月姫 零刻   作:マジカル赤褐色

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月零プチ劇場2

 

一日おき(作中での一日)に投稿されると言われている、幻のコーナー、それが、グレートキャッツタイム…………月零プチ劇場である。

キャラ崩壊にはご注意ください。

 

 

 

 

 

【師匠2】

 

 

俺は先輩のご飯に誘われて食堂までやって来た。先輩の机には相変わらず、ハンバーグ4枚。あれ?一枚増えてない?

 

クロエ「なっ!?中村くん!?何ですかそれは!?」

 

先輩は席から立ち上がって俺の持っている皿を指差す。

 

白邪「な、何って、フレンチ若鶏のマレンゴ風ですけど………」

 

クロエ「なんですかそのマイナーすぎる料理は!うちの食堂どうなってるんですか!?イイですか?ハンバーグはですね、挽き肉と卵を混ぜて弱火で焼いたアレですよ!?」

 

白邪「なに料理行程叫んでるんですか」

 

クロエ「ハンバーグの良さをわからない後輩を持つ先輩だなんて、何という皮肉……!!そう、挽き肉だけに!!ハンバーグ!!!」

 

 

───先輩、そのカウボーイハットとジョークやめにしませんか。

 

 

 

 

 

【バックボーン】

 

 

11月10日。それは、あの日の出来事だった。

 

代行者A「若草はどこへ行ったんだ?」

 

代行者B「そういえば、見ていないな、おそらく単独行動をしているのだろう。我々は我々の安全を確保することに集中しろ」

 

代行者たち十七名が森を歩いていたときのことだった。

 

???「おや、こんなところへ、何の用でしょうか」

 

代行者C「アカシャの蛇………!!」

 

代行者D「討伐対象を確認。殲滅するぞ!」

 

代行者「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

 

 

──────その一方で。

 

 

 

ヨエル「ねむーい。アスナロぉ、寝ていいかな」

 

アスナロ「まぁ、いいんじゃない?貴方も疲れてるだろうし」

 

ヨエル「っし!お休み!」

 

 

 

 

 

【クロエが来た!】

 

 

「■■■■■■■!!!」

 

「くそ、どうしたらあいつを倒せるんだ……!!」

 

「カーラの力が強くなっています……!!」

 

カーラだった人狼は、元の精神を失い、ただ溢れる暴力と本能だけで動く獣と化していた。俺と先輩はこの人狼相手に苦戦を強いられていた。

 

「うぉぉぉ!!」

 

血刀片手に人狼に斬りかかる。だが、その攻撃は人狼の長い太刀に弾かれる。

 

「ぐわぁぁ──っ!!!」

 

「圧倒的存在感………!日本の狼と比べると、大きさはおよそ2倍………!間違いありません、カーラ・アウシェヴィッチのオスです……!!」

 

「おい、ダーウィン来んじゃねぇ」

 

「■…………………」

 

 

 

 

 

【面と向かって】

 

 

この暗い城、その奥にその男は座っていた。

 

中叢「おや?こんな処まで何の用かな?白邪」

 

そう、俺の鬼人の側、鬼人としてのナカムラハクヤ、中叢白邪だ。

 

白邪「お前にいろいろ訊きたいことがある」

 

中叢「ほう?御前さんから吾(オレ)に質問など、珍しいことも在る物だ。良いぞ、言ってみろ」

 

白邪「俺はこのまま鬼人として覚醒したら、いずれお前のようになるのか?」

 

中叢「当然だ。御前さんが己の力を行使すればする程、御前さんは鬼人に近付いていき、何れは吾と同じ様に、完成するさ」

 

なるほど。つまり、俺がこのまま闘い続けると、俺は本物の鬼人になってしまう。コイツのように。

 

白邪「そんなの、嫌だ」

 

中叢「そう嘆くな。仕方がないことだ。灯油ストーブも使い続ければ灯油が無くなる。消費すれば、消耗するのは道理だ」

 

白邪「俺も、お前みたいに厨二くさい発言をしなくちゃならねぇってのか!?そんなの、死んでも嫌だ………!!」

 

中叢「………吾の予想とは異なる答えが還って来たな」

 

白邪「俺も吾(オレ)なんて名乗ったり、お前のことを御前さんって呼んだり、いちいち変な漢字にしたりしなきゃいけねぇのか!?時代錯誤な喋り方して!?寒すぎるだろ!?」

 

中叢「待て待て、吾の精神状態が臨界を迎えて来たんだが」

 

 

 

 

 

 

【デッドエンド】

 

 

白邪「先輩!!」

 

あの吹雪の奥で、先輩が片膝をついて倒れている。カーラから先輩を守らなければならない。

 

白邪「────行くぞ、白邪、死ぬんじゃねぇぞ……!!」

 

ルートは段差から飛び降り一択。まともに階段を降りたりしたら死ぬ。カーラには階段から降りてくる俺を迎撃する策があると確信して。

 

白邪「とぅ!!(↑)」

 

段差から手すりの上に乗っかり、そのまま飛び降りる。

 

白邪「う────おおおぉぉぉぉぉ!!!!」

 

とりあえず飛び降りる。吹雪の中、下に向かって重力と共に自由落下。

このまま地面に飛び降りれば、俺はカーラの策を破りながら接近できる!

だが、

 

カーラ「見込みが甘いな、中村白邪」

 

白邪「え?」

 

俺が見据える地面から、針が生えてきた。氷で生成された棘は、落下する俺めがけて突き出され、落下してくる俺を待ちわびいている。

 

白邪「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

重力の働く方向性を変える力を俺は持っていない。魔法使いじゃあるまいし。つまり、俺はこのまま落下して、自分からあの針山地獄に突進することになるしかないということだ。

一直線に俺は停止も減速もせず、ただ真っ直ぐ、死の刃へとまっしぐらに加速していくばかり。

終わりを迎える時が来た。俺はカーラの詰めを甘く見積もっていた。俺は階段から降りなかっただけで、裏を掻いたと思っていた。だが、カーラは階段以外の道を封鎖することに努めていたのだろう。ヤツにとって、階段を使うのは猿の諸行であり、ヤツはただ、誰しもが当たり前のように通るであろう、段差の下に罠を仕掛けたわけだ。即ち、俺に足りなかったのは、もう一手上の発想。ヤツにマトモな策と平凡な常識は通用しなかった。越えるなら、ヤツの上を。そんなことすらできもしない狗は、このまま死に絶えるが定め。俺は自分の詰めの甘さを後悔しながら、氷で覆われたその深い深い、二度と戻れない樹氷で出来た迷いの森へと脚を踏み入れていった。

 

???「カット、カット、カット、カットカット、カット、カット、カット、カット、カット!!!!」

 

白邪「誰だよオマエ!?」

 

目の前にいるのは………金髪で白い服を着た謎の生物。身長60センチ。猫の耳と尻尾が生えているのが若干可愛らしい。どこかのマスコットキャラみたいな見た目をしているが、

 

???「アタシの名前はネコアスナ。この突き姫こと月姫零刻のメインヒロイン。さて、そこの髪の毛傷んだ赤色くん、今回の失敗は何かご存知かニャ?そう、今回キミがお亡くなりになった原因は、【考えが甘かったから】、である!階段から降りるなんて、そんなハリウッドスター日本来日ヤッホイダイアナー、って感じでもない限りある訳ないニャ。さて、そう考えた赤色くんは段差から飛び降りるという選択肢を取ったみたいだけど、それもまた一興。一瞬で浮かぶ考えは相手も一瞬で対策してくる。だってそうでしょ?昇龍拳連射してたら対策されるし、昇リュウ拳対策代わりに昇龍ケン使っても同じでしょう?どっちも無敵判定あるし、斜めに飛んでいくか真上に行くかの違いなんだけど、まぁ、タイガーアッパーカットでもいいんだけどアレ技の種類全然違うからニャ。良いか、諸君!昇龍拳対策に一番有効なのは波動連射か火炎車である!まぁ、要は相手の予想の裏を突くことを意識しろってことニャ。裏を突く、という意味でも突き姫と呼ばれているのだ!!」

 

白邪「………とりあえずコイツ殺そーぜ」

 

カーラ「…………異論は無い」

 

ネコアスナ「ちょっストォォップ!!早まるニャ………!」

 

俺は血刀を構えて、カーラも太刀を構えて、この糞ネコを潰すべくにじりよる。

 

ネコアスナ「うーん、アタシ何か地雷踏んだかニャ?」

 

白邪「当たり前だぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

カーラ「ネコォォォ!何やってんだオマエェェェ!」

 

ネコアスナ「エッ…………?」

 

白邪「中学時代からの決まりでね、俺を傷んだ赤色と呼んだ者は、例外なくブチ殺してきたんだ」

 

ネコアスナ「例外はニャい。命を知れ、吸血ki…………うにゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く


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