量産型にしかなれないんだけど   作:クォーターシェル

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今回ちょっと短くなったかな……


4話 アルゴー船2

「殺せーっ!!」

 

「殺っちまえー!!」

 

「うおおおおおぉっ!!」

 

こんにちは。メンです……今何をしているのかというと、殺し合い乱闘の真っ最中です……なぜこんなことになっているのかと言うと、ちょっと時間を遡ろう。言っておくけどタイムベント使ってるわけじゃないからね?

 

あれからアルゴー船に乗って色々あった。レームノスという所で美女に歓待されたり、ドリオニアという国で危うく国王を殺しかけたり、ヘラクレスが置いてけぼりを食らってイアソンが一時やる気を無くしたりと色々だ。しかしまだこれでアルゴー船の旅は前半部分だというのだから、すごい話だ。

 

でもって、旅の途中にてある島にたどり着いたのだが、そこに住むベブリュクス人がこれまた好戦的な性格ばっかりで旅人が訪れる度に拳闘試合で殺しているという、嫌な趣味を持っていた。そんでその挑戦を受けたアルゴノーツはディオスクロイの妹の方、ボクシングの名手であるポルクスを送り出した。そして試合が始まって数秒後、ポルクスの細腕から繰り出された鋭い右ストレートがベブリュクス人の王、アミュコスの急所を捕え死に至らしめた。それにカンカンになったのが残されたベブリュクス人達だ。彼らは半ば逆恨みの形で俺達に襲い掛かって来たのだ。そして乱闘が始まったのである。

 

「オラァッ!」

 

「グヘェッ!」

 

ライオトルーパーに変身していた俺は殴りかかってきた男の顔面にカウンターパンチを喰らわせる。そいつは鼻血を吹き出して倒れた。

 

「死ねぇ!」

 

「ぐおっ!?」

 

今度は後ろから槍を持った男が突進してきた。俺は咄嵯にアクセレイガンを出して受け止めるが、そのまま吹き飛ばされてしまう。

 

「うわぁぁぁっ!」

 

地面を転がる俺を見て周りの男達はゲラゲラ笑う。くそ、完全に舐められてるな。

 

「へっ!口ほどにもねえじゃねえか!」

 

「そうだぜ!ほれ、もっと殴ってこいよ」

 

「ぶっ殺されてぇのか?」

 

「おい!何をやってるメン!お前ならそいつら如き蹴散らせるだろ!あの大鎧はどうした!」

 

と離れた所で物陰に隠れているイアソンがやじを飛ばした。

 

「スイカアームズはまだ再使用できないんだよ!ていうかお前船長だろ!お前も戦えよ!」

 

そう言う俺にイアソンは

 

「馬鹿!戦わないから指揮官なんだよ!荒事はお前ら戦闘員の仕事だ!」

 

と言ってきた。こいつ……。

まあ実際今の俺は黒影トルーパーではなくライオトルーパーだ。つまり戦闘力は少し劣る。正直この状況は厳しい。こうなったら奥の手を使うしか無いな。

 

「仕方ない……」

 

俺は立ち上がって念じる。するとその場に仮面ライダーファイズに登場したマシン。サイドバッシャーが出現した。

 

「何ぃっ!?」

 

突然現れた鉄の塊に驚く男たち。俺はそれに構わずサイドバッシャーに乗り込んだ。

 

「は?なんだそりゃ……」

 

と一人が呟いた次の瞬間、サイドバッシャーは凄まじい勢いで動き出した。

 

「うおぉっ!?」

 

「ぎゃああああっ!!」

 

猛スピードで走るバイクに男達が悲鳴を上げる。俺はアクセルを回して更に加速させた。

 

「うおおおぉぉっ!!!」

 

そのまま走り続けると、ベブリュクス人達が隊列を敷いて武装して構えていた。

 

「それがどうした!」

 

と俺はサイドバッシャーをバトルモードに変形させる。二足歩行の戦車と言うべきバトルモードのサイドバッシャーは重火器を展開する。

 

「くらえっ!!」

 

俺は引き金を引いてミサイルを放つ。

 

「ひいっ!!」

 

ベブリュクス人達は慌てて逃げ出す。俺はそれを見逃さずマシンガンで追撃する。たちまちベブリュクス人の死体の山が築かれた。

 

「うわああぁっ!!」

 

「逃げろぉっ!!」

 

ベブリュクス人は全員逃げ出した。

 

「よし、勝ったぞ!」

と喜ぶ俺だったが……

 

「おい、ちょっとまったなんかメンが目立ってないか!?アルゴー船の船長は俺だぞ!」

 

「そりゃ、物陰にいたお前に比べればメンの方が目立つさ」

 

イアソンの言葉に対しアタランテがツッコミを入れる。

 

「ええい!なんであんな奴が目立つんだ!」

 

とイアソンは再び不満を漏らす。

 

「いいから行くぞ」

 

とカストロが促し、アルゴー船は先へ進むのだった。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

次にアルゴー船がたどり着いたのは、サリュミュデーソスという地だった。この地にはピネウスという名前の予言者がいるそうなので、航海の助言を求めに来たのだ。上陸した俺達がピネウスの屋敷に出向くと、瘦せこけた男が俺達を出迎えた。話を聞くと彼がピネウスで人間の未来を予言した為に神々に罰され、盲目にされたうえにハルピュイアを遣わされ、ハルピュイア達に食事を掠め取られるわ、糞を落とされるわで散々なそうなのである。

 

「それで……私にどんな助言をしてくださるのか?」

 

とイアソンが尋ねる。するとピネウスは

 

「盲目にされたことは神々の罰として受け入れるが、このままハルピュイアに食事を奪われ続けては死んでしまう。そこでだ、ハルピュイアを討伐してくだされば、貴方方の今後に関する助言を行おう」

 

と言ってきた。イアソンは

 

「しょうがないな……誰か弓を使える奴にやってもらおう。こんな時ヘラクレスが居ればな……」

 

とあまり乗り気ではないが承諾した。しかし、

 

「待ってくれ。ここは私が行こう」

 

と名乗り出たのはアタランテであった。

 

「大丈夫か?あの鳥女はかなり手強いぞ」

 

「安心しろ。私の弓矢の腕前なら楽勝だ」

 

そう言うアタランテだが、俺も名乗りを上げた。

 

「俺も行きます。遠距離攻撃もできるので」

 

「汝、弓を使えたのか?」

 

アタランテが尋ねてくる。

 

「弓は無いけど銃なら使えますよ」

 

と俺。

 

「そうか、では頼むぞ」

 

こうして俺達はアタランテと共に出撃することになった。

 

「よし、後はハルピュイアが逃げた時の追撃の為に空を飛べるカライスとゼーテースを控えさせとくか」

 

とイアソンは言う。そして早速ハルピュイア退治が始まった。ピネウスは御付きの者達に食事の用意をさせる。俺とアタランテは迎撃の準備をする。俺は仮面ライダーG3に変身していた。G3-XみたいにGX-05 ケルベロスやGK-06 ユニコーンは装備してないんだけど、それでも理論上グロンギを圧倒できるすごい奴なのだ……たぶん、きっと。俺はG3のメインウェポンである突撃銃GM-01 スコーピオンを構えながらハルピュイアを待つ。そして食卓に豪勢な食事が並び、ピネウスがその前に来ると

 

「「ピョーッ!!」」

 

半人半鳥の怪物、ハルピュイア達が現れた。パルピュイア達は皿をひっくり返したり、料理に糞を爆撃したりして食卓を荒らしていく。綺麗だった食卓はたちまち残飯の山になってしまった。だがそれをただ見物しにきた俺達ではない、ハルピュイア達に向かってアタランテは矢を撃ち、俺もスコーピオンを発砲する。ハルピュイア達は素早く飛んで回避する。アタランテは次々と矢を放ち、俺も弾丸を放つが当たらない。

 

「このっ!」

 

とアタランテは舌打ちするが、俺は冷静に狙いを定める。そして放った一発の銃弾が、ハルピュイアの一人に命中して墜落させた。

 

「よしっ!」

 

と俺はガッツポーズを取る。

 

「よくやったぞ!」

 

とアタランテが喜び、俺は

 

「いぇいっ!」

 

と返す。

墜落したハルピュイアは何とか立ち上がろうとするが、そこにアタランテが追い討ちをかける。彼女は次々に矢を放っていく。

 

「お前らに動きにも目が慣れてきた!」

 

そして墜落したハルピュイアにとどめを刺すだけではなく、飛び回っているハルピュイアも次々と射抜いた。

 

「よし!これで最後だ!」

 

とアタランテは最後の一匹を倒す。そしてピネウスが

 

「おぉっ!!見事だ!流石は予言通りの英雄達だ!!」

 

と喜ぶ。

 

「さて、約束は守って貰うぞ」

 

とイアソンはピネウスに言う。ピネウスは

 

「その前に食事をしてもいいですかな?なにせもう長い間食事をしておりませぬので」

 

と答えた。

 

「おいおい……ならば我々にもご馳走しろ。俺の率いるアルゴノーツのお陰でお前は食事ができるのだからな」

 

とイアソンは呆れながらも言った。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

食事を終えたピネウスは早速助言を始めた。ピネウスによると、この先の航路には開いたり閉じたりする〈打ち合わせの岩〉があるらしい。これまでに多くの船がその岩に潰されたそうだ。そこでその航路を通るには、まず1羽のハトを飛ばしてそのタイミングを見て通り抜けると良いそうだ。

 

そうして、その話を聞いた俺達は翌日にサリュミュデーソスを出発することになった。ピネウスと召使い達に見送られ出航したアルゴー船はその〈打ち合わせの岩〉がある場所に差し掛かった。そこにはもう島とか山とかと言っていい巨大な2つの岩が一定の間隔でぶつかったり離れたりしていた。確かにあんな岩に挟まれたらアルゴー船もひとたまりもないだろう。イアソンはハトを放つと、果たしてハトは2つの岩の間をすり抜けて飛び去った。

 

「なるほどな」

 

と言うイアソンに俺は

 

「分かるのか?」

 

と尋ねた。すると彼は

 

「ああ、お前には分からなかったようだが、今ので岩の挟まるタイミングは掴めた。後は今から言う指示通りにアルゴー船を操作すれば抜けられるはずだ」

 

と言った。それからイアソンは船員達に指示を出す。やがてアルゴー船は無事にその難所を抜けた。後ろを見ると、何かの仕組みがあったのか岩はぴったりと2つが合わさったまま動かなくなっていた。

 

「さあ、お前たち!俺の王座まで直ぐそこだ!」

 

イアソンの言う通り、旅の目的地であるコルキスは間近に迫っていた。

 




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