じんせい詰め合わせ   作:湯切

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ネタ募集で提供してもらった
・ifでもし原作のイタチルートをそのまま辿って(イタチはサスケと一緒に木葉で暮らしてる)影から弟達を見守るシリーズ
の「暁編」の下です
今回もだいぶ描写を以下略

これと、
・その際これまた原作イタチと同じく鬼鮫と組んで鬼鮫がスバルの本性を知りながら長門達と上手いことやり取りする(モズみたいな)
さらに、
・なんやかんやあって暁に入ったスバル
というネタを同時に消化

※コメントのデイダラに理不尽なキレ方するスバルのネタ勝手に採用してます!無断ですみません!



「暁編」下

「見ろよスバル! こいつがオイラの新作だ!」

「…………」

 

 もはや恒例行事になりつつある挨拶代わりの爆破のせいで、たった今俺が座っていた椅子はただの木屑と化していた。ぷすぷすと煙まで出てる。

 いやいや、何してくれてんの?

 

「どうだった?」

『……威力が上がったな』

「だろ!? これはなァ、前回よりも緻密な――」

 

 親に褒められた子どものように目をキラキラと輝かせているデイダラ。

 うんうん良かったね。俺は死ぬところだったけど。

 

『お前は人に意見を求めるのが好きなのか』

「……あ? 別にそんなんじゃ」

『なら、俺に会いたくてこんなことを?』

「ハァ!?」

 

 お前頭おかしいんじゃねーのという顔をされたので、そっくりそのままお返ししておいた。だって……ねえ? ほぼ週一で会いに来てるじゃん。絶対俺のこと好きでしょ。

 確定演出お疲れと思っていたら顔を真っ赤にして否定された。どうやらマジで違うらしい。恥じらいじゃなくて怒りで顔が赤くなってる。

 

『ふーん……まあいいけど。今日は久しぶりのオフだからゆっくりしたいんだよね』

「なっ! まさか寝るつもりか!?」

「…………」

 

 カパッと被っていたお面を外してごろんとその場に横になる。

 暁のアジト内に作ってもらった俺の部屋には暮らすのに最低限必要な家具が一通り揃っていたが、今では布団一枚すらない。

 全てデイダラに爆破されたからだ。ほんと可哀想。

 

「にしても、わざわざアジトで寝泊まりしてんのってアンタくらいだろ。こんな埃っぽいとこで寝るなんてオイラはごめんだ」

「…………」

 

 その埃っぽくて残念な部屋の家具を一つずつ破壊していってる奴がなにを。お前には良心ってもんがないのか。

 

「そういやトビもここを拠点にしてたな」

《そうだ》

「今のは『そうだ』って言ったんだろ、うん?」

 

 謎のドヤ顔を向けられる。

 以前デイダラを『指文字も分かんねーのか、ププッ』と煽ったのを根に持ってるらしい。

 その翌日には短い指文字なら理解できるようになっていた。なんというか……素直なヤツ。

 

《にんむは》

「あったらここにいるわけないだろーが。任務のない日はサソリの旦那はどっかに消えるしよ」

 

 つまり任務もなければ相棒であるサソリもいないから俺で暇つぶしをするつもりで来たと。

 コンビだからといって常に一緒に動いてるわけじゃないのは俺や鬼鮫と同じだ。お互いのいる場所は把握してるからなんら問題はない。

 俺もこういう時鬼鮫が何してるのかはまったく知らないな。

 

「だからスバル、今日こそは……って」

「…………」

「寝てんじゃねぇよ、うん!!」

 

 

 

 よく寝た。むしろ寝過ぎて頭痛い。

 木ノ葉で暗部として過ごしていた時より緊張感がない。一応暁を監視して木ノ葉(というか弟たち)に仇なすようなら対策を練らなきゃいけないんだけど。どうも毒気を抜かれっぱなしだ。

 暁が危険な組織なのは間違いない。でも動いてる人間一人一人は憎めないというか……まあどうしても気に入らないヤツはいるけど。

 大蛇丸とか角都とか。一人は元が付くとはいえ、もはや生きてる世界が違うよね。

 

 俺がすやすやと気持ちよく眠っている間にデイダラは帰ったらしい。

 椅子は爆破されてしまったが唯一残っている木製の机の上には見慣れないものが置いてある。

 

 どうやら彫刻らしい。しかも二つある。首を傾げつつ顔を近づけた俺はその場で飛び上がった。

 

「!?」

 

 わなわなと震えながら二つの彫刻を凝視する。こ、これはまさか……!

 

 一つ目は俺より癖の少ない髪質が特徴的な青年。知性を感じさせる瞳はどこか憂いを帯びていて儚い。

 二つ目は俺より癖の強い髪質を持つ少年。なんと一つ目の青年と仲良くおててを繋いでいてそれはもう無邪気に笑っている。

 

 イタチとサスケ。俺がこの世で最も愛している存在。

 

 二つの彫刻が奏でる美のハーモニーは俺の胸を貫いた。自らを抱きしめるように腕を伸ばす。

 

 ――神様ッ!

 

 ああ。やっぱ芸術ってのは、こういう……。

 

 カッ!! と目の前が眩い光に包まれる。

 

 俺の脳はそれを彫刻たちに差し込んだ後光か何かだと認識したが、まったく違った。

 

 俺の身体を包み込む光……イタチとサスケによる温もり……最高……と思っていたら滅茶苦茶熱かった。もはや熱いを通り越して痛い。

 っていうかなんか爆発してた。何がって……彫刻が?

 

「…………」

 

 咄嗟に閉じていた目を開く。

 その場に残されていたのは、爆発のせいで髪がチリチリになった俺に、椅子と同じ末路を辿ることになった机に、なんとか原型を保っている二つの彫刻。

 

 伸ばした手が掴んだ彫刻はパキッと音を立てて崩れる。イタチの首の部分だ。

 

 ああああ……。

 

「…………」

 

 視界が真っ赤に染まる。

 

 ――絶対に殺す。

 

 

 

 デイダラはあれからパタリと俺の前に現れなくなった。不穏な気配を察知したんだろう。

 おかげで俺はずっと機嫌が悪かった。もう誰でもいいから一発殴らせてくれ。

 

 今日は久しぶりに暁のメンバー全員が集まる日。いつものように映像のみでの参加なのでデイダラを殴ることは出来ない。

 なんかこう、空間を捻じ曲げて干渉したり……出来ないですかね。

 

「そう怖い顔すんなよ……うん」

「…………」

「またデイダラにちょっかいを出されたんですか、スバルさん」

 

 俺からデイダラに視線を移した鬼鮫が「アナタも懲りないですねぇ……」と呟く。デイダラは完全に拗ねていた。

 お前が拗ねるのはお門違いだから! 俺の弟たち(彫刻)へのときめきを返せ。

 

 遅れてリーダーたちが顔を出し、ようやくチーム暁の緊急会合が始まった。

 議題はデイダラとサソリが追っていた大蛇丸について。デイダラが暫く顔を出さなかったのはちゃんと任務に励んでいたからのようだ。

 

「大蛇丸はデイダラの爆発をモロに受けたはずだが、瓦礫の中からあの野郎の死体は見つからなかった」

「生きていると考えた方がいいでしょうね」

「それはそうと、あの出鱈目な術はなんだ!? ありゃあ不死身だぜ」

「大蛇丸は元木ノ葉の忍。スバル、知っていることはあるか」

 

 デイダラに俺は怒ってるんだぜアピールをする為だけに外していたお面を被る。

 

『死者を意のままに操る術、か……』

「知っているようだな」

『この世は俺の知らないことであふれている』

「…………」

 

 俺に話しかけてきたリーダーは何もなかったかのように話を続けた。

 

「不死身といえばもう一人……だったな」

「ええ」

 

 基本的にリーダーと行動を共にしている女性、小南が彼の言葉を引き継ぐ。

 

「湯の国から依頼が来ているわ。不死身の男を始末してほしいとね」

「そいつも大蛇丸の術で?」

「どうかしら。裏で暗躍するのが得意な大蛇丸にしては行動が派手すぎるけれど」

「湯の国には忍がいるだろう」

「彼らでも殺せないらしいのよ」

 

 不死身の男は無差別に人を殺して回っているらしい。いや、大蛇丸では? どう考えても類友だろ。

 あーでも大蛇丸は別に人を殺すのが好きというわけではない……のか? 大好きな実験のために人を殺す必要があるってだけで。うーんこの。

 

「この任務は角都に行ってもらう」

「……まだ誰とも組んでいないのにか?」

「不死身の男がお前の相棒となる可能性もある。それに、今回は編成を変えるつもりだ」

 

 リーダーが真っ直ぐ俺を見た。えっ、ちょっ。

 

「スバルと湯の国へ向かえ。もしも大蛇丸の術だった場合、同じ木ノ葉の忍であれば上手く対処するだろう」

『…………』

 

 リーダーくんさあ、実は俺のこと大嫌いだろ?

 

 

 

 大蛇丸の術に心当たりはないかって話に脳死で知らないって答えたのが不味かったかな。

 

 じっくりと記憶を探れば知ってることはいくつかある。あれは穢土転生という術で大蛇丸を殺しても術の発動が止まるわけではないこと。その術の考案者が二代目火影だってこと。それくらいだ。

 一応スパイやってる身としては、木ノ葉VS暁になった際に木ノ葉側が使うかもしれない術の情報を流していいものか。……使わないか、あんな死者の魂弄びまくり禁術。躊躇いなく使うのは大蛇丸くらいだよ。

 うーんやっぱり教えとけば良かった!

 

「まさかお前と組むことになるとはな」

『…………』

 

 まったくだ。不死身くんよりも先に俺の死体が転がっちゃうだろうが。

 

 俺と角都は並んで(もちろんお互いに三メートル以上あけて)歩いていた。もはや他人の距離である。話しかける時はちょっと声を張り上げる形になるのが何ともやるせない。まあ俺はお面だから強く念じるだけだけど。

 最初はお互いの声が聞こえなさすぎて『あ? 蚊の鳴くような声でボソボソ喋るのやめろよ』「お前のような全てが小さい野郎には言われたくない」『お前よりデカいだろうがッ! 何もかもな!』という罵り合いをしていた。まったく無駄なやり取りをしてしまった。時間は有限なんだぞ。

 

 俺たちはすでに湯の国の国境周辺にいる。

 本来は女がいた方が釣りやすいってことで小南もついてくる予定だったが、彼女はこちらをちらっと見て「……必要ないでしょう」と言った。

 ……俺の方がカモに向いてるってこと?

 

 そんなわけで虚しくも男二人でこんなところまでやってきたというのに、肝心の不死身くんが姿を現さない。

 

「……何をしている」

「…………」

 

 ササッとお面を外した俺はさらに角都から距離をとった。そのまま素知らぬ顔で歩き出せば、意外にも空気を読んでくれた角都が姿を消す。

 

「そこのアンタ。ジャシン教に入らないか?」

「…………」

 

 不死身くんではなく宗教勧誘者が釣れた。俺は心底ガッカリした。

 しかしここで騒ぎを起こしては近くに潜んでいるであろう不死身くんが警戒して出てきてくれなくなるかもしれない。

 しかもなんだよ()()()って。いや()()? どちらにせよ胡散臭い。

 

「ジャシン様は殺戮を喜んでくださる。だからオレたちも己の欲望を解放し、ジャシン様へ祈りを捧げるために人を殺すんだ!」

「…………」

 

 まさかの大当たり。ビンゴ。ストラーイク!

 

「どうせアンタも宗派なんてないんだろ。どうだ、一緒に殺戮(やら)ないか?」

 

 ふるふると首を横に振る。そして懐に隠していたお面を被った。ついでに木ノ葉マークに二重線が入った額当てを首に巻く。

 

『悪いが俺はすでにある宗教に入信済みだ』

「……木ノ葉の暗部か? ハハッ、木ノ葉教ォ〜なんて言うんじゃないだろうな!」

『イタチ・サスケ教だ。お前も改宗するといい』

 

 不死身くん(疑惑)の表情が固まった。

 

「そんなダセェ宗教、誰も入らねーよ」

『…………』

 

 はぁ? その言葉、取り消せよッ!

 

 ピキッと額に青筋が張る。俺の……俺の……。

 俺の弟たちの名前を並べた宗教がダサいはずないだろ!

 

『お前の命を俺の神たちに捧げてやる』

「……ジャシン様の教えをパクッただろ」

『寝言は死んでから言え』

 

 言いがかりはよしてくれよ。

 

 素早く印を結ぶ。お面を上にずらしてぷくっと頬を膨らませる。

 

『火遁・豪火球の術!』

「なっ!?」

 

 火力最大の火遁をくらえ!

 

 不死身くん(疑惑)に直撃した豪火球は火力が高すぎてもはやマグマみたいになっていた。地面がぐつぐつと煮えている。

 

『…………』

 

 俺なにかやっちゃいました?

 

 ごめん角都。もしかしたらお前の未来の相棒を殺しちゃったかもしれない。

 

 こりゃマジで死んだなと思っていたら炎の中から何かがこちらに伸びてくる。

 完全に油断してたので完全に避けきれなかった。俺の左肩を掠めていった刃が炎の中に佇む影へと戻っていく。

 

『……生きていたか』

 

 がっかり半分安堵半分。

 勝手に相棒候補を殺してしまっては後で角都にどんな報復されるか分からないからな!

 

「熱いじゃねーか……見ろよ、気に入ってた服が燃えちまった」

 

 不死身くん(確信)が手に持っているのは真っ赤な三連鎌。あそこから俺の左肩に届いたことを考えると伸縮可能とみた。

 リーダーには大蛇丸の術ではない且つ不死身が本当なら角都のパートナーとして勧誘しろと言われている。これは角都の意見を求めるまでもなく合格だろう。

 

『服ならいくらでも用意してやる。お前が俺たちと来るならな』

「改宗はしねーって言ってんだろ!」

 

 いやそっちじゃなくて。そっちもしてほしいけど。

 

「神の裁きを下してやるぜぇっ!!」

 

 不死身くんが足元に血で円を描く。円の中にさらに三角形のようなものを付け足し、その上に立った。

 

 にやりと笑った不死身くんが自分の鎌についた俺の血を舐める。

 

「ウッ……なんだこの味……」

『…………』

 

 なんかイラッとするのはなんでだろう。美味いって言われても嫌だけどさ。

 そりゃあ不味いに決まってる。だってそれ。

 

『……何が起きて』

 

 不死身くんの全身がみるみるうちに色素を失っていく。額には足元の陣に関係があるのか円形のものが浮かび上がり、上半身は骨を彷彿とさせる模様になっている。

 

「これで準備は整った…………死ねッ!!」

 

 不死身くんが鎌を振り上げる。それは身構えた俺ではなく、自分自身の急所――心臓を貫いていた。

 

『ぐっ……!?』

 

 口から大量の血を吐いた。

 先ほど不死身くんが貫いた心臓の位置。それと同じ場所に触れるとじんわりと温かいものが滲み出してくる。

 おいおいおい、まさかこれって。

 

『俺、の、菊理媛(ククリヒメ)のよう、な能力……か……』

「あ? そっちまでパクッてんじゃねーよ」

『だから……寝言は死んでから言えっ、て』

「ククッ、死にそうなのはそっちじゃねーか!」

 

 心臓をひと突きとかこんなの死ぬって。

 

 がくんとその場に膝をつく。そんな俺の隣に今まで身を隠していた角都がやっと姿を現した。

 この野郎、俺がやられるのを待ってやがったな。

 

「囮のおかげでコイツの能力が分かった」

『……わざとだろお前』

「なんだぁ? 揃いの服なんか着やがって。仲良しコンビかよ」

『そんなわけないだろ!』

「このオレと死に損ないを一緒にするな」

 

 死に損ないどころか死にそうなんですけど……。虫の息。

 

 ゴボッともう一度地面に血を吐く。それは赤色から徐々に透明になり――とぷんっと粘り気を持つ。

 

 ……まあとっくに死んでたな。俺が()()()()()()()()()()

 

 じゅわっと胸元の傷が塞がっていく。塞がるというより元から傷なんてなかったが……。

 本来はダメージを受けた箇所はスライム状になるところをわざわざそれっぽく見せてたから余計にチャクラを消費した。

 

「チッ……影分身の方だったか」

『俺がお前と組む任務に本体を使うわけがない』

 

 影分身に何かあればすぐに駆けつけられるよう、本体は湯の国の国境を越えない場所で待機中だ。怠慢とは言わせないぞ。

 

 俺を殺せなかった不死身くんはふるふると怒りに震えていた。

 

「……どういうことだ? 影分身ならすぐに消えるはずだろ。反則的な能力しやがって!」

『お前がそれ言う?』

 

 びっくりしすぎて反射的に答えてしまった。それ一番お前に言われたくない言葉だよ。

 

「なら、今度はそっちを狙えばいーんだな!」

 

 不死身くんの鎌が角都の腕を切り裂いた。角都はわざと避けなかったようだ。不死身くんの能力を自分でも試してみるつもりらしい。物好きめ。

 

 俺の時とまったく同じ手順を踏んで不死身くんが自分の胸に鎌を突き刺す。うっ、痛そう。

 

「き、気持ちイイッ……!! 命が搾り取られる感覚……儚く散っていく瞬間……」

「…………」

『…………』

 

 恍惚タイムに入っている不死身くんは角都がケロリとしていることに暫く気づかなかった。

 この場には搾り取られてる命も儚く散りゆく命も存在しない。奇しくも全員“不死身”だった。あるのは有限か無限かの違いだけ。

 

「こんなのがオレの相棒に……」

 

 角都がいつかのサソリみたいなことを呟いた。

 気に入らなければ殺せばいいじゃない! がモットーな角都にとって不死身くんは天敵だろう。

 相棒使い捨てマシーンにはいい足枷になるのでは?

 

 俄然やる気が出てきた。絶対にチーム暁に入隊させてやる。

 

「何でお前も死なねーんだよ! おかしいだろ!?」

『隠していて悪かった。実は俺の宗教はお前のいうジャシン教と兄弟関係にあるんだ』

「兄弟だとぉ……?」

 

 俺はこの間デイダラにしたようにそっと不死身くんの肩に手を置く。

 

『違和感を覚えなかったか? 同じ教えに、同じ術、同じ“不死身”……』

「…………確かに」

『俺の所属する暁も依頼を受ければ殺戮でも戦争でもなんでもやる集団だ。異教徒(隣人)は殺さなければならないが、兄弟とは手を取り合うべきだろう?』

「暁だァ? お前さっきはイタチなんとかって言ってただろ」

『暁はイタチ・サスケ教から派生した組織だ』

「…………」

 

 角都が余計な口を挟む前にぶっ込む。

 

『ジャシン様が求めているのは殺戮。お前が俺たち暁に協力すれば、より多くの争いが起きて人が死ぬ」

 

 ここで不死身くんが「悪くないな」という顔をした。よーしもうひと押し。

 

 すうっと伏せた両眼に万華鏡写輪眼を宿す。

 

『そう、入信条件としてまずはある芸術的な二人へのより深い理解を――』

「その辺にしておけ。()()はデイダラが言っていた精神破壊攻撃だろうが」

『…………』

 

 待って。とんでもなく失礼なことを言われた気がする。

 俺の神たちは破壊じゃなくて創造だから。この世界の創造主だから! 神たちを愛する清らかな心を育てる種を蒔くんだよ!

 

「……いいぜ。入ってやるよ。ただし! オレはジャシン教を抜けねーし、活動はこれまで通り続ける」

「勝手にしろ」

 

 あとひと押しは必要なかったらしい。不死身くんはあっさりとチーム暁への入隊を受け入れた。

 

 こうなることを見越していたリーダーから事前に受け取っていた指輪と服を差し出す。

 

「オイ、まさかこれを着ろってのか? アンタたちと揃いで?」

『……不満はあるだろうがリーダーが決めたことだ』

「ハァ……これじゃあどっかの売れないバンドマンみたいじゃねーかよ」

『…………』

 

 た、確かに……。

 

 

 

 季節は巡り、冬になった。

 

 不死身くんもとい飛弾は角都とそれなりに上手くやっているらしい。

 おかげで暁の主要メンバーはあれから変わっていない。

 

 ザクッと踏み込んだ足が冷たい雪の中に沈んでいく。

 四季はあるものの歩行困難なくらい雪が積もることはない木ノ葉で育った俺にとっては、何もかもが新鮮でちょっと楽しい。

 

 ザクッザクッと意味もなく足を上げたり下ろしたりする。両足の感覚はとっくになかったけど全く気にならなかった。

 

「まったく……しょうがない人ですね」

『鬼鮫?』

 

 ふっと頭上に影がさしたかと思えば、傘を持った鬼鮫が後ろに立っていた。俺側に傘を傾けているせいで鬼鮫の肩がゆっくりと濡れていく。

 

「……なんです、これは」

『雪だるま。知らないのか?』

「それくらいは知っていますがね……」

 

 おにぎりを握るように雪で二つの団子を作った俺は、それをぽんぽんっと鬼鮫の肩に乗せた。

 

『ははっ。それ、落とすなよ。宿に着くまでそのままだからな』

「…………今笑いましたか?」

『ん?』

「笑ったのかと聞いたんです」

 

 お面の内側でぱちりと瞬く。

 何をそんなマジになって。俺だって笑う時は笑うから。

 

『そんなに俺の笑った顔が気になるなら外してやるよ』

 

 白猫面を外して懐に仕舞う。

 

「…………」

「…………」

 

 鬼鮫の反応的に俺は笑っていないようだった。

 




アニメと違って小南が角都たちに着いて行かなかったのは例のスバルの精神汚染攻撃(笑)があるから大丈夫やろと判断したからです

ついに木ノ葉の珍獣(真)と邂逅した鬼鮫が「アナタもなかなかですねェ……ですが、私の知る珍獣はもっと凄いですよ」って謎のマウント取り始めるとこ見たい
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