魔術王と魔神と魔法科   作:モヘンジョダロ

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正直かなり迷走しました。
正直タイトル詐欺では?とかこれクロスオーバーさせる意味ある?とか悩みながら書かせて頂きました。
元々ゲーティアの小説が少なく、見切り発車と勢いで書き始めた小説でしたが皆様の感想と評価のおかげで一応の完結まで辿り着く事が出来ました。
応援して下さった皆様方、誠にありがとうございます。


最終話:未来

突入する。というよりは空間ごと転移したと言った方が正しいだろう。

 

だが些末な事は良い。西城レオンハルトと千葉エリカには少し離れて貰って時間神殿へと我々は転移した。

 

突入者は私、ソロモンに加えてブリシサン、ウッドワス、司波達也、司波深雪、アンジェリーナ=クドウ=シールズ、牛若丸。

 

転移座標は時間神殿の中心。魔術王の玉座であり、ゲーティアが座す領域。

 

───そして転移した直後にゲーディアが私の姿のままブリシサン、正確にはブラックバレル目掛けて殴り掛かってきた。

 

それを察知したウッドワスが咄嗟に殴り返してゲーティアを退ける。音速を超える拳同士のぶつかり合いによって周囲に衝撃波が奔る。

 

ゲーティアの近くでサーヴァントを待機させるのは悪手だろう。奴の意識を司波達也へと向けさせているとはいえ、指環を使われたら即刻退去だ。

 

牛若丸に周囲の魔神柱の掃討を任せる。近くの魔神柱に対しては巻き添えになる可能性を考慮して大威力を放ちにくい。

 

「わかりました、主殿!」

 

宝具を起動して超高速で跳躍した牛若丸を見送る。強化もちゃんと機能している、心配は無用だろう。

 

私は少し不機嫌そうな表情をしたゲーティアへと向き直る。

 

ウッドワスと真正面から殴り合いながら指環を握り締めている。指環を使う為の予備動作だ。

 

『私の姿のまま殴るのはやめろ!誤解を招く!』

 

これでもか弱い乙女なのだが。思わず軽口を叩いてしまったが、それはともかくとして私は指環で魔法科の生徒達が展開している魔法式を支配しようとする。

 

ゲーティアの指環による支配と私の指環による支配がぶつかり合う。

 

同じ性質を持つ二つの指環の干渉が拮抗したことによって支配が弾かれ、魔法式が問題なく発動する。

 

 

最初にマテリアル・バーストが発動する。対象は溶鉱炉の魔神柱一柱、だがその威力は絶大である。

 

想像を絶する質量が解放される。魔神ゼパルを分解した果てに生じた膨大なエネルギーが溶鉱炉を焼き尽くし、情報室、観測所、管制塔、兵装舎までも呑み込む。

 

時間神殿の半分が熱量に呑まれる。しかし、急速に討滅された魔神柱が再誕する。

 

魔神柱が自らを「七十二柱の魔神」という概念に昇華している為であり、それ故に常に再生し続けるのである。

 

ソロモン達が出現したのは玉座。時間神殿に存在する八つの座の何処からでも捕捉可能な位置であり、魔神柱が攻撃を集中させられる位置でもある。

 

無論、ゲーティアが其処に存在する以上玉座に突入する事は避けられず、更にソロモンは戦略級魔法の発動によって時間稼ぎをする策を講じたが残る三つの座から攻撃が浴びせられようとする。

 

覗覚星、生命院、廃棄孔。二十七柱の魔神が一箇所を凝視しようとする。

 

異常な程の魔力が集中する。転移から十秒にも満たない時間。ブラックバレルが照準をゲーティアに合わせたばかり。

 

そして神殿に突入した不届き者に放たれ、その全てを蒸発させる筈であった魔力が魔神柱の討滅と共に霧散する。

 

ヘビィ・メタル・バースト。USNAが誇る戦略級魔法が攻撃にのみ魔力を籠めていた魔神柱を打ち砕く。

 

魔神柱にとって誤算であり、予測不能であったのは魔法が使用された点であろう。

 

本来ならばソロモン王の指環によって無効化出来る筈の魔法が放たれた事により確実に敵を滅ぼす為に咄嗟に魔力を攻撃へと転用。

 

それにより防御の為の魔力が薄くなった。それでも普通の魔法ならば十二分に防げる強度であったが炸裂したのは普通の魔法ではない。

 

戦略級魔法。戦略兵器と同等とされる魔法であり、攻撃に魔力を回し過ぎた魔神柱の装甲ならば突破可能な魔法であった。

 

魔神柱の動揺による判断ミスによってヘビィ・メタル・バーストが通用したが、通じなかった場合を考慮してのコキュートスが一拍遅れて少し生えてきた魔神柱を停止させる。

 

二十七柱が精神の凍結によって一時的に停止に追い込まれた事を察知したゲーティアが二十七柱を魔力へと変換する。

 

即座に凍結された筈の二十七柱が再び生える。魔神柱は「七十二柱の魔神」である限り不滅である。

 

マテリアル・バーストによって薙ぎ倒された四十四柱が既に再生している為に討滅された二十七柱が即座に補填される。

 

が、そのまた直後に発動されたマテリアル・バーストによって蒸発した。

 

 

『小癪小癪小癪小癪ゥ!!』

 

ゲーティアが私(ソロモン)の姿のままステゴロでウッドワスと格闘する。

 

殴り殴られの応酬。一撃を交わす度に空間が震動し轟音が響き渡る拳と拳の打つかり合い。

 

ウッドワスがゲーティアの頭部を殴打する。何か自分が殴られているのを見るようで心にくる。

 

ウッドワスも何で私と同じ顔面を躊躇なく殴打出来るのだろうか?

 

ゲーティアの拳がウッドワスの鳩尾に突き刺さる。というか貫通している。

 

その突き刺さった手にウッドワスが全力で手刀を振り下ろし、切断する。

 

……ゲーティアってこんなに肉弾戦強かったっけ?

 

これはちょっと誤算だぞ。ウッドワスで抑える予定だったのにまさか拮抗されるとは思っていなかった。

 

指環の干渉を指環で相殺する。そろそろゲーティアも司波達也、司波深雪、アンジェリーナ=クドウ=シールズが魔法を使える絡繰りを理解する頃だろう。

 

十数秒しか持たなかった。ブラックバレルはまだ放てない。魔神柱を現代魔法で討滅し続ける事は不可能だろう。

 

まあ、だが私も馬鹿ではない。遅かれ早かれ私が退去させられた時点で魔神柱への対処が不可能になる事は一応予測している。

 

勿論、魔神柱を抑える為の対策も予め準備している。完璧とは言えないが無いよりは幾らかマシであろう。

 

……これ程早く使う機会が訪れるかもしれないとは思ってなかったが。

 

目の前の光景を再度見る。古き神秘の衝突が空間さえも揺るがしている。

 

過小評価であった。ゲーティアは三千年前から存在する魔術式。神秘の深度ではウッドワスさえも上回るだろう。

 

寧ろウッドワスを連れてきてよかった。純粋なフィジカルではなく神秘に頼る幻想種ならばその神秘が押し潰された時点で勝ち目がない。

 

司波達也の方へ目を向ける。全力の魔法を連発し続けている為か三人共汗が滲んでいる。

 

汗が滲む程度で済んでいるのもおかしい気がするが、現代魔法師の中でも上澄みなのだからこんなものだろう。

 

一瞬、現代魔法の発動速度ならゲーティアも対応できないのではないかとも思ったが、その考えを振り払う。

 

希望的観測だ。もっと確実な手段を選んだ方が良いだろう。ただでさえ魔神柱との戦闘は綱渡りなのだから。

 

ブリシサンの方を見る。ブラックバレルは後十数秒で発射可能になる頃であろう。

 

それまでの間ブラックバレルとブリシサンを守り続ければ良い。

 

ゲーティアは私の中に巣食い、新生している。だが指環の内の一つはレプリカである。

 

そして現代まで指環は受け継がれている。別に第一宝具を使う気など毛頭ない。

 

そして指環をウッドワスの顎に向けて投擲する。

 

 

指環は十個全てが揃っている場合にのみ魔術を支配する絶対的な権限を保持できる。

 

ゲーティアはレプリカで指環を騙していたのだろうが、真のソロモンの指環が存在している以上レプリカに価値はない。

 

無論、指環を握ってるだけであるのも論外だ。揃う事が条件であるのならば、欠かさせなければ無意味。

 

故に確実に指環を破壊できるであろうウッドワスに指環の破壊を任せる事とする。

 

私も十の指に指環を嵌めているが、これは英霊ソロモンの逸話の再現としての指環だ。

 

本物の魔術王ソロモンの指環ではない。故に不確定要素が存在していていた為に却下だ。

 

ゲーティアが嵌めている指環を破壊するのも考えたが、相手に此方の思惑がバレるかもしれなかった。

 

かなり綱渡りであった。私が即座に退去させられていれば魔神柱が健在となり、形勢が逆転されている恐れもあった。

 

 

音速を遥かに超える速度。ウッドワスの全霊全力の咬みつきによって指環が粉々に破砕される。

 

その場に存在していたソロモンの指環が指環の一つが破壊されたのを感知してその機能を停止する。

 

間違いなく本物のソロモンの指環が破壊された事によってゲーティアも、私も魔術に対する絶対権限を喪失する。

 

そしてその事実に安堵した次の瞬間、私はゲーティアに霊核を破壊された。

 

 

■

 

 

玉座が変貌する。魔術王を騙る者の姿が変化する。

 

本気でなかった訳ではない。ただ奥の手を隠し持っていたというだけである。

 

意識の大部分がブラックバレルへの対処に占められていた。ブラックバレルから逃れる為の奥の手を、この場でソロモンを殺害する為だけに振るった。

 

失態を演じたならば挽回すれば良い。ブラックバレルさえ凌げれば此方の勝ちである。

 

神殿が魔神柱に埋め尽くされる。荘厳な神殿が禍々しい伏魔殿へと成り果てる。

 

指環が機能しなくなった時点でソロモン王である事を放棄。魔神王へと回帰する。

 

回帰の余波でウッドワスを吹き飛ばし、そのままソロモンの霊核を貫いた。

 

ソロモン王が口から血を吐く。胸から溢れ出た鮮血はやがて光の粒子となって消滅してゆく。

 

『さらばだ、我が主。哀れな少女。二度と会うことはないだろう』

 

貫いたソロモンの身体を丁重に置く。ゲーティアなりの誠意であり、ソロモンへの憐憫故でもあった。

 

そして空間が圧し潰されると錯覚する程の魔力が重圧となって辺り一帯に叩き付けられる。

 

重圧に圧し潰されながらもウッドワスが飛び掛かろうとして、足元の魔神柱に狙撃される。

 

ダメージは無い。威力よりも速度を重視した魔力照射などウッドワスの毛にも届かない。

 

だが衝撃はある。上方へ吹き飛ばされたウッドワスに対してゲーティアが異常な量の魔力を籠めた拳を振るおうとする。

 

直撃すればウッドワスとてただでは済まないだろう。ウッドワスとて幻想種と言えども生物。

 

心臓を抉られでもすれば致命傷となる。尤も、致命傷を与えられようとも継戦できる程の生命力を保有するが。

 

それでも致命傷を与えられた時点で足止めは不可能となる。ウッドワスと同格かそれ以上のフィジカルを誇る怪物への抵抗が不可能となる。

 

だがその拳撃が一刀両断される。

 

下手人は牛若丸。ソロモンとのパスの消滅を感知して即座に周囲の魔神柱の掃討を放棄。

 

元より退去が決まっているのだからと霊基の崩壊も気にせず疾走し、全身全霊を賭した斬撃で魔神王の腕を切断した。

 

膨大な魔力が籠められた腕が地面に転がる。その直後、牛若丸は時間神殿から退去した。

 

同時にブリシサンが詠唱を開始する。絶対に命中させなければならない凶弾を命中させる為に術式を組む。

 

魔術回路は元より全力で稼働中。高速詠唱で以てただ一つの魔術を完成させようとする

 

「──神秘、収束」

 

荒れ狂う魔力を背にウッドワスがゲーティアを殴り飛ばす。威力ではなく衝撃にのみ特化した一撃。

 

ブリシサンの補助役として援護に重きを置いた攻撃。実際、ブラックバレルからゲーティアの距離が一気に開く。

 

だがその衝撃を利用してゲーティアが加速する。轟音と共に地面を破砕して目指す先は、司波達也。

 

魔神柱への対処で疲労困憊となっている彼らにゲーティアが迫る。

 

雲散霧消が即座に組み立てられ、放たれる。通常ならば抵抗すら許さずに敵を抹消する必殺が、受け止められる。

 

三千年にも及ぶ神秘の鎧。魔術を支配する能力を喪失したとしても魔術や魔法では魔神王を傷付ける事能わず。

 

積み上げてきた年月だけで現代魔法師に対しては無敵とも言える性能を誇る。

 

『灰と化せェ!!』

 

ゲーティアが片腕から魔力照射をする。数個の眼球が達也達を凝視する。

 

もしウッドワスに対して放ったのならば牽制程度にしかならない威力だろう。

 

だが、相手が人間であるのならば過剰な火力である。跡形もなく、塵一つ残さずに蒸発する。

 

完璧な攻撃。実際、ウッドワスによる衝撃の威力まで計算して行われた攻撃なのであろう。

 

魔神柱を処理している彼らを始末すれば戦況は魔神柱側に傾く。

 

一度しか通用しないであろう初見殺し。仮にウッドワスを倒せなくともブラックバレルを阻止する為の一手。

 

阻止される。

 

『何を、している…?フラウロス…』

 

『否。私はフラウロスとしてではない。スコープ・ライノールとして君の前に立ち塞がる」

 

時間神殿から魔力の供給はない。魔神である事を放棄したスコープ・ライノールは肉体を再生する事が出来ない。

 

酷い有様だ。スコープは己の姿を見て自嘲する。魔力照射を受けた身体の全面は完全に炭化している。

 

今もスコープが生きているのは魔術刻印が無理矢理延命しているだけである。

 

触れば崩れるだろうと思わせる程の損傷。だがゲーティアにとってはそんな事はどうでも良い。

 

問題は魔神フラウロスが総体から結合を拒否した点にある。

 

「七十二柱の魔神」という前提が崩壊する。完全な結合が、絶対の不死性に亀裂が生じる。

 

『愚か者め!何が目的だ、何故我々を裏切った!』

 

統括局として解けゆく魔神を繋ぎ合わせる。リソースの大半を削られる。魔神柱の復元速度が極度に低下する。

 

魔神柱を万全に使えなくてはブリシサンを殺せない。司波達也共を殺したとしても魔神柱が使えなければ時間の無駄だ。

 

どうせ現代魔法は私には通じない。コキュートスも、雲散霧消も、私への干渉は不可能だ。

 

マテリアル・バーストやヘビィ・メタル・バーストとてこの近距離で使えばブリシサンごと自滅しかねないのだから使えない筈だ。

 

ならば間に合うかは一か八かだが、ブリシサンに突撃しようとして、

 

『ギ───』

 

銃弾に胸を穿たれた。あり得ない、ただの銃弾如きで私に傷を負わせられる筈がない。

 

何をして──情報強化か!あくまで私ではなく銃弾を強化して私にダメージを負わせたのか!

 

一秒にも満たない刹那の時間稼ぎ。だかその刹那の時間が最大限の効果を発揮する。

 

「時流停滞」

 

ブリシサンの魔術が私の動きを止める。思考が減速しているのだろうか?

 

私に向けられたブラックバレルの銃口に黒い光を発する。周囲の動きから見て私自身の減速率を導き出し、私が動ける残り時間を算出する。

 

極めて僅かな時間。だが此処は私の神殿。距離は短いし魔力の消費も激しいが即席の空間転移を発動すれば回避出来る可能性はある。

 

ブリシサンが私を拘束する為に用いた魔術が「コレ」で良かった。

 

ブリシサンが転移を使う可能性も考慮していたが杞憂で良かった。いや、ここまで追い詰められ時点で微塵も良くはないが。

 

ともかく私は残り時間を計算するリソースさえも全て術式の構築に注ぎ込んで空間転移の術式を組み上げて、

 

───術式が分解される。術式解散、司波達也が放った魔法は確実に動きのないゲーティアの術式を撃ち抜いた。

 

そしてブラックバレルが直撃する。

 

 

■

 

 

統括局としての私が敗北する。否、消滅する。

 

霊核が完全に崩壊する。魔力が急速に消滅するのを確認する。

 

神霊さえも凌駕する程であった存在規模が意味を為さなくなってゆく。

 

最早私は魔神王ではなくなった。

 

理解できない。何が貴様らをそこまで突き動かす。

 

何故我々の、私の理想を拒む。

 

撤退しようとする奴らの姿を見る。誰も彼も消耗している。

 

そしてそれ以上に瀕死の自分が認識する。

 

『魔神、否。ガープより提案する。我々の魔力を還元して光帯を回すのだ』

 

『俺は、グシオンは崩壊を受け止める意義を見出せない。人類に救済を。理想の成就を』

 

『証明も、計算も必要ない。此の宇宙に我らの軌跡を刻むのだ!』

 

『口惜しい!口惜しい!口惜しい!万全の状態で救済に臨む事はできなかった。だが、何もせずに滅びるなど論外である!』

 

『復元が能わずとも、何の支障もない。成功の確率が那由多の彼方にあるのならば、何の問題もない』

 

『怒りがやまぬ。憎悪がやまぬ。何もしないなど逃避に過ぎぬ。我は挑む事を選択する』

 

『人理焼却の果てに得られた筈の魔力に比べれば塵芥だろう。だがそれがどうした!思考を回せ、思案を巡らせ、我はこの救済を達成して見せよう!』

 

『我ら七十一柱。御身による計画遂行の許可を求める。ゲーティアよ、お前は何を望む?』

 

 

神殿を去ってゆく者共を見送る。お前達の勝ち(価値)を無為に帰してやる。

 

魔力が収束する。神殿を熱量に変換し、魔神柱を魔力に還元する。

 

普通に考えればこの程度のエネルギーでは百年も遡れないだろう。46億年など夢のまた夢だ。

 

瀕死の身体を無理矢理動かす。頼りなく細い腕。長く伸ばされた絹のような長髪。

 

我が王よ、我が主よ。我々は貴女を救えなかった。私は貴女を受け入れられなかった。

 

王ではなくなった貴女は楽しげでした。英霊など紛い物に過ぎないと思っていました。

 

あの時代を生きた貴女を救えなくては無意味だと思っておりました。

 

だってそうでしょう。今の貴女を救った所で、私が貴女を憎んだ過去は消えないのだから。

 

私は貴女を変えようと挑むことはなかった。傍観していただけであった。

 

見ているだけで、最期の時まで貴女の真実に気付けなかった。

 

ああ、だからこそ私は今度こそ。貴女を救う為に挑むのです。




九つの指環:いつからかブリシサンが持つようになった指環。本人もよく分からない
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