次話から魔法科に突入します
無々様、土屋 四方様、たかの様、誤字報告ありがとうございます
人理焼却は始まる前から終わっていた。
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西暦1431年のフランス
魔元帥ジル・ド・レェによって竜の魔女たるジャンヌ・ダルク〔オルタ〕が誕生した特異点
ジャンヌ・ダルク〔オルタ〕によって召喚された邪竜ファヴニールが粉砕されていた。
「邪悪なる竜は失墜し───」
一人、セイバーのサーヴァント。『ニーベルンゲンの歌』に謳われる不死身の英雄・ジークフリート。
そしてもう一人、同じくセイバーのサーヴァント。
「絶技用意。太陽の魔剣よ、」
『ヴォルスンガ・サガ』に語られる戦士の王・シグルド。
ファヴニールを召喚し終え、更に聖杯を用いてサーヴァントを召喚しようとしたジャンヌ・ダルク〔オルタ〕の前に現れた二人の英霊が彼らである。
「世界は今落陽に至る。撃ち落とす。」
「その身で破壊を巻き起こせ!」
翼を折られ、爪は砕かれ、最早満身創痍のファヴニールに宝具が打ち込まれんとしている。
欲深き悪竜は数秒後に訪れる逃れられぬ終焉を前にしても尚、諦めの欠片も抱かない。
数多の財宝を奪い尽くした邪竜だからこそ、目の前の『価値』を正確に把握して回避でも迎撃でもなく攻撃を選んだ。
自身の限界すらも無視して大気中のマナを吸収する。
一秒にも満たない刹那に竜の威吹が放たれる。
本来ならば広範囲を纏めて灰燼に帰す程のブレスが、二人の英雄を殺す為だけに放たれる。
───しかし、二人の竜殺しを止めるには至らない。
『
『
また、竜種改造によって桁違いの耐久力を持つ故にファヴニールのブレスはシグルドの全身を灼くのみに終わった。
邪竜が地へと堕ちてゆく。邪竜百年戦争は開幕すらせずに閉幕した。
『アムドゥシアスより報告。第一特異点、修復完了。所要時間は二時間三十八分』
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西暦60年の古代ローマ
『其処』には巨大な樹木が生えていた。
フラウロスによって歴代ローマ皇帝達が召喚される直前に神祖ロムルスが召喚された事によってこの結末がある。
人類悪本体ではなくとも人類悪の一部であるフラウロスが人理定礎の時期に現れた為にエルサレムの神杯は確実にフラウロスを排除できる英霊をフラウロスの行動よりも速く召喚した。
即座にロムルスに気付き、焼却式を以てロムルスを焼き尽くそうとするフラウロスであったが、フラウロスより速く行動を開始したロムルスの宝具たる『
結果として城壁の内側の焼却式は不発に終わり、外側の焼却式も城壁によって遮断された。
そうして動きが鈍ったフラウロスにロムルスが『
神祖の槍によって永続狂気帝国は始まりを迎える事なく終了した。
『フラウロスより報告。第二特異点、修復完了。所要時間は一時間二分』
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西暦1573年の大海原
海を四方に閉ざされ、更に様々な時代、地域の海が封じ込まれた魔海にてアルゴー号の残骸が名も無き島に漂着していた。
本来ならば神霊を召喚できないが
しかし、英雄間者イアソンが神霊を
ヘラクレスもまた、アッシリアの女帝が操るヒュドラ毒の前にその真価を発揮する前に消滅した。
太陽が落ちてゆく。封鎖終局四海は泡沫と消えた。
『フォルネウスより報告。第三特異点、修復完了。所要時間は二時間五十七分』
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西暦1888年のロンドン
ヴァン・ホーエンハイム・パラケルスス、チャールズ・バベッジ、メフィストフィレス、ジャック・ザ・リッパー、そして魔神バルバトスの子孫であるマキリ・ゾォルケンによって破壊されようとしていた英国であったが、圧倒的な火力と極められた技巧によって魔神側の全員が討ち取られた事によって計画は頓挫した。
召喚された英霊は三騎。アーサー王、ランスロット卿、ガウェイン卿。
いずれも円卓の騎士に名を連ねる一騎当千、万夫不当の英雄である。
ジャック・ザ・リッパー、メフィストフィレスは共にガウェインに襲撃して
パラケルススとチャールズ・バッベジはランスロットより襲撃を受け
計画の達成を不可能と知りながらも魔神バルバトスと化したマキリ・ゾォルケンは
霧が晴れてゆく。死界魔霧都市は夜明けと共に消滅した。
『バルバトスより報告。第四特異点、修復完了。所要時間は五時間十二分』
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西暦1783年のアメリカ
至る所にケルト兵の焼死体が転がる大地
女王メイヴによって「邪悪な王」として創造されたクー・フーリン〔オルタ〕であったが三騎の英霊によって激闘の果てに討ち倒され、ケルト軍もまた一人残らず殲滅された。
この特異点に召喚された三騎の英雄とは即ち、施しの英雄カルナ、理想王ラーマ、影の国の女王スカサハの三騎である。
日輪を背負う英霊が出現してから刹那の後に
無論、クー・フーリンともあろう者が何もしない訳がない。一瞬迎撃をしようと構えた、が次の瞬間にはその全力を以て跳躍し回避した。
直感によって咄嗟に回避したクー・フーリン〔オルタ〕が自身がさっきまで立っていた地点を確認すると、
後一瞬でも回避が遅ければ霊核に致命傷を負っていただろうと分析する。が間髪入れずに英霊達が襲い掛かってくる。
理想王の宝具によって数々の武具が顕現し、一斉に襲い掛かって来る。その隙間から影の国の女王が全力で朱槍を投擲する。
全方位からの宝具と一直線に飛び込んでくる死翔の槍に回避不可能と判断し
直感が警鐘を鳴らす。不意に頭上に太陽が輝く。
紅の海獣の鎧と狂王は必滅の槍の前に敗れ去った。
ケルト軍完全消滅。北米神話大戦終結。
『ハルファスより報告。第五特異点、修復完了。所要時間は五時間三十三分』
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西暦1273年の聖都エルサレム
騎勲渇仰遠征は■■した。
『アモンより報告。第六特異点、修復完了。所要時間不明』
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紀元前2655年のウルク。
原初の母の残滓が僅かに残るばかりの世界
この地に召喚された英霊は六騎。即ち、冠位暗殺者"山の翁"、英雄王ギルガメッシュ、天の鎖エルキドゥ、ペルセウス、カリギュラ、天草四郎時貞。
三女神同盟が組まれる前に英霊が召喚された。
そして召喚直後にギルガメッシュとエルキドゥはキングゥを、ペルセウスはゴルゴーンを討伐。
自身と同調していたゴルゴーンが討伐された微睡みから目覚めたティアマトが産み落とした新人類ラフムをカリギュラが宝具によって狂気を拡散し伝播させた。
精神を共有する複数の生命という性質が故にカリギュラの狂気が何千倍にも増幅された状態でラフムに襲い掛かり、ラフムは行動不能へと陥った。
そしてラフムが行動不能になっている内にティアマトの元へ"山の翁"、ギルガメッシュ、エルキドゥ、そして天草四郎時貞が向かった。
最初に"山の翁"がティアマトに死の概念を刻み込み、天草四郎時貞が
同時に賢王によるラフム掃討が開始されティアマト討伐を終えた英雄王と天の鎖も加わった。
ティアマト消滅。絶対魔獣戦線は築かれずに終息した。
『サブサックより報告。第七特異点、修復完了。所要時間は七時間五十九分』
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『アンドロマリウスより確認。我々の第一次人理定礎破壊が失敗した原因とはエルサレムの神杯で間違いないのか?』
『アイムより肯定。現在ブリシサンが保有しているエルサレムの神杯の仕業で間違いないだろう』
『ウァラクより追記。元より予測の範疇だ。しかし、これほどの短時間で特異点が修復されたのは想定外であった』
『モラクスより報告。ブリシサンが保有するエルサレムの神杯を開く為の鍵は虚数空間内に存在している。が、未だ発見できておらず』
『アスタロスより整理。サレンが保有していた鍵は彷徨海と共に消えた。アトラシアが保有していた鍵は「天寿」の概念礼装によって破壊されている。現存するのはブリシサンが保有している鍵のみだ』
『パイモンより補足。ブリシサンを襲撃する事は不可能。例えブリシサンを支配下におこうとブリシサンの意志なくして鍵の座標を知る事はできない』
『アガレスより報告。過去の記録を辿りエルサレムの神杯を解析。英霊受肉の機構を確認。統括局が時間神殿より現世に侵入した時点で受肉を果たした英霊が召喚される事は確実、更に言えばブリシサンが従える第一級警戒対象の幻想種も襲撃してくるだろう』
『アミーより疑問。概念武装の突破法に心当たりは?』
『サレオスより解答。概念武装はあくまで魔術によって創られた物であるが故に支配は不可能』
『アミーより返答。既に知っている。突破法を聞いていると何故わからないのだサレオスよ』
『キマリスより回答。強力な魔術を用いて破壊する方法は存在している。だが無限距離を突破可能な魔術は現時点で存在せず』
『ベリトより提案。ブリシサンに鍵を使わせた上で鍵を奪取すべきである』
『バルバトスより同調。我が子孫はマキリ・ゾォルケンの代に日本へ移住。間桐家と改名しているが、ロシア方面に分家も残っている。最早一般人同然だが、だからこそ使える部分もあるだろう』
『フラウロスより同調。我が子孫はライノール家としてドイツに存続している。血脈未だ尽きておらず、利用は十分可能である』
『ゲーティアより通達。間桐家、ゾォルケン家は一般人のまま地位を向上させ我々の駒とできる部分を増やせ。必要に応じて血族の能力の調整を行え。ライノール家はフラウロスの端末とできる人間を増やす為に遺伝子を広域に拡げよ』