夜の王と魔物の王   作:変人集袋

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星の茹でカニ

星の雫を使って茹であげられたカニの身肉
プリプリとして汁気もある見事なもの
塩加減にコツがあるらしい

一定時間、物理カットを大きく高める

また、星の雫を使ったこの茹でカニは
不思議な力が染み込んでいて
ゆっくりとFPを回復する効果がある


続く鬼の目覚め、あとスライムの目覚め

…目覚める。次に目覚めたのは紫髪の鬼人。名をシオンと言う。

脳筋のような…て言うか脳筋の彼女はシルシテイと戦う際も無骨な棍棒を振り回して戦っていた。早々に眠らされてしまったが。

さて、目覚めたそこには未だに武器の手入れをしているシルシテイが。はよ終わらせろ。

 

「おお、起きたか、シオン君。君で…ええと…そう、三人目だ」

 

無心になって武器の手入れをしていたせいで軽く記憶がとんでいる。

 

「ちなみに先に起きたのはクロベエ君とハクロウ君だ。二人ともそれぞれ外に出かけていったぞ」

「あ、はい。ありがとうございます」

「さてさて、君とは何を話そうかな…」

 

彼の中では何か話さなければならない流れになっているらしい。別に誰もそんなこと求めてないが。

するとシオンがシルシテイに問う。

 

「あの、リムル様は…?」

「ん?ああ、それ。そこの壺の中」

 

クッションの上に置かれた壺。貴重な壺とかそういう訳ではない(ある意味では貴重とも言えるが)。リムルが入っている壺である。

それなりの時間が経ったが未だ目覚めないリムル。上位存在になるほど名付けは高リスクと言うことを彼は知らなかった。

シルシテイは大変なんじゃの、と他人事のように考え、話を続ける。

 

「君は何かしたいことがあるかね?」

「オーク達を殺したいです!」

「ああ、そういうことじゃ無くて…」

 

当然とも言える返答だが、シルシテイの求めている答えではない。起きがけだからこそ何かしたい事があるのでは?

そのようにもう一度言った。

 

「では…身体を洗いたいですね。恥ずかしい話ですがあまり風呂に入れていなくて」

「なっ…!(盲点だった…!ここには家も飯も服もあるが、風呂がなかった!何故それを忘れていたんだ!至急作らなくてはならん)」

「ど、どうかしましたか?やはり自分勝手なねg「風呂を作るぞ!」ひゃっ!?」

「シオン君、君のおかげで大事なことに気づけた!感謝するよ!」

「は、はい!?」

「そうと決まれば早速技術者達に相談せにゃならん!ドワーフの奴等は何処じゃ!」ドタドタドタ

 

そう叫びながら出ていったシルシテイ。数時間後、シュナが目覚める少し前に温泉が出来上がることになる。

そして少し先の話、魔国建国記と呼ばれる書物には『月光の温泉』という項目が出来上がることになる。

 

 

続いて目覚めたのはシュナ。姫と呼ばれた容姿端麗な少女。

多くの技術に精通しており、多彩な術でシルシテイを苦しめた強者でもある。

彼女は少しばかり不幸であった。

目覚めて早々に上半身裸の壺頭(HENTAI)を見てしまった。身体は傷だらけで、包帯が巻かれていて痛々しかったが、それでも男の裸は年頃(?)の女の子には目に毒である。

 

「…えぇと、やあ。シュナ君」

「…服を着て欲しいです」

 

顔を真っ赤にして必死に見ない様にするシュナ。可哀想に。

しかし、不幸なことだらけでは無い。

 

「あ、そうそう。風呂ができてるから入りたかったら行くといいぞ。場所はあっちの方」

 

いつもの(黒き刃シリーズ)を着たシルシテイは風呂の完成を伝える。

 

「風呂…ですか。いいですね。早速入ってみても良いですか?」

「おお、構わんとも。男女分かれてるから安心すると良い。覗きを阻止する機能も付けた」

 

ここでいう覗きを阻止する機能とは目の座標が壁より高くなりそうな時にインプ像が引きずり落として拘束するという機能である。

王たるシルシテイはインプ像の作り方も心得ている。

…とは本人の弁である。

 

「…そう言えばシュナ君は何ができるんじゃろうか。巫女だからやはり祭事かね」

 

早々に風呂に行ってしまった彼女を今更呼び戻すわけにもいかず…あまり話のできなかったシルシテイであった。

 

 

また一人目覚める。此度目覚めたのは青髪の鬼人。

名をソウエイと名付けられた。

 

「おはよう、ソウエイ君。調子はどうかね?まあ普通に起き上がってるからいいと思うんじゃけど」

「はい、問題ありません」

「おお、そりゃよかった。リムルもぶっ倒れてまで名付けをした甲斐があったじゃろうて。あっはっは」

 

他人の不幸を笑う屑。まあ、自業自得でも有るので仕方ないのかもしれない。

 

「それにしても君のあの戦い方…暗殺者を思い出す戦い方じゃったの。ハクロウ殿も背後から攻撃こそしてきてはいたが致命の一撃を決めたのは君ぐらいじゃよ。あ、褒めてるからな?」

「ありがとうございます」

「もしかしたら君は隠密ならわしを余裕で上回るかもしれんな。隠れられたらわしもやばいかも」

「…そんなに弱点を言って良いのですか?」

 

ソウエイは当然のことを言った。弱点なんて身内にでも語るものではない。しかし、シルシテイは続けてこう言った。

 

「いや、最悪の場合は全部吹き飛ばせば良いからな。もちろん建物に被害は出さずに」

 

支離滅裂な思考、発言。しかしシルシテイにはそれを為す技、力がある。その一端を自身の身で味わっているソウエイは納得した。

 

「なるほど、確かにあれだけの力が有れば確かに為せるでしょう」

「じゃろ?とは言っても昔はそれが出来ずにボッコボコにされてたんじゃがな」

 

そう言ったシルシテイはある洞窟*1や封牢に閉じ込められた街*2を思い出していた。

 

 

最後の一人が目覚める。名をベニマル。赤髪の鬼人にして総大将…を継ぐ者であった。

 

「おはよう、君で最後…じゃねえな。まだリムルが起きてねえや。まあええじゃろ」

 

良くは無い。が、話は進む。

 

「さて、多分一番偉いであろう君に聞きたいことがある」

「はい、なんでしょうか」

「君たちの武器や防具は何処で手に入れたのか知りたいと思ってね。それか、誰から作り方を教わったのか」

「確か…かなり昔に、助けた人間から教えてもらったと聞きました」

「ほーん…(なるほど、多分転生か転移した奴じゃろうな。葦の地…じゃなくて多分リムルの故郷じゃろうな。それも古い時代の。やはり狭間の地からの転移者はいないかも知れん。ま、()()じゃな)

「…あのー」

「んあ、どうかしたかの」

「いや、心ここに在らずといった感じでしたので」

「ああいやいや、そんな大したことじゃ無い。それにしても君達はなんというか…かしこまりすぎじゃの。もっと砕けた感じでいいんじゃぞ?」

「まあ立場的には雇ってもらう形になってるので、これくらいは」

「それは確かにな。ま、しばらくはのんびりするんじゃな。そこの壺の中身が目覚めるまでは目立った事はせん予定だしな」

「…そういえば、リムル様は大丈夫なんですか?」

 

リムルを心底心配するベニマル。当然である、おそらく長いこと眠っていたであろう自分達よりも長く眠っているのだ。

もしやこのまま目覚めないなんてことも…と考えてしまう。

 

「いや、心配はない。名付けの度にこうなっとる」

「ええ…」

 

それはそれで心配になるベニマルなのだった。

 

 

鬼人とリムルが寝てから三日。未だ寝ているのはリムルだけとなった。

そして、リムルが安置されているログハウスには鬼人たちが集まっていた。

シルシテイが「多分リムル目覚める」という根拠の無い理由で集めたのだ。

集まった鬼人たちとシルシテイはというと…

 

「いや、あと少しのはずなんじゃ」

「私はまだ待てますので、大丈夫ですよ」

「私もですシルシテイ様!」

「いやそれでも…ねぇ?」

「俺たちも待ちたくて待っているので、気にしないで下さい」

 

割とのんびりしていた。集めてから一時間。結構経つが、未だ目覚めない。

どうしても手を離せない仕事がある!と血涙で話していたリグルドや、服や装備を整えるのに大忙しだったカイジン達も普通に仕事を終わらせてやってきた。他にも大勢が集まっている。

 

「そういえばシルシテイ様。リムル様とはどのようにして出会われたのですか?」

「え?ええと、そうじゃな、そう、知らん場所で彷徨ってる所で偶然出会ったんじゃ。んでもって意気投合してな…」

 

 

……ようやく目が覚めた。まさかこんなに眠ることになるとは…

どうやら三日は寝ていたようである。迷惑かけちゃったな…

自分はまだ例の壺の中にいるらしい。そして外には多くの魔物たちがいる。

待ってくれているのか?そろそろ出ようかな。

 

「おう、ようやく目覚めたか。ちと眠りすぎじゃないかね」

「不可抗力だよ、不可抗力」

 

おお…! ザワ…ザワ…

 

(なあシルシテイ)

(なんじゃ)

(これもしかしなくても心配かけちゃった感じ?)

(うん)

 

いや、そりゃそうだよね…いきなり溶けたら心配かけるに決まってるよね。

 

「リムル、じつはオーガ改め鬼人のみんなから話があるそうじゃ」

「おう。…ん?鬼人?」

「そう!実はみんな進化したんじゃよ!そうじゃろ?」

「はい、リムル様の名付けにより、我々は進化することができました」

 

言われてみると、めちゃくちゃに変わっている。

見た目に磨きがかかったり、若返ったりしてる。

何よりめちゃくちゃ強くなってる。やっぱ進化凄え。

 

「つきましては、リムル様!お願いがあります!」

「なんだ?」

「どうか、我等の忠誠をお受け取り下さい!」

「ちゅ、忠誠!?別にそこまでする必要はないよ!?」

(シルシテイ!傭兵って忠誠まで捧げるもんだっけ!?)

(普通はせんな。しかし、鬼人たちはベニマルだとか、ソウエイだとか、立派な名前を貰って尚且つ進化しとる。これは多分じゃが…この世界じゃとんでもない恩義じゃぞ)

 

な、なるほど…まあでも、こんなに強い奴等が仲間になるなら断る理由はないよな。

強すぎてちょっと怖いけど…

 

「分かったよ。じゃあよろしく頼むな。」

「…ッ!ありがとうございます!」

「おめでとう、今日から君たちも仲間じゃな。はっきり言ってこの町は人材が足りとらんから沢山働いてもらうぞ。無論わしも働いとるからかわからんことがあったら聞くといい」

 

 

鬼人たちの強さや技術は目に見張るものがあった。

地獄蛾って言う虫の糸を使った服なんかも作ってるそうだ。

中々優れた防御力らしいが…

 

《告。現在着用している『竜騎士』の装備は能力が封印されており、それでいて尚強力な防御力があります。その要因として竜の飛膜などの素材が余すことなく使われているためかと思われます》

 

まあ、竜の飛膜なんて豪華そうな素材使えばな…

しかも伸び代があるとか凄いな。

所で…

 

「わたくしがリムル様のお世話をしてもいいのですよ?」

「ご安心ください!リムル様の世話は私がしっかり務めますので!」

 

しゅ、修羅場じゃないか…(汗)

 

(シルシテイ…!ちょっと…!)

「んふふふふふふ」

(笑ってんじゃねえぞ!分かんねえのかこの状況が!)

 

他人事だと思いやがって…実際他人事なんだけどな。

 

「そ、その辺にしたってくれんかシュナちゃん。ほら、交代交代で、な?」

「分かりました、シルシテイ様がそこまで言うならば…」

 

おお、心の友よ!可愛い女の子に囲まれるのは嫌いじゃないしむしろ好きだが、喧嘩となるとちょっと怖いんだ!

何言っていいか分からないからさ、ね?

 

「ほら、リムル。他の奴等の様子も見にいくんじゃろ?」

「あ、ああ、そうだな。シュナ、ベニマル達って今何処にいるんだ?」

「リムル様が教えてくれた洞窟で模擬戦をしているらしいですよ」

「じゃあそこ行こうか。シオン、頼めるか?」

「はい!もちろんです!」

「模擬戦か…進化前も死ぬ程強かったのに、どんだけ強くなっとるんだか」

 

 

や、やべえ…何がヤバいって色々やべえ。

ベニマルの木刀が白い光纏ってるし、なんでハクロウは木刀で岩切れるんだよ。

 

「ええ…?うそじゃろ…?」

「こ、これは凄いな…」

 

俺とシルシテイが呆然としていると、決着がついた。

ハクロウがベニマルの首筋に木刀を当てていた。

 

「おや、リムル様にシルシテイ様。ここは静かでいい場所ですな。教えて下さり有難うございます」

「リムル様にシルシテイ様?ああ、恥ずかしいところを見せてしまったな」

「は、恥ずかしいところって…もう刀じゃ勝てん気がするわ」

「え、マジで?逆に刀以外なら勝てんの?」

「ほう…」

「え、刀が得手と言うわけではないんですか?」

 

興味を持ったらしいハクロウと、驚くベニマル。

ちなみにシオンは眠らされていたので当然覚えていない。

 

「刀も得意ではあるんじゃが、もっと使える武器があるってだけじゃ。例えば…」

 

シルシテイが話そうとしたその時、ベニマルの影から何かが出てきた。

どうやらソウエイみたいだ。影移動…こんなに便利とは。

ソウエイはどうやら報告があったらしい。

 

「地獄蛾の繭の回収し、帰還する途中にリザードマンの一行を見かけました。湿地帯から離れたここまでくるのは異常ですので一応報告を」

「リザードマン?どんなやつらじゃ?」

「私も見たことはないですけど、湿地帯の大きな穴蔵に住んでいるらしいですよ。あと、足に水掻きがあって、水辺の先頭が得意だとか…」

「へー、ありがとな、シオンちゃん」

「いえいえ!滅相もございません!えへへへ」

「リザードマン?どう言うことだ…?」

 

どうやらベニマルは違和感があるらしく、思案をはじめた。

オークの次はリザードマンか…これ以上の面倒ごとは勘弁して欲しいな。

*1
賢者の洞窟。例の松明はなく、怒りや星呼びが使えるステータスでも無かったので死

*2
典礼街オルディナ。洞窟とは違い、使えるステータスではあったが、それでいて尚死




やべえ。ちびちびちびちび書いてたら
DLCきちった。
でも投稿頻度は変えれないです。むしろ伸びるかも
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