夢幻の剣製   作:異世界物書き

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「ひとつ、チカラを授けよう」

 

辺り一面何も無い真っ白な空間で、声が響く。

 

自身の体を見るが何もない。

 

大凡の予想は着く、多分、死んだんだと思う。

アニメや小説を好む俺にはわかる。

転生するのかもしれんなこれは。

 

そして今の声。

 

「チカラ……それは、どんなチカラでもいいのか?」

 

「構わん、如何様なチカラも、ただ1つのみ授けよう」

 

1つ、か、かなり難しいことを言うな。

 

だが、1つ、欲しいチカラがあった。

 

憧れであり、夢であり、信じた希望。

 

投影魔術。

 

Fateと言う物語の主人公、衛宮士郎が使う、武器を複製、貯蔵し、戦う為の魔術。

 

俺はそれに憧れた、偽物と呼ばれようとも、偽り罵られようと、己を信じ、貫く男のチカラ。

 

それを得ても同じ志を持つ訳では無い。

 

けれど、憧れには、近付ける、かもしれないから。

 

俺は、そのチカラを、求める。

 

「良かろう、新たな世界で、己が心に従い、好きに生きるがいい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目が覚めたのは草原だった。

 

「ここ、は………」

 

ここに来るまでの記憶が無い...が、段々と思い出してきた。

 

「確か……トレーラーに跳ねられて……神様らしき奴と白い空間で話して……」

 

そこまで思い出した途端、脳内に情報が溢れ出す。

 

(俺は綾辻悠樹、18歳で、男子、アニメが好きな一般人、のはず...)

 

確かに思い出せるのはここまで、これ以外の記憶はぼやけている……

 

(不必要な情報だからか……?わっかんねぇ……)

 

そして、この世界のことに関しての記憶に触れてみる。

 

(この世界は……剣と魔法の世界で……フリスって名前の世界か……よくあるファンタジー世界か……科学は進んでおらず、魔術、魔法に頼った世界……か、割とご都合主義的な感じか、トイレやら風呂やら)

 

「別に目的を与えられたわけでもなく……自由に、か。」

 

(理由は分からないが、異世界で自由にいきていい、か。)

 

「なんでここに来させられたのか、それも調べていかなきゃなぁ……」

 

1番気になっていたことを確認する。

 

「投影魔術、使ってみるか。」

 

ただ、俺の記憶が正しければ、衛宮士郎の扱う投影魔術はかなり異質であり、彼以外には扱うことが出来ぬほど特質的な魔術だったはず。

 

扱うことが出来るか、不安もある。

 

「……投影、開始」

 

脳裏に描くは剣。

 

白と黒の对となる双剣。

 

干将、莫耶。

 

体の中にある今まで無かったもの、魔力を感じる。

 

血のように体に流れ、渦巻いている。

 

その渦巻きが、両手に流れて行く。

 

青白い魔力線が集まり、武器の形を生していく。

 

目を瞑り、イメージを明確に。

 

 

 

 

 

「……出来た………出来た……!!!」

 

 

両手には今まで触れたことないはずの魔力によって形作られた触れたことの無い武器。

 

干将莫耶が握られていた。

 

そして気がつく。

 

俺の投影魔術は通常のものとも、衛宮士郎の扱う投影魔術とも、全く別のものであると。

 

本来の投影魔術は魔力の燃費がすこぶる悪く、実践での使用はほぼできないらしい。

 

そして、本来の投影魔術は武器の本質を具現化するもの。

 

それに対して俺の扱う投影魔術はイメージの具現化。

 

想像をした武器をそのまま現実へと創造する。

 

投影、と言うよりかは具現魔術とでも呼ぶべき代物になっていた。

 

まあ、あくまで投影魔術ではあるが。

 

当然、魔力もかなり持っていかれているようだ。

 

俺の持つ魔力の数値を100とするなら、この2振りを作るだけで80は持っていかれている。

 

やはり、魔力の量も少なく、魔術回路も弱い、という事だろう。

 

少しづつ、強くしていくしかないのだろう。

 

ためにし近くにあった木に振ってみる。

 

‪✕‬字に切り裂くように振るう。

 

少し鈍い音と共に、想像通りに切り裂かれていた。

 

やはり、体もイメージと似たように動く。

 

魔力による身体強化と言うやつか。

 

元の身体能力の何倍にもなっているようだ。

 

「やっぱりイメージを具現化するという魔術に変化してんのか。」

 

かなり扱いやすいようになっているらしいな……

 

神の手により俺に合わせて変化している可能性もある。

 

さらに実験を進めると、今の魔力量て作れる武器が現状では1つ、防具は1つということがわかった。

 

(エミヤの干将莫耶、マシュの円卓の盾、か。)

 

俺のイメージに強く残ったものを作ることができるらしい。

 

「俺のイメージ、か、なら、この世界の武器も複製できるのか……?」

 

まあ、これに関しては誰かと出会わないと試すことも出来ないが……

 

気がつけば既に夕焼け空になっていた。

 

「流石に泊まれるとこ探さないとやべぇか……」

 

……首に嫌な気配がぶつかる。

 

咄嗟にしゃがみ、前に転がる。

 

グルゥァァァァァ!!!!!!

 

 

人間大の巨大なイノシシ……なのか……??

疑問符が着くのには理由がある、簡単だ。

 

だって、ピンクだぜ……??

 

「……これ、死ぬかもな……」

 

死ぬ、そう思った瞬間、肺が重くなり、脚は地面に張り付き、呼吸は荒くなる。

 

気が付けば、ピンクのイノシシに突進され、七、八メートル吹き飛ばされていた。

 

ギリギリのところで反射的に身体強化を発動することが出来、何とか生きているが。

 

「がぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

右腕は折れておかしな方向へと曲がり、肋骨が折れたのか呼吸は困難、足も動かず、ただ叫ぶことしか出来ない。

 

叫び声を聞き、ピンクのイノシシは多少警戒したのか、襲っては来ない。

 

だがしかし、何も出来ないと分かればすぐさま襲ってくるだろう。

 

チカラを手に入れようと、俺は衛宮士郎のように抗える訳もなく、エミヤのように強くもなく、ただの高校生の俺には、何も出来ない。

 

そう理解し、心にヒビが入り、叫ぶのを辞めた。

 

痛い痛い痛い、苦しい苦しい苦しい、悲しい悲しい悲しい。

 

様々な感情が駆け抜ける。

 

転生したばっかなのに死ぬという自分への嘲笑。

 

転生したのに何も出来ていない自分への絶望。

 

そして、生きる事への渇望。

 

死にたく……ない……誰か……助けて…………

 

うっすらと開く目にはこちらに迫ってくるピンクのイノシシが映る。

 

誰か……………

 

 

一陣の風が吹き抜けた。

 

蒼い髪が、夕焼けによく映えていた。

 

ピンクのイノシシが倒れ伏す。

 

こちらに振り向いた蒼い髪の人物は俺に手を向ける。

 

その手から暖かい光が放たれると、体から痛みが引いてゆく。

 

安堵を感じながら、俺の意識は闇に落ちた。




初めて二次創作というものを書くことにしました。

超初心者の描く、無限の剣製、あらため、夢幻の剣製を得た主人公が何を成すのか、どこへ至るのか。

その行く末を楽しみにしていてください。
主人公は一般的な日本人で戦闘経験もなく、普通の高校生です。
ただアニメや漫画、ラノベ系等が好きな影響で適応力は高め。

そして、基本主人公へのご都合世界です。
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