本当に一般的なモブだって輝きたい   作:血涙鬼・彼岸

1 / 85
※:公式より来た設定をオークに追加


凡庸?は舞い降りた
第一話 例えブタでも切り札だ


 

 

この世界の人里近くなら何処にでも必ずあるし何ならちょくちょく生えてくるFランク迷宮。最低ランクの……とは言え普通の人間の手には余る様な力を持った怪物が跳梁跋扈する地獄の釜底……の入り口

 

その中にある怪異怪物をどうにか出来る手段を獲得出来た者……昔は『サマナー』と呼ばれて今は『冒険者』と呼ばれる者達が日々命を賭けて迷宮を跳梁する怪異怪物を駆逐して迷宮の宝物を得て其れを糧として生きている

 

尤も、その『手段』は犯罪者では無くそれなりの金を積めば簡単に買える様なものであり。何なら其処ら辺の中学高校生でも最低限中学生であり貯蓄と保護者の許可が有るならその日のうちに簡単に『冒険者』になれる

 

……大概の学生冒険者は流行に流された小遣い稼ぎや『スクールカーストの向上』が目当てのいわゆる『エンジョイ勢』であり、強い目的やこの道に生きる気概のある者は基本的に少ない。まぁ大概の大人も小遣い稼ぎやスポーツ的なノリのエンジョイ勢や『休日冒険者』が大半だが

 

しかし……この物語の主人公は少なくともそれなり以上の気概を持った見習い冒険者ではある様だ

 

 

「ふむ……今日の探索次第なら新しいカードが一枚は何とか買えるかな?」

 

そんな言葉を一人呟きつつ……その前方に『人型の異形』を従えた一人の冒険者。その姿は俗に『タクティカルベスト』と呼ばれる防護服に大きなミリタリーリュックを背負った男……いやまだ少年か

 

まだ十五前後の高校生かどうか微妙にわからない年代の少年の前方にて少年を守る意図を以って佇む『人型の異形』……粗末な麻布製の服に身を包み、大きな鉈を持つ身長ニ米(メートル)の長身にいわゆる『固太り』とでも言うべきがっしりした体躯に豚頭の鬼

 

その『豚鬼』は俗に『オーク』と呼ばれる新米冒険者が大概入手する事になるだろう『Dクラスカード』の一種である

 

世界各国津々浦々の迷宮によくいて、基本的に腕っ節と頑丈さには定評があるがあまり賢くはなく動きは比較的鈍く不器用気味ではあり、総合力で辛うじて『Dクラス』として評価される程度の力量しかなく。そしてその見た目の悪さも相まって『不人気カード』という烙印を押されたモンスターの一種である

 

しかし……しかしながらその分安く、その気が有れば大量に入手するのも簡単であり、それなりに癖が無い

 

故に『新米冒険者の友』とも『奨学モンスター』とも『不人気カードの人気者』とも『Dクラスカード界のAK-47』とも呼ばれる新米冒険者の心強い味方としても有名なモンスターでもある

 

さて、この『Dクラスカード』と呼ばれる代物は……勿論、何処ぞの『財団』に隷属する死刑囚あがりの生贄などではなく。俗に『カード』と呼ばれる迷宮産出の魔法のアイテムだ

 

1999年の7月から発生した『迷宮』という謎の現象から発見された色々なものの中の一つである

 

そのカードに己の血を一滴滴らして『カードを使う』と念じれば自在にそのカードのモンスターを召喚・使役出来る、という魔法のアイテムだ

 

基本的に(とある例外を除いて)迷宮の中だけでしか使えないが。迷宮の中ならばその召喚したモンスターが所有者……マスターへのダメージを肩代わりしてくれる

 

 

その効果も有って『冒険者』という職業は誕生した。他にも色々と深刻な理由が……沢山あるけれどそれはいつの日にか語る日もあるだろう

 

先に言った『金で買える手段』こそがこの『Dクラスカード:オーク』であり、冒険者が必要最低限の初期投資である

 

オークの価格は最低ランクの値段ではある……それでも正規の手段で買うなら必ず百万円はする。普通に売られているDクラスカードの最低価格がこれだから仕方ない

 

他の冒険者とのコネ(と信頼)が有るなら其処から買ったり譲って貰ったり何なら借りても良い。要は『登録料十万円とDクラス以上のカード一枚』さえ有れば犯罪者以外なら誰でも……普通に大学などのサークルがそういうレンタル制度で新入部員を捕まえ、そしてそれをナンパの手段に使ったり。それこそその手段で浮浪者でも簡単に冒険者になれるのである(とある宗教団体……いわゆるダンジョンカルトが浮浪者の社会復帰によくやっている方法として有名である)

 

 

閑話休題(それはさておき)

 

 

少年は自らの僕にして大事な財産であるであるオークを先頭にこの迷宮……森林型の迷宮の最深部を目指す。

 

冒険者は基本的に迷宮内部に存在する怪異怪物……要はモンスターをカードモンスターを使って倒してその『戦利品』を頂く事で金銭などを獲得する

 

少なくともこの冒険者界隈というものは基本的に『金銭=力』だと言っても過言ではない。少なくとも最初は間違いなく『モンスターは銭で殴るもの』だと言って良いのである。しかしそれもある程度までしか通用しない前提だが

 

基本的にこのFランク迷宮ならばこのオーク一枚有れば軽々と攻略出来る……だからこそ法律は冒険者に『Dクラスカード一枚は必ず保有する事』を絶対的に義務化しているのだ

 

ちなみにもしもDクラスカードを如何なる理由であれ喪失したなら、一年に一度必ずある免許更新の際に停止若しくは剥奪される規則になっている……Dクラスは無いがそれ以上の等級のCクラスBクラスカードしかないのなら普通に大丈夫だが

 

 

そして、今日も少年とオークはこの地獄の入り口で己の糧を獲る為に戦う

 

 

 

【Tips】オーク

基本的に『指輪物語』の作者であるトールキンの想像した架空の種族(怪物)。闇の聖霊に仕える邪悪な勢力の兵士として有名な存在

 

近年ではまぁ(ごにょごにょ)な本やゲーム(ゴブリンスレイヤー的な)にて大活躍だがこの世界では基本的にそういう欲求は特に迷宮に出るモンスターとしては無い。この世界のモンスター達は『ごく一部のイレギュラー』以外は機械的に人間を襲うだけの存在である

 

基本的に本編にも書いた通りの初心者向けモンスターとして人気かつ有名であり、この作品の主人公もネットやギルド職員達の勧めもあって普通に購入した

 

基本的に『悪/鬼/妖精』の属性であり、普通は『ボアオーク』にマイナーチェンジしたり『オーガ』や『グレンデル』などのCクラスにクラスチェンジしたりするのが一般的……だが、実はクラスチェンジ先には『エルフ』も候補に入っている

 

オークはエルフの零落または堕落した姿だという説もある為だが『シーオーク』というエルフに似た異空間移動能力を持った美しい妖精系Cランクカードや『天蓬元帥』に『カマプアア』という高級路線もある(これらもCランク)

 

【種族】オーク

【戦闘力】100

【先天技能】

・集団行動:群れの中で生きる習性。集団での行動に対するプラス補正。

・頑丈:頑丈な肉体を持つ。生命力と耐久力を常時向上させる。

・怪力:人外の力を持つ。筋力が常時大きく向上する。

 

後天技能には従順や武術、斧術や庇うなどを持っている場合が多い

 

 

こういう『初心者向けの存在』というものを掘り下げたりピックアップしたりしていると世界観の新しい掘り下げが出来るんじゃないかと思ってこのたまに話に出てくるオークをピックアップしてみた

 

基本的に戦い以外の取り柄は無く……そして何より頑丈なところが初心者向けだと思う。とりあえずFランク迷宮ならただ戦うだけで攻略出来るし、何より頑丈なら初心者でも下手な采配でロストの可能性を少しは減らせると考慮出来る。ついでにDクラスカードの中でも特に沢山世に出回っている為入手もし易く何より安い

 

大概の学生冒険者はこのカード一枚から始めるのが普通だと思う。大概は『(南山や小野みたいに)親の金』だったり歌麿みたいに長い苦労の末に少ない資金をやりくりしてカードを得るのが普通だからこういうオススメから始める事が多い……稀に歌麿みたいなギャンブラーも居るが大概自爆で終わる

そろそろ新しいDランクカードを買いたい……どんなカードにしようか?

  • 後衛:魔法系アタッカー
  • 中衛:遊撃手兼盗賊
  • 後衛:回復役兼バッファー(少しお高い)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。