「やった────」
俺は、カーラの太刀を折り曲げた………!!
「はぁ……はぁ……………」
達成感を得てしまっために、動作を停止させて座り込んでしまった。俺の悪い癖だ。まだ勝った訳でもないのに達成感に浸ってしまうところ、直していかなきゃいけないな。
でも、俺は、自分の力でカーラとの打ち合いを制したのだ。
カーラは折れた太刀をただ見つめている。
「見事────だ」
カーラは少し悲しそうに、嬉しそうに微笑んだ。しかし、俺はすごく残念だ。目の前に居るのは、俺がどうしても勝てなかったあの狩人というより、戦士のような風格の男ではなく、2本脚で直立しているだけの、ただの雄狼だった。
その人柄こそ、カーラのものだったが、その見た目は、もはやあの男の面影は残していなかった。
「■■■■……………」
カーラはまた、ひとときの悦びから、姿を消してしまう。そこに居るのは再び人狼。懲りずにカーラに立ち向かう俺も、反転しても意地だけで精神復帰するカーラも、かなりしぶといが、この人狼も大概だな。何度でもやってくるし、何回でも反転するし、いつまで経っても自滅しない。
「■■■■!!!」
人狼はもう折れてしまって長さが半分になった太刀と、地面に刺さっていた太刀の先端を持ち、二刀流のように構える。
あの太刀は3メートル近くある。今さら半分の長さにしたところでリーチは俺の血刀よりも長い。まったく、マジでアイツはどんだけ長い武器軽々と振り回してたんだ。純粋に尊敬でしかない。反転してもがっつりブン回してたしな。
「くそっ……………」
体力の限界だ。さすがに、俺もそろそろこの寒波の前に屈してしまったようだ。いい加減、手足の感覚がない。
「■■■■■!!!!」
人狼は隙有りと言わんばかりに、2本の刃で俺に斬りかかってくる。
「まぁ、いいか」
別に、抵抗する必要もないみたいだ。もう、事は済んだも同然。
まったく。往生際が悪いのは誰なのか。俺でもない、カーラでもない、この人狼でもない。一番忍耐に長けた存在はあの人じゃないか。
「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
空から飛来するひとつの影。俺が今さらその姿を見間違う訳がない。空からやってきたのは他でもない、クロエ先輩だった。あの寒波を克服したのか。いや、アレは根性で動いているだけなのか。
先輩は空から氷の柱を飛びついで奇襲を仕掛ける。
それを見た人狼も、素早く動き回る先輩に氷の槍を放つ。しかし、神速を狙う俊速に、閃光(スピードスター)を落とすことなどできず、氷の槍は先輩には一発も命中せず、むしろ先輩のいる方向とは反対方向に打ち出されているかのように見える。
氷の槍が放たれれば、もう狙った場所に先輩はいない。これほどの音速で動き回る獲物を相手にする狼などどこにいる。兎を狩ることはできても、横薙に走る稲光に追い付くことはできない。
一方で先輩は全ての槍を躱しながら(正確には動いているだけだが)、人狼に向けてギャラルホルンを次々と照射していく。
ビルのように高い氷の柱が次々と倒壊していく。
先輩を見失って、狼はあちこちを見渡している。
しかし、もう遅い。狼の反応速度と先輩の移動速度は雲泥の差がある。たとえその姿を捉えたところで、回避が間に合わない。
そもそもその姿を捉えることすらままならない。
「これで─────!!!」
先輩は人狼の真後ろから現れた。曲がりくねる道よりも、一直線のほうが早いのは小学生でもわかる。
そして、それだけ曲線と直線の差は歴然としているのだ。ならば、クロエ先輩の動作は、移動距離と相対して見れば、速くなっているのもまた道理。
ただでさえ気づいたときには遅いというのに、まして気付いていないのなら、気付く前に頸が落とされているだろう。
先輩はその炎のように波を打つ剣を掲げてまだ先輩の存在にすら気がつかない人狼に斬りかかる。
だが、相手は勿論、俺と最後まで拮抗し続けた最強の戦士。その洞察力は俺とほぼ同等のレベルにまで研鑽されている。
「■■■■■!!!」
腐ってもその身はカーラのもの。身体が覚えた闘いの心得は先祖返りを起こしても未だなお喪われることはない。
カーラは自分が見てもいない背後に向かって、両手に持ったその凶器を振りかざした。
「きゃぁぁぁぁぁぁ!!」
クロエ先輩の攻撃は見事に弾かれてしまった。先輩はそのまま宙に投げ出され、俺の目の前で転がる羽目になった。
「何してるんだよ先輩!駅で待ってろって言ったのに!!」
先輩に駆け寄ってその肩を掴んで立たせる。さっきよりかは顔色はマシだ。ある程度暖まったのだろう。だからといって、この戦地に来るのはいくらなんでも頭がおかしい。「ふー、暑いから日陰で休憩……よし行こうか」っていう気持ちでできるような行動じゃない。
普通に命に関わる重大な問題だ。俺だって命がけで来たのに、こうもあっさりと来られたら別の意味で心配になってくる。その危険性を理解してなお突入してきたところが余計理解に苦しむ。
「はぁ……はぁ……中村くん、私も、闘わせてください」
先輩は俺に歩み寄って、真剣な顔で訴えかけてくる。いつもの俺なら、「そんな顔されたら………」ってなっていたが、今回はそうもいかない。そう易々とクロエ先輩の命を受け持てるものか。俺は、戦うのが精一杯。クロエ先輩のことを気にかけながら戦う余裕はない。
「ダメに決まってるじゃないですか!状況を解っているんですか?俺は闘うので精一杯なんですよ!?先輩に来られたら、それこそ余裕が無くなる!」
「解っていないのは中村くんです!いいですか?わたしが出てきたのは自分勝手に闘いたいからじゃないんです!わたしが暖を取っていた喫煙室、あそこの寒波がこの辺りとほぼ同じ気温になっているんですよ!?このままだと、わたしたちはおろか、町の人たちまで凍死しますよ!」
「な─────!?」
バカな、そんなこと。俺が闘っているのはわずか1分程度。この1分であんなに暖かかった電車と喫煙所がここと同じ気温にまで低下!?混血である俺はまだ数十分は耐えられるが、一般人では、5分と持たない。このままじゃ────!
「あ、あり得ねぇ。ここの気温は変わっていないってのに………!!」
「寒冷前線に例えると、その勢力を強くするというより、その範囲を広くする解釈ですね。カーラ・アウシェヴィッチの繰り出せる寒波は今の気温が限界。あとは広げるしかないんです」
今の気温は摂氏マイナス106℃。本当にこれ5分も持つかな?3分すらも限界じゃないのか?頑張って2分といったところか。
「それじゃあ、もっともっと早く、アイツを倒さないと………!!」
そのためには先輩の力が必要だ。俺からすれば、先輩をこんな危ないところへ連れ込みたくないけれど、それでも、一人でいくよりかはマシ………なのか。
「い、いいんですね、俺、先輩までは守れる自身ないですよ」
「いいですよ。わたしの心配は要りません。中村くんは自分のことだけに集中してください。もう知ってるでしょうけど、わたし、中村くんより100倍強いですから」
最後にちょっとした冗談だけ言って、先輩はいつものように笑った。学校でも見る、いつもの笑顔をみて、俺は半分呆れた。さっきまでの心配が嘘のように消えた。彼女なら、やってくれる、と。
「行くよ、先輩」
先輩の前に出て、血刀を構え直す。
「はい、わたしは後ろから援護をします。一直線に、カーラの首を獲ってください」
まさか、先輩に後ろから助けられるとは思わなかった。まさにこれが共闘というやつか。
人狼はそれを見ても態度は変えない。おかしな話だ。狼なのに百獣の王の風格だなんて。
でも、それもここまで、今、先輩肩を並べた以上、ヤツに勝ち目はない。ここからは、俺たちのターン。
人狼との闘いは、ここで終わりだ───!!
「はぁっ!!」
氷原を蹴って一直線に雪原を走り抜ける。ルートははじめからひとつ。俺からカーラへ。そのまっすぐのルート意外、なにも考慮していない。獣のような一直線の単純な肉薄。
「■■■■■…………」
狼は構わず俺に向けて氷の槍を放ってきた。が、不思議と一発も命中しない。
なるほど、先輩を先に狙ったのか。さっきの経験で、遠距離攻撃を持つ先輩を先に狙うとは、窮地とは思えない集中力と洞察力だ。
しかし、俺は先輩のいる後ろを見ない。
あの人なら大丈夫。そう自分に言い聞かせる。
先輩は言った。自分のことだけを気にしていろ、と。言われたとおりに、俺は今、自分の前に降りかかる障害だけを警戒する。
背後で地面の粉砕音。ギャラルホルンの爆発ではない。地面から太い氷の棘が突き出る音。先輩に止めを刺すとはいえ、かなり念入りにやるものだ。お陰で俺は楽々と人狼の目の前にたどり着いた。さて、問題はここからだ。人狼との打ち合いになるわけだが。
「─────な!?」
突如、目の前で爆発が起きた。何が起きたか解らないが、目を瞑って煙の中に突進する。爆発は発生したときの炎と黒い煙が爆発の全てと思われがちだが、それとは別で、爆発の周囲に熱波という見えない熱の壁が発生する。目を瞑っていないと目が焼けるらしい。
しかし、視界は無くなるものの、視界が眩んでいるのは向こうも同じだ。加えて俺には第六感がある。
ついでに、ルートは一直線なんだから、視界がどうこう関係してこないだろう。
「はぁぁぁッ!!」
人狼に一撃を叩き込む。当然ながら、その一撃は人狼が左手に持つ刃で防がれる。
「やぁぁぁッ!!」
そして人狼の背後からの奇襲。二刀の刃が二刀の刃を狙う。
仁王が揃って不動明王に肉薄。俺は人狼の左、先輩は人狼の右を狙って回り込みながら人狼を攻撃する。
人狼は左右からの攻撃を防ぎながら、その陣の孔を確実に突いていく。
「おらぁぁ!!」
「やぁぁぁぁぁ!!」
「────!!」
総攻撃。二刀流を狙う一刀は二つ。ワルツのように動き回る俺たちの攻撃とそれを受け流す氷の剣。剣の衝突がギン、ギン、と軽やかで爽快な響音を生み出し、俺たちの気持ちの昂りに拍車を掛ける。
唐突な連携だが、俺たちは意外と息が合っている。俺たちは自分のことしか気にしていない。そういう約束だ。だが、俺たちは無意識のうちに、互いの背中を守るために走っている。気が付けば、自分達のことこそどうでもよくなっていた。
俺たちの動きは止まらない。ゆったりと二人で織り成される剣の衝突音は流れるバラードのよう。ここまでくるとシンフォニーレベルだが。
一秒ごとに、俺たちの連携はより一層強固さを増してゆく。その一秒とともに、人狼の寒波はより一層広くなってゆく。
乱舞と円舞。心持ちと状況こそ違うものの、まるで踊っている気分だ。雪原は舞踏会のように、再現無く広がり、照りつける月明かりはスポットライトそのもの。会場は絶賛大盛り上がり。戦士たちの興奮は絶頂期を迎える。
反復横跳びのように表裏を捲り捲る。
血刀、天を射る。氷剣、円を描く。波刃、線を通す。
"ッ─────ァ────!!!"
これで何度目の金属衝突か。人狼の持つ太刀は完全に砕け散った。
霊長の域で霊長を超越した化物三人。
この1分は、二度とこの人生(よ)で見られまい。俺の経験ではあり得ない衝動。闘いに興奮するという躍動。もし俺が戦闘狂なら絶頂して果てるだろう。そうでなくとも、俺の爽快感は、この一生で最高値に到達した。この極寒はもはや苦しさをもたらす毒の大気ではなく、俺たちに涼しさを与える追い風そのもの。勝つためには、不利すらも武器にする。逆利用こそ正義の一刀、最後に勝つのは脳筋体である天下無双の大将軍ではなく、最後まで気転を利かせて起死回生を生み出した空前絶後の大逆転的発送を持つ軍師。
兵力と軍事力だけで、戦争は語れない。そこに何があるか、全てを見通した者こそ、最後に勝つに相応しい。それが────
「■■■■■■■!!!!!!!」
人狼はこれまでに無い雄叫びを上げる。
辺り一面に吹き付ける竜巻のような太く強い風。吹きとばされるのは不可避。でも、耐える。武器を失ったヤツに斬りかかれば、俺たちの勝ちだ。
「づっ……おぉぉぉぉ………!!」
「くっ、うううう…………!!!」
歯を食い縛って、この世のものとは思えない風圧に耐える。地面に剣を刺して、それを掴んで耐える。
「■■■■■■■……………」
地面から、何かが出てくる。雪の下から、人狼の右手に向かって、何かが現れる。斧のような形をしており、先端には槍のような刃が。
それは、氷だけで出来たハルバード。碧色に輝く氷の斧槍は、あの太刀よりもさらに長く太い。全長5メートルほど、柄の長さがおよそ4メートルもあり、その柄は厚さだけでも10センチ近くある。
それはもはや武器というより、破壊兵器(ジャガーノウト)だ。ハルバードとは呼んだが、形は全然違う。槍の部分は、先端が木の枝のように枝分かれしながら分岐しており、斧の部分は大きさでいえばちゃぶ台よりもでかい。バトルアクス寄りに改造されたフランキスカにも見えなくはない。
「──────ッ…………」
まぁ、勿論アレに串刺しにされたら大事だ。アレにやられて、生き残れる訳がない。考えるまでもない。あれは運がいいとか、そういう神様の恩恵とかでは助からないヤツだ。
あんなに巨大な武器を敵は軽々と持ち上げる。相変わらず、なんて怪力だ。
風圧のせいで動けない俺たちを見て勝利を確信した人狼は斧槍の切っ先を俺に向けて、勢いよく引っ張る。
的確だな。これは偶然なのか、最後まで敵は俺を中心に狙っていた。カーラの性質が残っていたのか。
カーラも間違いなく俺を先に殺していただろう。この人狼も、俺を優先した。それは、俺とクロエ先輩の二分の一による単なる偶然なのか、それとも、カーラが最後まで執念深く、理性を失っても尚闘い続けた結果なのか。
けれど、この人狼は、カーラとは大きな違いがあり、カーラでは絶対にやらなかっただろう間違いを犯したようだ。
俺が最初にカーラとホテルで対峙したときからずっと、カーラはこれだけはやらかさなかったというのに。人狼となって知性を失った今こそ、その過ちが引き起こされる。何度も言った筈だ。何事も、最後が肝心なのだと。勝利を確信するというその行為こそ、最大の思い違い。
絶対の勝利は覆らない。だが、それは王者が言ってなんぼの話だ。揺るがない勝利を持つのなら、俺たちに苦戦などしない。俺たちは二人合わせてもなお、この人狼の足元にすら及ばなかった筈だ。ならば、それは完全勝利とはいえない。最後に油断したときが、本当の最期。油断というのはたちが悪くて、気づいたときには遅いのだ。油断したと気付くのは、全てが終わってからなのだ。
だから、この人狼は、これに対処出来なかった。カーラだったら、そんなことは絶対に起きなかったというのに─────!!
「──────」
打ち出された槍を跳躍で飛び越える。風圧に揉まれると思ったがその上での一か八か。結果はイチの奇跡に終わったようだ。
「──────■■■■■■!!!」
慌てて人狼は立て直すがもう遅い。油断したら、気付いたときにはもう手遅れだ。
「先輩────!!」
5メートルのハルバードの細道を走り抜ける。体幹バランスを極限まで整える。平均台程度の太さの道を駆け抜ける。
残念ながら人狼にできる攻撃は今が最後だった。
俺の声に焚き付けられた先輩も風圧を逆に吹き飛ばし、人狼に走りよる。左右からの決定打。一瞬の出来事だから、この人狼には対処する術がない。慌てて俺たちに氷の槍を放ったところで、焦って大振りなんだったら意味がない。全て避けられるか砕かれるかでおしまい。
人狼の敗因。それは、カーラの意識を捨ててしまったことだ。カーラという存在を棄てなければ、あるいは俺たちを妥当できたかもしれないというのに。
しかし、一度始まった攻撃(ターン)は終わらない限り回らない。俺たちのターン。相手にはなにもできない。これが、正真正銘─────
「止めの─────!!」
「一撃だ─────!!」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「てやぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
俺は、先輩と同時に剣を振り下ろした。その折り重なる最後の刃は、人狼を間違いなく斬り抜けた。止めの二連撃。油断した後の痛恨の連携。会心の決定打は、間違いなく、人狼に到達し。
「■■■■■、■■■■■!!!!!!」
人狼の雄叫びが氷原に響く。最後のフィナーレといわんばかりに交響曲の終楽章が電光石火のように轟いた。
周囲が白く輝く。人狼が碧色に染まり、雪原、辺り一面の銀世界、雪と氷の氷雪異世界に亀裂が入る。自然界に存在しない異常気象がこの世から爆裂的に消え去るその瞬間が現れる。異常法則が溶けるように消失していく。辺りに立つ氷柱と巨大な斧槍が音を立てて砕け散る。
人狼が最後の雄叫びを上げたと共に、世界は、元の次元へと氷が溶けるように巻き戻された。
人狼の血を引く吹雪の混血
カーラ・アウシェヴィッチ
性別 男性
身長 180cm
体重 60kg
誕生日 11月9日
血液型 A型
好きなもの 雪、闘い
嫌いなもの 熱
得意なこと 洞察力、直感、忍耐力
武装 長太刀、氷柱、吹雪、狼
食糧を得るために北欧からやってきた混血。
人狼と人間の混血であり、生まれながらに人狼の血が濃く、幼少期から頻繁に反転を起こしており、非常に不安定な精神を持つ。混血族は精神を安定させるために、人の血を吸う給血(吸血とは異なる)を行うが、血の濃度の濃いカーラの場合は人間血を飲むと同時についでに栄養分の補給もしなければならない。そのために、やむなく人間の血を飲むだけでなく、その肉を喰らうことも必要になる。乙黒町で起きていた多数の行方不明事件によって行方がわからなくなった人間は全てカーラと彼の連れる狼によって食された人間である。
ヨーロッパは聖堂教会の本拠であるため、代行者の襲撃を恐れた彼は、東洋に逃げ込めば代行者から逃れられると考え、群れの仲間である20匹の狼を連れて北欧から船で日本へやってくる。
血の濃度と質が高いこともあって、ほぼ人外に近い存在である。人間として生き永らえることが難しい分、混血としては血の影響力という面では中村白邪以上に完成しており、人狼の能力として手に入れた絶対零度を戦法として使う。
絶対零度による生命活動環境を凌駕する超低温と猛吹雪で相手の動きを止めて、氷の槍を飛び道具として発射して相手を牽制して相手を縄にかけてから太刀を持って群れの狼たちと共に獲物に襲い掛かる、狼の狩猟の如く、相手を確実に仕留める執念深い戦士。
ヒトの精神が弱いように思われるが、決してそのようなことはなく、その戦闘能力と直感は研鑽されており、その洞察力は中村白邪とほぼ同等の精度を持つ。
例え反転を起こそうと、根性だけで一時的に反転状態から回復したり、完全に先祖返りを起こした後ですらも一瞬だけ意識を覚醒させるなど、恐るべき忍耐力と精神力の持ち主でもある。
人里離れた山奥で狼たちと共に暮らしてきた日々であり、愉しみというものを一つも覚えなかった過去があり、唯一日本の侍の真似事をするのを自分の存在イメージとし、これまで武士のような佇まいで生きてきていたそう。
自身が混血であることに対しては特に何も気にしてはいないが、唯一、いつ自分の理性や知性が血に呑まれてしまうのかについては昔から不安を抱いていた。そのため、今日を過ごすことを優先しており、小さな幸せについてよく理解している、案外穏やかな人間である。淡泊な印象が強く、第一印象ではかなり冷たいイメージがあるが、いざ関わってみれば、人が良いような場面もある。
自身が強者と渡り合うことの愉しさ、自身の唯一の生き甲斐を作った張本人である中村白邪のことを気に入っており、利害関係や目的が一致していれば、二人が親友になっているような未来があったかもしれない。白邪に対する好意はさまざまな発言や思いやりなどでちょくちょく伝えており、それに気付いた白邪も、カーラの人柄は嫌いではないらしく、敵ながら解り合える部分も多いようだ。