本当に一般的なモブだって輝きたい   作:血涙鬼・彼岸

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勇者(笑)……やはりこうなるか、まだ多くは語れないがまぁちゃんとモブ高らしい末路をプレゼント致しましょうか


第二話 登山家とダンジョンプレッパー

 

 

さて……先の『カードホルダー問題』についてだが

 

 

「とりあえず、その件は後でちゃんと話し合いしような?」

 

「……確かに、にーさま以外の殿方には、ね」

 

 

放課後ちゃんと話し合いをする事になった。大輝が保有する他のホルダーは黒い脇ホルスター型、焦茶色と黒のガンベルト型の三つ、丁度よく大輝のものと同型のカードホルダーがあるのでそっちを姫子に渡す。大輝自身にも焦茶のガンベルト型を予備に持てば良いだろう

 

脇ホルスター型は学園の未だカードホルダーを持たない友人らに売れば良いだろう。魔石か魔道具辺りの物々交換で

 

まぁ、そんなこんなで二人手を繋いで学園に向かう。少しずつ他の生徒たちの姿も見えてくるが……恐らくは冒険者らしい生徒らの眼が大輝に集中している様だ

 

恐らくは『大輝の隠している実績バレ』か、いや『姫子といちゃついている場面を睨んでいる』のだろう。巌の如き益荒男と小柄だがスタイル抜群の金髪ロリ巨乳美少女のカップルとかそれは注目されるだろう

 

そして……大輝は背後に『とある気配』を感じた。敵意ではない、敵意とかそういう悪意的なものでも迷宮内の危機が迫る気配でもない、ないが……

 

その『気配』が動くのを感じる

 

まるで疾風の様に『それ』は姫子に向かって駆け込み駆け抜け襲い来る!

 

姫子の小学生にあるまじき豊かな双丘に向かって

 

 

「行きます飛びますいただきますー!むじゅる~、久しぶりに姫子ちゃんのお山げぇぇっとっ!!」

 

「やっぱりお前で安心したよ棟方ァ!!!」

 

 

その『それ』の襟首をひっ捕まえて軽く拘束する。傷は一切付けずに後頭部にアイアンクローを綺麗にキメる、何時も通りに

 

 

「や、やだなぁ大輝さん。あたしは姫子ちゃんに『挨拶』しようとしただけで……」

 

「ほほぉう、そのわきわきしている指でかぁ、棟方ぁ?」

 

 

『それ』は……だいたい姫子と同年代に見える少女だった。茶の長めの髪をお団子状にした非常に可愛らしい少女だが

 

まぁ、その、何だ?魂におっさんを飼っている様な女だと言っておく

 

名は『棟方 愛海(むなかた あつみ)』、個性派揃いにも程がある姫子のクラスでも間違いなくトップクラスの問題児である……ちなみに姫子は『芸能科所属でありながらアイドルにはなりなくない』という姿勢のおかげで彼女自身がクラス一番の優等生にして問題児として扱われているのはご愛嬌だろう

 

彼女自身が『何故か芸能科に居る冒険科生徒』故に仕方ない話だ。そろそろ真面目に『アイドルからの乖離具合』も深刻な状況である……何しろ『このクラス唯一の彼氏持ち』だし

 

愛海はクラスでも特に発育著しい姫子を最大標的に『登山行為』を働く痴◯擬きではあるがその問題行動以外は間違いなく良識的ではあるので大概の人から愛されてはいるクラス有数のコミュ強である。現に同じコミュ力お化けの姫子とも普通に仲は良い

 

今さっきの暴走は多分、登山行為がしにくい夏休み中で溜まった禁断症状のせいだろう……彼女のクラスメイトは皆非常に個性的だが間違いなく性根の良い何れ劣らぬ美少女揃い故に

 

降参して『登山』の意思は無くなったのを感じた大輝は愛海の襟首と後頭部を放して解放する。少なくとも彼女を無駄に傷付けたりする気なぞ先ず無い……万が一『登山成功』したら笑顔で顔面アイアンクローの刑だが

 

ちなみに大輝の握力はその逞しい体躯通りに自前かつ片手で林檎や胡桃の殻を砕けるレベルである……時間が結構かかるしやったら疲労困憊する程度の宴会芸レベルだが

 

そんな人間レベルとしては極上の腕力でも市販装備フル武装して漸くEランク中堅クラスのモンスターに一対一で辛勝の目がある程度なのであまり自慢出来る様なものでもない。現に大輝も怪力でも何でもない鶏ガラみたいなキキーモラの婆さん()と腕相撲してあっさり惨敗する始末だ

 

『人間とモンスターの身体能力は完全に別次元』という事だ、人間の怪力とモンスターの怪力は完全に別次元である

 

……しかし、それでも大輝は偶に市販装備だけでFランクモンスター相手に実戦訓練していたりはする。戦闘センスを身に付けるには良い訓練でもあるし

 

さて、そんな強烈な握力から逃れられた愛海は……『とある事』に気がついた様だ

 

 

「……ねえ、姫子ちゃん、大輝さん?」

 

「どうしたの愛海ちゃん?」

 

 

愛海は姫子と大輝に『ふと気になった事』を聞いてみる

 

 

「……二人とも、何かが変わってない?どう言えば良いのかわからないけどさ?」

 

 

大輝と姫子は内心『ドキッ』っとしていた……が、その内心は決して漏らさない。ポーカーフェイスの練習は大輝だって『塾』で講習している、辛うじて及第点とは認められる程度には出来る

 

姫子ならむしろ得意分野だ、それこそ『芸能科が切に請い求める才能才覚』は伊達ではない

 

 

いや(いいえ)?特に変わったところなんて無いぞ(無いですよ)?」

 

 

そう嘘で返す。少なくとも今この瞬間にバレれば『これから臨まねばならない厄介事』への対処が雑なものになってしまう、二人の進路への悪影響に繋がりかねない

 

それもこれも『大輝が打ち立てた幾多の功績』の副作用だろう

 

中学三年生で冒険者資格を得る前に迷宮士資格獲得。冒険者になってから半年以内に三つ星資格獲得。その半年以内に曲がりなりにも七つのCランクカード獲得。未熟ではあるが『真のプロ資格』には必須のリンク能力持ち。Eランク迷宮製とはいえイレギュラー単騎撃破実績……挙げれば近類縁者のコネやら冗談の様な豪運やら他にも様々なものがあるだろう

 

 

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それこそバレたらスカウトの嵐が巻き起こる。大輝と姫子の平穏と日常が崩壊しかねない

 

だからこそ対処対策しているのだが……今日辺りスカウト達が殺到してくるだろう。なるべく良い条件で大輝と友好関係を結んだり、あわよくば大輝に自分達が所属するグループに加入して貰う為に

 

彼らは『今切れる切り札』を惜しげもなく切って大輝を熱心に勧誘しに来るだろう

 

例えば……彼ら秘蔵の共有財産である強いCランクカードや何らかのBランクカード貸与とか

例えば……やはり彼ら秘蔵の希少魔道具。武具なり便利系なり様々な秘宝貸与とか

例えば……彼らが秘匿するリンク技術とかの教授辺り

 

まぁ、そういった様々な切り札を持ち出して大輝を執拗に勧誘してくるだろう。『少なくとも、それだけやってでも大輝はスカウトする価値がある』という意味でもあるが

 

ちなみに一般的なプロチームなら間違いなく大輝を更に上の条件……それら全てを兼ね、さらに貸与でなく譲渡した上で契約金を積むのは最低限必須、で即スカウトに入るだろう。その才覚や根性に強運、そして何より『大輝はカードフィリア』ではない事もあるだろう

 

カードフィリア(カード性愛癖)』とは、ルビの通りに『カードにしか性的欲求や恋愛感情を抱けない』という意味であり、基本的にプロ冒険者やプロ志願からは好まれない存在である

 

彼らは『現世と迷宮の比率が異様に偏っている』為か殆ど現世での人間関係などを放棄して殆どを迷宮で過ごして生きている……故に一般的なプロやプロ志願者らはそれらを『カードに魅入られた者』と呼んで忌避している

 

大輝の場合は……ハードワーク上等な修羅っぷりではあるし名付け派だが、そのデッキに『女っ気』というものが欠片も無い上にリアル彼女持ちなので間違いなくカードフィリアの類いではないだろう。その彼女がカード顔負けの金髪ロリ巨乳な超ド級美少女ではある辺り妬ましくもあろうが

 

大輝みたいな『未来への危機感』からガチ勢を超えて修羅勢に至ったタイプは『ダンジョンプレッパー』と呼ばれている。単に『プレッパー』でも良いだろう

 

この『ダンジョンプレッパー』という存在は『prepare(準備する、備える)』という言葉通りに嘗て実際に起きた『アンゴルモア』に備えて一般迷宮問わぬ様々な資源や魔道具、そして特に重要なカードを備蓄して次のアンゴルモアに対処対策を図る者達である

 

本来のプレッパーは他者……特に政府などや権力者層やマスコミはあまり信用しない個人主義の者が多いが、大輝や姫子、そして彼らの所属する『メアリー塾』みたいに『リベラル派』だとむしろ仲間どころか政府やギルドなどともちゃんと協力してアンゴルモア対応に精を出す派閥だって存在する

 

大輝や姫子は自分達の近類縁者(コミュニティ)をあの理不尽な大災害から護って幸せに生きて行きたい……という目的でこういう人生を歩んでいるだけであるが

 

ちなみに、数いるプレッパー達の中には『ダンジョンアンチ』に所属する旧世代式のカードや魔道具、迷宮資源を忌避しながらそれ以外の一般的素材のみでアンゴルモア対応を行おうとしている一派も居るらしいが、それはまぁどうでも良いだろう……アンゴルモアをそんな甘い了見で挑めばどうなるか?火を見るより明らかな末路が見えるだろうが

 

大輝と姫子は『他者との協力』には忌避感は無いが……今はまだ自分達の勢力を建てて自分達の脚で歩きたい、それに何より大規模なチームに巻き込まれたらプレッパーとしての活動に支障が出るだろう。手に入る戦利品とかも何かと面倒な事になるし

 

プレッパーの準備に『満足』や『もう充分』という言葉は無い、何時かのその時が起きるまでありとあらゆる準備に費やされるものなのだ

 

それ以前の問題として、他人の都合を優先しなくてはならないチーム加入では……姫子(大輝)とのデートがし辛くなるという理由で二人とも却下一択である

 

只でさえ姫子は色々メアリー塾を筆頭に様々な習い事がある上に治験バイトだってある。大輝自身もメアリー塾や様々な柵、そして姫子と同じく治験バイトや偶にだが古巣でのバイトだってある、勿論冒険者稼業もある

 

これが兄姉弟子や友人達と共同でCランク迷宮攻略とかならガンガン行く気にもなるが……あまり付き合いの無い者達と何度も何度も行くとなると大輝だってストレスが激しくなってしまう

 

大輝自身『コミュ力低め』という欠点だってちゃんとある。ちゃんとした知己ならともかくあまり知らない人と難解な迷宮行きは流石にキツい。姫子のクラスメイトの一人では無いが『むーりー』と叫びたいぐらいだ

 

もしもこの内心がバレたら『佐藤ォ!!!』とか叫んで大輝を無理矢理チームに所属させようとする輩が出る……かもしれない?いやそんな無法やらかしたらそのチームは他の勧誘チームから袋叩きに遭うだろうが。それで通用するのはその『むーりー』とその担当プロデューサーぐらいだろう

 

そんな理由で現在の大輝は『独立』を方針に学内でのスタンスを表明する事にしている

 

でもスポット参戦や『傭兵』ぐらいはちゃんと務める所存ではある……そもそも他者との協力が出来ない冒険者は決してプロにはなれないものだ、既にカード達に協力して貰っているという大前提だってあるし

 

要は大輝達自身にもある信条や都合上で所属勧誘は完全にお断り……だけど同盟や都合が付いた際のスポット参戦なら引き受ける。という意味だ

 

学生……それも中高生冒険者にプロ資格持ちなぞ普通はそうそう見られるものではない。それこそ複数人でそれぞれの資格を継ぎ接ぎしてどうにか一人分のプロ級資格をでっち上げてCランク迷宮に入る許可を得て戦力を増強するものだ

 

大輝ならば……『迷宮士資格』と『Cランクカード七枚所有』、そして三つ星資格がある

 

特に『迷宮士資格』は学園冒険者の中では貴重な保有資格だ……大半の学生冒険者らは実技やカード所有などを優先してその辺りを疎かにしている者が大半だ……冒険者にとって勉強は常に必須な事は以外とガチ勢の間でも詳しくは認識されていない

 

尤も、学生冒険者の場合は……迷宮士の資格以前に『学校の試験』こそが最優先事項であり、一部の学校では赤点を取ると冒険者免許の一時的没収などの措置が取られる所もあるとかないとか

 

まぁ……実技資格は実技資格で学生冒険者には凄まじい無理難題であり、大輝の事情と現状を正しく把握している友人らであり『同学年で最初に三つ星資格を得た三人』という意味から『三つ星三羽烏』とも呼ばれる彼らもその一つである『Cランク迷宮単独攻略』、『Dランク特殊迷宮攻略』、『プロ冒険者との対戦』をこの夏休み全てを賭してそれぞれ成功させた……と、大輝も昨日のバイト先で聞いた

 

あの凄まじく影の薄い……大輝も偶に見失う事すらある遠藤浩介もまた着実に成長している様だ

 

他にも『三羽烏』の二人である南雲ハジメがDランク特殊迷宮攻略達成、同じく清水幸利が大輝がつい数日前に挑戦して失敗したプロ冒険者との対戦で合格した。そう言っていた……三人とも『大輝の迷宮士資格獲得』に触発されたらしい。最近では八重樫道場に所属するプロ冒険者から教えてを乞うて迷宮士資格の受験勉強を本格的に始めるつもりらしい

 

他の実技は……『更にちゃんと鍛えてからでないと危ない』から出直し感覚で、らしい

 

迷宮士資格持ちである大輝を加えて……カード所有制約もハジメや浩介が最初から達成している、それに大輝だって貯まったカーバンクルガーネットを使えばCランクのそれなり以上に良いカードが一〜二枚は買える資金がある。魔石やカーバンクルガーネットは合法的な税金対策であり大切なへそくりでもあるのだが

 

この四人でなら多分学園内のCランク迷宮だってどうにかなるだろう……仮にもCランク迷宮単独攻略の実績持ちだって居る、四人ともちゃんとリンク能力持ちだ

 

『百ヶ所のDランク迷宮攻略』は三人の実績を継ぎ足せば間に合うのでその辺りも大丈夫だ。メアリー塾も八重樫道場も友好関係なので他所がどうのこうのといった柵沙汰もない。むしろ彼らの兄姉弟子一同並びに師匠達も歓迎してくれるだろう

 

……やるとしたら次の連休辺りで短期集中、最初からCランク階層狙い。帰還は大輝のアリアドネーの糸頼りだろう

 

Cランク迷宮はDランク迷宮までとは難易度も別次元であり収入もまた別次元だから収獲もまた凄い事になるだろう……大輝がつい数日前まで潜っていたDランクシークレットダンジョン並みかも知れない

 

『ボス攻略』という贅沢は言わないが、出来るなら一枚でも相性の良いCランクカードが欲しいものである、最悪トレードの弾丸か資産にはなるCランクでも構わない……ボス攻略でBランクカードドロップ、何て甘い夢は先ず叶わないものだし、それに出たら出たで権利関係が非常に面倒臭いものらしい

 

大輝兄姉弟子達が偶に愚痴っていたのを思い出す。まぁ彼らの場合はあらかじめ取り決めが出来ているので大した問題にはならないが

 

他所だと偶にパーティー不和や崩壊だってあるとかないとか言われているぐらいだ

 

大輝達がCランク迷宮合同攻略に乗り出す際には『ギルド売却額均等割り』という一番一般的なシステムでいく事になるだろう。それぞれバラバラのチームを組んでいるから『共有資産プール』とかは出来ない、もしもBランクカードが出たら売却一択になると思う……欲しいなら貯蓄するか単独Cランク迷宮攻略を達成するか、である

 

……暫く先の予定ばかり話してしまったが、今やるべきことは『暫くの間だけで良いから愛海を誤魔化す事』だろう

 

さて、どう誤魔化したものか?

 

 

 

【Tips】ダンジョンプレッパー

 

アンゴルモアが発生する前から存在する『プレッパー』が今現在に適応した存在

 

嘗てのプレッパーは『核戦争』みたいな世界の破滅が起きても自分達だけは絶対に生き残る事を目標に核シェルターや資材を備蓄する者達の事だった

 

現代の『ダンジョンプレッパー』は先ず冒険者になって迷宮内の資材……カードや魔道具を集めて来るアンゴルモアに対処対策する者達の事である

 

言うなれば『原作の十七夜月杏菜』みたいな存在だと思えば良い……アリとキリギリスの説話を思い出すのも良いだろう

 

世間からは奇異な目で見られがちではあるが、ガチ勢やプロ冒険者からは何気に友好的に接して貰える事が多い……恐らくは『モンスターやアンゴルモアの脅威を正しく理解している同胞』だと認識しているからだろう

 

作中の主人公&ヒロインが所属する『メアリー塾』はある意味『ダンジョンプレッパーの大規模最大手チーム』みたいなものだども言える。大半の冒険者私塾にはダンジョンプレッパーとしての性質が必ず幾らかは存在するものだ

 

ごく一部ではあるが……『ダンジョンアンチなプレッパー』という存在も居て、彼らはアンゴルモア以前の非迷宮仕様の世界崩壊対策を行っているらしい。はっきり言って『かちかち山の泥船』か何かみたいに非常に頼りない上に出来ても不便極まりない対処対策らしいが

 

 

【Tips】カードフィリア

 

カード性愛癖という意味。現実の人間にはあり得ざる美男美女ばかりなカード……しかもそれが自分を全肯定してくれる、という状況で『それ』にドハマりする者は一定数必ず存在する

 

そしてそれが行き着く処まで行き着くと現世の関わりを殆ど全て放棄して迷宮暮らしがデフォになってしまうらしい

 

一部……いや割と多数のプロ冒険者やガチ勢はそれを『カードに魅入られた』と忌避している

 

ちなみにプロ冒険者やガチ勢の中には『カードフィリア勢』という派閥もあり……はするが基本的に社会性が薄い連中ばかりなので小規模チームで纏まるのがせいぜいらしい。集まれば結構大規模な勢力にはなるのだが

 

いや、ある意味『オタク文化を守る会』は以外と多くの……比較的社会性のあるカードフィリア達が所属しているのである意味では『オタク文化を守る会』はカードフィリア勢だとも言えなくもないだろう……か?

 

近年では潜在的カードフィリアの急増で少子化問題が深刻化し始めているとかいないとか?故に政府も『人間に興味を取り戻させるプロジェクト』として影でアイドル育成に協力しているとか?という噂も存在しているらしい

 

関係無い話ではあるが……美城学園には政府の協力も結構されているらしい

 

 

【Tips】生身戦闘

 

アンゴルモアの最初期はカードの存在なぞ知られていなかったので世界各国の軍隊は生身で危険なモンスターに備えねばならなかった

 

文明の利器である銃器爆薬はEランク階層以降ではグレムリンの能力などで使用不能になったりした為当時は白兵戦技術が再評価される事になった

 

甲冑や武具型の魔道具は白兵戦の達人や力自慢にいち早く供給され、その量産型である『迷宮租鉄の鎧』やちょくちょく見つかる『凡庸の武具シリーズ』が量産化を渇望されていた

 

しかしカードの効能が発見されてからは白兵戦技術の重視は廃れ……るかと思ったら『装備化能力』に活用される事となった

 

今でも自衛隊や他の軍隊、冒険者私塾などでは『カードや魔道具に頼らない生身戦闘訓練』が存在している。万が一の際に己の力で戦う覚悟が必要になり得る事だってあるし……そもそも真面目に自衛官や冒険者をやるなら何はなくとも先ず度胸が必要という理由から今でも必須科目として存在している

 

通常の鍛えている人間ならちゃんとした装備……野戦服にボディアーマー、最低限凡庸の武具さえあればFランクモンスターと一対一の戦闘なら何とかなるだろう。但しEランクモンスター相手は非常に厳しいものがある

 

逆に一般的な……精神力が貧弱なエンジョイ勢辺りが挑んでも戦闘力最弱のスケルトンや大鼠などならともかくゴブリン辺りにはまず勝てないだろう。装備を甲冑型魔道具や無銘シリーズ、いや何かの伝説の武具にしても重さで押し潰されたりまともに振るえず惨敗するのがオチになる。比較的初期に金持ちのドラ息子などが無許可で迷宮に潜り込んでそういう事故を実際に引き起こしている

 

稀に生身を鍛えに鍛えた『現代の戦士』ならば弱いDランクモンスター相手でもどうにか出来る……嘗ての軍に所属する真の戦士達が実践していた。ちなみに冒険者私塾の最大手の一つである『八重樫道場』の免許皆伝試験は生身でDランクモンスターの撃破だと言われている。流石に無銘シリーズの武具程度は必須だが

 

ちなみに今でも『最初期の白兵戦士達』は軍民問わず特に尊敬される存在であり、今は装備化カードを使って最前線を駆けているという……今では殆ど全員殉職していたり再起不能になったり比較的良くて引退して教官をやっていたりするが

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