量産型にしかなれないんだけど   作:クォーターシェル

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やっぱり感想を貰えるとすっごくモチベーション上がります。
ちょろっと中華とアルスターサイクル編スタートです。


9話 中華~ケルト

さてポ●モンの●ケニンの如く、俺の所持品の中に入っていたアレキサンダーゴースト眼魂だがどうやら本物らしい。眼魂自体はダークネクロムの変身用の物を元々持っていたのだが、こっちは現時点でゴースト本編みたいに語りかけてくることこそないが、この世界のアレキサンダー……イスカンダルの意思が入っているらしく、ほのかに彼の存在を感じる。恐らく推測なのだがこの世界をもっと見て回りたいという思いがあったのだろうか。兎にも角にも新しい戦力としても使えそうだし、旅に持っていくとしよう。その方が彼も喜ぶだろう。

 

こうして俺は旅を続け、楚漢戦争が間近の中華の地に足を踏み入れた。中華の地にやってくるのもかなり久々で始皇帝が築き上げた秦王朝も滅び、時代は混迷の最中に在った。この地にて俺はブイブイ言わせてる項羽に謁見した。当然の話だが項羽の姿は異聞帯の異形のものでは無く、人間と遜色ない容姿だった。威圧感はあるが、誰も中身がロボットだとは思っていないだろう。これまた当然と言えば当然だが、彼の居る所、後の芥ヒナコこと虞美人もいた。俺は最初、客将として取り入ろうとしたら項羽に

 

「汝が味方に入れば、不確定要素が多くなる事が予測。故に私は汝を登用しない」

 

と断られたので取りあえず流しの吟遊詩人として、少しの間留まる事にした。俺は酒の席で色々な異国の事を語ったので結構受けた。その内項羽が他の者に席を外すように言い、項羽と虞美人と俺の三人きりになった。何だろうと思っていると項羽が

 

「汝は我らの正体を知っているな」

 

と言った。虞美人が

 

「なんですって!!?」

 

と立ち上がりこちらに殺気を放った。項羽はそれを制し、

 

「落ち着け虞よ。この者が我らを害する気で接触を図ったのなら、既に私はこの者を排除しに掛かっている」

 

と言った。俺は

 

「えぇ、そうですね。私もそう思いました」

 

と素直に答えた。項羽は俺が本当に害意が無い事を見抜いたのだろう。

 

「それで何故正体を知って尚もここにいる?」

 

と尋ねてきた。俺は

 

「それは簡単な話ですよ。貴方方と知り合いたかっただけです。邪魔をする気もありませんよ」

 

と言って、俺が不老の身で一部の未来を知っていることも語った。項羽と虞美人は信用はしてないようだが警戒を解いた。

 

「普通の人でない者同士語ることもあるでしょう。西洋から持って来た酒もあるし話しませんか?」

 

そして――

 

「ああ~!ヒック!あんたに解る!?愛した者と心中すらできない身の辛さが!中途半端な不死のあんたに!!」

 

「うん……それなら……項羽殿を止めればいいじゃないですか……?天下なんて忘れて……」

 

「それこそ!ヒック!分かっているでしょ!?項羽様は絶対に止まることはないわ!!」

 

「うん…?止まるじゃねえぞ……?」

 

俺と虞美人は酔っぱらっていた。ちなみに項羽は素面だ。彼曰く。

 

「私に酔うという機能は無い」

 

そうだ。しかし虞美人は酔っている。

 

「項羽様がどれだけ偉大でもね、項羽様だって不滅じゃないのよ!!死ぬときは死んじゃうのよ!!!」

 

「ならせめて……貴女が項羽殿を思いづづければいいのでは……?う~、なら不滅……」

 

「当たり前のこと、ヒック!言わないでよ!」

 

「虞よ、流石に飲み過ぎてるようだ」

 

と項羽が止めた辺りでその夜の記憶は途切れていた。そして数日後、俺は項羽邸を発った。せめてもの土産として西洋の酒をいくつか置いてきた。俺は未来をしっているとは言え機械仕掛けの覇王とその覇王を愛した女……不器用な人でなし達に良いことがあるように祈って中華の地を離れた。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

さて皆さんはアルスターサイクルをご存じだろうか、アイルランドに伝わる物語群である。その中の一つにクー・フーリンの逸話がある。ケルト神話の最高神ルーの息子であり、光の御子と呼ばれる最強の戦士にして最高の魔術師、それがクー・フーリンなのだ。そんな彼を主役として今となってはいかれた登場人物たちが跋扈する神代最後の物語だ。そんな舞台に俺は来ている。

 

あれから西へ西へと移動し海をダンデライナーで越えて来たのが紀元前末期のアイルランドだ。ここで俺は一人の少年と出会った。その少年はセタンタと名乗り、自分はアイルランドのとある国の王家の血筋なのだと言う。どう見ても元祖ランサー兄貴の若い頃です本当にありがとうございました。というかクランの館の番犬を倒した後なのか普通にまたの名をクー・フーリンと言っていた。話を聞くと誉れを求めて影の国に行く途中だった所、強そうな俺を見かけたので手合わせをしたいのだそうだ。俺は

 

「まだこの辺りに来たばかりだし、殺し合いでない試合なら応じるぞ」

 

と答えた。

 

「おお!本当かい!?」

 

と嬉しそうに言った。それから彼は槍を俺に向け構えた。俺も量産型マッハドライバーを装着しドライバーに起動キーを挿しこみ量産型仮面ライダーマッハに変身した。クー・フーリンはそれを見て

 

「変わった鎧だな。あと武器は無いのか?」

 

と言ってきた。俺は

 

「残念ながらこの姿には武器は無いんだ」

 

と答えた。これは本当だ。量産型マッハには試作型と言うこともあってか元の仮面ライダーマッハのゼンリンシューターの様な武器を持ってない。お陰で他の低性能量産型と比べいまいち利点がないのだ。ロイミュードの重加速には対抗できるのだろうが……。クー・フーリンは

 

「舐めてくれるな!いくら試合とはいえこっちは手加減しねーぞ」

 

と言った。俺は

 

「ああ、勿論だとも。本気で来ていいぜ」

 

と答え、拳を構えた。クー・フーリンは

 

「後悔するなよ!」

 

と言い、俺に飛び掛ってきた。俺はそれを受け止め、足払いをかけ地面に転がした。起き上がろうとしたところに蹴りを入れ、首筋に手刀を落とした。

 

「まぁこんなもんかな。次は?」

 

と言った。するとクー・フーリンは

 

「今のが全力じゃねえってのか?」

 

と聞いてきた。

 

「あぁ、まだまだ余裕はあるけどな」

 

と答えると、クー・フーリンは

 

「くそっ、お前はいったい何者なんだ?」

 

と悔しげに聞いた。

 

「ただの旅人だよ」

 

と答えると

 

「嘘つけ」

 

と言われた。

 

「嘘じゃねえよ」

 

と返すと

 

「ならなんでそんなに強いんだよ」

 

と言われ、

 

「こう見えて長生きでな、色々修羅場をくぐり抜けて来てるんだ」

 

と答えた。そして

 

「セタンタ、お前はまだまだ研磨されてない武器みたいなもんだ。影の国に行くんだろ?お前はそこできっと強くなるよ」

 

と言った。クー・フーリンはしばらく黙っていると

 

「よし決めた!影の国から生きて出られた暁にはあんたにリベンジする!」

 

と言った。俺はそれを聞いて

 

「楽しみにしてるぜ」

 

と答えた。その後、特に当ても無いのでクー・フーリンに同行することにした。

 

「なんだ結局一緒に来るのかよ」

 

とクー・フーリン。俺は

 

「折角だから影の国を観光しようと思ってな」

 

と言った。しかし俺はこの時の選択を後悔することになる。俺はケルトを少ししか知らなかったのだ。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

影の国に来た俺達を出迎えたのは、影の国の女王にして西の最強師匠、スカサハだった。

 

「ほう、この地まで足を踏み入れたという時点で一角の勇士だとは分かるが、果たしてそれまでか?それともそれ以上の力を持っているのか?」

 

そう尋ねてきた彼女には直前に何かあったのか、返り血が付いていた。この時点で俺は嫌な予感がした。

 

「俺はセタンタ、またの名をクー・フーリン!この影の国に修行に来た!」

 

と言うクー・フーリンの横で俺は身を縮めて

 

「俺はメン。観光に来たただの旅人です……」

 

と言った。

 

「ふむ、セタンタは鍛えがいがありそうだな。だがメンとやら、お前からは並外れた実力を感じるのだが?」

 

とスカサハが言った。俺は震え声で

 

「気のせいです……(小声)」

 

と言うしかなかった。正直今すぐ帰りたかった。するとクー・フーリンが

 

「メンは今の俺より強いぜ!」

 

と言った。いらぬことを言うんじゃない!

 

「ほう……見かけない顔だがやはりケルトの外から来た戦士か?是非このスカサハに武勇を見せてもらおう……」

 

ああっ、バトルジャンキーに火を点けちゃったよ……俺はもう駄目かもしれない。そう思った瞬間に俺は吹っ飛ばされていた。地面を転がりながらなんとか体勢を整え、立ち上がると目の前には既に槍が迫ってきていた。俺は咄嵯にそれを拳で弾き飛ばした。槍は俺の手から離れて行った。

 

「ほぅ、なかなかやるではないか」

 

スカサハは嗤う。まずい……余力を残して当たるべき相手じゃない。俺は覚悟を決めて、変身することにした。腰にバックルが巻かれデッキをセットする。

 

「……変身!」

 

金色の光に包まれた俺は仮面ライダーオーディンとなっていた。

 

「仮面ライダー……オーディン」

 

「北欧の大神の名を名乗るか……それでよい。行くぞ異国の勇士よ」

 

死闘が始まった。

 

『ソードベント』

 

俺は双剣ゴルトセイバーを装備し、スカサハの傍に瞬間移動して剣を振るう。しかしそれは避けられ、逆に蹴りを入れられた。

 

「ぐっ!?」

 

俺は吹き飛びながらもすぐに立ち上がり、次の攻撃に備える。

 

「どうした?この程度か」

 

とスカサハが挑発してくる。俺は

 

「まだまだこれからだ」

 

と言い、金色の羽根を彼女の周囲に撒いた。これもオーディンの攻撃方法の1つで触れればエネルギーを奪い爆発する。その隙に背後に回り込み手刀を振り下ろす。しかしそれもかわされ、裏拳を食らう。

 

「くそっ!」

 

と毒づく俺に彼女は言う。

 

「今のは良かったぞ」

 

そしてそのまま連続攻撃を繰り出してくる。俺が反撃しようとした時には既に距離を取っており、中々攻め込めない。だが、彼女が朱槍で攻撃しようとした瞬間、

 

『スチールベント』

 

「む!!」

 

スチールベントの効果で朱槍を奪いスカサハの右肩に突き刺した。そしてすかさず斬りつける。しかし彼女も負けじと応戦してきて、2人の戦いは拮抗していた。

 

「ほう、私の肩を刺し貫き、更に私とここまで渡り合うとはな」

 

と感心しているような様子のスカサハ。

 

「あんたこそ、オーディンを苦戦させるような相手はそうはいないぞ。つくづくこの世界が化物だらけだって思わせてくれるよ」

 

と俺はうんざりと返す。スカサハは設定上fateのサーヴァントの中でも上位の実力を持っていることは知っていたがこれほどとは。近接戦闘に関して言えばギルガメッシュやオジマンディアスが可愛く見える。正直言って勝てる気がしない。

 

「まだやれるのであろう?もっと私を楽しませておくれよ」

 

とスカサハは再び向かってくる。

 

「ならこれでも食らえ!」

 

と俺はゴルトセイバーを投げつける。彼女はそれを避けずに手で掴み取ると投げ返してきた。俺はそれを受け流しながら接近するが、槍の間合いに入った途端に強烈な一撃を受けてまた吹き飛んだ。

 

「これで終わりか?」

 

とスカサハ。俺は

 

「まだまだぁっ!!」

 

とストレンジベントのカードをスキャンする。

 

『フリーズベント』

 

「!?」

 

フリーズベントの効果ではスカサハは瞬間凍結され動きを封じられる。今だ!俺はファイナルベントを発動させ――

 

「ッ!!」

 

が、そこで活動限界が来た。俺の変身は強制的に解除され、スカサハの凍結も解除された。やべ……

 

「そうか。そこが限界だったか……」

 

と残念そうな表情のスカサハ。そして、

 

「残念だったな」

 

「メン!!」

 

―――俺の胸を、朱槍が貫いた。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

テッテレテッテッテー♪

 

「「!?」」

 

軽快な音と共に俺が土管から飛び出して来たものだから流石に二人とも驚いているようだ。

 

「メン!?今確かに……」

 

「ふっ、まだこんな芸を持っていたとは……」

 

「俺は命が複数あってな。殺されたのはいつぶりだろう」

 

と俺はこきりと首を鳴らす。

 

「メン……お前って奴は……」

 

クー・フーリンは呆れたように言った。

 

「まあそういうことだ。俺はまだ生きてるぜ」

 

「ふむ、しかしさっきのがお前の全力中の全力だろう?私には勝てんよ」

 

とスカサハが言う。まあ、その通りだろう。俺はスカサハに頭を下げる。

 

「女王スカサハ、いや師匠!今回の戦いで俺の力不足が分かった。俺も弟子入りさせてくれ!」

 

と俺はスカサハに師事を受けることにした。きっと影の国で修行すれば、俺は今の限界を超えられるかもしれない。もっと高みへ行かなれば自分の能力に申し訳が立たないと思った。

 

「良いだろう。セタンタ、メン。儂がお前たちを鍛えよう……死ぬなよ」

 

「おう!」

 

「ああ!」

 

こうして俺達の影の国での修行の日々が始まった。そして俺はまたもこの国に来たことを後悔するのだった。

 




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