量産型にしかなれないんだけど   作:クォーターシェル

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気づいちゃったんですけど、量産型ライダーって集団戦あってこその量産型ライダーなんじゃ(汗)


2話 形のない島2

今日も今日とて俺はこの島に上陸してきた怪物退治目当ての人間たちの相手をしていた。その数はざっと100人程だ。

 

「くそ!何なんだよこいつ!?」

 

「これがこの島の番人かっ!」

 

「射っても効かねーぞ!?」

 

俺が今変身しているのは仮面ライダーデモンズトルーパーαだ。今現在はメドゥーサとの戦闘訓練の時と合わせて色々な量産型ライダーの力をバランス良く育てている。しかし、最近複数の人間を相手取ることになっているが、本来数の力で戦う量産型ライダーが単体で戦っているのは妙な気分だ。量産型ライダーのアイデンティティの1つが多人数だと言うのに。そんなことを思考しながら俺は格闘戦で襲い掛かってくる人間達を戦闘不能にしていく。

 

「よし……今日はこんなものかな」

 

撃退され逃げ去っていく人間達を見送りながら俺は変身を解除する。まあいつもいつもこんなんじゃあないんだけどね?普通に旅の途中で寄ってくる人達には女神様達と一緒に普通に歓迎するんだけどね。まあ女神様達が無理難題を押し付けて泣く泣く故郷に帰るはめになった連中も多いが。

 

「メン。お疲れ様です」

 

とメドゥーサが俺を労ってくる。「ああ、ありがとう。これで今日の分は大丈夫かな」

と俺が言うと、メドゥーサは

 

「では、姉様方の元に戻りましょうか」

 

と言ってくる。

 

「そうだな」

 

と俺は同意すると、メドゥーサと共にステンノとエウリュアレの元に戻ることにした。最近は俺1人で襲撃者を撃退することが多く、メドゥーサの負担も減っていると思いたい。姉がらみの気苦労は未だに多いみたいだが。ステンノとエウリュアレの元に戻ると、2人はメドゥーサからマッサージを受けた。ステンノは寝転んでいて、エウリュアレはうつ伏せになっている。

 

「ああん。いい感じよ〜」

 

「ふふ。そうですか。それは良かったです」

 

とメドゥーサは嬉しそうだ。この姉妹も仲が良いな。

 

「メン。明日もお願いしますね?」

 

とメドゥーサに言われる。

 

「分かったよ。じゃあお休み」

 

と俺は言ってその場を離れる。小さな島で美女3人との生活悪くはないな……そんなことを思いながら休む前に浜辺を散歩していると。

 

「よっ!お前が最近噂の番人か?」

 

筋肉隆々の男が声を掛けてきた。……オリオンじゃんこの人!?なんでここにいるんだ!?

 

「はいと答えますが、貴方は?」

 

と俺は一応知らないふりをして尋ねる。オリオンは

 

「ああ!俺はオリオン。名前くらいは聞いたことがあるだろ?」

 

と屈託のない表情でサムズアップして名乗った。

 

「ああ、狩人の……」

 

と言いかけると、

 

「まあまあ、ここで話すのもなんだし、俺の船まで来てくれよ!」

 

と言われ、俺は半ば強制的にオリオンの船の方に連れて行かれるのであった。そして、船の上に着くとオリオンは俺を座布団的な物の上に座らせ、俺の前に座った。オリオンの身体がデカいもんだから結構圧があった。

 

「その、オリオンさんが何の用で此処に?まさかこの島を襲撃しに……?」

 

「違う違う!仮に俺が襲撃に来たなら残念ながらお前さんやゴルゴーン姉妹の首は飛んでるぜ」

 

とオリオンは答える。助かった……確かにオリオンレベルの英雄が襲撃してきたら俺とメドゥーサの二人がかりでも勝つ自信はない。遠距離から超威力の矢で居られでもしたらやばいだろう。

 

「それで、どうして此処に?」

 

と俺は質問を続ける。

 

「実はなあ、最近のゴルゴーン姉妹の住処に妙な能力を持った人間が住み着いたって噂があってさ。神々もそれを確かめたくて、確かめて来いって話がたらい回しにされて、でもって俺もアルテミスに頼まれてここまで来たんだ」

 

とオリオンは言った。どうやら俺の事が神々の間にも噂になってるらしい。……やだなあ。ギリシャ神話の神々って一部を除いて厄介な方が多いイメージだし目を付けられたくない。

 

「な、なるほど。それは災難ですね。それでは、もう行っても良いでしょうか?ちょっとこの後色々と予定がありまして」

 

と俺は何とかこの場を離れようとする。しかし、

 

「ちょっと待ってくれ!まだ話があるんだよ!それに、お前の事を他の神に報告しないわけにはいかないだろ?せめてお前が神にとって安全かどうか確かめなくちゃならないんだ」

 

とオリオン。

 

「どうやって安全かどうか確かめるんですか?」

 

と俺は尋ねる。するとオリオンは

 

「そうだなあ……適当になんかで勝負してお前の実力を確かめるってのはどうだ?」

 

と言ってきた。うわぁ……。絶対面倒事に巻き込まれるパターンだよこれ。

 

「貴方と戦えと言うことですか?」

 

と俺が尋ねると、

 

「おう!そう言うことだ!」

 

とオリオンは答えた。まあ戦うしかないよねこれは。

 

「分かりました。では、何で戦いましょうか?」

 

「1日の内に魔獣を狩った数で競うってのは?」

 

それ思いっきり貴方の得意分野ですよね……まあいいけど。

 

「良いでしょう。受けて立ちますよ」

 

こうして、俺とオリオンの戦いが始まることになった。魔獣のいる森に行かなくてはならないので、俺達は一旦島の外に出ることにした。

 

「メン。大丈夫ですか?」

 

とメドゥーサが心配そうに声をかけてくる。

 

「まあなんとかやってみるさ、メドゥーサこそ俺が留守の間頼むぜ?数日で戻るけどその間に何かが起こらない保証は無いしな」

 

と俺が返すと、

 

「勿論です。姉様方の事は任せて下さい」

 

とメドゥーサは頼もしく返事をした。

 

「よし、じゃあ行くぞ」

 

と言って俺はオリオンの船に乗り込み、森のある陸地に向かった。森の入り口に到着すると、オリオンは

 

「じゃあ、ここからスタートだ!時間は日没まで、狩った証拠として耳なり尻尾なりを持ち帰ること。まあ、今回はお前の腕試しだからそんなに焦る事はないぜ!」

 

とオリオンは言った。

 

「分かりました」

 

と答え、俺達は森の中に入っていった。とっとと形のない島に帰りたいな……そう思いながら俺はショットアバドライザーとクラウディングホッパープログライズキーを取り出し

 

ヒット!

 

オーソライズ!

 

「変身!」

 

シンクネットライズ!

 

クラウディングホッパー!

 

An attack method using various group tactics.

 

仮面ライダーアバドンに変身した。そしてショットアバドライザーを構えながら森の中を進んで行く。すると早速獲物を発見した。

 

「見つけた!あれは……」

 

俺は発見した魔獣に目を向けると、そこには……巨大な猪がいた。

 

「ゴオォー!」

 

と叫び、俺を威嚇してくる。

 

「成程、こいつが今回の相手って訳だ。悪いが手早く終わらせてもらうぜ」

 

と呟き、俺はアバドライザーのトリガーを引く。

 

アバドライザーの銃口からエネルギー弾が発射され、巨大猪の頭部に命中する。

 

「フゴッ!?」

 

と悲鳴を上げながら怯む巨大猪。だが、致命傷には至らなかったようだ。

 

「チッ……流石に一撃では仕留められないか」

 

と言いつつ次の攻撃の準備をする。今度は2発連続で撃ってみる事にしよう。俺は再度トリガーを引き、先程の倍の量のエネルギー弾を発射した。しかし、

 

「ブモオオォ!!」

 

と叫ぶと巨大猪は地面に潜り、攻撃をかわす。

 

「おいおいマジかよ。あの巨体で地中潜れんのか」

 

と俺が驚いていると、地響きと共に巨大猪が再び姿を現した。どうやら奴は地面の中に隠れて奇襲を仕掛けるつもりらしい。

 

「ならこっちも攻め方を変えさせて貰うか」

 

と言って俺は、アバドライザーの銃口を巨大猪に向ける。巨大猪は再び俺に向かって突進してきた。

 

「これで終わりだ」

 

と言い、俺はプログライズキーの起動スイッチを押して引き金を引きクラウディングバーストキャノンを発動させた。巨大猪に向けて放たれた無数の光弾が、次々と命中していく。やがて巨大猪は力尽き、息絶えてしまった。

 

「ふう。何とか倒せたな」

 

俺は周囲を警戒しながら倒した魔獣の所に向かう。

 

「こいつの耳を持って帰れば良いんだよな」

 

そう言って俺は巨大猪の右耳に手を伸ばすのだった。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

その後も俺は森の魔獣を相手にしていき、日没までに10匹狩ったのだった。森の入り口に戻るとオリオンが居た。

 

「おっ戻ったな!そっちはどうだった?」

 

と尋ねてくる。

 

「はい。こちらは10匹倒しましたけど、そちらは?」

 

と証拠の耳を出して俺が答えると、オリオンは

 

「ほお、中々やるみたいだな。だが、今回は俺の勝ちだぜ」

 

と明らかに俺の数を上回る量の耳を出した。流石は神代の狩人といったところか。

 

「じゃあ、勝負はこれで決着って事で良いですね?」

 

「ああ、構わないぞ」

 

こうして俺達は形のない島に戻った。

 

「オリオンさんの用事はこれで済みましたか?」

 

「おう!これでアルテミス達に報告ができるぜ!しかし、お前も災難だったなあ。ほんと神に目を付けられるとろくな事が無いからな」

 

とオリオンは言う。後に神絡みで死んでしまう彼の言葉は説得力があった。

 

「全くですよ……。ところで、俺達はこれから夕餉にするつもりですが、オリオンさんはどうですか?」

 

「付き合う!と、言いたいところだが他の女神の歓待を受けたらアルテミスに射殺されるかもれないからな、よしとくわ」

 

うん。ほんとにアルテミスはやりかねないからね……

 

「じゃあここでお別れですね。さようなら」

 

「おう、あんたらも静かに暮らせるといいな」

 

そうしてオリオンは船に乗り込み去っていった。静かにか……今回は何とかなったかもしれないが、この形のない島にいても人間に攻められる。ならばいっそのこと……

夕餉の最中俺はゴルゴーン姉妹にある提案をした。

 

「あの、良ければですけど、世界の裏側に引っ越しませんか」

 

「「世界の裏側?」」

 

世界の裏側とは型月世界において神代が終わった際に幻想種達が移り住んだ所だが、地球誕生からあったらしいので今の時代でもあるはずなのだ。そこで、世界の裏側に行けば人間は攻め込んで来られず、メドゥーサもその手を汚さず怪物ゴルゴーンになり果てることも無い……筈。

 

「それはつまり……」

 

ステンノが俺に尋ねる。

 

「えっと、あなた達にとって住みやすい世界に移り住むっていうことです」

 

と俺が答えると、2人は少し考えてこう答えた。

 

「確かに、私達の安住の地があれば理想的だけど……」

 

「でも、そんな所に行けるのかしら?」

 

「はい、どうやってその世界の裏側に行くというのですメン?」

 

俺は答える。

 

「奇跡の力に頼ってみます」

 

最初は穴を掘って世界の裏側に行こうと思ったが、このギリシャ神話のテクスチャが張られた世界ではその前に冥界に行きついてしまう可能性もある。そこで、仮面ライダーのメイジの魔法でどうにかならないか探した所、ミラクルのリングがあった。確かこれは劇中でドラゴンを現実世界に呼び出したリング。それを応用して幻想種の世界に行けないかと思ったのだ。3人に尋ねる。

 

「俺を……信じてもらえないか?」

 

すると、

 

「分かったわ。あなたの願いを叶えましょう」

 

「私も賛成よ」

 

「私も同意します」

 

と言うのを聞いて、俺は安心した。

 

「ありがとう皆!」

 

俺は仮面ライダーメイジに変身した。そしてミラクルの魔法を発動させる。

 

ミラクル!ナウ

 

すると俺の体力が急激に消耗するのを感じた。くっ……やっぱり相応の魔力を食うか……

そして虹色の竜巻が発生し、俺達を飲み込む。

 

「メン!」

 

メドゥーサがこちらに手を伸ばしてくる。意識が朦朧とする中も俺もメドゥーサの手を取ろうとするが――

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

次に気がついた時、俺はある漁村の寝室に寝かされていた。話を聞くと浜辺に倒れていたところを見つかったらしい。島の事を調べると形のない島の近くの浜だったので形のない島に行ってみたが、島のあった場所に行くと“島そのものが無くなっていた”。………俺は半分失敗してしまったらしい。

 




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