一旦冷静なろう、落ち着きは大事だ…と、自分に言い聞かせはや数分。現実を受け止められるようになってきたが、やはり解せない。
「俺は…一体どうなったんだ…」
何故女になったのか、此処は何処なのか、家族や友人達は無事なのか…何もわからない。
初めてかもしれない。ここまで"未知"に溢れた状況での探索は。
とはいえ何もしないわけにもいかず…嫌な予感がするものの、
「───接続、かい、っし───!? がぁっ…痛ッ…!? なんで…あ───く…はぁ、はぁ…危なかった…ぐっ……もう少し続けていたら、
今までにない感覚。あれは───
俺はとある理由により、痛覚を始めとしたいくつかの人間の機能が正常に働かない状態になっていた。であるのに、激痛が体を、脳を駆け巡った。
「…もしや、この体はそういう機能が正常なのか? それしかないか…二度と使いたくなくなる程の痛みが与えられるとは…視てる最中だったから、まだ完読していないのに。…流石に使う気には、なれないな…」
それは元始からのすべての事象、想念、感情が記録されているという世界記憶の概念である。
残念ながらこれは机上の空論ではなく実在のもの。俺はそれに"眼"で繋がる事が──と、そこで気付く。
「───眼鏡、は? 眼鏡がないのは、不味い…!」
俺は何秒、
…仕方ない。俺は
「…はぁ、アクシデントしか起きないな、
話が逸れた。俺の眼についてはまた後で考えるとして、話を戻すか。
───此処は"幻想郷" 。過去に否定された妖怪や神やらが跋扈する"魔境"で、妖怪達にとっては"最後の楽園"。
日本の山奥かどこかにある"博麗神社" なるものから──"博麗神社"以外にも"入口"になりえる場所はあるようだが──運が良ければ、あるいは招かれれば"
それに加えて、"スキマ妖怪"というこの郷を創った賢者の大妖怪に"神隠し"されて来るというパターンもあるとか。
妖怪や神様は、科学の発展した現代では過去の人間の語る夢幻であるとされ、否定された。そういった存在は"存在を忘れ去られた"として、ここに招く事もあるらしい。有名どころで言えば鵺とか、平安時代の妖怪やら鬼やらは大抵ここにいると思ってよさそうだ。
他にも信仰の無くなった神がここに移住してきたり、童話や伝説に語られる登場人物に
そして、此処は外界──"外の世界"と言うらしく、俺がいた場所、世界の事を主に指すようだ──に見つからないように結界が2つ張られているようだ。
その内1つは先の"博麗神社"の巫女──とはいえ"こちら側"の"博麗神社"を指しているが──が張っていて、もう1つは先の"スキマ妖怪"が張っているようだ。
…以上があの一瞬で流れ込んできた情報、記録だ。もっと細かく読み取れる情報もあるがそれをすると本当に死にかねないので使わないようにする。
にしても、探偵として様々な事件を調べたり解決したりしてきたが、こんな神秘の塊のような場所が存在するとはな…。
それだけじゃない。今まで遭遇してきた神隠しの事件のいくつかは、"スキマ妖怪"のせいかもしれないのが、なお厄介だ。何せ普通の方法では捕まえようがないのだから。
しかしそう考えると、俺は件の"スキマ妖怪"に会っていないし"神隠し"された覚えもない。
勿論昨日──おそらく昨日のはずだ──はあのまま家で過ごしてそのまま就寝した。"博麗神社"は勿論、"入口"になりえる場所に赴いた記憶はない。
つまり俺はイレギュラー。俺のような存在は"外来人"と呼ばれるらしいが、それは
「…どうすればいいんだ」
たたでさえ死ぬ死ぬ言われていたのに、変な事にこれ以上巻き込まないでほしい。
…嘆いていても仕方ない、取り敢えずは動こう。
「今俺が居るのは…"霧の湖"だったか。幻想郷には海がないようだから事実上唯一の水場ということになるな」
で、あれば…記録の中にある情報によれば"霧の湖"は"紅魔館"という洋館を囲うように存在している。
"紅魔館"の連中は危険度が高い人物が多いが…この際背に腹は代えられない。出来れば人間が多く住む"人里"まで行きたいがこの体が持つかわからないし、
危険ではあるが比較的人間と友好的なようだから、まぁなんとかなるだろう…ならなかったら、その時はその時だ。
───とりあえずとして、俺は"紅魔館"へと足を運ぶことにしたのだった。
駄作が続きました。
主人公は外の世界に居たときからアカシックレコードとか異能とか使えていました。ただし肉体機能が正常ではなく、脳内ダメージを無視出来ていたからこそアカシックレコードが使用できていたのですが。
それと主人公の眼は特別で、制御しきれていません。特に女性になってからは更に制御が難しくなっています。
眼を瞑るの言葉以降主人公はずっと眼を瞑っています。しかし周りは視えています。