夢幻の剣製   作:異世界物書き

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「はぁぁぁぁ!!!!!」

 

気迫を込めて干将莫耶を振るう。

 

「斬撃が雑です、意識を静め、心を凪いでください。」

 

ディアの片手剣に片手で軽々と受け止められ、弾かれる。

 

バランスを崩すが、すぐさま体制を立て直し、武器を構える。

 

(……やっぱり体が動かせる……なんでだ……?)

 

本来、俺はただの高校生、特に戦闘訓練なんてしたこともなかった、部活もしておらず、運動すらあまりしてこなかったのに。

 

(神さんのおかげ……か?)

 

転生特典……のようなものなのか、と考えていると。

 

「雑念が混じっています、集中してくださいね。」

 

いつの間にか後ろに回っていたディアに頭を軽く剣の鞘で叩かれる。

 

「痛!」

 

「訓練とはいえ戦闘中です、敵から意識を逸らしてはなりませんよ。」

 

……鞘とはいえ金属製の物で頭を叩かれたら流石に痛い。

 

「……もう一本お願いします!」

 

「どうぞ、かかってきてください。」

 

そう言ってディアは5メートルほど距離をとる。

 

「行きます!!……ふっ!!!」

 

合図と共に身体を深く沈め、ありったけの力で地面を蹴る。

 

腕の力を抜きながら、全力で駆け抜ける、要するに忍者走りだ。

 

後ろに伸ばした両腕を、全力で下から逆袈裟に斬りあげる。

 

「いい踏込みです、ですが。」

 

いとも簡単に防がれる、だが、それでは終わらない。

 

「まだまだ!」

 

防がれた干将莫耶をその場に手放し、全力で飛び上がる。

 

「……空中では逃げ場がありませんが、どうしますか?」

 

「こうする!!!!」

 

魔力を右手に集め、投影する。

 

「投影、開始!!」

 

想い描くは盾。

 

エミヤが使う、防御の切り札。

 

絶死の魔槍をも防ぐ、最強の盾。

 

熾天覆う七つの円環(ローアイアス)!」

 

出来たのは不完全な3枚の花弁。

 

だが、攻撃を防ぐには、事足りる。

 

「……!」

 

流石に初めて見る防御札に一瞬だがディアの意識が逸れる。

その隙を、狙う!!

 

「投影、開始!」

 

右手に魔力を集め、投影する。

 

創るは1本の剣、何の変哲もないただの木剣。

 

左手に熾天覆う七つの円環(ローアイアス)、右手に木剣を持ち、上から急降下する。

 

(これなら1本……!!!)

 

「いい判断です、ですが、それではまだ、1本はあげられません。」

 

「!?!?」

 

確かに下に居たはずのディアが、気が付けばすぐ横にいる。

 

急いで木剣を振るうが簡単に防がれ、コツン、と鞘で頭を突っつかれる。

 

……これで30戦、30敗。

 

熾天覆う七つの円環(ローアイアス)を展開したおかげで着地自体はなんのダメージもなく降りることが出来たが、またいいとこ少なく負けたと言うショックで草原に寝転がる。

 

「ディア強すぎ……」

 

「ねー、お姉ちゃん容赦ないし、強すぎるよね、手加減してくれてもいいのにねー。」

 

少し離れた位置で見ていたフールがこちらへやって来て、横に座っていた。

 

「S級冒険者ってのは、みんなあんな強さなのか……」

 

「そうだね……お姉ちゃんはその中でもかなり強いけれど、みんな本気のお姉ちゃんと戦うことは出来るんじゃないかなぁ。」

 

「本気のディア……勝てる気しないなぁ……」

 

苦笑いしながら答える。

 

(超手加減されてるのはわかるけど、それであの強さだものな……本気か……イメージも出来ないな。)

 

あの時のピンクのイノシシの強さは知らないが、一撃で人間を吹き飛ばせる奴を瞬殺しているのだ、相当な強さなのだろう。

 

(……あの時から戦い続けてるけど、勝てないな……)

 

あの時、と言うのは2ヶ月前、フールが謝りに来たあの日だ。

 

次の日から回復した俺はディアとフールとの戦闘訓練にはげんでいた。

 

最初は慣らしでゆっくりとした戦いの基本を教えてもらった。

体の動かし方や、意識するべきことなど、様々なことを。

そして実践訓練、まあ、今やっていたようなディアやフールとの戦闘訓練だ。

 

もちろんハンデはありだ、俺は武器の投影は自由に行っていいが、ゲイボルグのような、特殊攻撃性の高い武器はなし、ディア達は魔法を使わないという条件での戦い。

 

圧倒的に俺有利な条件にも関わらず、ディア達には一勝もできていない。

 

(あの時……本当にゲイボルグを投影出来て良かった……)

 

地力の差がとてつもなく大きく、本当によく勝てたなと今でも思う。

 

しかし、そんな俺も少しずつ、強くはなってきた。

 

使える魔力もかなり多くなってきた、多分、今なら生命力等を消費しないで1度限りならゲイボルグを投影できるだろう。

 

魔力は使い切るだろうが……

 

なんて、色々考えていると。

 

「2人とも、今日はそろそろ終わりにしましょうか。」

 

朝から訓練していたが、気が付けば昼の鐘が鳴っていた。

 

「そうだな、ちょうどお昼時だし、終わるか。」

 

「はーい、あ、お姉ちゃんお姉ちゃん!」

 

「どうかしましたか?」

 

「お父様とお母様が、一旦うちに帰ってきてってさ。」

 

「分かりました、後でギルドに顔を出した後、向かいます、フールはこの後どうしますか?」

 

「んー、私もギルドに寄ってから帰るよ!」

 

「わかりました、後で一緒に向かいましょう。」

 

「はーい!!」

 

「アヤトさんはこの後予定はありますか?」

 

「ん!?」

 

ここで俺に話が振られるとは思わず、瞑想し魔力を練っていたため軽くビクッとしてしまった。

 

「えーっと、まあ、特に何もないな……」

 

「そうでしたか、ならちょうどいいです。」

 

「ちょうどいい?」

 

「ええ、私達と一緒にギルドへ行ってみませんか?」

 

「ギルド……俺も一緒に行っていいのか?」

 

「はい、大丈夫ですよ、ギルドには素材の代金を受け取りに行くだけですから。」

 

「私も同じ理由だから、特に一緒に行っても問題ないよ〜!」

 

「まあ、それなら是非一緒に行ってみたいな、気になってたからな!」

 

やっぱり男なら冒険者ギルドに憧れはあるよ!!

 

(……テンプレないといいな……)

 

自分で思っておきながらフラグ立ったかも……みたいな心配が頭をよぎる。

 

「では、着替えてから向かいましょうか、訓練で汗もかいたことですし。」

 

「……確かに。」

 

自分でも思った以上に汗をかいていた、やはりあれだけ動けば体温も上がる、そりゃ汗も多くかくか。

 

「着替えたら病院の前で待ち合わせましょう。」

 

「はーい!おめかししていこ〜!」

 

「わかった、あの病院前に集合だね。」

 

病院前、まあ、俺の元々入院していたとこだろう。

 

ちなみに今はディアにお金を借りて宿屋で暮らしている。

 

……流石に早めに安定して稼がないと……、じゃないと色々マズイ……!!

 

急に今の環境に対してヤバさを覚えたが、取り敢えず今は帰って着替えることにする。

 

「ではおふたりとも、また後で。」

 

「また後でね〜!」

 

「はいよ、また後で。」




作者です。
今回も短いです。
というか、色々すっ飛ばしました。
病院退院のシーンとか、お金借りたりーみたいなところとか。
構想はしたのですが、余計になりそうだったので元気なシーンを入れて少し早めにお話進めました。
次回投稿少し間が空くかもしれません。
感想とか、評価とかして頂けたら少し早くなるかもしれません。
がんばります。
作者でした。
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