部屋へと戻りながら、他愛ない会話を交わす紫織。声のトーンと自身の目に映る魂色から、漸く彼女が幾らか元気を取り戻した事に、色希は安心する。

 

(良かった……紫織に元気が無いのは、ボクとしても辛いからね……)

 

「さて、トレーニングを頑張った色希に、ご褒美をあげちゃいまぁす」

 

「これは……塗間黒奈がくれた……」

 

「グリーンカラーズリライントペンですぅ。どうやったかは知りませんが、確かに調整済みでした……でも、色希が使うリライントペンを調整するのは、私の役目ですから。なので、改めて再調整したんです」

 

それぞれが使う椅子に座り、備え付けられていた冷蔵庫から色希はペットボトル飲料のメロンソーダを、紫織は青い電撃が描かれた缶のエナジードリンクを取り出し、飲み始めていく。

 

その最中に、紫織は机の上に置いていた美しい緑色に染まったリライント・クリアブックを開き、彼女の手で改めて調整されたグリーンカラーズリライントペンを取り出し、色希に投げ渡す。

 

「フッ……紫織の優しさも感じられるけど……ボクに尽くす事が「喜び」かい?」

 

「……!?あっ、当たり前じゃないですかぁ。私、色希の事が大好きなんですから……」

 

「ボクも大好きさ……紫織の事が」

 

それをキャッチした色希が、眼鏡のズレた直色ノ魔眼でグリーンリライントペンを見ると、そこから紫織の「優しさ」や「親愛」の感情を見れた事を嬉しく思い、それを言葉にされた紫織も顔を真っ赤にしながらエナドリを数口飲みつつ、改めて色希への愛情を言葉にして返答する。

 

「さて。今日は定休日だし、上に行って昼食でも作ろうか」

 

「良いですねぇ。折角ですから、色々食べたいですぅ」

 

「それじゃあ、まずは買い出しに……!」

 

お互いに微笑みながら、自身の飲み物を飲み干した二人は空になったペットボトルと缶をゴミ箱に捨てつつ、上の階への階段を昇っていく。そして、二人で昼食の為の食材を買いに行こうと、店側に続く扉を開けた色希の目の前に……「彼女」は居た。

 

「Hello。仮面RIDER COLORS。ちょうど良いTimingだな」

 

「塗間黒奈……!悪いけど、ボクはこれから紫織と買い物に行くんだ。昼食を作らないと」

 

「その通りです……今すぐ出て行ってくれますぅ?」

 

「That's impossible。何故なら。お前達二人をCallしているNEGALORが現れた」

 

丸い樽の様な少し大きめの紙パックを抱え、出来立てのフライドチキンを骨ごと食べながら待ち構えていたのは、黒奈だった。色希も紫織も、彼女に店を出て行って欲しい事を口にするが、非情にもネガラーが現れた事を告げられてしまう。

 

「ボクらを呼んでいるだって?歪色衆は、ボク達の事を何でも知っているのか?」

 

「さあな。私のやる事は変わらない。NEGALORを……deleteする」

 

「それで無実の人々を巻き込む癖に、何を言っているんですか……許しませんよ」

 

「お前にauthorityは無い。否定したいなら。自分で戦え」

 

歪色衆に、自分達の情報が予想以上に知られている事に驚く色希を後目に、紫織と黒奈二人の雰囲気は最悪な物となり、完全なる一触即発の状態だった。そんな二人を見る、眼鏡を外した色希の直色ノ魔眼には、強い怒りを示す赤と、相変わらず感情の読み取れぬ黒の魂彩光が映っていた。

 

「そこまでだ、二人とも。気持ちはどうあれ、ボクは仮面ライダーだ……ネガラーを止めるよ」

 

「色希……でも……」

 

「万が一の時は、君の事も止める。それだけは、分かって貰うよ?塗間黒奈」

 

「…………OKだ」

 

しかし、今はネガラーを止める事が最優先。そう思った色希は、紫織と黒奈の肩に手を置いて説き伏せる。それにより、何とか落ち着いた二人を伴って、色希は自分と紫織を呼んでいるネガラーの元へと向かうのであった。

 

 

 

~彩虹町・橙広場~

 

「ここか。ボクらを呼ぶネガラーが待っているのは」

 

「…………」

 

「That's right。見ての通り。異様な光景だ」

 

彩虹町に幾つかある広場の一つである「橙広場」。そこに、紫織をカラーズチェイサーの後部座席に乗せてきた色希と、前輪が2つある漆黒の車体に白いラインが引かれたバイク「フィールズブレイダー」を駆る黒奈が到着。

 

そんな三人の目の前に広がっていたのは、わざわざ何処からか持ってきたらしい豪華な装飾の施された玉座に足を組んで座っている桔梗と、その隣に腕を組んで立っている敦子に対して跪いている、大人数の男女という異様な光景だった。

 

「来たわね、仮面ライダー!貴方達二人を倒して、アタシがこの世の頂点に……って、あら?」

 

「おやおやおやおや!この前、橋の上で物憂げそうにしていた、美しいレディじゃないか!」

 

「きゅむぅ……!あの人ですよ、私をナンパしてきたり、夫婦漫才を繰り広げていたのは……!」

 

その二人と面識があった為に、紫織は思い切り嫌そうな反応を示す。色希も、漸く見つけた紫織を困惑させたという人物が、まさかのネガラーになっている事態に頭を抱えてしまい、黒奈だけが相変わらずの無反応なままであった。

 

「誰が夫婦漫才よ!?アタシは潤座桔梗!この世の頂点に立ち、全てをひれ伏せさせる女王になるべき存在よ!」

 

『QUEEN BEE!』

 

「そして、改めて名乗らせて貰うよ、美しきレディ!私は赤刺敦子、桔梗に仕え支える事が使命の、忠実なる情熱の騎士さ!」

 

『WASP!』

 

紫織の言葉に激昂しながら、桔梗と敦子はそれぞれのネガラーリライントペンを起動。左手と右手に突き刺し、クイーンビー・ネガラーとワスプ・ネガラーに姿を変える。

 

それを見た色希は紫織を下がらせながら、カラーズドライバーとホワイトカラーズリライントペンを取り出し、黒奈もフィールズスプライザーとフィールズリライントブラックボトルを静かに構える。

 

「ボクの大事な紫織に手を出そうとしただけじゃなく、ネガラーになってしまうなんて……有り得ない」

 

『WHITE!』

 

「どうでもいい。私はNEGALORを全てDeleteする。それだけだ」

 

『BLACK!』

 

「始まり。全てはここから……万能の白!」

 

「I DYE DYE EVERYTHING ALL BLACK」

 

リライントペンとリライントボトルを起動し、それぞれの口上と共にドライバーとスプライザーに装填した二人。待機音声が鳴り響く中で、色希は右斜め上へ左腕をゆっくり伸ばし、黒奈は右手で持ったスプライザーを胸の前で斜めに構えると、戦いの始まりを告げる例の言葉を呟く。

 

「「変身/HEN-SHIN」」

 

『CHANGE! COLORS of WHITE!』

 

『SPRAYTED! Graffiti Scribble Scrawl! FILLDS Complete!』

 

「ボクの名は、仮面ライダーカラーズ。ネガラー、君達に相応しい色は決まった!」

 

「仮面RIDER FILLDS……塗り潰してやろう、私のColorに」

 

お決まりの言葉と同時に、色希が左腕を回してドライバーに置いた手の指でリライントペンのスイッチを押し、黒奈が二体のネガラーを狙う様に伸ばした右手に持つスプライザーの引き金を引けば、二人の変身アイテムから電子音声が鳴り響く。

 

それと同時に、白と黒の魂塗料という互いに対極的な性質を持つエネルギーが、それぞれ真逆の印象を与える形で色希と黒奈の姿を、仮面ライダーカラーズと仮面ライダーフィールズへと変身させる。

 

そして、二人が決め台詞を言うのと同時に、クイーンビー・ネガラーが右手に持つ鞭で地面を勢いよく叩く。それにより、跪いていた者達が一斉に立ち上がると、ワスプ・ネガラーが大量のネガラーリライントペンSO(ソルジャー)を、ばら撒く様に投げ渡す。

 

『SOLDIER……!』

 

「さあ、行きなさい!アタシの下僕達!」

 

「この物量差なら、例え仮面ライダーでも苦戦は必須さ!」

 

それを掴んだ彼ら彼女らは、迷う事なくネガラーリライントペンSOを起動し、己の身体の様々な部位へと突き刺していく。そのまま様々な色をした魂塗料に包まれ、ソルジャー・ネガラーへと変化するとシンプルなデザインの剣と銃を装備し、カラーズとフィールズに突撃していく。

 

「ソルジャー・ネガラーは兎も角、ボクは紫織をナンパしようとした方を相手するよ」

 

「好きにしろ。NEGALORは。全てDeleteするだけだ」

 

『SPEAR!』

 

それに対して、カラーズはスピアーリライントペンを起動してカラーズスティンガーを生成、カラーズエッジも抜刀しながら自身に攻撃してきたソルジャー・ネガラー達を次々に斬り伏せながら、ワスプ・ネガラーの元へと向かって行き、フィールズも自身を取り囲んできたソルジャー・ネガラー達を、黒の魂塗料を纏わせた鋭い蹴りとスプライザーによる斬撃と射撃で、瞬く間に片づけていく。

 

 

 

「君が彼女の伴侶たる存在か!手を出そうとして悪かったね!だが、あんなにも美しい女性に、私は声を掛けずにはいられないのさ!」

 

「何て悪癖だ。流石に少し、腹が立って来たよ……!」

 

『RED!FINISH PAINT!』

 

「受けたまえ……ボクの怒りの刃を。カラーズペインティング・レッド!」

 

『RED! COLORS PAINTING!』

 

ソルジャー・ネガラー軍団を、文字通り斬り抜けたカラーズはワスプ・ネガラーとの戦いを開始。両手に持つ武器で次々と斬撃を放つカラーズだが、その全てを左腕に装備した大盾に弾かれながら重く鋭い激突槍の一撃を逆に食らう。

 

しかし、ワスプ・ネガラーの態度と言動に段々と耐えられなくなったカラーズは、カラーズスティンガーを背中に差して固定しつつ、ホルダーから取り出して起動したレッドカラーズリライントペンをカラーズエッジに装填。

 

巨大な大剣の様な形態に変化し、燃える様に赤い刀身カラーズエッジを両手で握り、大きく跳躍してから叩きつける様な斬撃を放つ「カラーズペインティング・レッド」を発動する。

 

「ぐうううううううううううううううううううっ!?君も、中々に情熱的な愛を持って、戦っているみたいだ……!」

 

「当然さ。ボクの、紫織への愛は……誰にも負けないよ」

 

流石のワスプ・ネガラーと言えども、カラーズが放った必殺技を防ぎ切るのは難しく、大盾に大きな斬り傷を付けられながら、胴体を幾らか斬り裂かれてしまう。それなりに距離を取るも膝を付いてしまったワスプ・ネガラーは、目の前のカラーズも自身と同じ様な感情を抱いている事を知りながらも、己が尽くす者の為に再び激突槍を構えて立ち向かって行った……

 

 

 

「どんどん来て戦いなさい!アタシの下僕達!」

 

「The rabbleな雑魚か。邪魔だ」

 

『TWO INJECTION! FILLDS BREAK!』

 

一方その頃、クイーンビー・ネガラーの鞭による地面叩きにより、次々と現れるソルジャー・ネガラー軍団を、フィールズは容赦なく二回ブラックインクを押し込んだスプライザーの刃から、黒の魂塗料によって形成した禍々しい斬撃波を無数に放ち、一気に殲滅していた。

 

「やるわね、仮面ライダー?良かったら貴女も、アタシの下僕にならない?」

 

「No。NEGALORは私の敵。絶対にDeleteするべき存在」

 

「そう。だったら……貴女もアタシに、ひれ伏しなさい!」

 

クイーンビー・ネガラーの誘いを直ぐ様に断るフィールズ。そんな彼女に対して、クイーンビー・ネガラーは腰に差していたレイピアを抜いて構えながら、まずは勢いよく振るった鞭による連撃をフィールズに浴びせる。

 

「この鞭は特製なの!打たれれば、打たれる程!蜂に刺された様な激痛が、貴女を襲う!」

 

「……」

 

「その痛みで動けぬ貴女を鞭でしっかり拘束したら……次はこのレイピアで!」

 

更に鞭を幾重にもフィールズの身体に巻き付けたクイーンビー・ネガラーは、踊る様なステップで彼女に接近すると、そこから目にも止まらぬ高速の突きを次々と放っていく。

 

「アタシは元フェンシングのプロ選手!大会だって何回もチャンピオンになったわ!その腕前で放つこのレイピアには、強力な毒が塗り込んであるのよ!」

 

「ほう……」

 

「だから、抵抗しないと貴女は死ぬって訳!嫌ならアタシにひれ伏し、下僕となりなさい!」

 

「その必要はない」

 

クイーンビー・ネガラーの話を聞き終えた瞬間、フィールズは全身から黒い魂彩光を放ち、自身を拘束していた鞭をバラバラに引き裂くと、そのままクイーンビー・ネガラーが放った突きを受け止め、握り取ったレイピアの刀身を捻じ曲げてしまう。

 

「えっ…………?」

 

「黒の魂塗料のPower。それは如何なる色にも染まらず。全てを無にする。PainもPoisonも私には効かない」

 

「そ、そんな!?余りにも無茶苦茶……キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!?」

 

全身の装飾を触手の様に激しく蠢かせながら、フィールズはクイーンビー・ネガラーから受けた攻撃の痛みも、レイピアから注入されていたはずの毒も身体を覆う黒の魂塗料の持つ特性によって全て無効化している事を明らかにしつつ、スプライザーによる連続射撃でクイーンビー・ネガラーを撃ち抜いていく……

 

 

 

「……!?桔梗!すまないが、君とこれ以上戦っている訳にはいかなくなった!」

 

「残念だけど、加勢させる訳にはいかない」

 

「私にとって桔梗を助ける事や支える事は、この上ない情熱と喜びを与えてくれる物なんだ……それを邪魔するのなら、君の大切な彼女には悪いけれど倒させて貰うよ!」

 

「喜び……か。ならばボクも、紫織から受け取った最上の喜びの力で……相手をしよう」

 

その光景を見たワスプ・ネガラーは、大きく焦りながらも怒涛の攻撃を繰り出してカラーズを倒そうとするが、負けじとカラーズエッジによるカウンターで互角に戦い続けるカラーズ。お互いに大切な者への強い感情を抱く二人の全身からも、赤と白の魂彩光が溢れ出す。

 

『GREEN!』

 

「染まれ。舞い回る……旋風の緑!」

 

『CHANGE COLORS! WHITE and GREEN!』

 

そしてカラーズは、グリーンカラーズリライントペンをホルダーから取り出して起動し、右腕を大きく回しながらドライバーの右スロットに装填すると、新たな口上と共に形態変化(カラード・リミックス)を発動。

 

緑色の魂塗料が、竜巻の様にカラーズの周囲を回転しながら全身を包み込むと、瞬時に変身を完了。全身に走るライン・複眼・ドライバーの液晶画面は緑色に染まり、手足のラインからは緑色の旋風が止めどなく吹き出し、頭部のペン先めいた装飾からは大きな竜巻の様に螺旋を何重にも描いた緑色の魂塗料が放出され、硬化している姿「仮面ライダーカラーズ グリーン・パレット」となった。

 

「仮面ライダーカラーズ グリーン・パレット。このまま、決着を付けさせて貰おうか」

 

「それは此方の台詞だよ!」

 

「四手で……決める」

 

「……!?」

 

盾で自身の身体を守りながら、槍を真っ直ぐ構えて文字通りの突撃を放つワスプ・ネガラー。極限まで高まった赤い魂色が示す感情の全てが炎となって彼女の全身を包むが、カラーズが突き出した左手から放たれる緑色の魂塗料による強烈な旋風により、いとも容易く突撃を止められながら魂色・魂塗料・魂彩光が限界まで抑え込まれてしまう。

 

「一手目。緑色の魂塗料が持つ、ネガラーが暴走する要因の感情全てを、強制的に鎮静化させる」

 

「あっ……あああっ……!身体に……力が入らない……!」

 

「二手目、カラーズエッジとスティンガーの合体。三手目、必殺技の発動だ」

 

『COLORS IMPACT GREEN!』

 

静かに呟く様にして、己の手順を説明していくカラーズ。合体したカラーズエッジとカラーズスティンガーの形は、まるで双刃剣の様に見える。それを左手に持ちながら、右スロット側のリライントペンのスイッチを長押し。今までの戦いの中で初の動作で、必殺技の発動待機状態に入る。

 

「これで四手目……君をネガラーから、元の人間へと戻すよ。カラーズインパクト・グリーン!」

 

「い、嫌だ!私は桔梗を……助けなきゃいけないんだぁ!」

 

「なっ……!?」

 

合体したエッジとスティンガーを、緑色の魂塗料で包み込んで弓へと変えたカラーズは、更に右手へと持ち替えながら、左手で魂塗料の弓の弦を強く引き絞って同色の魂塗料の矢を生成。それに全エネルギーを手中させて発射する「カラーズインパクト・グリーン」を発動。

 

何とか力を振り絞って、大盾を再び構えたワスプ・ネガラーだったが、それも空しく大盾ごと左腕と胴体を撃ち抜かれ、敦子の姿へと戻り始めていく。

 

それでも遠目に見えた、今にもトドメを刺されそうなクイーンビー・ネガラーの姿を見た瞬間、大盾が完全に砕け散るのも構わずに猛スピードで彼女の元へと飛翔する。そして……!

 

 

 

「貴様という作品の。Finishだ」

 

『BLACK INJECTION! SPRAYNG END!』

 

「た、助けて……!敦子ォ!」

 

「勿論だよ。私が愛する……桔梗」

 

目を背けたくなる程に、ズタボロに追い詰められたクイーンビー・ネガラーに対し、最大の必殺技を発動して右足に黒の魂塗料を集束させて、漆黒のエネルギーを纏った踵落としを放つフィールズ。

 

しかし、それが直撃したのは間一髪の所で、クイーンビー・ネガラーを庇う事が出来たワスプ・ネガラーだった。そして、その代償に彼女は人間に戻ったとしても黒の魂塗料により、存在が消滅する事が確定した瞬間でもあった。

 

「見ちゃいけない、紫織!」

 

「そんな……仮面ライダーが……人を……」

 

「嫌……嫌よ……嫌アアアアアアアアアアッ!勝手に消えないで!アタシを置いていかないで!?敦子!敦子オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!」

 

「き……きょう……ごめ……」

 

「NEGALORの癖に。離別へ思いを馳せるなど。Shame on you」

 

そんな中で、フィールズが放った言葉。それを聞いた瞬間、クイーンビー・ネガラーの心の中で、幾つもの魂色が滅茶苦茶に混ざり合い、並の人間が作れる限界を超えた量の魂塗料が全身から溢れ出し、今にも消えようとしている敦子も取り込み、融合していく。

 

『ユルサナイ……ユルサナイユルサナイ……ユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイ!』

 

「NEGALORの。融合か」

 

「こんな事になったのは……君のせいだ、仮面ライダーフィールズ……」

 

二人の仮面ライダーと、絶望に染まってしまった様に見える紫織の前で誕生したのは……強い怒りの赤・深い哀しみの青・赤と青の魂色が混ざり合った事で新たに生まれた紫、そして強すぎる憎しみが生み出す黒の魂塗料で構成された、巨大で禍々しい蜂の化け物めいた新種のネガラーであった。

 

 

 

「遂に発動したか。魂重色(ソウルカラー・オーバーラップ)が」

 

その光景を、遠くのビルに居たゴールディーが心から嬉しそうに見ているのを、誰も知る由は無い……

 

 

 

ネガラーである者を救う事が、カラーズには出来るのか。ネガラーに対しての復讐を、フィールズは止めようとするのだろうか。その答えが出る時まで、二人の戦いは続くのである!




皆様、如何だったでしょうか?

まずは、漸く見せる事が出来たカラーズのイエロー・パレット!しかし、今度は実戦ではなく、トレーニングの中でという……次こそは、本当の意味で活躍させたいですね(汗)

続いては、更に登場した4つ目のカラード・リミックスたるグリーン・パレット!劇中では分かりにくいかもですが、ネガラーの中で暴走する感情を沈静化させたり、普通に風を操って浮遊したり、広範囲を攻撃したり、魂塗料で武器の形を変えたりと、多彩な特殊タイプの姿です!因みに、これでカラーズの基本的なフォームチェンジは、全て揃いました!

さて、そんな中で今回のネガラーとして現れた、初のネームド有りのゲストキャラ、桔梗と敦子。女王様気質な桔梗と、イケメン系なのに何処か残念な敦子というコンビです!

今までのネガラーよりは、遥かに強いのですが……それを発揮する事が殆ど出来ずに、最後は敦子がフィールズの魔の手?に掛かってしまいました。

しかし、そのフィールズの失言によって、桔梗の感情が暴走。謎の巨大ネガラーへと変貌してしまいました……!果たして、ここからどうなる事やら。

最後に、ゴールディーがまた意味深な言葉を呟いてましたが、それが意味するのは何なのか。それは次回以降で明かされる予定です!

それでは、今回はこの辺で。皆様からの感想・アドバイス・誤字脱字、お待ちしております。蒼ニ・スールでした!
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