私のディケイドアカデミア   作:課金ドライバー

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世界の破壊者(女)、超人社会に転移する。

世界が崩れる。1人の時の王者によって理が歪められ、世界の再創造が行われていく……

その光景を3人が見ていた。

 

一人の男、門矢 士は既に別の仮面ライダーのいる世界へ向かい、もう1人の男、海東 大樹は世界の再創造を最後まで見送り……最後の一人、気那由 荻子は新たな旅を始めようとしていた。

 

「……さて、私もそろそろ別の世界に行こうかな!」

 

「おや? 気那由君はどんな世界に行くんだい?」

 

「そうだね……今度は仮面ライダーのいない平和な世界かな!」

 

「それは興味深いね。僕も行っていいかな?」

 

「私よりも海東さんは士さん目当てでしょ? そっち行きなよ!」

 

「やっぱり君達には嫌われているね……そろそろこの世界にも居られなくなったかもね。僕もそろそろ士を追おうかな」

 

2人が全く同じ移動手段である銀色の幕、オーロラカーテンを開く。この世界でやるべき事はもう無い。お宝も、歴史も、何もかも無くなってしまう前に通りすがりの仮面ライダーは去るのだ。

 

「……じゃあね、2人とも。……それと、仮面ライダージオウ! 幸せにね!」

 

……本来なら存在しない異分子である荻子は今度こそオーロラカーテンを通る。新たな旅をするために……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰もいない夜のビルの屋上にて、オーロラカーテンが発生する。

しばらくすると、その中から1人の女性が出てくる。気那由 荻子だ。

 

 

 

 

 

 

私は気那由 荻子。本来なら存在しない2人目の仮面ライダーディケイドだ。どうしてこうなったのかなんて……旅をした時間が永すぎてもはや覚えていない。でも、自分が異分子であるのは未だに覚えている。それと、世界の再創造が始まる前に彼から面白いカードを貰った。私はそれをライドブッカーから取り出して眺める。

 

「まさかオーマジオウのカードが存在するなんてねぇ……それも、あの魔王は私にしかこれを出さなかった……まぁ、今これを使うつもりは無いし、仕舞っておいておこっと!」

 

私はオーマジオウのカードをライドブッカーに再び仕舞ってビルの屋上から飛び降りる。

 

「ひゃっふぅぅぅぅ!!! やっぱりこの移動方法はやめられないね!」

 

落下方向には予めオーロラカーテンを出しているので地面とキスする可能性はゼロだ。そして、士や私はとてつもなく頑丈だから少し落下速度が上がった程度なら簡単に耐えられる。

 

 

オーロラカーテンが地面スレスレに現れ、まるで地面から飛び出るように荻子が上に飛び、重力によって減速する。

 

「着地! さ、て、と……ここはどんな世界で私はどんな役割なのかな?」

 

ディケイド達には世界を渡る度に役割が与えられる。無職の時もあれば公務員の時もある。なんなら人外の時も……

 

ちなみに今までの職業?を軽く教えると……

 

クウガの世界:婦人警官(士と同じ所属)

 

アギトの世界:郵便局員(士と同じ所属)

 

龍騎の世界:弁護士(士と同じ事務所所属)

 

ブレイドの世界:BOARD社内食堂見習い

 

ファイズの世界:SMART BRAIN high schoolの生徒(士の隣の席)

 

響鬼の世界:黒子

 

カブトの世界:ZECT隊員(士と同じ部隊に所属)

 

電王の世界:イマジン(士と同行するという契約で消滅を回避)

 

キバの世界:フルート奏者

 

 

……こんな感じだ。士と同行するのがほとんどだが、別行動になることもあった。特に電王の世界の時はとてつもなく苦労した。危うく消えるところだったのを士に助けられてから士には頭が上がらない。

 

私はゴソゴソとポケットを探ると、胸ポケットから学生証が出てきた。

 

「学生かぁ……えーっと、静岡県の折寺中学校か……」

 

私は士と違って何でもできる訳では無い。家事などは一人暮らしの時があったからそつなくこなせるが、ヴァイオリンを弾くような事は出来ない。というか初見でだいたいできる士がおかしいだけなんだけど……

 

とりあえずやることも無いので、私は頭に入り込んでいる自分の家に向かった……

 

 

 

 

 


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