ある日、ひょんな事から学生時代のトレーナーの話を聞くことになった。
そこで語られたのは・・・
▼Pixivにも同タイトルで投稿しています

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n番煎じのネタですが、生暖かく見守っていただけると幸いです。
なお、担当ウマ娘が特に誰かとは決めていません。


担当「訓練学校?」

ここはトレセン学園のトレーナー室。

 

部屋の主であるトレーナーはPCとにらめっこしながら事務作業に勤しんでいる。

そこに担当ウマ娘が入ってきた。

「お疲れさま、トレーナー」

「おう、お疲れさま。今日はずいぶん早いな」

「テストが近いから3限目以降は課題の自習だったんだけど、課題が終わったから来たんだ」

「そっか。俺はもうちょっと仕事があるから、トレーニング開始まで適当に時間つぶしてて」

「りょ」

会話が終わると、トレーナーは担当から目線をPCに戻して再び作業に勤しむ。

キーボードを叩く音だけが静かに響くトレーナー室を担当ウマ娘は見渡す。

ファイルが収まっているスチール棚の一角にトロフィーや盾、担当とトレーナーが写った写真が

置かれている。トレーナーとの2人3脚の確かな証だ。そこを見ていると色々な思い出が蘇る。

ふと、そこに見慣れない写真があることに気づいた。

気になって近づいて見てみると、その写真に写っていたのは全員同じ

カーキー色の服と帽子と黒いブーツを身に纏った男性の集団だ。

(おそらくこの内のどれか1人がトレーナーよね。だとしてもこの写真はなにかしら?)

 

トレーナーを見ると、キーボードを叩く手はいつの間にか止まっていた。

どうやら一段落ついたようなので話しかける。

「ねぇ、この写真ってなんの写真?前から飾ってあったっけ?」

「ん?あぁ、コレね。トレーナー養成学校の時にクラスで撮った写真だよ。最近見つけたんだ」

「へぇ~そうだったのね。ところで、養成学校の制服ってこんな作業服みたいなやつなの?」

「違う違う。これは実技学校で撮った写真だからね」

「実技学校?」

トレーナーいわく、トレーナー養成学校では座学と実技の講習があり、座学で学んだ知識を

実践で活かせるよう「実技学校」と呼ばれる専門の研修施設に入り、8週間に渡って実技訓練を

するのだという。写真はそこで撮ったものらしい。

「ねぇ、実技学校ってどんなとこなの?」

「そうだな…あそこは…」

担当に尋ねられたトレーナーは、目線を遠くにやりながら話し始めた。

 

 

実技学校に着くと、まず全員がカントリー・ミュージックが流れる理髪室に連れていかれ、

バリカンで坊主頭にされたんだ。流れている曲は「ハロー トレセン」という曲だと後で知った。

その後は、寝室に行かされた。寝室と言っても2段ベットでクラス全員が同じ大部屋だ。

私物は鍵のかかるトランク1個に収めなくてはならない。

荷持整理もそこそこに「整列!!」と掛け声があり全員が2段ベットの前に整列する。

実技の訓練教官殿の挨拶が始まる。

 

「訓練教官の__先任教官である。話し掛けられた時以外口を開くな。

 しゃべる前と後に“サー”と言え。分かったか、ウジ虫ども」

『サー イェッサー』

「ふざけるな!大声出せ!!ジュエル落としたか!!」

『サー!イェッサー!!』

 

「貴様らが訓練に生き残れたら、各人がトレーナーとなる。

 ターフに祈りをささげるウマ娘の杖だ。だがその日まではウジ虫だ。

 地球上で最下等の生命体だ! 貴様らは人間ではない!」

「貴様らは厳しい私を嫌う。だが憎めば、それだけ学ぶ。

 私は厳しいが公平だ。差別は許さん。ウマオタ、頭バクシン、パワー厨を見下さん。

 すべて平等に価値がない!私の使命は役立たずを刈り取ることだ。

 愛するトレセンの害虫を!分かったか、ウジ虫!」

『サー!イェッサー!』

「ふざけるな!大声出せ!!」

『サー!!イェッサー!!!』

 

 

「ねぇ、待って、なんの話をしてるの!?」

話を聞いていた担当は思わず声を上げる。

おかしい。自分はトレーナーの学生時代の話を聞いていたはずだ。

トレーナーは構わず話し続ける。目からはハイライトが消えていた。

ウマ娘のハイライトが消えるのはこの界隈では日常だが、トレーナーとなると珍しい。

 

そこで俺は思わず小声でつぶやいちまったんだ

「…新人はまずバクシンだろ」

訓練教官殿は瞬時にキレた

「誰だ!どのクズだ!?中山の3600mを全力疾走したいか?! 

 答えなし? 

 スイーピーのグランマか!? 

 上出来だ!頭がえい、えい、むん!するまでしごいてやる!! 

 府中の大ケヤキで絶頂できるまでシゴき倒す!」

教官殿が俺の隣に立っていた奴の胸ぐらをつかんで吼えた

「クソガキが!貴様だろ臆病だっちは!」

「サー 違いますサー」

 

耐えられなくなった俺は名乗り出たんだ

「サー 自分です、サー」

「そっちのウジ虫か。勇気あるコメディアン、おふざけジョーカートレーナー。

 正直なのは感心した、気に入った。家に来て妹とでちゅね遊びをしていいぞ」

そう言うと訓練教官殿は俺に腹パンをした

俺はうめき声を上げて膝をついた。教官殿は叫んだ

「うまぴょい小僧が!じっくりかわいがってやる!笑ったり泣いたりできなくしてやる! 

 さっさと立て!隠れてそろぴょいしてみろ、ロイヤルビタージュースを体中に流し込むぞ!!」

「立て!さっさと立て!!」

教官殿は続けた

「なぜトレーナーを目指した!?」

「サー いろんなウマ娘とイチャイチャするためです、サー!」

「良馬場ハーレム志望か?」

「サー イェッサー!」

「重馬場の顔をしろ!!」

「!?」

「女性職員と立ち話しただけで担当のハイライトが消える事に気づいたときの顔だ!! 

 アアアアアアアアァ──!!! 

 こうだ、やってみろ!」

「アアアアアアー!!」

「それで良馬場が作れるか!!拉致監禁逆ぴょい退職一択だぞ!!」

「アアアアアアー!!!!」

「馬場整備不良!!練習しとけ!!」

「サー!イェッサー!!」

 

 

「とまぁ、こんな感じで実技学校生活が始まったんだよ。その後もヘンな歌を歌いながら

朝から晩まで駆け足させられたり、M14(トレーナー業務用端末の通称)を彼女にしたり、

女帝(ベロちゃん)が舐めても平気なぐらいトイレをピカピカにしたり……」

 

担当ウマ娘は絶句した。ハイライトの消えたトレーナーの口から出てくる言葉は

ツッコミ所が多すぎる。「ハロー トレセン」なんて歌を聞いたことがないし、

訓練教官の口の悪さが言葉では言い表せない状態になっている。そして何より

(良馬場ハーレム志望なんて…アンタはアタシ一筋でいいのに。これは「教育」が必要ね…)

今度は担当ウマ娘のハイライトが消える。残念ながら馬場整備の練習の成果は出なかったようだ。

 

担当の異変に気づいていないトレーナーがつぶやいた。

「そいうえば、訓練教官の名前って何だったかな? 何で思い出せないんだろう?」

(ソンナコトハドウデモイイノヨ。アンタハアタシノコトダケカンガエテレバイイノ)

「ええっと、俺たちとは違う色合いの緑の服を着ていて、帽子も違うのを被っていて……」

「あっ、思い出した! 確か名字が駿かw」

次の瞬間、トレーナー室の扉が開いた。そこには笑顔の理事長秘書が立っていた。

「トレーナさん、お疲れ様です♪」

一見すると、いつもの笑顔で優しい”たづなさん”だ。しかし、全身からドス黒い

オーラが立ち上っているのが判る。

「た、たづなさん!?」

トレーナーが座っていた椅子から転げ落ちて尻もちを着いた。

「もう、忘れちゃったようですね♪前と後ろに”サー”をつけろと教えた筈ですよ…

 ジョーカートレーナー」

「さ、サー!イェッサー!!」

トレーナーは飛び上がるように立ち、直立不動で敬礼をした

「もう、またウジ虫に戻りたいんですか?余計なことは言わないように

 アレほど教育したのに……」

「サー!!違います、サー!!!」

トレーナーは直立不動のままで震えながら叫んだ

「今度余計なことを言ったら口を縫い合わせますよ♪それからコレは貰っていきますね」

 トレーナーのクラス写真は理事長秘書に手により回収された。

 

「あ、そうそう。トレーナーさんの『良馬場ハーレム志望』は

 まだ健在ですもんね。頑張ってくださいね」

「!?」

 

 理事長秘書が去ったあと、担当ウマ娘が口を開いた。ハイライトは以前出走中である。

「ねぇ、良馬場ハーレムなんてふざけた幻想、まだ存在すると思ってるの?」

「ま、待ってくれ。落ち着いてくれ。そんなに掛かってたんじゃビビって話もできやしねぇ」

「アンタとうまぴょいするのは卒業後って思ってたの」

「そ、そうだよな!俺たちはKENZENな担当とトレーナーの関k」

「たったいま嘘になったわ♡」

「アアアアアアアアァ──!!!」

 

 その日、2人がトレーナー室から出てくることはなかった。

 

 




うー だっち!!
お目汚し失礼しました!

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