かつて自作した聖杯戦争   作:マジカル赤褐色

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蝦碑市で突如開かれた聖杯戦争。ランサーのマスターである、ユグドミレニアの秘蔵子、ケイアス・ヨルムンガンドは、今宵、自身の召喚したサーヴァント、ランサーと共に、聖杯戦争最初の夜を越す。


第一章-2 初夜・ランサー陣営

 

 

 

「問おう、貴様がおれのご当主か」

 

僕の前に現れたのは、貴族服が特徴の、高身長の男のサーヴァントだった。

 

「その通りだ。僕が、君のマスターだ。」

 

「そうか……はぁ……寒いな……此処は。冥府の底からの来訪とはいえ……この器では、寒さとは長く付き合わなければならぬか」

 

ダーニック様の噂には何度も聞いていて、それについてはある程度知っていたものだったが、やはり本物のサーヴァントとは初めて見たものだ。風格が全く僕らの家系とは違う。流石は、神話であれ逸話であれ史実であれ、英霊と讃えられた者たちだ。僕らごときでは一生を二度費やそうと、彼等のようには成れまい。

 

「サーヴァント、ランサー。貴様の召喚に応じて此処に参った」

 

男は重く低く小さい声で僕に話しかけてくる。

 

「ランサーか。これは大当たりだ。この聖杯戦争、貰ったも同然だ。僕からも名乗ろう。僕は、「ケイアス・ヨルムンガンド・ユグドミレニア」。ユグドミレニア最強の兵器だ。この二つ名だけで十分だろう?」

 

「「大精霊(ヨルムンガンド)」………か。変わり種な名を持つではないか、ご当主よ。聖杯から与えられた知恵によれば、ユグドミレニアは一大魔術家系と心得ている」

 

「そう。我らユグドミレニアは、魔術世界に更なる発展と永劫をもたらす、魔術世界の希望の星だ。喜んでくれ、ランサー。君が引き当てたマスターは、此度の聖杯戦争最強の魔術師だ。僕も喜ばしい。君のような強力なサーヴァントを召喚できたとは。まさか、「神霊」のサーヴァントを召喚するとはね。僕の運も、棄てたものではないみたいだ」

 

僕の事がさぞ気に入ったのか、ランサーはニヤリと微笑んだ。

 

「ふ、おれを「幸運」と呼んだか。良いだろう、このランサー、ご当主に永遠の忠誠を誓おう。此度の聖杯戦争に貴様の勝利を手向ける」

 

「ありがとう、ランサー。では、初動は如何がしようか?」

 

僕の機嫌は今絶頂期だ。ランサーという強力なクラス、それも神霊を喚んだわけだ。歓喜に囚われることなく振る舞うのは無理だ。

 

「おれはご当主の(めい)のみを待つ。貴様の意思に全て任せる」

 

ランサーは僕の部屋の片隅で立ち尽くし、僕の命令を待っている。どうも、騎士のような属性……性格を持っているのだろうか。僕をマスターではなく、ご当主と呼んでいるところから、やはり、彼は性格上、主従関係というものをかなり意識しているそうだ。

 

「僕は生憎と優柔不断でね。自分のことすら決めれず、ましてや、人に命令なんて下せる自信がない。君はサーヴァントであって、一人の英霊なんだ。マスターとサーヴァントの主従関係は、サーヴァントが主であって、マスターが従であるべきではないかな?」

 

「ほう、恐れ入った。では、おれはおれの判断で動けと?」

 

「そうだ。どうやら、頭脳分野でも君のほうが、闘いに向いているみたいだ。君の判断が、僕たちにとって最善の行動になるだろう。ただ、確かに、まずは見廻りの方をお願いしようかな。サーヴァントと接触した場合も君に判断を委ねる。勿論、できるのならやってしまえ。敵は少ない方が良い」

 

「その(めい)、心得た」

 

ランサーはゆっくりと外へ出ていく。部屋は僕一人になる。

そうか、ついに我らユグドミレニアの望みを叶える刻が来たか。ダーニック様に連絡しておかなければね。我々は最強のサーヴァントを召喚できたと。

……とはいえ、問題は山積みだ。まだ召喚しただけであって、実戦は何一つ行っていない。此処からがまさに幕開けだ。我らユグドミレニアによる魔術世界の統轄、その日々の為にいざ行かん。

 

「開戦か。では、勝負といこうか。この僕、ヨルムンガンドの氷獄、君たちに耐えきれるかな?マスター諸君……!」

 

僕は立て掛けていた杖を手にして、窓の外の夜景を眺めていた。

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

【キャラ紹介】(ランサー陣営)

 

ケイアス・ヨルムンガンド・ユグドミレニア

ランサーのマスター。

一大魔術家系、ユグドミレニア家の最強兵器。ダーニックに入れ込まれており、ユグドミレニアに受け入れられてから、ユグドミレニア家で魔術教育を受けていた。秘蔵者であり、ユグドミレニア家の者ですら、彼の存在を知らないものは多い。ユグドミレニアを聖杯戦争に勝利させる為だけに産み出された魔術師で、本体の戦闘能力に関しては、此度の聖杯戦争随一とされており、ユグドミレニア家の中でも最強とされている。水準値にもよるが、ダーニックの調査では、「低層サーヴァントに匹敵」とされている。此度の聖杯戦争では、最強とされるランサーを召喚し、余裕の構えで聖杯戦争に乗り込む。

 

 

ランサー

槍兵のサーヴァント。

ケイアスを「ご当主」と呼び、忠誠を誓う騎士のような佇まいのサーヴァント。神霊のサーヴァントで、強力な神器こそ持ち合わせないものの、その戦闘技量だけは超一流。此度の聖杯戦争随一の強力な英霊で、まさに勝利候補とされている。寒がりで、田舎でも「ここは寒い…」とうずくまっている。いざ戦闘となれば、騎士のように立ち上がり、狙った獲物はその槍に通すまで逃さない、執念深き狩人でもある。




さて、早くも連載投稿です。ケイアスはユグドミレニア最強という設定にはしましたが、明らかな原作崩壊ですね。まぁ、これはマジカル赤褐色が勝手に生み出した駄文ですので、そこは暖かい眼で見守ってあげてください。ちなみに、ランサーは擬似サーヴァントとしています。もし、正体が分かった人、貴方、型月慣れしてますね?そのような型月ファンに見ていただけただけで光栄です。というか、連載で見ていただけてるだけで、わたしは幸せですが。次回の方もお楽しみにしていただければ幸いです。
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