絢香 「はじめまして。
悠季 「本来担当で有るはずの姫神と翡翠がボイコットした為、急遽俺達に出番が回って来たという訳だ……面倒な」
絢香 「ぶっちゃけるなて、そんな事を。バカ悠」
悠季 「だって事実だろうが。……で、もう1人の担当の佐々木はどうした」
絢香 「えっとな……『暴走した罰』で休みだと」
悠季 「アホの極みか」
絢香 「言うな」
悠季 「……で、アヤ」
絢香 「どうした?」
悠季 「お前の正体晒さなくていいのか?」
絢香 「私が緋緋神御本人だって言っても驚かんだろう。事実だし」
悠季 「それが一番驚くんじゃねぇのか」
絢香 「詳しい事は追々この作品の大元に載るでしょ。多分」
悠季 「メタいな」
絢香 「それを言ったら負けでしょうよ。タイトルコール行くぞ、悠」
悠季 「解ったよ……。第010弾」
絢香 「顔合わせで相まみえるはバカと不運」
2人 「「どうぞ!!」」
なんか新キャラ出てきたまえがき⑩ 完
数日後、教務科の掲示板に
「うわ、凄い人だかりだな」
ライカがその人の多さに驚愕する。
「そうですね……。かなり多いですね。でも、何故1年が全員参加とは言え、こんなに
ライカの言葉に賛同した志乃ちゃんが思った疑問を口にする。
「えっと……確か、この
その疑問に答えるかのごとく、あたしが発言する。
「なるほど……それならば、こんなに申請する生徒が多いのも納得ですわ」
麒麟ちゃんがあたしの解答に納得の表情を見せる。
その後、あたし達は生徒達の波の隙間を見つけて上手く移動し、掲示板前に辿り着く。
この移動法も実を言うと凪優先輩の指導の賜物であったりする。
掲示板に辿り着いたあたしは自分の名前を探す。
その掲示板には
[第09戦 間宮班 対 高千穂班]
と書かれていた。
対戦相手の名前は…………『高千穂』。
なんかどっかで聞いた事があるよーな、無いよーな名前だ。
「高千穂麗…………強襲科のAランクだぜ」
「確か、C組の級長ですよ」
ライカと志乃ちゃんの情報を聞いて思い出した。
確か、同じ強襲科所属の同学年で、凪優先輩との鍛錬仲間である愛沢湯湯ちゃんと愛沢夜夜ちゃん姉妹の仕えてるお人だったっけ。
へぇ…………志乃ちゃんとライカも知ってるって事はそこそこ有名な人なんだ……。
「
へぇ……つまり、高千穂さんの性格はドSって事はお嬢様気取りで上から目線で話すのがデフォっぽい感じだなぁ……。
そうあたしが思っていた時、背後から、
「──湯湯、夜夜、笑え」
何というか、奇妙な命令が友人の名前と同時に聞こえたので振り返ると、仁王立ちで扇を持って高笑いする金髪の初対面な女子生徒と後ろに控える友人がいて、
笑い声が超音波にきこえなくもない。幸いにも物損は出ていないようだけども。
笑いが暫く続き、あたし達は何も言わずそれが終るのを待っていた。
「──湯湯、夜夜、やめッ」
金髪の女子生徒の号令で女王様笑いが止んだので、あたしは思っていた事をツッこむことにした。
「うわ…………なんかヘンなの出たし。あと、何なの? そのキャラ」
「『ヘンなの』とは失礼な!!」
あたしの指摘に怒り心頭の金髪の女子生徒。
「ちょwwwwあかりwwwww直球すぎんだろwwwww」
そのあたしの発言にライカは腹を抱えて笑っていた。
「あ、湯湯ちゃん、夜夜ちゃん、久しぶり」
金髪の女子生徒が何か怒っていたっぽいけれど、無視して友人に挨拶をするあたし。
「ん。久しぶり」
「そっちも元気そうで良かった」
「お陰様でね…………。あ、凪優先輩が湯湯ちゃん達の事待ってたよ?」
「ゴメン……。最近忙しくて来る事が出来なかったんだ……」
「『一段落したら顔見せる』って伝えておいて」
「うん。了解」
そして必然的に湯湯ちゃん、夜夜ちゃんと会話が弾むあたし。
「この私を無視するなんて…………いい度胸しているじゃない!!」
散々無視されてた金髪の女子生徒……高千穂さんは不服だったらしく喰いかかってきた。
「え? あぁ……ごめん。忘れてた……。ゴメンゴメン」
あたしは棒読みでそう返した。
「んなっ! 謝罪の意志を見せなさいよ! そう……土下座で!!」
高千穂さんは更にヒートアップしたようだ。何故にそうなったのか解んないんだけど。
「はぁ? 何でそうなるの? 全くイミわかんないんだけど?」
あたしは深く溜息をついた。
何故にこんな所で土下座なんてしなくちゃいけないの。
あたしの溜息に更に怒りのボルテージが上昇の高千穂さん。
「…………段々と、畜生具合が凪優お姉様に似てきてますの…………」
その様子を見ていた麒麟ちゃんが呆れの表情を見せていた。
それはどういう意味カナ、麒麟ちゃん……?
「う……麗様、落ち着いて!!」
「そうですよ!! 今日の用事を忘れちゃダメですよ!!」
湯湯ちゃんと夜夜ちゃんが高千穂さんを必死に宥める。
「( ゚д゚)ハッ! そうだったわ……。私の対戦相手がどんなものか見に来たんだけど……ダメそうな対戦相手ね。お父様の武偵高への寄付が効いたのかしら」
復活した途端に高飛車な物言い。『逃げも隠れもしない』っていう自信の現れだろう。
高千穂さんは組長の腕章もしてるっぽいし、物言いからしてあたしの対戦相手なのは確定だ。
高千穂さんは嘲笑うかの様な視線は『
…………実を言うと違うんだけど言わない方がいいだろう。『知らぬが仏』って奴だよね?
「(´・∀・` )アラマァ。戦力にならなさそうなインターンも居るし」
と、バカにするように高千穂さんは持っていた扇の先端で麒麟ちゃんの頬を擽った。
それを麒麟ちゃんの本当の実力を知っているあたしと湯湯ちゃんと夜夜ちゃんは敢えて何も言わずにその様子を見守っている。
今や麒麟ちゃんの
「しょうがねぇだろ。戦妹なんだ」
と、サッと麒麟ちゃんを庇うが、それに対して高千穂さんは
「あら(´・∀・`)、CVRの戦妹なんて、
それはもうまるで退廃的な物を見るかのような目つきで、態とらしく挑発してきた。
その言葉はライカにとっての逆鱗を抉る言葉で一番言われたくなかった言葉らしく、かあぁぁ! と顔を赤くする。
うわ、高千穂さん……煽るの上手いなぁ……。血の気は多いとはいえ、あのライカにモノの数秒で着火させたんだから。
「
なりたてホヤホヤの
「──―ッ!!」
しかしその拳は高千穂さんに届く事はなかった。
振りかぶったライカの右腕は何者かが背後から
アームロック……所謂ところのスタンディング・ハンマーロックの体勢で。
極めつけに首を捻って背後を見ようとするライカの頬には刃物……苦無の先端が突きつけられていた。
「……ライカ殿、お忍びなされ」
……ライカにこんな芸当が出来る同学年はあたしの知る限り一人しかいない。
「「風魔、陽菜(陽菜ちゃん)…………」
あたしとライカが同時にその生徒の名を口にする。
風魔陽菜ちゃん。
『風魔』という苗字から想像出来るだろうが、あの『風魔小太郎』の子孫だという噂がある。
その証拠に一人称は『某』で語尾に『ござる』と凪優先輩に言わせれば『ステレオタイプの忍者』だとか。
キャラが目立つものの、遠山キンジ先輩の戦妹で凪優先輩の弟子でもあるだけあって、1年の中でも上位の強さを誇る。
あたしも凪優先輩との鍛錬中に陽菜ちゃんと模擬戦をした事があるが、大体の勝率が4割くらいかな。それ程油断のできない実力者なのだ。
その証拠に不意打ちとは言え、見事な拘束技術でライカの反撃を受けることなく無力化してみせている。
「流石だね。お見事だよ。陽菜ちゃん」
「この位、あかり殿でも容易き事でござろう?」
「ん……まぁね。ここまで完璧にはいかないけど」
「そうであったな。次回の共同鍛錬の時にて共に学ぶのが良いでござるな」
「そうだね…………。陽菜ちゃんがこの場にいるってことは、今回は
「左様。あかり殿の想像通りでござるよ」
陽菜ちゃんとの会話で何となく解りかけたあたしは高千穂さんに質問を投げる。
「高千穂さん、理由を聞いても?」
「ええ、良いわよ。その風魔陽菜は、使えそうだから雇ったのよ。
高千穂さんは満足そうな顔でそれを自慢げそうに説明してくる。
武偵高では生徒がお金を払って生徒に物事を依頼する事は禁止されていない。寧ろ、推奨されている。
武偵は民間業であり、報酬を取って働く習慣を学生のうちから身につけさせるのがこの武偵高の方針だからだ。
故に生徒同士が何かを無償で手伝う事は非推奨とされている。
あたしはそれを理解していた為、何も口にする事はなかったが、心にはある疑問が残っていた。
あの陽菜ちゃんが高千穂さんみたいな人の下に簡単に付くとは到底思えない。
何か…………言えない理由が有るのだろうか……。
タイミングを見て本人に聞いてみるか…………。
「…………まぁ、武偵はカネで動くからな。分かったよ」
ライカの言葉で現実に戻るあたし。
ライカはまるで、『降参、降参』と言いたげな表情を見せる。
しかしそれは
『武偵はカネで動く』。その事を認めつつ、もう一つの武偵の習性でもある『不意打ち・騙し討ち・降参したフリはアリなんだよ、(ヴぁーか)』を実行したのだ。
「…………なぁーんて言うと思ったか!」
直ぐ様態度を豹変させ、自分の頭部に添えられていた陽菜ちゃんの苦無に噛み付き、そのまま首を捻り陽菜ちゃんの手から
それと同時に極められた腕も動く事なるが、十分に可動域の範囲内である。
ライカの鋭い蹴り足は高千穂さんの側頭部へ
高千穂さん……ライカのあの蹴りを簡単に防御するなんて……かなりできる……!
涼しい顔でライカの右ハイを受け止めた高千穂さんは扇と手首を使ってライカの
右腕を背後から陽菜ちゃんに、右足を前から高千穂さんに
──陽菜ちゃんと高千穂さんは
巧みなコンビネーションで、ライカの身体を右に回転させるような投げ落としを放ってみせた。
その2人のツープラトン技が決まり―
ドガッ!!
ライカは顔面から土の地べたに叩きつけられる。
「う……う…………」
「お姉様!!」
「ライカ!!」
麒麟ちゃんとあたしが呼び掛ける。
だが、へんじがない。ただの しかばね のようだ……
「死んでませんからね?!
ナイス? なタイミングで麒麟ちゃんのツッコミがはいる。
「…………こほん。私の顔にドロを、とか言っていたけれど。ドロはお前の方がお似合いよ」
麒麟ちゃんのツッコミを愕然とした表情で見ていた高千穂さんは仕切り直して発言したあと、(クスクスと嘲笑していた。
あーあ。この状況じゃあたし達はもう退く事ができない。
よりにもよって
だけど、人目があるから売られたケンカから逃げるなんて不名誉だしもってのほか。
それに何よりもライカの仇討ちをしなくちゃね。
「女子だって、やられっぱなしで引き下がるワケには行かねぇんだよ」
それが武偵高流ってもんだ。
「──よくもお姉様を!」
SIDE_OUT……
SIDE_KIRIN
私の放った掌底は風魔様にアッサリと受け止められてしまいました。
「ちぃ……なかなか、やりますわね。流石は風魔様ですわ……」
「そちらも……中々に良い一撃でござるな」
「当たり前ですわ…………! 凪優お姉様に鍛えられていますもの」
「フッ……そうござったか。主様の教えを受けているのであれば納得でござる」
「それを涼しい顔で受けられて、その言葉を貰っても何も嬉しくはありませんわ!」
「それは失敬。しかし、怒りに任せて感情的になりすぎでござるよ」
……それもそうですわね。感情的になって大振りになっていては受け止められて当然ですわね。
一度ここは冷静になって次の攻撃を組み立てないとですわね。
「麒麟殿との勝負も心躍る予感。しかし、この現況だと得策ではござらぬ」
「……何を言っているのですか、風魔様」
私は風魔様の言った意味が理解できず、尋ねます。
風魔様は何も答えず、後ろに視線をみやるとその視線の先には高千穂様達が居ます。
「……成程、
「……委細承知」
風魔様の了承も得た所で始めるとしましょうか。
結果的には味方も欺くことにもなるでしょうが、仕方ありませんわ。『敵を欺くにはまずは味方から』と言いますし。
とはいえど、間宮様あたりは流石に察するとは思いますが。
それに高千穂様の鼻を明かすには今は実力は隠しておいた方が良いでしょうしね。
「……行くでこざるよ? 準備はいいでござるな?」
「ええ。大丈夫ですわ」
さて、ここからですわ! 私の大一番とくとご覧あれ!
SIDE_OUT……
SIDE_AKARI
麒麟ちゃんと陽菜ちゃんの撃ち合いが続く。一手でもミスしたほうが負けを意味する撃ち合いだ。
それでも、お互い本気は出していないようだけど、以前見た麒麟ちゃんと陽菜ちゃんの模擬戦の時と何かが違うんだよな……。
……そういえば、さっき撃ち合いが一瞬止まったような気がする。
陽菜ちゃんはその際に高千穂さんの方を見ていたような……? そして何かを察した麒麟ちゃん……。
あ……(察し)
成程ね、そういう事。
道理で前の鍛錬の時と違う訳だ。
あたしが察したと同時に(茶番の)撃ち合いの終焉は一瞬だった。
麒麟ちゃんが防御に間に合わず陽菜ちゃんの一撃を貰い、よろけてしまう隙を逃さなかった陽菜ちゃんは冷淡に麒麟ちゃんの両耳を挟み込む様に左右同時にビンタする。
その衝撃で麒麟ちゃんは目を回してしまい、ライカの上に折り重なるようにして倒れてしまった。
陽菜ちゃんが使った今の技は『鼓膜破り』といって、三半規管を機能不全にして倒すという風魔忍者に伝わる危険な技だ。実践においてはその名のとおり、実際に鼓膜を破ることもある。
「麒麟ちゃん!」
その技の知るあたしは麒麟ちゃんのダメージを確認すべく麒麟ちゃんのもとへ駆け寄る。その時だった。
左右から迫り来る気配を感じたあたしは気配の感じた方向に取り出した金属矢を投げ、金属矢はあたしに向かってきた湯湯ちゃんと夜夜ちゃんの
「え……嘘っ」
「まさか……人体急所!?」
運動機能が麻痺して動けなくなった湯湯ちゃん&夜夜ちゃん。
「お前……何をしたの!?」
高千穂さんは『アリエナイ』的な表情で叫んだ。
「『何を』……って、人体急所を知ってれば解るはずなんだけど…………」
あたしは溜息混じりで答える。
「金属製の矢を投げて乳様突起を掠めた……のでござるな」
「そうだよ」
陽菜ちゃんの解答が正答だったのであたしは肯定する。
「そんな…………そんな事がお前如きに…………」
「あんまり、人を見縊らない方が良いよ? それで痛い目に遭うこともあるんだし」
わなわなと震える高千穂さんにあたしが次の語句を紡ごうとしたその時だった。
この同タイミングで能力の練習中だったSSRの男子生徒の念動力が暴走して周囲にいた救護科の女子生徒が食べていたクレープが
…………………………。
…………………………。
…………………………。
「いやぁぁぁぁぁぁ~~~~~~っっっ!!!! もぉ、なんでこのタイミングで発動しちゃうのよぉ!? 巫山戯んなよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
まさかの場面であたしの(デバフスキルの)『不運』が発動した。
この理不尽さに絶叫せずにはいられなかった。
「あかりさん!! 大丈夫ですか!? なんなら私がなめt…………」
「お断りだよ!!! そんな事絶対にさせないかんね!?」
志乃ちゃんが(*´Д`)ハァハァさせて此方に向かってきている。
そんなの受け入れたらSAN値直葬まっしぐらなので逃げてでも絶対阻止だ。
「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww(爆)」
高千穂さんは高千穂さんで大爆笑で転げまわってるし…………。
「………………どうする、湯湯?」
夜夜ちゃんが困惑した表情で湯湯ちゃんにこの状況の解決策を尋ねた。
「湯湯に聞かれても困るんだけど……。なんだろう……。カオスだ」
湯湯ちゃんも困惑していた。それもその筈である。
湯湯ちゃんの言う通り、今のこの状況はハッキリ言ってカオスwだ。
「(´Д`)ハァ……先ずは佐々木殿を止めるのが先決でござるな…………」
「「はーい」」
陽菜ちゃんが深い溜息をついて湯湯ちゃんと夜夜ちゃんに指示を飛ばす。
湯湯ちゃんと夜夜ちゃんが志乃ちゃんを羽交い締めにして暴走を止め、陽菜ちゃんが腹パンで意識を沈めた。その後の志乃ちゃんは物言わぬ屍になった。(死んでないけど)
「あかり…………大丈夫?」
「あっ……ありがとう……」
夜夜ちゃんはあたしをゴミ箱から救出し何処からともなく取り出したバスタオルを渡してくれた。
あたしは受け取ったタオルでクレープを拭き取る。
「麗様、大丈夫ですか?」
湯湯ちゃんは高千穂さんの頬をぺちぺちと叩き、笑い転げてる高千穂さんを正気に戻した。
「湯湯…………? えぇ、大丈夫よ。心配かけたわね」
湯湯ちゃんの御蔭で正気に戻った高千穂さん。
「……佐々木志乃」
志乃ちゃんの名前を呼んだが…………
「………………Ω\ζ°)チーン」(※死んでない。気絶してるだけ)
返事が……返ってこなかった。
それもその筈である。先程、暴走したが故に既に陽菜ちゃんが沈めたからである。
「…………何故に気絶してるのかしら? 佐々木志乃は」
いきなりこんな状況になっていて困惑する高千穂さん。
困惑するのはまぁ……うん。当然のことか。
「えっと……端的に言えば『暴走したから』かな…………?」
あたしが答える。
「…………この状況を続けられると、話が進まぬ故、某達の判断で沈めたでござる」
陽菜ちゃんが深い溜息をつきつつ、補足説明する。
「そう…………じゃあ、この話をしても無駄かしらね」
「…………志乃ちゃんの家族と繋がりがあるの?」
「あら……佐々木志乃から聞いたの?」
高千穂さんがあたしの言葉に反応した。
「ううん。志乃ちゃんのお父さんが武装検事だって聞いた事あるから、今の言葉からの推測だよ」
「そう……。ええ、その通りよ。私のお父様は武装弁護士で佐々木志乃のお父上とは裁判所では犬猿の仲なのよ」
「あぁ……そういう事なんだ。武装弁護士の高千穂一族って鳥取出身じゃなかったっけ?」
「鳥取は関係ないっちゃ!!」
あたしの指摘に因州弁で怒鳴る高千穂さんは、どうやら激昂すると方言が出るようだ。
「う……麗様…………」
「お、落ち着いて……」
湯湯ちゃんと夜夜ちゃんが高千穂さんを宥める。
「……オホン。カルテットの班は戦略やバランスを考えて作るべき、なのにお前達は仲良しこよしで作った。私達に勝つのは(ヾノ・∀・`)ムリムリよ」
「『(ヾノ・∀・`)ムリムリ』だなんてよく言い切れるよね」
あたしは高千穂さんの言葉に異議を唱えた。
「何? 文句があるのかしら?」
「『有る』と言ったらどうだって言うの?」
あたしと高千穂さんに剣呑が空気が漂い始めるその時だった。
「えっと……、そこで二人共何やってるわけ? 此処は教務科の前なんだけど」
偶然? 通りかかった体操服姿の凪優先輩が此方に駆け寄って来て、あたし達に注意を促した。
「『何を』って……。唯の事前顔合わせですが、何か?」
高千穂さんが何も無かったかのごとく説明する。
「だったら、そんな剣呑な雰囲気が感じられない筈なんだけど?」
「ちょっとしたアドバイスですよ……それが間宮さんにとっては不服だったようです」
「ふーん。ま、いいけどさ。でもまあ、私的には仲良しこよしでも勝てると思うけどな」
「なっ……何故そんな事を? 何の根拠もないのに」
「え……根拠? 私がそうだったから。だから、絶対勝てないなんて無いし。そもそも物事に『絶対』なんて無いし」
凪優先輩のぐぅ正論である。
まぁ、些か暴論かもだが。
「世迷言を……だから、凪優先輩……貴女は愚かな選択をするんですよ」
「……………………」
「あろう事か以前の戦姉妹試験勝負でこの私を不合格にしてこんなのを合格にするなんて……気が狂ってるんじゃないですか?」
「……………………」
高千穂さんの言葉を凪優先輩は無言で聞いていた。
サラッとあたしの事もDisりつつも凪優先輩に罵詈雑言を浴びせていた。
…………。高千穂さんは命知らずだな。というか、馬鹿か。
あの凪優先輩にあんな事言うなんて、命を投げ捨てるのと同義なのに。『知らぬが仏』と言うか何というか。
それを察した湯湯ちゃん、夜夜ちゃん、それに陽菜ちゃんも思っただろう……『あ…………、バカ』と。
「…………ε=(・д・`*)ハァ……だったら試してみる?」
凪優先輩は大きな溜息をついて、高千穂さんに提案した。
「良いんですか? 私も本気を出しますが」
「
そう言って高千穂さんに『かかってこいよ』とばかりに指をクイクイ曲げて挑発する凪優先輩。
さっきの口調と言い、今の態度といい、完全に怒ってるわ、コレ。
もう結果は言うまでもなく秒殺だわ、コレは。
高千穂さんが挑発に乗った瞬間に凪優先輩が放った殺気にいとも容易く気圧されて高千穂さんは気絶した。
やっぱりか。こうなるとは思ってたよ。
凪優先輩の殺気はある程度の耐性がなければ絶対に気圧されて気絶するのがド安定オチなのである。
因みにあたしと湯湯ちゃん、夜夜ちゃん、陽菜ちゃん、それに途中で意識が戻ったライカと麒麟ちゃんは無事である。
志乃ちゃんは…………まだ気絶したまんまだよ。
気絶した高千穂さんは湯湯ちゃんと夜夜ちゃんが回収していった。
志乃ちゃんはライカに回収して貰った。でも先程意識が戻ったばかりなので、凪優先輩に『鼓膜破り』の処置法を教えて貰っていた麒麟ちゃんに付き添って貰う事にした。
凪優先輩も葵先輩に呼ばれて何処かへ行ってしまった。
残ったあたしと陽菜ちゃんは二人きりになったので、少し話すことにした。
「ねぇ……どうしてなの、陽菜ちゃん」
「『どうして』とは何の事でござるか、あかり殿」
「解ってるんでしょ。本当は。今はあたし達二人しかいないし、隠さなくたって良いよ」
「結論から言えば『依頼』でござるよ」
「『依頼』…………?」
「守秘義務が有る故にこれ以上は言えぬでござるな」
「そう……まぁ、でも何となく察した。だったら、今度のカルテット負けられないな、あたし達」
「それは此方の陣営も同じ事……。だが現状のままでは、良い戦いには為らぬでござるな」
「だったら、お互いに強化した状態で対峙した方が良いよね」
「そう……でござるな。お互い、強化をした後に相まみえる事にするのが良き判断でござるな」
この後、あたしと陽菜ちゃんは無言でグータッチを交わした。
もうこれ以上の言葉はこの場面には不要だろう。
その時、麒麟ちゃんから打ち合わせの旨のメールが届いた。
丁度良い頃合だったので陽菜ちゃんと別れ、あたしはメールで示されていた場所に向かった。
「合宿……?」
ミーティングルーム♯0917に到着したあたしは麒麟ちゃんから合宿を行う事が決定したことを聞いた。
「はいですの! 明日から土日挟みますし、それが丁度良いかと。勿論指導してくださる先輩方も確保済みですわ! 凪優お姉様が」
「そっか……。それはいい考えかも。で……場所は?」
あたしは合宿の開催場所を尋ねた。
「今、借りれる場所をライカお姉様が探しているのですが…………」
そう言って麒麟ちゃんはライカの方に視線を移す。
ライカは学内ネットで合宿場所を探していた。
「ダメだ……。武偵高の合宿施設が高千穂名義で全て借り抑えられている…………」
「うわ、そこまでやるの……?? えげつないなぁ……」
あたしの嫌悪感に同意するかのように(復活の)志乃ちゃんも首を縦に振っていた。
「それなら……私の家を合宿場所として提供します」
志乃ちゃんが提案する。
「……それは止めておいた方がいいよ」
しかし、それに凪優先輩が難色を示した。
「どうしてですか…………? 理由を教えてください」
志乃ちゃんが凪優先輩に問い詰める。
「盗聴・盗撮のリスクあるから。それにこういう風に進むのも高千穂ちゃんの思うツボだもの」
「全て高千穂麗の掌の上と言う事ですか……?」
「そういう事。そういうのは覆してナンボだしね。って事で合宿場所は私が提供するけど、良いよね?」
「そういう事ならば異論ありません」
志乃ちゃんが引き下がり、あたし達は今度の土日に合宿を行う事が確定した。
その後、あたし達は改めてカルテットの勝利を誓ったのであった。
その陰で志乃ちゃんが項垂れていたのは別の話である。
》次回に続くっぽいよ?
葵 「と、いうわけで如何だったでしょうか」
理子 「長いね。前回の約5倍じゃん。文量」
麒麟 「リメイクで更に長くなりましたわね」
葵 「原作で出てきたゴミ箱とか登場させたしな」
理子 「今回は随分と展開を変えてるんだよね?」
葵 「あ、うん。原作通りだと辻褄合わなくなるところあるし」
麒麟 「そういうご都合なんですのね……」
葵 「そういうこと」
理子 「ねぇ、あおちー」
葵 「どうしたのよ、理子」
理子 「まえがきに出てきた二人組誰!?」
葵 「えっと、新キャラ。悠季の方は瑠璃神初の男子高校生オリキャラ」
麒麟 「今まで、高校生オリキャラは女性しか居ませんでしたものね」
葵 「そうだから、バランス調整にと思って」
理子 「バランスて()」
麒麟 「理子お姉様、笑いすぎですわ……」
葵 「頭を冷やそうか?物理的に」
理子 「物理的は勘弁して!頼むから!!」
麒麟 「……綺麗なDOGEZAですわね(呆れ」
真優香「全くだ……(同意」
理子 「何で・・あおちー、サラッと新形態なってんの?」
真優香「別に良いじゃん。こっちがアタシの本当の姿なんだし」
麒麟 「設定も公開してないのに……読者困惑ですわよ」
真優香「前回、チョロっと出たし問題ないだろ」
理子 「そういう問題じゃないでしょ」
葵 「仕方ない……こっちで問題ないでしょ」
麒麟 「戻りましたわね。やはりここではその姿が一番ですわ」
理子 「だねぇ……。ねぇ、あおちーこの辺で終盤の謝辞しとこうよ」
葵 「そうね」
理子 「この話を読んでくれて、更に評価してくれている読者様にも感謝感激雨霰!」
麒麟 「皆様の評価で葵様は執筆を頑張れますから、次回も読んでくださいまし!」
理子 「あおちーのモチベーションと集中力次第だから次回の投稿時期は未定だよ」
麒麟 「ですがなるべく間隔が空かないように頑張りますので、よろしくなのですわ!」
葵 「と、言う訳で、これからもよろしくお願い致します!」
理子 「それでは、また次回」
麒麟 「このあとがきの場所でお会いしましょう。それでは・・・・」
3人 「「「ばいばいっ!!!(ですわ!!)」」]
なんか初登場キャラが居たあとがき⑩ 完