私のディケイドアカデミア   作:課金ドライバー

3 / 5
破壊要素と転校生(時限爆弾)

次の日、私は海岸に向かってしまった。

 

私の正確な役割は、今日から折寺中学校に来る転校生なので、地球の本棚で折寺中学校を検索。場所を特定してすぐさま向かった……のだが、不自然にならないようにオーロラカーテンを使わないで移動したら、気がつくと砂浜にいた。

 

 ……士が写真を撮るのが異次元レベルでヘタクソなのと同様に、私は異次元レベルの方向音痴なのだ。あちらは自分の世界かどうかを知るための判断材料になっていたが、私のは完全にデバフなのが……うん、これ以上はよそう。

 

私は初日から遅れないようにとオーロラカーテンで直接移動しようと思った時、ふと見覚えのある2人の姿に目が移った。

 

「ヘイヘイヘーイ!なんて座り心地のいい冷蔵庫なんだ!」

 

「ふんぎぎぎぎぎ……!だってオールマイト274kgあるんでしょ!?」

 

「いや、最近痩せちゃって255kgになった」

 

「ていうか僕なんで海浜公園でゴミ引っ張ってるんですか!?」

 

「それはあれさ!君、器じゃないもの」

 

「うわぁぁぁ!!」

 

「……一応隠れるか」

 

ATTACK RIDE INVISIBLE

 

 アタックライドのインビジブルによって私の姿がバラけて見えなくなる。当たり判定的なものもバラけるので、足跡も出来ない。……何故かインビジブルだけは生身でも使える。

そのまま私は近くに忍び寄ってオールマイトと少年の話を盗み聞く。

 

「足りないのは体だよ体。つまり頑丈な体。耐久力!私の個性、ワン・フォー・オールはいわば何人もの極まりし身体能力が一つに収束されたものなのは説明したよね?」

 

「はい……」

 

「君のヒョロヒョロな身体じゃ耐えられなくて、どんなに良くても下半身不随とかで生存、最悪四肢がもげて爆散さ!」

 

「ひっ…! ……じゃあつまり体をつくり上げるトレーニングのためにゴミ掃除?」

 

「トレーニングの意味もあるけど、同時に君にはヒーローとしての本質を教えるためさ!」

 

「昨日ネットで調べたんだけど、ここら辺は何年もこの有様だったみたいだね!」

 

「は、はい……ゴミの不法投棄が多発しているって……」

 

「最近のヒーローは派手さばかり追い求めるけどね…本来ヒーローってのは奉仕活動なのはわかっているね?」

 

「奉仕活動を地味だなんだと言われてもそこはブレちゃあいかんのさ!」ベゴッ!

 

そう言ってオールマイトは先程まで座っていた冷蔵庫をぺちゃんこの鉄板に変えた。私でも出来なくはないが、あんな自然にとなると難しいかもしれない。

 

「この区画一帯の水平線を蘇らせる。それが君のヒーローへの第一歩だ!」

 

「緑谷少年は雄英志望だろ? しかし、前にも言ったがヒーローってのは無個性でも成り立つような仕事じゃない」

 

「悲しいがな現実はそんなもんだ。まして雄英のヒーロー科は最難関!つまり……」

 

「……入試当日まで残り10か月で器を完成させて使いこなさなきゃいけない!」

 

「そこでこいつ!私考案“目指せ合格アメリカンドリームプラン”!」

 

(……なるほどね。必要そうなワードは揃った)

 

何となく事の動きが分かった私は、物陰でオーロラカーテンを開き、折寺中学校付近の路地裏に移動する。大まかなワードさえ分かれば地球の本棚で後は丸わかり。これ以上の情報収集は不要なのだ。

 

「……ん?」

 

「どうしましたオールマイト?」

 

「……おかしいなぁ、一瞬だけ人の気配がした気がする……気のせいか!」

 

 

 


 

 

折寺中学校の3年生の教室。緑色の髪の少年かやや疲れ気味になっている中、SHRにて担任の先生がそういえばと付け加えて話し始める。

 

「今日、急遽転校生が来る事になった。入ってきていいぞー!」

 

「失礼する」

 

生徒達が騒ぐ中、ガラガラと音を立ててドアが開けられる。

 

「今日からここに通うことになった、気那由 荻子だよ。よろしくね? 何か質問があるなら、ご自由にどうぞ。休み時間に答えるから」

 

「気那由は……廊下側の1番端の席だ」

 

「分かりました」(……ふむふむ、昨日の2人と同じ学校だったのか)

 

荻子は、ヘドロのヴィランに囚われていた金髪の少年と、彼を助けようとした緑谷とオールマイトに呼ばれていた少年を一瞬だけ見ながら席につく。

 

 

 

昼休み、私の周りを他の生徒が囲って質問責めに遭わせる。

 

「なぁなぁ! 荻子ちゃんの個性ってなんなんだ?」

 

「あー、確かに気になる!」

 

「そうそう! 発動型と変形型、どっちなの!?」

 

「うーん……なんて説明すればいいか……」

 

 荻子は返答に困った。安易に仮面ライダーだと言う訳にはいかないし、無個性と馬鹿正直に説明するのは後々要らぬ軋轢を産みかねない。そこで、上手くはぐらかそうとすることにした。

 

「まぁ……砂になりかけたり、至る所で敵扱いされたりと、ロクなものじゃないのは確かかなぁ……」

 

……断じて嘘は言っていない。全部本当に経験した事である。

 

「「「……??」」」

 

「まぁ知らない方が幸せかもね。他に聞きたい事はある?」

 

私は強制的に話を切り上げて別の話に移させる。

 

「そ、そうだ! 気那由君は高校、どこを志望してるんだ!?」

 

ちょっと真面目そうな子が少したどたどしく私の志望校を聞いてくる。

 

確か私の志望校に設定されているのは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「雄英高校だよ」

 

 

入試の縛りは……

  • クロックアップ禁止
  • 加速系禁止
  • ファイナルアタックライド禁止
  • フォームライド禁止
  • ライドブッカーのみで戦う
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。