緋弾のアリア Lux Stellae   作:あこ姫

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結衣「皆さん、こんちはー。おひさー!!姫神結衣だよっ」
志乃「皆さん、こんにちは。佐々木志乃です」
翡翠「皆、久しぶりだったな。2週間ぶりだな。翡翠だ」
結衣「ま、私達にとっては3週間ぶりになるんだけど」
志乃「あ、そうでしたね。前回はお休みでしたもんね」
翡翠「ああ。だからか凄く久々な感じだな」
結衣「お蔭でキャラも葵、忘れてんじゃね?」
志乃「そんな事は……たぶん無いかと」
翡翠「そうだぞ、結衣。私ならともかくな」
結衣「まーいっか。で、今回も次回と続き物になるんだっけ」
志乃「はい。今回と次回の2話構成だそうですよ」
翡翠「原作漫画でも3話構成なのを1話で……ってのも葵には無茶なハナシだからな」
結衣「だよねぇ……」
志乃「あはは……えっと、もうそろそろタイトルコール行きませんか?」
翡翠「お、そうだな。長く語りすぎてもあれだしな」
結衣「確かに言えてるね。えっと、第007弾、」
志乃「救われの姫は王子の心を救う」
翡翠「Ⅰ」
全員「「「どうぞ!!!」」」

文章整形して多少はマシになった?長いまえがき⑦ 完



第007弾 救われの姫は王子の心を救う Ⅰ

 麒麟ちゃんの救出劇から数日が経ったある日の朝。

 東京武偵高校の1-Aの教室であたしは志乃ちゃんと一緒に今日の授業の課題をしていた。

 

 教室のドアが開き、ライカが入ってくる時、ライカが普通に入ってくれば、何の違和感も無かっただろう。

 

「ライカ、何やってんの?」

 

 あたしはそうライカに質問をせざるにはいられなかった。

 何故ならライカは麒麟ちゃんを背中におぶった状態で教室に入って来たからだ。

 

「こないだからずっと島が引っ付いて離れないんだ」

 

 え……? マジで!? 

 幾ら何でも、『ずっと』なんて……そんな事は…………

 

「おねーさまー。♥。・゚♡゚・。♥。・゚♡゚・。♥。」

 

 あった。『有り得ない』とか思ったけれどあったよ。

 ライカはげんなりしてて麒麟ちゃんはものすごく嬉しそう……。コレほど凄まじい感情のスレ違いは見た事がないね。

 

「ふんふんふん! お姉様、いいニオイ。♥。・゚♡゚・。♥。・゚♡゚・。♥。」

 

 麒麟ちゃんがライカの髪のニオイを嗅いでいる事に気付いたライカはギョッとしていた。

 

 え゛!? 二人共、もうそこまで進んでんの!? 

 なんかもうあたし、フリーズしそうなんだけども!! 

 

 横では志乃ちゃんが『朝から良い物を拝見…………』と思って羨ましそうにライカ達を見ていた。

 言っとくけど、シノチャン、ソレヲヤッタラワカッテル…………ヨネ? 

 

「だぁ━━━━!! 変態か、お前は!」

 

 あ、ライカがキレた。

 まぁ、うん。イキナリそれされたらそうなるね。うん。

 ライカの叫びに麒麟ちゃんは

 

「はいですの!」

 

 なんと肯定しちゃったよ。そこは否定してほしかったよ! 

 

「いいかげんにしろ!!」

 

 ライカの肘鉄(エルボー)が麒麟ちゃんのボディに突き刺さる。

 

「うっ…………」

 

 麒麟ちゃんはライカから離れ、きゅぅーと目を回して倒れてしまった。

 

「麒麟さん!」

「大変!」

 

 あたしと志乃ちゃんは課題を一時中断し、麒麟ちゃんの下に駆け寄る。

 

「大丈夫!?」

 

 あたしが呼びかけるが、返事がない。

 命に別状はなさそうなので屍になってはいないようだ。なっていたら詰みだけども。

 

中学生(インターン)相手にやり過ぎですよ、ライカさん」

 

 志乃ちゃんがライカを窘める。

 

「………………お、おい」

 

 流石に良心が傷んだのか、ライカは麒麟ちゃんに歩み寄る瞬間を見計らったかのように目を覚ました麒麟ちゃんは素早い身のこなしで

 

「おお、悪い子ぶった黒のレース!! カッコイイですの!」

 

 ライカのスカートを捲ってぱんつを覗いていた。

 

「~~~~~~~~~~~~!!!!!」

 

 ライカ、あまりの恥ずかしさに大噴火。

 やっぱりやられると嫌なんだね…………。

 

 あたしと志乃ちゃんはぽけーと見ていた。

 いや、それくらいしかできないよ…………。

 

 大噴火したライカは麒麟ちゃんに掴みかかる寸前だった。

 その証拠にライカのバックに般若が浮かんでる。

 

 しかも……『屈辱等の怒りが積み重なる程に威力が増す』そんな感じがしそうだよぉ…………。何処のチャージル・サイフォドンなんだよ。

 だからそれも含めて、止めて差し上げて! ライカ! お願いだからぁ! 

 あたしと志乃ちゃんは必死になってライカを止めた。

 

 それを他所に麒麟ちゃんはぴょんぴょんと我関せずといった感じで逃走していた。

 そして、去り際に

 

「ライカお姉様! 麒麟を戦妹(アミカ)によろしくですの゚゚。♥。・゚♡゚・。♥。・゚♡゚・。♥。」

 

 と一言残し、敬礼をして即座に教室から退出していった。あの速さはあたしじゃなきゃ見逃してたね。

 

 それをライカは

 

「二度と来んな━━━━!! (╬゚◥益◤゚)」

 

 とガチ切れして追い返していた。

 あたしはというと志乃ちゃんと一緒に狂戦士(バーサーカー)(一歩)寸前のライカを必死に抑えていたこの時、

 

「麻酔針使って沈めてもいいかな……? イイヨネ?」

 

 と若干イラッとしていた。したらしたで後処理が面倒だからやらなかったけど。

 

 

 

 時間は過ぎてその日のお昼休み。あたしは中庭の渡廊下の近くのベンチで志乃ちゃんとお昼ご飯を食べていた際に話題に上がるのはライカと麒麟ちゃんの事だ。

 

「あのライカを手玉に取るなんてある意味ですごい子だよ。……面倒見てあげればいいのに」

 

 凪優先輩も育成に一枚噛んでるって言うし、相当な実力なんだと思うけどな……。

 

「ですよね。1年で戦姉(アミカ)になれたら立派ですし。確か、去年の首席もそうだったと聞いてますよ」

 

 去年の主席…………キンジ先輩の事か。確か戦妹(アミカ)諜報科(レザド)の風魔陽菜だっけ。

 そして、あたしはふと先程のライカが見せた心配そうな表情を思い出す。

 

「…………? どうかしたんですか、あかりちゃん」

「んーとね、ライカも麒麟ちゃんの事本気で嫌って無い様な感じがするんだよね……。嫌ってたら心配そうな表情なんてしないでしょ」

 

 そうあたしが言った直後だった。

 

「お姉様、ここいらで戦妹にー!!」

「くんな!」

 

 渡り廊下で逃げるライカとそれを追う麒麟ちゃんが居るのに気づいた次の瞬間、

 

「どぅえりゃ━━━━!!」

 

 あろう事かライカは麒麟ちゃんを渡り廊下の外に投げた(ジョナサンも一緒に)。

 

「ちょっ…………おま……!」

 

 あたしは急いで麒麟ちゃんを助けるべく跳んで麒麟ちゃんを受け止め、麒麟ちゃんに衝撃が伝わらない様に優しく着地する。

『着地する時の衝撃を調節しながらすればいい』って凪優先輩、言ってたっけ。

 

「だ……大丈夫!?」

 

 あたしは麒麟ちゃんに呼び掛ける。

 志乃ちゃんはジョナサンを頭で受け止めて、地面に伏していた。

 麒麟ちゃんはぴょんとあたしから降りる。どうやら無事だったようだ。

 

「……ライカお姉様、お星様のように遠い存在…………!」

 

 麒麟ちゃんの芝居掛かった発言にぷいっとそっぽを向くライカ。

 あたしはそれをぽかーんとした表情で眺めていた。

 

「それでも戦妹になりたい……。この私の想い…………!」

 

 目をキラキラさせながらの麒麟ちゃんの独白。

 

「ん……?」

 

 この時あたしはふと思う。

 

 まさか…………麒麟ちゃん、投げられることも、下にあたし達が居る事も想定済だったの!? 麒麟ちゃん、恐ろしい子…………! 

 

「いたたた…………」

 

 さっきまで地面に伏せていた志乃ちゃんがようやく復活。

 その頭にはずっと麒麟ちゃんの持っていたぬいぐるみ……ジョナサンが鎮座している。

 

「なんで、ぬいぐるみなのにこんなに重いんです……?」

 

 そう言いながらジョナサンを退ける志乃ちゃんもケガはないようだ。

 横目でそれを確認しホッと安堵したあたしに…………

 

「間宮様っ!!」

 

 麒麟ちゃんはギュッと抱きついてきた。

 まだ続いてたんだ…………。

 

「!!」

 

 えっと、志乃ちゃん? 何故にジョナサンの首絞めてるの!? それに顔! 表情怖いよ!! 

 あたしにはジョナサンが

 

「ちょっ…………おま……首、首を……締めんなて!!! 何すんねん!!! ギブギブ……」

 

 と言っていそうな気がした。関西弁なのはあくまで作者(葵先輩)の想像だけど。

 

「間宮様ならお分かりいただけますよね!?」

 

 あたしの手を両手で取った麒麟ちゃんはこちらに向かってウルウルと上目遣いで顔を近づけてきた。

 

「は、はい?」

 

 真心を込めて訴えかける麒麟ちゃんに戸惑ってしまうあたし。

 そこにジョナサンの首を絞めたまま修羅(志乃ちゃん)が突撃してくる。

 

「あかりちゃんから離れてー!!!!!!」

 

 麒麟ちゃんをあたしから引っぺがす。

 

「間宮様ーっ!!」

 

 麒麟ちゃんの方も離れようとせず、志乃ちゃんとの攻防が始まっていて、当事者であろうあたしはもう何が何やらわからない状態だった。

 

 

 

 時間は流れ、放課後。

 強襲科(アサルト)の格闘訓練場(通称・黒い体育館)の中でライカは相変わらず男子相手に無双ってた。

 

 一人目、豪快に払い腰を決めて勝利。

 二人目、足技である小内刈りを仕掛けられるが、それをすかしてからの一本背負いに繋げる技を披露して、一本背負いでトドメ。で勝利。

 

 傍らにはライカに敗北し、床に伏す男子生徒の山。(勿論死んでない)

 

「うむ、お見事」

 

 担当教諭の蘭豹先生からも称賛されていたその様子をあたしは休憩する素振りで体育館の片隅から見学している。

 見学という体を取っていても集中出来ていなかった理由は…………麒麟ちゃんの事だ。

 

 麒麟ちゃんの頭脳明晰な所を見込んではいるんだけども、もう一つ、妙に共感してしまう所がある。

 

(あたしも凪優先輩にああだったから、気持ちが分かるんだよなぁ……)

 

 ライカの戦妹(アミカ)になりたくて必死に追い縋る麒麟ちゃんの姿が凪優先輩の戦妹になる前の自身の姿と重なる。

 そこでとあることに気付く。

 

(……麒麟ちゃんはまさか、()()()()()()()()あたしに協力を求めてきたのかな……?)

 

 それが真実だとすれば、麒麟ちゃんはとんでもないくらいの策士だ。

 あたしより年下といえど、学べる箇所は多くあるかもしれない。

 

(できるだけ、力を貸してあげよう)

 

 そう思ったあたしは制服の襟に取り付けた隠しマイクに口を近づけて小声で囁く。

 

「麒麟ちゃん、聞こえる? ライカは何時も通りだよ」

 

 その連絡先は、ここから離れた場所に居る麒麟ちゃんだ。

 現在もその場所から双眼鏡を使って此方を観察しているだろう。

 

「次、間宮。準備せぇや」

 

 蘭豹先生からお呼びがかかった。

 

「ゴメン。お呼びがかかったし、一旦切るね」

「はい。頑張ってください。間宮様」

 

 麒麟ちゃんに一言入れて通信を切る。

 

 さて……と。麒麟ちゃんの激励もあったし、頑張らないとね。

 あたしは指抜きグローブ(OFG)を手に装着し、闘技スペースに向かう道中でライカとすれ違う。

 

「あかり、何時も通りで頑張れよ!」

「うん。了解だよ、ライカ」

 

 軽く言葉を交わす。

 相手は…………クラスが違う男子生徒か……。

 あたしが相手だと知った男子生徒は勝ち誇った顔をしていた。

 どうやら、あたしが相手で楽勝に勝てると思っているのだろう。

 周りの男子生徒の盛り上がりようから見るに見学の男子生徒もそう思っているみたいだ。

 

 一つ深呼吸をして構える。

 

「始めっ!」

 

 蘭豹先生の開始の合図と共に男子生徒が攻撃を仕掛け、あたしはそれを右手でいなす。

 男子生徒は追撃を加えるがあたしはそれを必要最小限の動きで回避する。

 

 ここで必要以上の動きをすると、その次の攻撃に影響が出かねない。

 それは凪優先輩に徹底的に叩き込まれた事だ。

 

「(あ……何時もより上手くやれてる)」

 

 あたしはそう思った。

 

 それもその筈である。

 あかりが組手の練習をしている相手は大体が凪優(Rランク同等のAランク)(Sランク相当のAランク)アリア(Sランク)ライカ(Aランク相当のBランク)

 強襲科の女子生徒の中では上位の実力に匹敵する人達である。

 

 更に最近は理子の薦めで炮娘(パオニャン)猛妹(メイメイ)から、中国拳法も習っている。

 そんな彼女達と組手の練習をしているあかりも当然地力は入学時とは比べ物にならない程成長していた。

 

 そう。少なくとも同学年の男子生徒に遅れは取らないほどに。

 

 次第に男子生徒は苛立ちが募っていた。

 その証拠に攻撃が一撃毎に大振りになっている事により男子生徒に大きな隙が生じることとなる。

 

 訪れた好機を逃す程あたしもバカではない。

 男子生徒の攻撃の力も利用してあたしは男子生徒の隙だらけになった弱所……脇腹に一撃を入れる。

 あたしの一撃を喰らった男子生徒はその場で崩れ落ちた。

 

「そこまで!」

 

 蘭豹先生の合図で試合はあたしの勝利で終了する。

 周囲から歓声が起こる。(主に女子生徒)

 

 男子生徒はザワついていた。

 それはそうだろう。だって、()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「次の挑戦者は居らんのか?」

 

 蘭豹先生は次のあたしの対戦者を募っていた。

 

 ここから、10人の男子生徒と連続で闘う事にあたしはなった。一々戦況の詳細を述べると長くなるので、結果だけ言っておこう。

 

 

 二人目、最初の一撃のカウンターで腹パンを決めて勝利。

 

 三人目、一撃で沈められないように奇襲をかけられるも、それを逆手に取ってねじ伏せて勝利。

 

 四人目、相手の攻撃を紙一重で回避しつつ、懐に潜り込んで掌底を放ち、相手に脳震盪を起こさせ、勝利。

 

 五人目、相手と同じ速度で交叉し、足払いからの鳩尾に肘鉄(エルボー)を叩き込んで勝利。

 

 六人目、七人目は二人纏めてだった。二人の挟み撃ち攻撃に不意を突かれるも、難なく躱し二人の頭を『ごっつんこ☆』させて再起不能にして勝利。

 

 八人目、相手の打撃をカウンターするがさらにカウンターで返されるも、その裏をかいて背負い投げを決めて勝利。

 

 九人目、こちらが先制でハイキックを行なうが、相手に躱され、相手が間合いを開こうとしたところを追撃して、ドロップキックをかまし、体勢を崩したところにタイキックを顔面に入れ、相手のリタイアにより勝利。

 

 十人目、試しに殺気を出したら想像以上に怯んだので、隙だらけになった背後にサマーソルト決めて勝利。

 

 十一人目、もう一度殺気を出したら、今度は相手が戦意喪失で降参して不戦勝(?)。

 

 

 こうしてライカと同等の男子生徒の屍(死んでない)の山が出来ていた。

 終了後、

 

「間宮、流石は()()水無瀬の戦妹(いもうと)だけあるやん」

 

 と蘭豹先生からの称賛を貰った後、男子生徒は唖然となり、女子生徒は大歓声だった。

 

 こうして、1年の全員参加の模擬戦闘訓練は幕を閉じた次に2・3年生の部が行われた。

 

 結果は…………凪優先輩、アリア先輩、結衣先輩、葵先輩の無双劇場。3()()()()()()()()()()()()()()()()()()()…………だ。

 

 その中でも特に凄かったのは凪優先輩VS結衣先輩の戦いだった。

 なんと特殊な戦闘方法、ランバージャック(集団リンチ)で行われた。

 

 その闘いはなんていうかスケールが違う。もう( ゚Д゚)ポカーンだよ。

 

 最序盤から互いの幇助者である三嶋花梨先輩と椎名翠先輩の氷と炎の大技がぶつかり合ったかと思えば凪優先輩と結衣先輩はなんと互いに無傷。

 そこから体術のぶつかり合いになって、そこから古式ムエタイのぶつかり合いになっていた。

 闘いは更に過熱していく。あぁ……凪優先輩は知ってたけど結衣先輩も戦闘狂だったか。

 

 凪優先輩と結衣先輩の闘いは蘭豹先生の怒号によって中断させられた。

 後に凪優先輩から聞いたのだが、

 

『もしあのまま続けてたらどっちかが死んでたかもね(笑)まぁ、直ぐに蘇生させて無かった事にするけど』

 

 らしい。いや、その理屈はおかしいですよ! カテジナさん!! 

 

 

 

 見学の生徒達は唖然だろうね。あまりにも人間離れしていた闘いだったからね。闘いの全てを目で追えている生徒もひと握りだけだろうしね。

 戦闘後、凪優先輩が結衣先輩の地雷を踏み抜き、更に花梨先輩と翠先輩と共謀して更に結衣先輩の精神にトドメを刺して、ギャン泣きさせていた。

 凪優先輩、アンタは何やってんですか……

 

 その後、葵先輩、柊優梨愛先輩、花梨先輩、翠先輩が勝手に『延長戦』を始めてしまった。

 蘭豹先生……? 止めるどころか喜々として延長戦に参戦していきましたが、何か? 

 

 凪優先輩は結衣先輩の対応で多分使い物にならないだろうし、もう誰にも止められそうにない。

 

「…………稲交尾籠(いなつるびのかたま)

 

 暫くして葵先輩が放った技によって、3人は捕縛されて延長戦の幕は閉じたのだった。葵先輩の勝利という形で。

 この時、あたし達全員は改めて葵先輩のチートさに戦慄したのだった。

 

 

 

 訓練終了後、あたしとライカは会話しながら教室に戻る。

 

「さっきのちょろいやつらばっかりだったな」

「ライカが強いの。あたしはそんな事無かったし」

「いやぁ……あかりも相当強いだろ。アイツ等呆気にとられてたし」

「そういえばそうだったね」

 

 その時、ふと思う。

 

「(ライカの隙……上手く見つかるといいけど……)」

 

 念の為にマイクは再びONにしてある。

 やっぱり依頼された以上、麒麟ちゃんの力にもなってあげなきゃ……ね。

 

「…………? あかり、どうしたんだ? 考え事か?」

 

 あたしが上の空になっていたのを不審に思ったライカが尋ねてくる。

 

「……え!? あ、ううん。何でもないよ」

 

 あたしは必死になってそれを否定する。

 

「……?? そ、そうか」

 

 それを聞いたライカは引き下がると同時に教室から男子の会話が聞こえてくる。

 

「ライカぁ? あんな男女は最下位だっ」

「ま、顔『だけは』美人だけど、中身は男なんじゃねwwww」

「背も170近くありそうだしな。可愛くねぇだろwwww」

「それじゃあ、お前は間宮とかが良いのか?」

「間宮ねぇ……。あいつは逆に背低すぎだろ」

「だよなぁwww絶対に小学生に間違われてそうだよなぁwwwww」

「一緒にいたらこっちがロリコン扱いされそうだよなぁwwwww」

「じゃあ、最下位はどうする?」

「うーん。間宮は身長さえ見なきゃ、大丈夫だろ」

「あのチートさは見なかったことにしよう。それがいい」

「だな……。あれは意外すぎて思考が追いつかねぇからな」

「んじゃあ、『可愛さランキング』の最下位はライカで決まりな」

「「「さんせ────」」」

 

 滅茶苦茶サイテーな会話だった。

 

「……フン」

 

 それを聞いていたライカは鼻を鳴らしお手洗いに入っていった。

 どうやら取り合う気すら起きないらしい。

 

「ホントにこのバカ男子たち……!!」

 

 あたしは嫌悪感Maxで殴りこみたい気持ちを抑え、ライカの後を追う。

 

 しかし、今の会話で収穫もあった。

 なるほど、なるほど。

 あたしの低身長でそういう切り抜け方もあったのか。

 それはそれは便利だ。

 男子からしてみれば不名誉だろう。

 だが、それがいい。

 今度、気に食わない男子が居たら実行しますかね…………。

 黒い策を練りつつも、女子トイレに入る。

 

「…………?」

 

 あれ……?? ライカが居ない…………。

 あ、個室が閉まっている所がある……。

 ここに…………いるの……かな?? 

 

「ライカ」

 

 あたしが声をかける。

 

「あ、先行ってていいぞー、あかり」

 

 と、ライカから返事があった。

 

 声もサバサバしてるし、大丈夫…………なのかな?? 

 

「ナニコレ、ありえねーwwww」

「でしょーwwwww」

 

 トイレに楽しく会話をしながら他の女子が入って来たので

 

「…………先に行ってるね」

 

 ライカを心配しつつもあたしはその場を離れようとしたその時だった。

 

 

…………くすん…………ひっく…………ひっく……ぐすん…………

 

 

 え…………? 今のって…………。

 

 あたしはライカの居る個室から聞こえた音に足を止める。

 

 もしかして…………ライカ……泣いて……る……? 

 

 あんなに強くて、カッコよくて。強襲科のエリート女子とも呼ばれるライカが。

 

 一人の女の子として傷ついて。

 

 あんなに小さくて惨めなところに逃げ込んで。

 

 泣いて…………いる。

 

 生まれつき背が高くて、力が強くて、カッコイイ顔つきをしているそのせいで自分が女の子らしくない事に。

 どんなに馬鹿にされたって、絶対…………可愛らしくは……なれない…………と、いう事に。

 麒麟ちゃんの依頼でライカの事を調べていたあたしも

 

「(あたしもちゃんと解ってなかったな……)」

 

 友達のつもりで居たのに、そういう所が全く理解できていなかった事を反省するあたしだった。

 そして、その一部始終はあたしのマイクの会話を特殊捜査研究科(CVR)で聞いていた麒麟ちゃんにも届いていた。

 

 

 

 

 その翌日、麒麟ちゃんに呼び出されたあたしは武偵高の防弾制服姿で麒麟ちゃんと共にライカのマンション前にいた。

 

「麒麟ちゃん……なんであたしまでライカの見張りに…………」

 

 今日は休日。ここまで駆り出されるのには少し疑問であるので、その疑問を麒麟ちゃんにぶつけてみる。

 

「まぁ……休日だしいいじゃないですの」

 

 と、麒麟ちゃんから返答。

 えっと、それって答えになってるの…………かなぁ??? 

 あたしは疑問が深まっていた。

 

「あ! 出てきましたわ」

 

 麒麟ちゃんの言葉に様子を伺うと、私服姿のライカがマンションの玄関から出てきた。

 サングラスを掛けているということは他人に知られたくないのかな……?? 

 

「(あんな格好して……ライカ、何処に行くんだろ……?)」

「(とにかく尾行ですわよ!)」

 

 小声で会話を交わし、あたし達はライカの尾行を開始した。

 

 まず、ゆりかもめ臨海線台場駅から新橋方面行に乗り、終点の新橋駅まで行く。

 そして、新橋駅で今度は山手線内回り(東京方面行き)に乗り換え。

 

 偶然にもあたし達はライカと同じ車両に乗ったのだが、どうやらライカは気づいていないらしい。

 

 ここは『尾行が上手く行っていることを喜べばいい』のか『ライカの注意力が余り無い事に呆れれば良い』のかフクザツな心境である。

 

 列車は有楽町、東京、神田と停車していき、次の停車駅である秋葉原に到着する前に

 

「次は秋葉原、秋葉原。お出口は右側です。総武線各駅停車、地下鉄日比谷線、つくばエクスプレス線はお乗り換えです」

 

 と、自動放送が流れる。

 

 どうやらライカはここで降りるようだ。

 あたし達もライカの後を追って秋葉原で下車して、至る所にある看板等に隠れながらライカを尾行する際に、

 

「こんな所になんで…………?」

 

 あたしはそう呟く。

 

 ライカは何故に変装までして秋葉原(ここ)に来ているのだろう。

 その答えについては

 

「(まさか…………お姉様…………!!)」

 

 どうやら、麒麟ちゃんには心当たりがあるようだった。

 

 

(後半に)続くよ!

 




葵 「皆様、8日ぶりのご無沙汰です」
理子「 皆、お久しぶりなんだよ!!」
麒麟「私達のこと、忘れていませんわよね……??」
理子「前回から何故に1週空いたの??リメイクだよね、この話」
葵 「えっとぉ……それは……」
麒麟「そうですよ!!!折角の私のメイン回なのに!!!」
葵 「正直に言うとモチベの問題とね、」
理子「まだ理由あるの?」
葵 「久々にバンドリにハマり始めてました」
麒麟「まさかの理由ですわね」
葵 「返す言葉もございません」
理子「この話のリメイク前の投稿時からは進歩してるよね、流石に」
葵 「まぁ、あの時よりはマシにはなってるよ。うん」
麒麟「それでも難易度25の曲もギリギリですのに」
葵 「言わないで。スマホプレイは慣れんのじゃぁ……」
理子「で、この話題は置いといてだね。あおちー」
葵 「なんでせうか」
理子「このお話も2話構成なんだよね」
葵 「まぁね。リメイクして文字数は増えるだろうけど」
理子「このリメイク前の投稿って平成末期だよね?」
葵 「そだね。2019年4月29日投稿で、元号変わる3日前やね。」
麒麟「で、このお話の投稿が2026年7月10日投稿ですから、2629日経過ですの」
葵 「元号も跨いで、かなり経ってんな。ビックリしてるわ」
理子「いや、アンタの作品じゃん」
葵 「作者だろうが、想定外な事もあるっての」
麒麟「そういうものなんですか」
葵 「そういうものなの」
理子「そろそろ締めの挨拶行かない?」
葵 「そうだね。改めまして今回のお話も最後まで読んでくださりありがとうね!」
理子「また次も読んでくれると嬉しいな。あと評価も出来たらお願いだよ」
麒麟「次回は私とライカお姉さまのお話の予定ですわ!」
葵 「それでは、また次回お会いしましょう」
全員「「「ばいばいっ(ですわ)!!!」」」

リメイクしたら文字数が減少したあとがき⑦ 完
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