本当に一般的なモブだって輝きたい   作:血涙鬼・彼岸

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『道具箱』はTipsにて説明します


一章幕間その15 祝言

 

 

さて、強化されたエルフを討伐完了し……『女の子エルフのカード』という最大の戦利品を得た大輝達だったが忘れてはいないだろうか?

 

 

戦利品はまだあるのだ

 

 

何時ものガッカリ箱を開けて見れば……何時もの白魔石と『無銘の武具』だった、しかし今回の無銘の武具はある意味では嘗て大輝が入手した『無銘の仕込み杖』とまではいかないが間違いなく珍品奇品だった

 

 

『無銘の名盾』

 

 

いわゆる『円形盾』という代物で、硬く重く頑丈な木の厚板にやはり厚い革を貼り鋲打ちが施されたヴァイキングシールドに近い造形の盾だ

 

戦闘力は+75と大した事はないが、逆手で使えるので防御力を飛躍的に向上させる事が出来る。それに対飛び道具や対射撃系魔法、矢除けには最適な防具なので割と需要は高い

 

今のところこれを使うなら剣にでも持たせるのが良いだろう……多分直ぐに投げ捨てて突撃になったり弓矢を射る邪魔になりそうではあるが

 

面白い武具ではあるがある意味面倒でもある代物だ。まぁ今は自衛隊の皆様に預かって貰っておくとしよう……未使用美品なら割と高値で売れそうでもあるし

 

そんなこんなで今回のリザルトだが、今回もまた中々……いや、前回以上に良いものが多々発見された

 

 

「……オイオイオイ、何だよこれ?」

 

 

そのとんでもない収穫物を確認したとある自衛官の漏らした呟きからご想像頂きたい

 

 

カード

Cランク一枚

エルフ(女の子)

Dランク十二枚

オーク二枚

ホブゴブリン二枚

リビングアーマー三枚

グール四枚

ヘドンホールハウス一枚

有用Eランク十二枚

送り提灯一枚

鬼火五枚

ウィル・オ・ウィスプ五枚

燈無蕎麦一枚

Eランクカードたくさん

 

 

魔道具

攻略報酬

無銘の名盾

 

金色のガッカリ箱(17個)

送り拍子木

無限鞄

ブラックカード(所持禁止類魔道具)

カードホルダー三つ

アムリタ

緊急避難のカード

空飛ぶ箒

肉人

大通連

ズンドコベロンチョ二つ

保護のブーツ

無銘の甲冑

妖精の鎖帷子

 

換金アイテム

カーバンクルガーネット十七粒

迷宮金貨五十枚入りの袋

白魔石一つ

通常魔石三百万円分

 

 

……シークレットとはいえDランク迷宮でこれは凄まじい成果だろう。少なくともこの迷宮でここまで凄まじいお宝はそうそう見られるものではない

 

カードホルダーや保護のブーツ、ズンドコベロンチョは前にも見たが、他の送り拍子木、無銘の甲冑、妖精の鎖帷子、大通連、空飛ぶ箒、肉人、アムリタ、緊急避難のカード……そして無限鞄とブラックカードはどれもこれも特筆に値するお宝だろう

 

送り拍子木は……ちょっとした魔物避けの力を持つ拍子木型の魔道具であり『送り提灯』なるカードと何でも良いからCランクカードさえ居ればある程度の魔物避けは出来る力があるプロ冒険者的にも実用性豊富で素敵なお宝だ

 

無銘の甲冑は……無銘シリーズの中では一番珍しい代物で戦闘力+150で『サイズ補正能力』という効果があるだけの重く頑丈な西洋甲冑一式だ。一応ちゃんと甲冑箱に納められているのでカード化は其処まで面倒ではない、しかし装備するのにひたすら手間暇が掛かり過ぎるのが難点だろう。『甲冑術』に心得のあるカードなら装備着脱は簡単に出来るし軽く動けもする。ちなみに大輝なら素でこれを装着しても最低限ちゃんと動き回れる筋力体力がある、一般的な中世騎士程度には

 

妖精の鎖帷子は……一見すれば長袖シャツの様にも見える細い聖銀にも似た金属を編んで作られた鎖帷子だ。装備すれば戦闘力+200も補正してくれるのにまるで羽毛の様に軽く防御力は非常に高いと防具としての性能だけでも破格であるが、決して音を漏らさぬ隠密性と多少ながらも魔法補助能力も兼ね備えた正に妖精の秘宝。ついでに『サイズ補正能力』も完備している

 

大通連は…… 持つ者に神通力を与えるという伝承を持つ三明の剣の一振り。カードに神通力のスキルを与え、戦闘力+200という効果を持つ。残りの三明の剣と同時装備で効果向上、三明の剣シリーズの中では一番ありふれた一振りではあるが非常に高価なお宝

 

空飛ぶ箒は……空飛ぶ絨毯の姉妹品みたいなもので、完全に一人用ではあるが落下防止、風除け機能付き、最高速度は時速80キロ程度。但し長時間使うと股が痛くなるので注意が必要

 

肉人は…… ぬっぺふほふとも(ほう)とも呼ばれる人型かつ人間大の肉塊である。カードに食べさせると『怪力』のスキルを得られる。優先して得る予定であり定に与えたいと思っている

 

アムリタは…… 大輝が両親から与えられた緊急キットに入っている魔道具の一つ。ありとあらゆる傷や病を癒し、一歳ほどであるが若返り効果を持つ霊薬。その効果から非常に高額で取引されている

 

緊急避難のカードは……やはり大輝が両親から与えられた緊急キットに入っているカードの一つ。その階層の安全地帯に即座に転移出来る効果がある魔法のカード、それから転移のカードなり大輝ならば『アリアドネーの糸』を使うなりで安全な脱出が可能になる

 

そして大トリの無限鞄とブラックカードだが……これは大規模ギルド支部には最低一枚は必須だとも自衛隊のAランク迷宮攻略に絶対必須だとも言えるアイテムであり非常に高価かつ希少な所持禁止類魔道具の一種だ。少なくともこの迷宮で『これら』が出たのは初めてらしい。これらを持ち込めば在庫次第ではあるが高価かつ人気のC、Bランクカードで引き換えだって普通にやってくれるだろう。特にブラックカードならば

 

今回の自衛隊側の取り分はこのブラックカードと無限鞄だけとなり、それでも多額の『お釣り』が必要なぐらいなので大輝の持っている希望する魔道具ら全てのカード化や配下たる一軍二軍の契約カード達の為の『道具箱』をカード化して貰ったりカード化回数券五十回綴りやら、その正規引き取り価格分の減税やら、そして希望するCランクカード三枚の譲渡という結果になった。そのカードはファイルを渡すので明日迄にそれから選んで欲しいそうだ。通常報酬と一緒に渡してくれる予定らしい

 

自衛隊からすれば使い潰し前提のCランクカード数枚や沢山有ってもカード化と回数券だけで常に飢求する重要資財が入手出来るのだから有り難い話ではある。そもそも『道具箱』なら沢山ストックはあるのでそれをそのまま大輝に渡すだけで良い

 

先の魔力の粉塵や封印の札以上に絶対的に不足している道具ばかりなので本当に有り難い話らしい……Aランク迷宮では自衛官の殉職率が非常に高い上に『装備を破棄してでも撤退しなくてはいけないケース』は『まれによくある』からこれらの補充は常に急務らしい

 

それ以外のお宝も確かに貴重かつ高価な実用品ばかりではあるが……この極まった豪運持ちで才覚豊かで自衛隊に友好的な逸材の育成は後で重要な見返りが期待出来るだろうと判断もある……一年に一度かつ一つだって良いからBランク迷宮攻略出来る人財は自衛隊としても非常に稀少である。その手間で最前線の自衛官達を少しは休ませる事が出来るだろうし

 

それに……大輝そのもの以外にも『ダンジョンマート最重要幹部の子息』や『日本最高峰の冒険者私塾の優秀な門弟』という立場から来る信用が影響しているのも理由の一つだろう。世の中血筋やコネは大切だという事だ、時には実力以上に評価される項目だと言える

 

少なくとも鋼のクラスチェンジ資金はブラックカードの正式売買価格さえ有れば入手は出来るかも知れないが『まぁ良い貯金ができた』と大輝は思っている。それと何気にカード回数券とか非常にありがたい話だ……最初の報酬でもカード回数券とか色々あるから当分はカード化は只である

 

 

そして収穫品のカードについてだが……特筆すべきは三つ、エルフとヘドンホールハウス、そして送り提灯だろう

 

何気に『歌姫』スキル持ちの……凄く希少なエルフは姫子の菫の婚礼用に使う予定であり、送り提灯は大輝がワンポイント要員として送り拍子木と一緒に採用が確約された

 

定が感知して定の力……どうやら研究者達が調べた結果で判明した『手の目啜り』の応用らしい力で異空間をこじ開けて得た『シルキーの亜種』とも言われているヘドンホールハウスは……女の子カードだから大輝が足洗屋敷(改)を入手していなくてもそもそも使えないので先に預けたエンプーサ共々結納品にしてしまう。亜空間カードはガチ勢冒険者ならば必須必携カードであるし

 

このヘドンホールハウスの『核』は殆どシルキーなので姫子との相性は多分悪くないだろう

 

良く見れば『燈無蕎麦』には『狐狸妖』持ちなので研究チームに差し出しておく。研究チームからは真面目に感謝された。替わりに貸与されていた例のカード三枚を譲渡してもらった、あの燈無蕎麦は重要な研究素材になるらしい

 

……悪いがズンドコベロンチョは婚礼用の席に出すものと佐藤薬丸両家への土産なので決して渡せない

 

その沢山の凄まじい『大成果』でも今のところは『嫌な予感』はまだ無い……今のところは、だが

 

そうして大輝も仕事終了からそろそろ夕方間近なので出口のある安全地帯の広場に戻る……即座に宴と清に来て貰って祝言の準備に取り掛かる

 

 

「なぁ定、この辺はこういう作法で良いのか?」

 

『へい、この場なら略式で大丈夫だからこの辺りは案外適当でさぁ』

 

『……しかし、それでも婚礼というものは大変なものですね』

 

 

祝言の馳走にはズンドコベロンチョを、花嫁衣装としてエルフのカード、結婚道具にエンプーサとヘドンホールハウスのカードや幾つかの武具を封じたカードを準備しながら何気に秘書、礼儀作法スキル持ちのインテリでもある定監修の元に祝言作法を暗記しながら身支度をする宮司役の大輝と花婿である剣

 

皆それぞれ風呂を近くのマヨヒガから借りておく……宴の風呂場は基本的に五右衛門風呂だから狭いのでこういう状況では扱い辛いからである

 

一応は『武家屋敷』である宴の衣装箪笥から剣と菫用の婚礼衣装……裃と白無垢を出しておく、式の前に剣と菫それぞれに着て貰う必要があるので準備は早めにだ

 

出席者は大輝&姫子とそのカード達……それと十六名の厳正な籤引きで選抜された自衛官や研究者メンバー達となる。非常に珍しいイベントなのでやはり撮影から何から色々行いたいらしい

 

宴をメインに清と蔵が屋敷内を飾り付けしたり行燈を準備したりズンドコベロンチョの調理過程に入ったりと大忙しに中で姫子も準備を行っていた。大輝から手渡された例のカードを菫の前に持ってゆき……最後の確認を取る

 

 

「菫……このカードは適合する?」

 

『大丈夫ですわお嬢様、私もびっくりする程適合するカードですわ』

 

 

姫子も本来は自力で菫のクラスチェンジ用カードを探すつもりだった。五歳から続けてきた実験協力などで貯まったお給金や任期明けで研究機関や自衛隊から下げ渡される予定のCランクカードなどから行う予定だった

 

しかし……まさか自身とこの菫の恋人が此処までやってくれるとは流石に思わなかった

 

普通なら『運絡み』とはいえ『誰が此処までやれと言った』という沙汰だろう……挙式の地点でそう言われるだろう。カードにここまでしてやる主なぞ非常に珍し過ぎる、いっそ前代未聞かも知れない

 

その心意気を汲んで姫子は大輝からエルフのカードを受け取る……ついでにヘドンホールハウスは預かる気分だ

 

大輝にヘドンホールハウスは扱えないとしても、だ。ヘドンホールハウスというカードは間違いなく『初手で確定オークション行きなDクラスカードの中で一番高価なカード』であるからして

 

ちなみにこのヘドンホールハウス……やはり姫子との相性は最高だった

 

そして姫子サイドが菫をクラスチェンジする前に菫の今までのデータをチェックする

 

 

【種族】シルキー(菫)

【戦闘力】240(MAX!)

【先天技能】

・中級家妖精:人間の代わりに家事をしてくれる妖精。……が、迷宮内では家などないためいまいち使いどころは不明。メイド、高等家事魔法を内包

・使用人召喚:Eランクモンスター・ブラウニーを召喚する。無限召喚型。

・中等魔法使い(CHANGE!)

【後天技能】

・メイドマスター:メイドに必要な技能を必要以上に極めている。明らかにメイドに必要のない技能も極めている。メイドスキルの効果極大向上。パーティー内のメイドスキルを持つ者の行動にプラス補正。メイド、下級収納、秘書、教導、演奏、舞踏、武術、精密動作、庇うスキルを内包する

・良妻賢母

・忠誠

・殉死:マスターへのダイレクトアタックによって他のカードがロストしかけた際、すべてのダメージをこのカードが肩代わりすることができる。生還の心得を内包する

・剣術

 

 

……優秀な魔法使いであり、サポーターとしては『神性能』としか言いようの無いレベルで錬磨されたシルキーだ。姫子とは七年の間頑張ってきた結果だ。短い時間ばかりではあったけどそれでも姫子は『最高に佳い冒険者』だという証の一つだと言える

 

そしてこのシルキー()がどうクラスチェンジするかと言うと……

 

 

【種族】エルフ(菫)

【戦闘力】570(+120UP!)

【先天技能】

・山精木魅:森の精霊としての性質を持つ。森への侵入者を察知し、森の中にいる間、持続回復及び魔力消費軽減。中等補助魔法を内包する

・剣戟森々:森を住処とし、森の中で真価を発揮する戦士。森の中で戦う際、ステータスが大きく向上し、スキルにプラス補正。狩人スキルを内包する

(狩人:狩人に必要な技能を収めている。武術、弓術、遠見、追跡、気配遮断スキルを内包する)

・中等魔法使い(CHANGE!)

【後天技能】

・メイドマスター(高等家事魔法を追加内包済み)

・良妻賢母

・忠誠

・殉死

・剣術

・歌姫:歌手に必要な技能を必要以上に極めている。何故か歌手に必要のない技能も沢山極めている。歌手スキルの効果極大向上。合奏相手の行動にプラス補正。魔歌、歌手、合唱、美声、絶対音感、中級収納(CHANGE!)、集団行動、教導、性技、礼儀作法、農業、採取、製薬を内包する

・魔力の泉:尽きることない魔力の源。魔力量と魔法の威力を常時大きく向上させて魔力消費を抑える効果がある。魔力回復、魔力強化、魔力消費軽減を内包する

・使用人召喚

 

非常に珍しい事に『眷属召喚』含めて全て継承出来ている。大輝の剣でも『眷属召喚』だけは流石に継承不可能だったが……まぁそれ以外の殆どは継承出来ている辺り間違いなく大輝の剣は『非常に高位のギフテッドカード』であるという証だろう

 

そして菫だが……基本的な容姿容貌はシルキーだった頃と大差はない。光加減で菫色にも見える長い髪をシニヨンに束ねた、歳は二十代半ばに見える比較的小柄だがスタイルの良い美女だ

 

しかしその衣装は盛大に変化していて……例えるならば『メイド服を基調とした堅革鎧仕様のドレスアーマー』だろうか?メイド服の部分はサテン生地や麻生地にも見えるエプロンなどで構成されている様にも見え、堅革鎧は葡萄色に染め上げられている様に見える

 

そして腰には嘗てのエルフが持っていた細剣を履き、やはり背に矢筒と弓を背負った姿だ

 

カードから見たイメージは魔法寄りの魔法戦士だろうか?剣は清々しい迄に魔法(も一応使える一騎当千の)戦士だったが

 

まぁ彼はオーク上がりという珍しい経歴持ちだからほぼ純粋な戦士にビルドされるのは当然の結末だろう

 

そしてそのドレスアーマーは姫子と桜や他の姫子の手持ちらに早々に脱がされてマヨヒガ温泉で念入りに洗われて白無垢の着付け作業へと入る。それは遊女スキルの最高峰持ちな桜が筆頭となって行われる

 

女の子にとって『素材の良い女を好きに着せ替えさせる』のはやはり楽しい事なのだろう。姫子以下カードらもウッキウキで楽しんでいる……姫子に至ってはクラスメイトの『登山家』宜しく両手をわきわきさせてノリノリである……姫子自身がその『登山家』の被害者筆頭なのに

 

菫が身を清めて白無垢に身を包む。角隠しでも長い耳は隠せないが

 

同時期に大輝達の方も定の幻影体監修の元に剣を裃の着付けが行われる。やはり定はこういう時には間違いなく一番頼りになる文化人だ

 

少なくとも陽気で愉快ではある祝言準備……そしてその準備が終われば粛々と儀式の始まりだ

 

定&桜監修の元に……テレパスを駆使して恙無く進行する儀式。祝詞や三々九度もやはり恙無く行われる

 

一応、現代の式でもあるので指輪交換も行われるが……その儀式用に大輝が持っている迷宮金貨とカーバンクルガーネットを素材に自衛官達のドワーフに急ピッチで作成して貰った

 

さて、皆様は嘗て『大輝が得た最初のカーバンクルガーネット』の事を憶えておられるだろうか?あれは大輝が『指輪』にして姫子に贈る為に用意していた『婚約指輪』である。ちなみに、姫子に贈るものは『人工純正魔道具』の一種であり『保護』の魔法が付与された一つの御守りでもある

 

今はまだ渡してはいないが……参考資料としてドワーフ達にこの指輪を見せて簡易的ながらも模倣して貰ったものだ

 

一つのカーバンクルガーネットを半分に割って『合わせれば本来の型になる』様に研磨した宝石を象嵌した迷宮金の指輪……ついでにちゃっかりカード化もして貰ったそれを送り合う二人の姿を見ながら『あと最短四年か……』とか考える大輝&姫子

 

そして結婚式は終わり後は披露宴だ

 

 

「……久しぶりに食ったけどやはりズンドコベロンチョは美味いものだ」

 

「……初めて食えたけど、噂以上に美味いものなんだなこれ」

 

「……何時かは家族にも食わせてやりたいものだ」

 

 

大輝の豪運と慶事のお相伴に与れた運の良い参加者達のそんな囁きと定の三味線伴奏をBGMに白木造りの結婚式用折敷に盛られた……食材すら空気を読んだからかたまたま出来た『ズンドコベロンチョ懐石膳』をつついて披露宴もまた恙無く終わる

 

さて……後は剣と菫を二人っきりにしての初夜のお時間だ。何処ぞの因習奇習にある様な『初夜後の血の付いたシーツを旗みたいに振り回す』様な奇習を行いはしないが、後で間違いなくカードデータを調べられはするだろう

 

大輝は無言で剣と拳を合わせてからのサムズアップという無言のエールを贈る……最後に親指を人差し指と中指の間に挟む卑猥な『キメてこい』のエールをやろうかとも思ったが自重した

 

姫子は桜を羽織り宴を抱き抱えながら菫に『頑張って』というエールを贈る。姫子には未だ菫と剣がやる事にはあまり詳しくは無いが『菫が女の子として大切なものを剣に差し出す』という事ぐらいは分かっているつもりではある……何時かは自分も『それ』を大輝に差し出す日が来るのも分かっている。『それ』を差し出すには自分はまだ余りにも幼すぎる事も含めて

 

……当の大輝は既に『理性と本能の争い』真っ只中ではある。後は姫子の年齢問題と自覚だろうか?

 

剣/菫とのリンクは完全に遮断してはおいたが……今日はマヨヒガの一室にて二人、いや姫子が羽織る桜とぬいぐるみ宜しく抱き抱える宴が居るから決して二人きりではないが、最終日に備えて今日もなるべく早く寝る

 

今も実際には『依頼中』であるが故に

 

 

 

次回に続く

 

【Tips】道具箱

 

カード達を大切にするタイプのマスターにとって重宝するアイテム。一応は魔道具だとは言えるが……何らかの箱をカード化しただけの代物

 

カード達は基本的にカード化したものか魔石ぐらいしか所有する事が出来ない、だからカード達の娯楽などの為にこういう『私物入れの箱』を調達してそれに本やおやつ、酒などの私物を入れてカードの中でも暇つぶししたり無聊を慰めたりさせる事がしやすくなる様にさせられる

 

一部のプロ冒険者曰く……『ただ魔石を与えるだけ、よりもモチベーションが高くなる』というコメントもあるがデュエリスト系は否定的なのであまりメジャーな行いではない

 

カード達へのケアを欠かさないタイプのマスターなら必携品

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