じんせい詰め合わせ   作:湯切

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ネタ募集で提供してもらった
・ifでもし原作のイタチルートをそのまま辿って(イタチはサスケと一緒に木葉で暮らしてる)影から弟達を見守るシリーズ
の「暁編」の上です
今回もだいぶ描写を以下略

これと、
・その際これまた原作イタチと同じく鬼鮫と組んで鬼鮫がスバルの本性を知りながら長門達と上手いことやり取りする(モズみたいな)
さらに、
・なんやかんやあって暁に入ったスバル
というネタを同時に消化
鬼鮫はまだ出てこない



「暁編」上

『右手の薬指にこんなゴツい指輪つけたくない……お前は俺の所有物(はーと)感キツくて耐えられない……』

「…………」

 

 右手の薬指引きちぎったら付けなくてもいいぞってなったりしない? とマダラに聞いたら「その時は左の薬指に付けてもらう」と無慈悲な答えが返ってきた。終身刑じゃないか!

 

 まあ永遠の奴隷契約よりはマシだろうと、右手の薬指に「朱」と書かれた指輪を付ける。

 しかも絶妙に俺の中にある少年の心をくすぐってくるのが嫌だ。かっこいいなコレ。

 

『なあ、これって写輪眼が赤いから朱色の朱ってこと?』

 

 気のせいじゃなければマダラが小さく吹き出した気がした。

 

「朱雀の朱だ」

『あー、なんか燃えてる鳥みたいなやつ』

「燃えてる鳥……」

 

 なぜか俺の言葉を反芻するマダラ。

 

 リーダーによる入部テストに無事合格した俺は「とりあえずここにいろ」と何もない部屋に閉じ込められていた。

 ベッドもテーブルも何もない部屋だ。とりあえずで牢屋に放置しないで欲しい。

 

『なんで爺ちゃんまでこの部屋に? 暇なの?』

「オレはお前の祖父ではないし、暇でもない」

『大丈夫?』

「…………オレはなぜこのタイミングでお前に大丈夫かと確かめられなければならない?」

 

 うちはマダラは俺の先祖だし、先祖ってことはお爺ちゃんってことだし、俺と仲良くこの部屋でのんびり話をしてる時点で暇に決まってる。ということを伝えると「お前は大丈夫じゃないな」と返ってきた。

 あーやだやだ。言葉のキャッチボールって知ってる?

 

『ああ……強くてニューゲームして若返ってるなら爺ちゃん呼びは微妙ってこと? それならお兄ちゃんって呼んで……あ、ごめん。これは俺が嫌だった』

 

 ぶつぶつと鳥肌が立っている腕をさする。

 俺はマダラの機嫌が急降下した気配を察知した。忙しいやつだな。

 

 

 

「これから暁の活動中はこれを着ろ」

 

 リーダーに手渡された服を広げる。うちは一族もにっこりな黒を基調としたデザインにちょっと嫌な気分になる。うちわマークが雲になってるだけマシかもしれない。

 

「額当ては……首にでも巻いておけ」

 

 ここには指文字を理解してる人間は恐らくいない。お面を外すと不便なので、ありがたく額当てを首に緩く巻く。

 リーダーと常に彼の側にいる女性は、今回も俺の額当てを三度見くらいしていた。

 

 

 

「スバルくん……アナタ、私と組まない?」

『だが断る』

 

 暁は基本的にツーマンセルで行動するらしい。

 アロエのような奇妙な見た目をした人間……あれは人間か? どちらでもいいか。アロエは例外らしく単独行動しているのに、なんで俺は許されないんだ。俺はアロエ以下だと言いたいのか? 表に出ろ。

 

「フラれたな大蛇丸」

 

 クククと人相の悪い男が笑う。人相に関していえばこの場にいる全員が悪いだろと脳内の自分に突っ込まれたので、本当にその通りだと思う。

 滝隠れの額当てを付けた、確か角都という名前だった気がする。

 

「うちはスバル、オレと組め」

『全力で断る』

「…………」

 

 は? みたいな顔をされても困る。どう考えても嫌だろ。なんで大蛇丸がダメで自分はいけると思ったんだよ。

 この場にいる全員がホログラムで実体が無いこともあって、俺はなかなか強気だった。目の前にいたら報復が怖すぎて頷いちゃってたかもしれない。

 

「角都……お前は()()仲間を殺したところだろう」

 

 リーダーが窘めるように言う。またって何だ、またって。

 

「オレはトラブルが起こると誰でも殺したくなる。それに、前のは口煩い奴だった……こいつなら大丈夫だろう」

 

 ホログラムではなく実体として俺の隣に立っていたマダラが「それはない」みたいな顔をした。お面で顔が見えなくても俺には分かる。

 

「お前と新人を組ませるわけにはいかない。暫くは一人で行動しろ」

 

 新人、最高。

 幸せを噛みしめていたら、リーダーが俺と大蛇丸の方を見た。

 

「スバルと大蛇丸でツーマンセルだ」

「…………」

 

 もっと新人と組ませちゃいけない奴だろ。

 

 

 

『俺と一緒に世界征服しないか?』

 

 大蛇丸と組むくらいならマダラと組んだ方がマシに決まってる。

 そんなわけでマダラを熱烈に口説いているわけだが、最近は存在自体を無視されているようで視界にすら入れてくれなくなった。

 

「いいわよ。次の任務が終わったら詳しく聞かせて貰えるかしら」

『…………』

 

 常に行動を共にするようになった大蛇丸が、たった今マダラにフラれた俺を恍惚とした表情で見ていた。

 別に大蛇丸に特別な恨みはない。俺が彼について知っていることは、何やら怪しげな研究に手を出していたのが三代目にバレて里を追われたってことくらいだ。

 

『お前に話すことなどない』

「つれないわね……トビとは随分仲がいいようだけど」

『俺は誰にも心を割かない』

「どうかしらね。数ヶ月後には私のそばを離れたくなくなってるかもしれないでしょう」

 

 それはない。俺はいつかのマダラの顔(想像)と同じ顔で両腕をさする。やっぱり鳥肌が立ってた。

 暁の七不思議の中に「なぜか部下に心酔されている大蛇丸」がある。やってることは人権全無視の非道な人体実験だったりするのに、どうしてか実験の被験者やそれを手伝う部下には慕われているらしい。俺は絶対にそうはならないぞ。

 

 

 

 嫌々ながらも逃れられない大蛇丸とのコンビ生活にも多少は慣れてきた頃。なんかよく分からんが大蛇丸が口から大蛇丸を出しながら突然襲いかかってきた。

 どういうことだってばよ!

 

「イタチくんを手に入れるまでの繋ぎにさせて貰うわ!」

 

 などと供述しており、裁判官スバルは有罪を言い渡した。

 影分身の印を結び、大蛇丸の足元に大量のスライムを召喚する。底なし沼の術である。

 両足をとられて動きづらそうな大蛇丸を見下ろす。しかし、大蛇丸はすぐに口から大蛇丸第二波を繰り出し(しかもそっちが本体だった)、沼を回避してこちらに向かってきた。

 

「無駄よ、今からアナタの忍術や体術……その身体すら、すべて私のモノになるのッ!」

 

 洗練されたジャイアニズムにドン引きしつつ、目前まで迫ってきていた大蛇丸に豪火球を放つ。

 

「この程度の炎の塊で私の動きを封じられるとでも…………」

『それは囮だ』

 

 大蛇丸を前方の炎に集中させている間にその背後に回っていた俺は、彼がこちらを振り返る前に木ノ葉旋風で地面に叩きつけた。

 

『仲間殺しはご法度だったな』

「ふ……ふふふ……任務の度に仲間を殺してる酔狂なのがいるじゃない」

『暁であるお前が俺を狙うということは、お前も酔狂であると認めるんだな』

「私は……たった今、暁を抜けた」

『俺に殺されたいということか?』

 

 両眼に熱が集まり……万華鏡写輪眼になった。真っ赤な海を六つの小さな星たちがゆらゆらと揺蕩っている。

 大蛇丸は危険だ。いずれイタチたちに手を出すかもしれない彼を生かしてはおけない。

 

『お前はここで――――』

「大蛇丸様!!」

 

 俺と大蛇丸の間に滑り込んできた影に、俺は素早くその場から飛び退いた。続けざまに飛んできた手裏剣をクナイで弾く。

 俺の記憶違いでなければ、サソリの部下だった男だ。

 

「下がっていてください」

『次から次へと……鬱陶しい』

 

 頭の冷静な部分では二対一は不利だと分かっているのに、クナイを握る手に力が入る。ここで確実に始末しなければ、弟たちにどんな被害が及ぶか分かったもんじゃない。

 

 足を踏み出した直後、ぐにゃっと周りの景色が歪む。

 

『…………お前!!』

 

 背後に現れたマダラが、俺の手を掴んで例の何もない空間へと転送した。

 

 

 

「大蛇丸が暁を抜けた」

 

 リーダーの言葉に実体無く集まった面々がそれぞれの反応を示す。彼らに共通していたのは「ついにやらかしたか」で、誰一人として「まさかあの人が」なんて言い出す奴はいない。

 大蛇丸は部下には好かれていたが、同僚にはとことん嫌われていたようだ。

 

「スバル、お前は一人になったが希望する相手はいるか?」

『……誰でも構わない』

「ならばオレと、」

『角都以外なら誰でも構わない』

「…………」

 

 未だに俺とのコンビを諦めていなかったらしい角都。お前は例のアロエと組んだらいいと思う。それかマダラ。マダラなら殺されそうになってもすり抜けるから問題ないだろう。

 

「では、十蔵と組め」

 

 げっという顔をした男と目が合った。こいつが十蔵らしい。霧隠れの額当てをしている。

 角都や大蛇丸と比べたら随分と()()()に見える。ならば。

 

『了解した』

 

 

 

「マイト・ダイって忍を知ってるか」

『知ってる。彼は偉大な存在を生み出した人だ』

 

 なんで霧隠れ出身の十蔵が彼を知っているのかと思えば、どうやら因縁の相手らしい。

 忍刀七人衆のことは初耳だった。そもそも、ガイ大先輩の父であるマイト・ダイさんはデータ上は下忍であり、それほど優秀な人ではなかったという記録しか残っていない。

 俺もすでに亡くなっている人を調べようとは思わなかったし、何より見知らぬ人間が父親のことを嗅ぎ回っているなんてガイ大先輩が知ったら嫌がるだろう。だから、そんなに凄い人だとは知らなかった。

 

「マイト・ダイのせいで忍刀七人衆は三人衆にされちまった」

『…………』

 

 忍刀三人衆。妙にツボって手を叩いて笑いそうになったが、十蔵の持つ刀に真っ二つにされそうだったのでやめた。

 

「だから、ハッキリしておかなきゃならねーことがある。おまえがなんで暁に入ったかなんてことはどうでもいいことだ。別に聞きたくもない」

『トビに熱烈に口説かれたからだ』

「…………」

 

 聞きたくないなら聞かせてやろうホトトギスがモットーな俺は親切にも簡潔に教えてやることにした。

 十蔵は記憶を消したのか、何もなかったように続ける。

 

「オレがなんで暁に入ったかなんてのもどうでもいいことだ。聞きたくなければそれでもいい」

『何で入ったの?』

「お前に話すわけねーだろ」

『…………』

 

 なんかこいつ面倒くさいな。言い方がいちいちくどいんだよ。ツンデレか?

 

「いいか、お前に聞いておかなきゃならないことがある。それはお前の得意忍術だ。見ての通り、オレはこの首切り包丁で敵に斬り込んでいく。……で、お前は?」

『…………』

「答えろッ!!」

 

 ちょっと沈黙してみたらマジギレされた。

 さっきは聞きたくない呼ばわりしたくせにおかしいよ。やっぱり暁って頭おかしい奴らの集まりじゃないか!

 

 首元に刀を突きつけられたので、渋々ながら答える。

 

『忍術はほとんど出来ない。俺が得意なのは体術だ』

「体術だと?」

『窒息死させるのも得意だ。その場を極力汚さずにターゲットを始末できる。……ぬめりは残るが』

「ぬめりが残ったら意味ねェだろ」

『そうかもしれないな』

 

 スライムの汚れってしつこいんだよ。解術してもスライムが接してた部分の汚れはなかなか消えてくれない。

 

「……まあいい。オレはマイト・ダイのこともあるし体術の厄介さを認めてる。お前がどれくらい動けるのか期待しといてやるよ」

『…………』

 

 もし俺がポンコツだったらガイ大先輩とお父上の顔に泥を塗ることになってしまうのか……?

 

 

 

 その日から俺は十蔵とあらゆる任務をこなした。

 十蔵は言葉は荒っぽいものの、根っからの悪人という感じはしなかったし、話せば分かるタイプでわりと好ましかった。

 何より体術の良さを知っているのがポイント高い。

 ある日、寝る間も惜しんで彼にガイ大先輩の体術の素晴らしさを語り尽くしたところ「オレはもう十分に理解した」と嬉しいことを言ってくれた。

 まだまだ話し足りない気持ちもあったが、こんな短時間でガイ大先輩を理解するなんて、彼には素質があると思う。今度は弟たちについて語ってみるつもりだ。

 

 なんだかんだ必要がないからと十蔵の前でお面を外すことなくきたが、急に「ちょっと外せ」と言われたので、よく分からないままにお面を外すことになった。

 俺の顔を見た十蔵の第一声は「はぁ?」だった。

 それは俺のセリフだろう。なんで自分の顔を初めて見た相手にそんな態度を取られなきゃならないんだ。

 

「お前……その顔で…………」

「…………」

 

 どうやら俺の顔が心底気に入らないらしい。それから、世界の核心に触れたような表情で「まさか、トビのやつもアレでいてお前みたいな顔してるんじゃないだろうな!?」と騒いでいた。俺みたいな顔がどんな顔かは知らないが、遺伝子的に似てる部分はあると思う。

 俺は見たことがないから分からないと地面に文字を書いて伝えると「そうだろうな……」とまじまじ顔を見ながら言われた。

 いい加減顔に穴が開きそうなのでやめてほしい。

 




闇堕ち前(というか闇落ちレベル低い)スバル久しぶりに書いたら楽しいね

フライング飛段摂取
飛段「お前もジャシン教に入らないか!?」
スバル『俺はもうブラコン教の信者だから……』
飛段「なんだそれ、そんなもんよりジャシン教の方が―――」
スバル『()()()()()?』
飛段「おい!! なんで忍刀を抜くんだよ!!」
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