ご指摘ありました原作の時系列と違う件に関してですが、ご都合主義の時間の流れとして目をつぶって頂けると助かります。
どうも皆様、ライト・ロードです。助けて...。
オラリオに戻ってから、ほぼ休み無くギルドとダンジョンに行ったり来たりの毎日です。やれ「あの階層のアレを持って来てくれ」だの、「闇派閥と思われる影が出たと情報入ったから急いで行け」だの、ホント辛い。
いやね、27階層の悪夢とか言われてる出来事を潰せたのは良かったよ?でもさ、ダンジョンから徹夜明けの帰って来てからすぐにダンジョンに行けとか鬼かよウラノス。あの時の僕、深夜テンションで変な発言しか出来なかったし、初対面の女の子の頭撫でるとか普通に気持ち悪いわ。あー、死にたい。鬱になるわ。
そんなことがあった後、僕はオラリオの街を歩いていた。やっと手に入れた休日、存分に休まなくては。ああ、まだ数日しか経っていないのにアルフィア達が恋しい。
それにしても、あの『死の7日間』から一年でここまで復興するとは。あの頃の瓦礫だらけの街の面影が殆ど見えない。オラリオに居た頃に良く足を運んでいた喫茶店も無くなってるし、本当一年居ないだけで取り残された気分になる。今回の休日は、オラリオの街を適当に散策する事にしよう。
「あの、少しよろしいだろうか?」
「ん?」
突然声をかけられ僕は後ろを振り向く。
そこにいたのは、白い服に長くて綺麗な黒髪、綺麗な赤い瞳のエルフだった。あれ?この子何処かで見覚えがあるような?振り返った僕に黒髪のエルフはそのまま話を続ける。
「あなたは、あの『守護者』で間違い無いだろうか?」
「そうだけど、何か用ですか?」
僕はそう言葉を返すと、黒髪のエルフは「人違いでは無かった」とため息をつく。よくよく見てみれば、27階層の時に頭を撫でた時の子だと思い出し、僕は急いで頭を下げて謝った。
「あの時、失礼な事をしてすいませんでした!」
「は!?いや、何を!?」
やっちゃったよ僕!この馬鹿、よりにもよってエルフの頭撫でてたよ!エルフは高潔で、同族以外は寄せ付けない様な種族だ。そんなエルフに触れるとか、僕の馬鹿!
頭を下げる僕を、黒髪のエルフはオロオロしながら頭を上げさせる。
「そんなに謝らないでくれ。そこまで謝られると何も言えなくなる」
「あの、本当にすいません」
「もういいと言っているんだが...。それよりも、あなたには言わなければいけないことがある。ありがとう、私達を救いに来てくれて。あなたが来てくれなければ、あのまま私達は全滅していただろう」
今度は、黒髪のエルフの方から頭を下げて来た。
僕からすると、未来の黒竜討伐の為の英雄になるかもしれない冒険者を助けるのは当たり前な事なので、こんな風に感謝されるとむず痒くなってくる。それにしても、黒髪のエルフの後ろの少し離れた所にいる集団は何故こちらを見ているのだろうか?
「ところで『守護者』、何故こんなところで右往左往していたんだ?」
「僕そんな不審な動きしてた?まぁいいか。この辺りに来るのは久し振りで、何処にどんな店があるのか見て回ってただけだよ」
「成程」
黒髪のエルフは考える様な素振りを見せ、提案してくる。
「あなたが良ければだが、この辺りの案内をしようか?」
「えっ、良いのか?こちらとしては助かるけど」
「構わない、この程度で礼になるとは思ってないが、今度はこちらが助けさせてくれ『守護者』」
「あー、うん。なら、よろしく頼むよ。それとその呼び方はやめて欲しい。僕はその称号で呼ばれるのはあまり好ましく無いんだ。ライトかロードと呼んで貰いたい」
「そうか、ならこちらもフィルヴィスで構わない。それでは行こうかロード」
黒髪のエルフ、フィルヴィスはそう告げ僕を案内してくれた。僕とフィルヴィスを見ていた集団は、何やらガッツポーズしているが本当に何なのだろうか?
この後、フィルヴィスと一緒に街の様子を見ながら、途中で喫茶店でお茶を飲み、街の案内のお礼に小物を買って渡したりした。それにしてもフィルヴィス、エルフだけど良い人だったなぁ。何というか、エルフ特有の性格のキツさは若干あるが、優しい雰囲気を纏っていて好感が持てる。年齢的にも近いし、別のファミリアの冒険者だが良い友人になれると思う。
とあるファミリアの団員達の会話
「団長、良かったですね!『守護者』にお礼が言えて!」
「ああ、そうだな。それにしても、ダンジョンでの時は軽い男かと思っていたが、話してみれば思っていたより誠実みたいで助かった」
「団長美人ですもんね!」
「茶化すな」
貰った小物はマグカップで、その後永らく自分専用で愛用したという。たまにそのマグカップを微笑みながら洗う団長の姿があったとか無かったとか。