月姫 零刻   作:マジカル赤褐色

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4.5日目 月光神話
原初の契り


 

いや、しかし参ったな。折角風呂に入ったのに、ズボン渇いてなかったよ。

濡れたズボン履くのは嫌だし、しょうがないからタオルを腰に巻いて出てきた。

 

「先輩、上がりましたよ」

 

「───────」

 

俺が風呂から上がって、居間に戻ったところ、先輩は無言でただ窓の外の景色を見ていた。

 

「先輩?」

 

すっと先輩の横に並んで、外を見る。雨はすっかり止んでいた。おまけに、空には満天の星空。雲も見られない、そんな綺麗な星空。

 

「綺麗…………」

 

思わず、そんな率直な感想が口から零れ出た。星を見上げて感動するなんて珍しい。

 

「こんな綺麗な星空、見たことないです」

 

先輩も狭いアパートの個室の窓から一望できるこの絶景に目を輝かせている。

 

「うん。まぁ、でも、もっと綺麗な物もある」

 

星も確かに綺麗だけど、俺にはこの輝きしか目に映らない。最初から、俺にはそれしか見えていない。

 

「──え?」

 

先輩がこちらを向いてくる。

その腑抜けた、きょとんとした、まっすぐな顔がまた綺麗。

 

「だから、クロエの方が綺麗だよって言ったの」

 

なんか、言うのも照れくさいけど、一回ぐらい、先輩のことを、こうやって呼んでみたかった。

 

「…………………………」

 

先輩は明後日の方向を見ながら髪の毛の毛先を弄って誤魔化している。

ここでは、静かな時間がただ流れている。窓は網戸になっているから、外の空気が入り込んできてとても涼しい。風呂上がりにはぴったりなひんやりとした空気。

しかし、今日は本当に星が綺麗だ。

 

「────あ、あそこ、冬のダイヤモンドですよ」

 

「─────そ、そ、そそ、そうですね!あそこ、でしょう?あの、右側の………」

 

「先輩、逆方向です」

 

「は、わ、わかってましたよ?ベガとアルタイルと……………あとは…………」

 

「デネブですか?」

 

「そうそう、それですよ」

 

先輩は鼻高くドヤ顔。

 

「それ、【夏の】大三角ですね。冬はベテルギウスとプロキオンとシリウスの大三角」

 

「あっ………………」

 

先輩は全然星のこと知らないんだな。

まぁ、俺も特別詳しいわけでもない。夏と冬の大三角なんてそれこそ小学3年生の天体で習うようなことだ。

 

「冬のダイヤモンドっていうのは、大犬座のシリウス、オリオン座のリゲル、牡牛座のアルデバラン、御者座のカペラ、双子座のポルックス、仔犬座のプロキオンを結んでできる6角形のことです。ほら、あそこにでっかい一等星が何個かあるでしょう?あれらを結んだらできるんです」

 

「へぇ、中村くんは星に詳しいんですね」

 

少しだけ照れる。詳しいっていうのは大袈裟だ。

 

『続いてのニュースです。昨夜、乙黒町周辺で発生した大寒波によって、JR乙黒駅付近の住民数十名が低体温症で病院で搬送されましたが、病院側から、搬送された住民のなかに、死者はいなかったという公表がありました』

 

「────?死者は出なかったのか?」

 

「そのようですね。中村くんがカーラを早く倒したお陰ですよ」

 

そう、みたいだ。別に俺は倒したわけではないが。あれはカーラが強烈な一撃を受けたことで、体力が持たなくなって自滅してしまったが正しい。もし(たお)してしまったんなら、俺は今こうして理性を保っていない。

けれど、俺は、街を守れた。もちろん、先輩の助けがあってこそのモノだろうけど、俺は、初めて、この肉体(ちから)を人のために使えたんだ。

それだけで、俺は満足だ。現に、こうして、すぐとなりに、大切なものがあって。帰るべき家があって。

俺のような人殺しに、人並みの幸せを得る価値があったことが、今はただ感慨深い。

欲しいもの、か。無欲だった俺には、この血に賭けてでも手に入れたいものなんてなかった。けれど、今は違う。俺は、鬼人になっていっているにも関わらず、俺は、限りなく、人間らしいいきものになってきている。

この事件が片付いたらどうしようか。先輩と楽しく暮らすのが一番か。今度文化祭でボーカル代理を任されたことだし、その練習もしなくちゃ。やることが多くて面倒臭いが、今までなんにもなかったんだ。あんな退屈な毎日よりも、こっちの方が圧倒的に楽しい。

 

『それでは、深夜速報です。先ほど乙黒町北部の教会で、大規模な崩落が起きたと、警察に通報がありました』

 

「教会…………?」

 

「───────」

 

それは、突然のニュース速報だった。こんな深夜に流れるくらいだ。相当な出来事だったのだろう。

俺たちは部屋に置かれたテレビの画面に釘付けになった。

 

「教会…………!!」

 

窓を開けて大急ぎでベランダに出る。身を乗り出して教会のある方向を見る。

 

「な─────」

 

それは、産まれてはじめて見る光景だった。

 

「なんだ───アレ────」

 

星の浮かぶ夜空に、細い流星のような煌めきが二つ。

一つは蛇のように捻れながら動く金色の光。一つは稲妻のように方向転換しながら一直線に走る緑色の光。

どちらもあり得ない速度で動き回っている。遠くから見た花火から出づる火花のようだ。

そりゃあ、7キロ以上距離が離れているここからなら、その眩い姿を捉えることは容易だが、至近距離だと、アレは視認できるものなのか?

新幹線や飛行機よりもずっと早い。あまりにも眩しすぎて、目が痛い。太陽を見続けてはならないのと同じだ。

これが都合の悪い幻覚か、万年一度の奇跡で、この日本列島でも見えてしまったオーロラなんだったらまだしも、その二つの光はそんなものではない。

自分で動いて、自分と同じくらい眩しい光へと突入している。太陽と月が殴り合いをしているようだ。ぶつかる度に火花が散り、その都度辺りは一層強い光に塗り潰されていく。

あの黄金の光と若草の光を、俺は、よく知っている。黄昏を割り裂く夜空の彗星たち。

わかるとも。鬼人となった今、否、生きとし生ける生態として、理解できるとも。

あの激突はレヴェルが違う。俺たちがあの光に近づいた時、俺たちはそれこそ分子レヴェル的なアレで解体されそうだ。

惑星規模の熱量放出の連鎖で大気が揺れる。直接被害が及ばないこの場所ですら、空気が振動して、俺の肌を電気風呂のようにピリピリと衝いてくる。あの激突の度に発生するエネルギーだけで、日本全土にざっと一年分の電気は供給できそうだ。

それはもはや世紀末、世界終焉の合図(サイン)だ。ラグナロクという喩えが素晴らしいくらいにお似合いだ。

カーラといい、ロアといい、俺たちといい、あの闘いは繰り広げられない。現実において、アレは不可能な事象であり、絶対に起きてはならない特異点。

ジュブナイルにおいて、惑星を破滅させる神のような敵が出るのは当たり前だ。これは、それの体現か。

あの破壊戦争を終結させるにはどうしたらいいのか。大英雄アーラシュに弓を射って貰うか?いやいや、それこそあの光は全てそれに匹敵する。

星の浮かぶ夜空(コース)を走る二つの光。あの光に比べて限りなく離れている筈のあの星々も、あの混沌に呑まれて砕けそうだ。

そんな、乾いた感想なんてどうでもいい。第三者には手の付けようがない。俺たちは遠くからこの破滅の(とき)に怯え、神々の審判を傍観することしかできない。

けれど、これだけは言える。アレは、

 

 

────■■■■と、□□□の闘いなんだと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アルクェイド────!!!」

 

「エセキエル────!!!」

 

一方、教会の裏に広がる森では、引き続き最強の兵器同士による決闘が繰り広げられていた。

本来はアルクェイドの優勢だった筈だが、そこにあらゆるモノを殺す瞳を持つ幻獣が介入したことで、強制的にアルクェイドは不利になっていた。召喚された幻獣、バジリスクの持つ直死の魔眼はアルクェイドの天敵とも言える。万能にして不滅であるアルクェイドといえど、あの瞳で見られれば、直ぐに死を迎える。

アルクェイドにとって、これは絶望的な反則行為。アルクェイドは必然的に、バジリスクに警戒をしなければならない。単にエセキエルを狙うことはできなくなる。

アルクェイドは高速で動き回り、バジリスクの視界に映らないようにしながら確実にエセキエルに遅いかかる。

 

「えやぁぁぁ!!」

 

真空を切り裂く爪の一撃。アスファルトすらも易々と真っ二つにする大気の斬撃。

しかし、相手は対真祖における最強兵器。教会においては、アルクェイドを封印するための最終兵器とされた、意思を持つ概念武装。

アルクェイドの振り下ろした爪を容赦なくその腕で受け止めた。

エセキエルはあくまでも兵器、特大解釈をすると武器だ。その全身は武器で構成されており、その全ては神を捕らえるための対神武装。エルキドゥは元々、英雄王ギルガメッシュを天界に引き戻すために造られた存在。まさに神を殺すための兵器である。

星の触覚である真祖は権限の階級においても、存在規模においても神といえる。もとい、そもそも神に近しい存在なのだ。

対神兵器であるエルキドゥを模したこのエセキエルに、神からの一撃など人間からの一撃に等しい。

 

「そんな─────!!」

 

それでも、アルクェイドは惑星において最強の存在。まさか、本物ですらないエルキドゥの模造品(レプリカ)に、自身の一撃を止める術などないと確信していた。

だからこその驚愕。

エセキエルの言う様、その肉体はレプリカであるが、原点(オリジナル)に対する劣化版ではなく、オリジナルの超越を以てして再現に失敗した上位品。

オリジナルのエルキドゥが止めれたのかどうかはともかく、エセキエルが止められるかどうかはエルキドゥの性能の是非は問われない。

 

「まだまだってところだね───!!」

 

エセキエルの背後からバジリスクの頭部が顔を出し、家宅をも咀嚼するだろうその巨大な口から紫炎が吹き出される。

 

「─────っ!!」

 

間一髪、アルクェイドは転がって回避に成功したが、家屋の倍以上のサイズを誇るバジリスクから放射状に放たれた熱線を回避しきることはできず、輝く月のような金髪の毛先と左足を焼かれた。

 

「いっ───たぁい───!!」

 

完全なる存在の口から漏れる火傷による苦悶。しかし、それは人間の燃焼寸前の悲鳴というより、机の脚に爪先をぶつけたような、自分が悪いにも関わらずなぜか無性に腹が立ってしまうタイプの痛みに顔をしかめるようなものだった。

確かに、パンを焼いたばかりのトースターに一瞬触れてしまった程度で人は死なない。

 

「─────もう、怒ったから………!!」

 

しかし、焼けたのはパンと指だけではない。それはそれで、真祖もプライドというものが一定数存在している。次に焼けるのはもちろんアルクェイドの心。

燃え上がる逆恨みは、アルクェイドを逆に強化してしまった。闘級(ステータス)というより、感情の問題。

ぶちギレではないが、アルクェイドにとって、今のは大きかった。損傷数値(ダメージ)は少なかったが、不快指数(ストレス)は非常に大きかった。

今ので正真正銘、エセキエルはアルクェイドにとっての障害として認識された。アルクェイドは一方的にエセキエルを叩くことを自身に許したのだ。

 

「────ふぅ………!!」

 

顔を上げて目標を確認する。目の前にバジリスクが居たら、だなんてことは考えない。眼が合ったら終わりだが、アルクェイドにとってはどうでもいい。自分が死ぬかもしれないという恐怖、だなんて機能は備わっていない。

アルクェイドには「魅了の魔眼」が備わっている。視認した相手、とりわけ見つめ合った相手の動きを虜にできる。もちろん、この場合は止めるという使い方ができる。

アルクェイドにとって先ほどまでエセキエルは峰打ちで片付く相手だったが、ここからは違う。今度は敵だ。自分の心臓を狙ってきた祖たち、アレと同じかそれ以上の規模の相手と認識された今、アルクェイドの闘級補正は倍率が上がった。ついでに魔眼も開放。いわゆるアルクェイド第二形態といったところだろう。

さて、顔を上げて相手を詮索する。

が、そこに紫の竜と緑の悪魔の姿はない。

 

「──────」

 

「───せい………やぁぁぁぁ!!!」

 

アルクェイドの背後から発電所並みの電荷を纏った一撃が放たれた。手のひらから打ち出された大気を切り裂く破滅の掌打。

 

「きゃぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

背中からの強烈な不意打ち。半グレの喧嘩とは訳が違う。一撃一撃が文明の破壊。

エセキエルが繰り出した一撃はライム色の光を伴い、強烈な魔力の断層となって、アルクェイドを勢いよく彼方へと吹き飛ばした。

どこから出てきたと思う太い緑の熱線。その強烈な極光は一直線に向かい、一斉に木々と地面を抉り抜き、周辺の地形を丸ごと切り取った。

煙が止んだあと、森の中に、幅20メートル、長さ800メートルの無空間が形成された。一斉のマナ放出、分かりやすく言えば時速500キロのブルドーザーの突進だ。

突如形成された不自然な一直線の堀の先で倒れる花。金の女の身体からの流血。初めての攻撃を受けたアルクェイドはむくりと立ち上がる。

 

「───いいわ、ぼっこぼこに踏み倒してあげる………!!」

 

その瞳が金に染まる。アルクェイドの紅の瞳は金に変わり、その表情は鋭いものに変わる。今までの冷徹な刃は、荒れ狂うチェンソーのように変貌する。

視線だけで大地を切り裂き、吐息だけで海原を割り分かつような強く、恐ろしい厄災の(かお)

 

アルクェイドの身体が光り始める。金色のシルエットはそのカタチを変えていく。辺りが極光に包まれる。直視すれば目がやられそうだ。そんな目映い光も、エセキエルは見つめ続けている。

やがて、辺り一面を照らす光は止まり、中から処刑人が現れた。

白と青のドレスに身を包んだ小さくて大きな吸血鬼。金の髪と金の瞳、白い衣。

 

───曰く、「白い吸血鬼には近づくな」と誰かが云った。

 

「事象の地平に送り込もう、貴様の生を、星の内海に還すが良い。還元せよ、その魂、その血潮を、我が(てのひら)へと」

 

その吸血鬼は言う。

 

 

────そこに居る───何人の?

 

────ひとりの───どんな?

 

────今まではいなかった、───なんて?

 

────なんて、恐ろしい。────誰が?

 

────吸血姫が。

 

 

「─────これが、」

 

そう、これこそ、まさしく、真祖の姫、アルクェイド・ブリュンスタッドである。

 

「覚悟しなさい、エセキエル。ただの祖を相手にするつもりでは相手できないわね。けど、アナタとの追いかけっこも終わり。正真正銘、ここで終わりにしてあげる。その命も、心も、魂も、ね」

 

「上等。空想具現化を使う気になったかな?」

 

エセキエルの髪が独りでにふわりと浮き上がる。エセキエルの表情がかつてないほどの愉悦に歪む。

企みに満ちたかのような曇った顔に、相変わらずの美しい笑顔を浮かべているそれは、美女か美男か。

 

「これで、心置きなく本気が出せるね!」

 

エセキエルの周囲を廻っていた電荷が一層強さを増す。エセキエルの立つ地面が黄金の円環を纏って輝き出す。

エセキエルの周囲を突然、金の鎖が廻っていく。

その数は一瞬では数えきれないほど。マシンガンから放たれた弾丸のように折り重なる鎖と、その先に牙を束ねた楔。

 

「行くぞ───!!真祖の姫君───!!」

 

エセキエルが楔と鎖を纏いながら、アルクェイドに向かって突進していく。

その後ろからバジリスクの進行。だが、バジリスクの飛行速度よりもエセキエルの突進の方が倍以上速い。

世界があまりの神速に目を疑う。次々となぎ倒され、潰れていく森の木々と古くから続いてく大地が、その運動エネルギーの強烈さを物語る。

時速は500キロを優に上回る。当時の新幹線よりもずっと速い。

アルクェイドとの距離は800メートル。1秒足らずで詰められる距離だ。アルクェイドなら反応できるだろうが、その直後に対処はできるのだろうか。

突進していく楔は円錐を描いて突撃していくランスのよう。切っ先触れれば、大地をも切り裂き、海原をも貫くだろう開闢の詔り。

 

「まったく、なんでこんなところで権能(ちから)を使わなければならないのよ…………!」

 

アルクェイドは自身に向かう楔の姿を捉えた瞬間、正面に両手を伸ばした。

正面に開かれる真四角の薄い透明な板。硝子のような輝きを持つプリズムの壁。

しかし、硝子のように見えるとて、侮るなかれ。これは大気の層を壁とした、正真正銘、空間を区切る境界線。世界そのものを断絶する絶対の壁。空間を次元レベルで通過していく第3時空速度を以てしてようやくその空間に干渉できるほどの存在。要は、一時間で世界単位の空間を通過する速度でないと、あの壁はすり抜けられない。たかが時速500キロ程度では超ジュラルミン装甲を狙った鉛筆の芯一本にも程遠い。

これがアルクェイドの権能である。空間に存在する自然現象と地球事象の所有権を全面的に保有する、いわゆるマイワールド。世界の容量を制限し、自身の存在規模と質量を最大値まで底上げする。否、引き戻す。アルクェイドの相手の存在規模のワンランク上に設定される性能を超越した、限定解除の類いだ。アルクェイドに掛かっていた補正(ハンデ)を解除し、星の触覚としての惑星権能を開放するのだ。

無論、現在アルクェイドは限りなく弱体化しているため、たいしたことはできない。その上、自身の肉体にかける負荷は非常に大きい。人間一人に世界中の家庭に供給する電力を流し込むようなものだ。小さくコンパクトにまとめられたアルクェイドに、世界全てのチャンネルを付与(ダウンロード)するなど、自殺行為だ。これが本来のアルクェイドならばまだしも。

そんなことをすればオーバーヒートを起こして直ぐ様自滅するのは言うまでもない。

だが、そうでもしないと、アルクェイドはこの相手に勝てなかったのだ。アルクェイドにとって最高の屈辱ながら、脆弱になったアルクェイドよりも、エセキエルの方が圧倒的に強かったのだ。闘級を基準とした存在規模ではなく、単なる性能差の問題。

だから、アルクェイドがこの戦いを制するためには、自身の生命をも費やさなければならなかった。

 

「アナタには勿体ないけど、ここで見せてあげる、真祖と人形との格の違いというものを───!」

 

「上等。神話の闘いを始めよう、アルクェイド!!」

 

序章はこれにて完結。

これは、月姫零刻のもうひとつの物語。

中村白邪の冒険のさらに裏で描かれた、誰の目にも付かなかった現代神話の世界。

神を越えるために生み出されたひとつの人形と、それを迎えるひとりの神の二人が織り成す因縁の決闘。

原初の一と終焉の千。

繰り返される星の伊吹。止まることを知らない神速の逆行銀河。振り下ろされる光の刃。終わることなく続いていく月光神話。

 

エセキエルとアルクェイドの全力の闘いは、今始まった。





白き真祖の姫君

アルクェイド・ブリュンスタッド

性別 女性
身長 167cm
体重 52㎏
好きなもの (該当無し)
嫌いなもの 血、日光(日光に弱いわけではない)
イメージ 少女アルク寄りの姫アルク
武装 素手、空想具現化


呼称「アルクェイド・ブリュンスタッド」、別名「原初の一」。月世界に降臨する真祖の姫。
死徒を裁断し処刑処分をするために旧き真祖たちの手によって生み出された、対死徒兵器。人工故、最高の純度を誇る最強の真祖。元より兵器であって王族などではないが、あまりの純度と規模のため、やる気になれば惑星破壊も可能なため、製作に携わった全ての真祖から姫と仰がれ、千年城に居を構え、引きこもる生活を送っていたそう。人工とはいえ、真祖のため、死徒とは異なり、血を必要とせず、もちろん日光も通用しない。…………日光はまぶしいから嫌いならしいが。
しかし、ある日、「何者か」に拐かされてしまい、人間の血を口にしてしまう。よって吸血衝動という欠陥が促進されてしまい、暴走して月世界の真祖たちを全滅させてしまい、以後はその身を城に封じ、役目の時のみ動くただのキカイとなった。

さて、そのアルクェイドを策に溺れさせたのは永遠を追い求めていた当時の地球の聖職者、ミハイル・ロア・バルダムヨォンであった。ロアはアルクェイドに血を吸わせたことで真祖直属の強力な死徒となり、転生を繰り返すこととなった。
アルクェイドは自身の力の一端を奪ったロアを殺すため、ロアの転生にあわせて地球に顕現し、ロアを処分したらまた城に戻るの繰り返しを行っていた。
今回もロアの転生先を巡って、乙黒町に到達し、町のシスター、ルージュ・アスナロという架空の人物になりすましてロアの捜索を続けていたが、ここで思いもよらない妨害が入ることとなる。
それが埋葬機関の代行者、エセキエルの存在。エセキエルはアルクェイドを封印することを目的としており、そのためにロアを利用して匿うことでアルクェイドから距離を取り、半年間もの間ロアを逃がし続けた。アルクェイドの弱体化は一層進行していくこととなる。
力を奪われているため、アルクェイドはどうあってもロアがいる限り最大出力を出せないでいる。また、現界時間が長いほどさらに弱体化していき、最悪一介の祖にも劣るほどにもなる。

お気づきの通り、作中での一人称は「私」と表記されているが、「わたし」となる片鱗も所々存在している。ロアの仕業による故障で、口語を使うことが多くふわふわとしているが、エセキエルと闘っている間は姫的な厳しい口調になる。一方で白邪のような、主人公属性の大きい人間の前では少女のような印象を与える。どうやら、全てが終わった後の未来に繋がるような要素が既に揃っているようだ。後に月姫の物語の冒頭で待ち受ける【あの瞬間】にその機能が動き出すわけであって。

礼儀や作法に厳しく、無礼を許さない姫ではあるが、別段、英雄王的な厳しさではなく、秋HA的な厳しさを持っている感じだ。意外と人当たりが良く、親交さえ深まれば良い上司と部下のような関係になれなくもないと言われている。「まぶしいから日光大嫌い」とか可愛すぎだろ。
こう見えてかなりワガママ。可愛らしさがどことなくあるため、嫌いにはなれない性格。これで天然だったら最高だったのに。

だから少女だけじゃなく姫もスコれ。
作者的にはアルクより姫アルク、シエルよりエレイシアなんだから。
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