「ん、あー…診査の結果だが…お前、後3ヶ月で死ぬぞ。最大3ヶ月な? ともすれば明日にでも死ぬかもしれん。…すまん、こればっかりはどうすることも出来ねぇ」
───まさか定期検査にきて、いきなり余命宣告を受ける事になるとはな…。
少し現実味がないのか、ゆめうつつな状態ではあるが、どうやら俺は後少しで死ぬらしい。
困ったものだ。残っている依頼はあるし、待ってくれている家族もいる。だというのに、死ぬのか───。
「一つ方法がないでもないが…テメェは拒否るだろうよ」
その声に伏せた顔をあげる。…今は生き延びるべきだと思う。だからその方法とやらを聞かせろと。
だが目の前の男は苦虫を噛み潰したかのような顔でこちらを睨んでいた。お前に教える事などないと言いたげに。
「───とりあえず帰れ。体調やら精神やらが辛いならタクシー代くらいは出してやるからタクシーで帰れ。車はこっちで回収しとくからよ。また明日にでも来やがれ、今日は奥さん達に顔出しとけな」
「…わかった。今までありがとう、定期検査はかなり助かっていた」
一言礼を言い、そのまま病室を去る。なんとも言えない顔をしていた
結局、お言葉に甘えてタクシーを借りて家まで帰ることにした。
「…どうしたものか」
家族に、友人達にどう説明しようか…と、考えたとき、何故死ぬのか、原因を聞いていなかったことに気づいた。
聞いておけばよかった。どうせ奴は業務中につき〜等と適当な理由付けで業務外でも電話にでないだろう。あの仕事馬鹿はそういう男だ。よほどの有事でもなければ連絡が取れない。
「…どう言えばいいんだ、本当に」
俺の状態を知ってそうな奴は後一人いるが、そいつもそいつで多忙だから期待できない。
仕方ないから
取り敢えずこのことは連絡がとれる(だろう)明日に内容を聞いてから伝えよう。流れ行く景色に黄昏れながらそう考えた。
◆◆◆
「…あっ、あいつに内容伝えてねぇ…が、まぁいいか。どうせあっちから聞いてくんだろ」
コーヒーを啜りながらそう呟く。そもそもあいつの
問題はむしろここからだ。あいつは本当に猶予がない。3ヶ月と言っても、それこそ明日には
何せ
「ったく…我が弟様は、どーしてこうも面倒事の渦中に居続けるのかね」
───その言葉に返答はなく。俺もまた返答を期待することなく帰り支度をするのだった。
◆◆◆
「……こう、これで───は、気休め…延命にもなら───だが、やらないよりは──────────すまん」
「っ───! ……?」
聞き覚えのあるような、無いような声に意識を覚醒させる。しかしそこは俺の自室ではなかった。
「霧…霧? 近くに霧が発生しそうな所など…む?」
言葉を紡いで、声帯に違和感。それだけではない、こころなしか…いや、そんなレベルではない。
明らかに目線が低い、それに体が些か軽いような気がする。今はどうやら木にもたれかかっている──この時点で意味不明だが──が、それを加味しても目線が低い。
一体、俺の身に何が…? もしや、死んだのだろうか。
死んだのならば納得だ。実体を持たない霊体に重さなどない───声帯の違和感と目線の低さに説明はつかないが。
それに、絵や物語で登場する「あの世」とはかなり違う気がする。俺が逝くのは
───やはり俺は死んでいないのか?
正直な話、突然見知らぬ場所に…なんて事は、今までにも何度かあった。だが今回はそんなきざしは見えない。
もしや俺が死ぬと言われたモノが原因なのだろうか。
自分を観察する。どうにも服装は寝間着ではなくいつも着ている格好だ。となるとスマホは…? ある。急いで確認するが…。
「…圏外。電波がないのか? しかしそんな場所現代社会にそうそう存在するか…?」
電波がないのか圏外で、ほとんど役に立たなかった───が、液晶画面に映る自分を見て、驚愕した。
「───女?」
映っていたのは、俺ではなく女。しかしその女は俺の動かした通りに体、表情を動かしている。
言い逃れなど出来ない。画面の女は、間違いなく"俺"だ───。
駄作です。続けるか続けないかはモチベ次第、後リアル次第によります。
主人公最強…? です。主人公は最強! と言える程ではないですが、程々にチートです。次回以降(続けば)その片鱗が見えてくるかと。