「大変です!!ギネヴィア姫とケイ卿がマリアガンスという騎士に攫われました!」
「何ですと!」
「本当か!?」
ある日、俺とランスロットはキャメロットの訓練場で鍛錬していたが、キャメロット所属のある騎士の報告を聞いた。ランスロットはその報せを聞いた途端、表情が険しいものに変わった。横恋慕なのだが、彼はギネヴィア姫に惚れている。その分の怒りもあったのだろう。
「直ぐに救出に行きます!」
とランスロット。俺は
「落ち着けランスロット。冷静さを失ったらうまくいくものもうまくいかないぞ」
と言った。するとランスロットは俺を見て
「しかし、この事は私にとって許せない事です!!」
と言う。俺はため息をつきながら
「気持ちはわかる。だが、お前はアーサー王の円卓の騎士の一人だ。そんな男が冷静さを欠いて失敗したらどうする。なにも救出に行くなと言うんじゃないんだ」
と言う。そして俺は
「俺も同行しよう。お前だけじゃなくて俺達でギネヴィア姫とケイを取り戻そうぜ」
とランスロットに言った。
「メン……」
とランスロット。俺達はアルトリアにギネヴィア姫達を救出に行く許可を得て出発した。その道中、森に突入する。俺達は森を進んだが、
「!」
森には伏兵が潜んでいて、俺達は矢を射かけられた。ランスロットはアロンダイトで、俺はアクセレイガンで矢を切り払っていく。しかし、
「ヒヒィンッ!」
「しまった!」
ランスロットの乗っていた馬が射殺されてしまった。それを見届けた伏兵達は撤退していった。ランスロットは
「くっ、急がねばならんというのに移動手段が……」
と言った。俺は
「じゃあ、サイドバッシャーに乗っていくか?」
と言った。サイドバッシャーはサイドカー付きのバイクだ。普段使用しているジャイロアタッカーに比べて魔力の消費はデカいが、この状況では四の五の言ってられないだろう。するとランスロットは
「ではお願いしようメン」
と言ってきた。俺はランスロットと共にサイドバッシャーに乗り込む。そしてサイドバッシャーを走らせた。
こうして俺達はマリアガンスを追ったのだが、その途中ランスロットが荷車に乗せられてあちこちを引き回されているという噂が出た。たぶん俺達がサイドバッシャーに乗っている姿が荷車に乗せられているという誤解に繋がったのだろう。しかし俺達にはそんな噂を気にしている暇は無かった。そうして俺達は追跡の末にマリアガンスの城にたどり着いた。城を見て
「ここにギネヴィア姫が……」
と言うランスロット。俺は
「おそらくケイもな」
と言う。そして俺達はそのまま城の城門に向かった。するとそこには見張り番がいたのだが、
「貴様ら何者だ!?」
と槍を構えてきた。俺は
「通りすがりの旅の者でございます。この城の城主にお目にかかりたいのですが」
と言った。すると見張り番は
「怪しい奴め!そんな旅人が居るものか!」
と言う。俺は
「いや、居てもおかしくないだろう?相方がちょっと騎士っぽいだけだよ」
と言った。すると見張り番は
「ええい、嘘をつくならもっとましなものをつけ!」
と言い、俺達に襲いかかってきた。俺は仕方なくライドプレイヤーに変身し、ランスロットはアロンダイトを構えた。そして、俺は
「仕方ない……」
と言ってライドウェポンの引き金を引いた。すると銃口から魔力弾が発射され、見張り番の頭を撃ち抜いた。ランスロットは
「む!?」
と声を上げる。だが俺は
「安心しろ、気絶させただけだ」
と言った。
「そうか……」
とランスロット。俺は
「行くぞ!」
と言うと、ランスロットは
「ああ!!」
と返事をして走りだした。城内に突入するとマリアガンスの配下の騎士や魔術師たちが攻撃して来た。ランスロットはアロンダイトで、俺はライドウェポン2丁持ちで戦闘員たちに立ち向かった。俺はまず、近くにいた敵を銃撃した。そして続けて近くの敵に斬撃を放ち、更に近くの敵には蹴りを食らわせた。
「ぐはあっ!!」
と悲鳴を上げて吹っ飛ぶ敵。俺はそれを見て
「こんなもんかな?」
と言う。ランスロットは
「この程度の者達が配下ならマリアガンスの力も知れていますね」
と言い。アロンダイトで次々と敵を斬りつけていく。
「ひいっ!?」
と怯えるマリアガンスの配下達。俺は
「さて、マリアガンスの部屋はどこにある?」
と聞いた。するとマリアガンスの部下の一人が
「マリアガンス卿はこの先です!」
と答えた。俺達は部下の案内で奥へと進む。そして最深部の部屋にたどり着く。そこには玉座があり、そこにマリアガンスが座っていた。そしてマリアガンスは
「ほう、これは面白い客人が来たものだ」
と言うと、ランスロットが
「ギネヴィア姫とケイ卿を返してもらおう!」
と言うと、マリアガンスは笑いながら
「ふっ、そう簡単に返すものかね」
と言い、魔法陣を展開した。そこからゴーレムが出てきた。俺達はそのゴーレムを倒していったが、一体だけ倒せずにいた。それはマリアガンスを守るように立っていた。俺は
「こいつは俺がやる。ランスロットは残りの雑魚共を頼む」
と言うと、ランスロットは
「分かった」
と言ってマリアガンスの配下の残党達の方に向かっていった。俺はそのゴーレムと一騎打ちを始めた。そのゴーレムはパワーがあったが、動きが緩慢だ。こんなのに苦戦しているようじゃキャメロットに居られない。腕を振り下ろしたゴーレムの接合部に向けて俺はライドウェポンの銃弾を次々と撃ち込む。するとゴーレムは分解し、動かなくなった。俺は
「よし、後は……」
と言うと、ランスロットの方を見た。ランスロットはアロンダイトを存分に振るって敵の残党達と戦っていたが、ランスロットが優勢だった。俺は
「加勢は必要ないな」
と思い、俺はマリアガンスの方に向き直ると、
「なぜこんな真似をしたんだ?」
とギネヴィア姫誘拐のことについて問う。するとマリアガンスは
「ギネヴィアはアーサー王より俺の妻にふさわしい!だからここに連れて来たのだ!」
と言った。
「なるほどな……まあ、お前がギネヴィア姫と結婚するのは勝手だ。だが、後ろの円卓トップクラスの使い手が許すかな?」
と俺はその場から退く、ランスロットがこの場に来たからだ。マリアガンスの言葉を聞き、怒りに燃えるランスロットはアロンダイトを構えて、
「貴様だけは絶対に殺す!!」
と叫ぶと、マリアガンスは
「くっくっ、殺れる物ならやってみろ」
と言った。するとランスロットは
「ああ!言われなくてもやってやろう!」
と言うと、アロンダイトで攻撃を仕掛けた。それを見ていた俺は、
「ここは任せたから、ギネヴィア姫たちが安全か見てくるぜ」
城内に囚われているだろう、ギネヴィア姫とケイを探すことにしたのだった。俺がギネヴィア姫とケイを探しに行こうとした時、
「お待ちください!」
と声をかけられた。振り返るとそこにはギネヴィア姫とケイの姿があった。
「おお、無事で良かったな!」
と言うと、ケイは
「ああ、捕まっている間ランスロットが荷車に乗せられて引き回されていたって話を聞いたけど本当か?」
と聞いてきた。俺は
「いや、そこまでは……」
と言いかけたところでランスロットが戻って来た。そしてアロンダイトを手にして肩に担いでいて、
「あれぐらいどうということはない」
と言う。俺は
「そうかい」
と言って、ランスロットとケイと共に瀕死のマリアガンスの前に立った。
「さて、もう終わりにするぞ」
と俺が言うと、マリアガンスは
「こんな筈では……俺は今頃ギネヴィア姫と夜伽を……」
と言うが、ランスロットはアロンダイトでマリアガンスの首を撥ね飛ばした。そしてマリアガンスの死体は灰となって消えた。こうしてマリアガンスとの戦いは終わったのであった。俺達はギネヴィア姫とケイをキャメロットに連れ帰り、誘拐事件は終息したのだが、帰りの道中、ギネヴィア姫がランスロットが何かをやらかして荷車に乗せられる羽目になったと思い、ランスロットをなじった。ランスロットだって人の子だ、想い人になじられたランスロットは三日間何処かへ行ってしまった。キャメロットに戻り誤解が解けたのでギネヴィア姫は後でランスロットに謝っていたが、それ以来ランスロットの前でこの冒険の話をするのは禁句になった。
◇ ◇ ◇
ブリテンの辺境で、俺とモードレッドは蛮族ピクト人の迎撃に当たっていた。こいつらは1体1体がタフな上に会話が通用しないので交渉もできない厄介な連中である。俺は個人的にピクト人はホモサピエンスではなく仮面ライダークウガのグロンギや仮面ライダーファイズのオルフェノクの様な人間から分派した別種族と睨んでいる。俺は仮面ライダーバースとなってバースバスターでピクト人達を銃撃していた。ちなみにバースの燃料ともいえるセルメダルは俺の魔力から生成されている。
『セルバースト』
俺はバースバスターから必殺光弾を放ち、一気に複数のピクト人を葬り去る。それを見たモードレッドも対抗心を燃やしたのか、次々とピクト人を倒していく。
「オラァッ!ピクト人共、このモードレッドの名を屍に刻んでやるぜ!」
とモードレッドは元気だ。その内ピクト人達は退散していった。俺は完全に戦闘が終わった事を確認すると、変身を解き
「お疲れ様、モードレッド」
とモードレッドに言った。するとモードレッドは
「おう、俺には及ばないだろうが、お前もなかなか強いじゃねえか」
と言ってくれた。俺は
「まあ、俺はこれでも長生きだからな」
と言った。するとモードレッドは
「そういえば、お前の故郷ってどこなんだ?」
と聞いてきた。俺は
「一応物心ついたのはギリシャだな。地中海はいいぞ、こっちの海に比べて波が穏やかだ」
と言った。転生直後に嵐にあったのは内緒にしておく。するとモードレッドは
「そっか……俺の育った所はブリテンだから、地中海なんて行く機会があるか……」
と言うので、俺は
「そうか……機会があれば一緒に行こう。海は広いぞ」
と誘った。すると、
「……ああ、そうだな!」
とモードレッドは元気を取り戻した。彼女に待ち受けている運命は残酷だ、しかしせめてこうして将来の事を語り合うくらいはいいのではないのだろうか。
「よし!とっととアーサー王の敵を滅ぼして海外旅行できるくらいブリテンを平和にするぞメン!」
とモードレッドは俺に言う。俺は
「ああ、その意気だ!」
と答えたのだった。そうして話している内にピクト人達が仲間を引き連れて戻ってきた。この敵波を越えれば、しばらくはピクト人の攻勢も弱まるだろう。俺は再びカポーンという音と共にバースに変身した。
「気合入れるぞ!」
俺はバースドライバーにセルメダルを装填していく。俺の左腕にショベルアーム。両脚にキャタピラレッグ。背中にカッターウイング。右腕にドリルアームとクレーンアーム。胸部にブレストキャノン。バースの各装備、バースCLAWsを全部装備した形態、バース・デイになった。俺とモードレッドはピクト人の群れとの戦闘に突入するのだった。
◇ ◇ ◇
俺達がピクト人との戦争から生還して、少し後。キャメロットではある出来事があった。円卓の騎士ランスロットとエレインという女性の間に出来た子、ギャラハッドが円卓の騎士に加入したのである。このギャラハッドがまた天才肌で、加入の際にアルトリアに課されたいくつかの試練を難なくクリアしてしまった。
そんなギャラハッドだが、生まれがランスロットに捨てられた後にエレインが産んだと言う経歴もあってか、父であるランスロットとの関係はギクシャクしていた。彼自身は高潔な人格だし、決して仲が悪いという訳でも無かったがとにかくギャラハッドとランスロットは二人きりになると気まずい空気になるタイプだったようだ。
「メン。ギャラハッドとのこと、どうにかできないでしょうか」
と俺はランスロットから相談を受けた。彼によると他の円卓の騎士にも相談したが、芳しくない結果に終わったようだ。俺も前世で子供がいた記憶もあるが、今回の件は特殊なケースだしどうにも自分もいいアドバイスが出来そうもない。とりあえず俺はランスロットの悩みを聞くことにした。
「ランスロット。お前の気持ちはわかる。経歴はどうあれ自分の子があんな風に育てられていたら複雑な関係にもなるだろう。ただ、今すぐ解決するのは難しいと思うぞ。もう少し時間をかけるしかないんじゃないか?」
と俺が言うとランスロットは
「確かに、私もそれは承知しています。ですが、このままだとギャラハッドは……いえ、やめましょう。今は我が子の未来を案じるべきではありませんね」
と言った。俺もランスロットも親になった経験は浅いが、こういう時は時間が解決してくれるのを待つのが一番なのかもしれないと思った。そして俺はこの後、ギャラハッド達と共に聖杯探索に赴くことになるのだが……
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