【正直】某騎士団の副団長なんだが親友のイケメン金髪騎士団長が女の子と入れ替わって俺に泣きついてきた【ドチャクソ好み】 作:ディム
ありがたい……ありがたい……
あなたのアクションで救われる私がいます、よければ感想どうぞ!
窓の外から、鳥の囀る声が聞こえる。僅かに目を開ければ、部屋の中は薄らと明るくなりつつある。
いつも通りの時間より、少し遅いだろうか。知らずのうちに、疲れていたのかもしれない。
見れば、眠っているのも自分のベッドではなく備え付けのソファの上。はて、酒に酔った時でもなければこんな醜態は晒さないのだが。
「……甘い……」
そう言えば、どことなく部屋の中に甘い香りが充満している気がする。果実酒の残滓か何かだろうか。酒を飲んだ……ことすら忘れていると言うのならば、気を抜き過ぎている。
寝ぼけて回転の鈍い頭を引き摺って、のろのろとソファから立ち上がる。目指すはベッドだ。
朝の訓練は休んでしまうが……何故だか、今日は行かなくていい予定だった気がする。そんな事はない、筈なのだが。
だが、一度そう思ってしまえばどうしようもない。もっと眠りを! と叫ぶ身体に操られ、ベッドを軋ませてその上へ。布団の中に潜り込めばほら、そこは温かく甘い香りに満ちていて、柔らかい何かが。抱き枕に丁度良いかも知れぬ。俺はそれを手繰り寄せようと――
「んっ……ふぁ、っ……」
「……ん、む……?」
――いや。それはおかしい。俺がソファで潰れていたのなら、ベッドが温かい筈はないのだ。それにそもそも、俺の……騎士団副団長の寝室に、抱き枕など転がしていない。
馬鹿になっていた頭が回り出す。ぼやけていた視界が像を結ぶ。俺が何を抱き寄せようとしていたのか、少しずつ理解し始める。
布団の中から、僅かに見える艶やかな白紫の髪。ベッドの上に広がるそれは上質な絹のよう。その持ち主は、髪に負けず劣らずの白い肌。柔らかく張りのあるそれは、男の……俺の無骨な、硬い肌とは似ても似つかない。
おまけにその顔。安心しきった表情で、穏やかに瞳を閉じる彼女は、天の遣いかと見紛うほど。
俺は、そんな彼女の背に手を回そうとしており――
「ぬおぁァーッ!?!?」
「!? 敵襲ッ!?」
跳躍。俺の出し得る全出力でベッドから退避。そのまま床に着地――しようとして、昨日自分でぶち抜いた穴に引っ掛かり、転倒。
ごぎゃんっ、と鈍い音がする。ぶつかった机を粉砕して――俺は、久しぶりに傷を負った。
しばらくして。
俺は床に座ったまま、頭を白紫の少女……我が友オリアスに預けていた。彼女は椅子に座って、床に座る俺の背中側から、先程ぶつけた頭の傷を観察している。
「……いやあ、信じ難いね。でも、確かに怪我してるよ。まさか君がねえ……」
「……むう」
「寝惚けて、僕が借りてるのを忘れててベッドに潜り込もうとして……曲者だと勘違いして転倒、か。らしくもない」
「……む、むう」
「けど――いや、君には悪いが。少し気分がいい。こんな形でも、君に手傷を負わせる、という偉業を成したのだからね」
何が面白いのか、オリアスは俺の頭の傷を突きながら笑っている。
こいつとは仲が良いが、たまに何が言いたいのか分からなくなる時がある。俺が傷を負うことが、それほど面白いことなのだろうか。
「ん? ああ、いや。君、ここ数年で何回戦場に立ったかな」
「……一々、気にした事はない」
「だろう。それだけ最前線で剣を振るっておきながら、数年前の……教国の『白騎士』戦以降は無傷。直近の……なんだっけか。天から遣わされた、とかいう」
「……教国の『勇者』とやらか」
「そう、それだ。あの馬鹿げた出力の『勇者』すら無傷で退けた君に、傷をつけた。これは楽しいことだよ」
教国の『勇者』。この帝国と争っている国に、どこからともなく沸いて出た騎士。確かに、未だ見たことがない程の……視認できる程の魔力量ではあった。
あったが、それだけだった。
「……アレは、そう大した相手だったか?」
「そう言えるのは君だけだよ」
「……お前の方が、技量は上だ」
「多少の技量差なんかひっくり返すくらいの魔力だっただろう、アレ。僕でも正面から剣を交えたら、磨り潰されていただろうね。……本当に、何をどうやったんだい?」
「流して、斬った。逃げられたがな」
「……」
意味がわからん、という顔……をしている、気配がする。ついでに、俺の頭を触る手の力が強くなったような気も。解せぬ。
「……力はなるほど、見るものがあったが」
「あったが?」
「技は粗末。機を見てもいない。何より、力押ししか出来ぬ癖に――それを恥じるどころか、ただ無理やり相手を捩じ伏せるだけの行為を誇り、驕り、酔っている」
「……それで問題ないほどに、ただ力押しするだけで強くとも?」
「だが、俺はあれを退けた。勇者など片腹痛い、あれでは『格下殺し』と呼んだ方がまだ正確だ」
同じ敵でも、生え抜きである教国の『白騎士』の方がまだ手強い。そう結べば、べちっ、と頭を叩かれた。解せぬ。
「はい、確認終わり。ちょっと裂傷が出来てたけど血は止まってるし問題なし。どちらかと言うと、君が倒れた時に粉砕したテーブルの方が問題だね」
「……無くても困らん」
いや困るだろうなあ。自分でも無理のある言い訳だと思う。それを示すかのように、背後から感じる呆れの気配が強くなった。
もう一度頭を叩かれては敵わない。礼を言って、立ち上がり振り返る。いつもより少し目線を下げたところに、今のオリアスの顔はあった。
「……どうした?」
こてん、と首を傾げる白紫の少女。朝日に照らされたその髪は眩く輝き、もはや神聖さすら感じさせるほどに美しい。
ああ、美しい。それを疑う余地はない。だが。
「……お前は、オリアス。そうだな?」
「? ああ。僕は……この騎士団の名誉ある長にして――君の友。オリアスだ」
「そうか。……ならば良い」
彼女は……本来は『彼』で。我が無二の友、オリアスなのだ。
彼の才能に疑う余地はない。だがそれ以上に、彼の重ねた努力は凄まじい。朝から晩まで剣を振る俺のような狂人の訓練に付き合った上で、騎士団長としての不足を常に補い続けるその姿を、俺は真に尊敬している。
ならば。ひ弱な女性の身体となり、鍛えた力を――全てではないだろうが――喪失した我が友に、『そういう』目を向けることは。彼が自身に課した努力を踏み躙ることにはならないだろうか。
「…………」
「えっ、と? アッシュ?」
オリアスの眼を見る。紫色の、水晶のように輝いた瞳。形も大きさも元の彼のそれとはまるで違う……しかし、その奥に宿る意志は、確かに我が友のものに相違ない。
ならば、と俺は決意する。この姿であれば、誰が彼をオリアスと認識する。事情を説明しようにも、魂を入れ替える魔法など聞いたこともなく。それ故に……あまりにも危険な魔法であるが故に、事情を口外できない可能性もある。
すぐに元の身体に戻れるのか、そうでないのかも分からないが――彼女に、可愛いとか可憐だとか、そのような視線を向けるのはよそう。
「いや、なんでもない」
「……そっか。なら、何も聞かないよ」
「ああ」
軽く頷き、右手を彼女の頭の上へ……乗せかけて、はっとする。いかん、背丈が昔の弟に似ているからか、つい頭を撫でそうになった。
……あれの姿も長く見ていないが、息災だろうか。
誤魔化すように、右手をオリアスの肩に乗せ、そのまま衣服を摘む。今、彼が身に纏っているのは俺の私服……部屋着だ。あまりにもサイズ差がありすぎて、半ば魔導士のローブか何かのようになっている。
正直辛抱たまらん――いや待て今俺は決意したばかりだろう。馬鹿か俺は。口の中で舌を噛んで……よし。
「さて、友よ。今後についてだが」
「アッシュ今すごい顔してなかった?」
「気のせいだ。今後についてだが、まずはお前の身体を確保し、然るのちに魔法院まで出向いて助力を仰がねばならん。相違ないか?」
「ああ。教会とどちらが先かは悩ましいけど……魔法院で診てもらって、呪詛だと判断されたら教会。それで良いんじゃないかな」
うむ、と頷く。大凡、見ている方向は同じようだ。少女の身体となっても、頭の冴えは衰えていないらしい。
「であれば、だ。……」
「……? どうした、アッシュ」
「いや。……お前の服を、どうしようかとな」
「あ。……あ、あっ」
オリアスはちらりと鏡を見て……ぼっ、と。湯が沸騰するように赤面する。こいつ、今の今まで自分が可愛い女の子だと言うことを忘れていたな。そして今思い出して、自分を待ち受ける運命に絶望している……とか、その辺りだろう。
まあ、分からんでもない。普段は取り繕っているが、こいつも男だ。好みのタイプくらいある。そして場合によっては、それについて熱く語ることも――言ってしまえば、『むっつり』だということだ。
昨夜の湯浴みについては……男の情けだ。本人曰く「何もしていない」らしいし、俺もそれを真実だと思っているが。何もしていないのに『あんな声』を漏らしていたのは、それはもう恥ずかしいことだろう。
「あ……アッシュぅ……」
「そんな目で俺を見るな……!!」
ヤバいヤバい可愛い、いかん。これは不味い。だから服の裾を掴まないで欲しい上目遣いもやめてくれ。
やはり涙脆く、というか少々気弱になっているらしいオリアス。このまま彼女を眺め続けているのも悪くない――いや悪い。悪いので、隊舎の倉庫に向かって最小サイズの制服を持ってくる。
男物だが致し方あるまい。騎士団には男しか居ないし、女騎士は他所に流れるのだ。お陰でウチはいつも男世帯、むさ苦しい職場だ。
「オリアス。これを」
「アッシュぅ……!」
潤んだ目で此方を見上げてくる、男のはずの我が親友に着替え一式を渡し、部屋から出ておく。最小サイズでも今のオリアスには大きいだろうが、多少はマシな筈だ。
「…………」
ばたん、と音を立てて閉じたドアにもたれ掛かり、はあ、と溜息を吐く。俎上に上る、とまで高尚なことは言えないが、考えるのは無二の友……オリアスのこと。
白紫の少女が彼であることは、確かだろう。そして昨日の様子を鑑みるに、彼本来の肉体を操っているのが、本来の白紫の少女……ウィオラ。
彼女が何故それを暴露しなかったかは理解できる。この帝国では奴隷の身分も扱いも保障されているとはいえ、好き好んでその立場に戻りたいと思うものは居ないだろう。昨日の時点では、俺が『ウィオラ』を買っていた訳でもなし、例え入れ替わって男になっていたとしても、元の身体に戻りたくないと思うこともあろう。
で、あるならば。俺が彼女の所有者となり、憂いが断たれたのならば、手筈さえ整えば彼らの身体を元に戻すことにも前向きになるのではないか。
『……あの、アッシュ?』
取り留めもなくそんな思索を巡らせていると、控えめに扉をノックする音と、澄んだ鐘のように響く声。
着替え終わったか、と扉から退き、それを開き――
「ぐふッ」
「あ、アッシュぅー!?」
突然であるが。
俺たち騎士団の制服とは、内着である黒のシャツ・パンツの上にサーコートを合わせたシンプルなもので、場合によりそこにマントが追加される。戦時はサーコートだけを揃いの鎧の上に着せ替え、一糸乱れぬ戦列を築く。それは我らが誉れ高き騎士団の威容を示すものであり、我々の姿を視界に入れた敵は戦意を挫かれる、とすら聞く。
……翻って、今のオリアスだ。
渡したはずの黒の内着はサイズが――特に腰回りが――合わなかったらしく、丈の長いシャツだけを身に付けている。その上からサーコートを装備しているのだが。
「ど、どうした!? 頭の傷か!?」
「いや……心臓だ……」
「なんで!?」
黒のシャツは今のオリアスには長すぎて、太腿の半ばまでの丈になっており、最早ワンピースか何かのよう。黒色と、そこから伸びる白い肌のコントラストが目に嬉しい。
そしてその上のサーコート。腰回りをベルトで縛っているものの、彼女の腰のくびれにベルトを合わせ、真面目にきゅっと縛った結果……そこを基点として、バスト、ウェスト、ヒップのボディラインがはっきりと強調されてしまっている。胸元で思い切り引き伸ばされた騎士団の団章も心なし嬉しそうだ。おのれ。
おまけに隠しきれていない脚がサーコートのスリットの間から覗いており、ベルトで強調された腰回りと相まって最早美脚を強調したいようにしか見えない。
総じて――
「……外套だ」
「え? マント? 必要かな、だって……」
「取ってくるから、お前は、鏡でも、見ておけ……!」
――そこに居たのは、ちぐはぐになる筈の男服を何故かばっちりと――多少サイズが合っていないところまで含めて『それらしく』――着こなしてしまった可憐なる少女騎士。
まず間違いなく、騎士どもが見れば放っておかない程の美しさ。故に、この姿を他所に晒す訳にはいかない、と倉庫まで走り、大きめの外套を手に帰り。
「あっ……あ、あ、あっしゅぅ……」
俺の言う通りに素直に鏡で姿を確認したのだろう、顔を林檎の如く真っ赤に染めたオリアスに、俺は頭から外套を被せた。
しばらくして。
全身すっぽり外套に包ませ、フードまで被せた少女の身体を昨夜のように姫抱きにして、俺はとあるドアの前にいた。
打ち付けられたプレートに記された、『騎士団長室』の文字。他より豪奢かつ分厚い扉。そう、此処こそがこの隊舎で最も重要な場所であり……此処にはオリアスの――彼本来の身体と、少女ウィオラの魂がいる筈なのだ。
オリアスを床に降ろし、ドアをノックする。本来の『オリアス』ならばとっくに起きている時間だが、返事はない。
「……オリアス。オリアス、起きてはいないのか」
その名を呼びながらドアを叩く。背後で少女となった、本来のオリアスが肩を震わせる気配がする。
反応が遅い。苛立ち混じりにがん、と扉を叩きつけた時……その向こう側から、気配がする。のろのろとした足取りで、誰かがやってくる気配だ。
「オリアス、起きたか。俺だ、アッシュだ」
『……んん……え、アッシュ……?』
「……はぁ。副団長だ。頭は冴えているか、団長」
オリアスの、こんな間の抜けた声など聞いたことがない。俺とこいつが揃って団員の馬鹿どもに泥酔させられた――それを機に皆との仲も深まったが――『ボインナイト事件』でも、まだ『オリアス』はこれよりはマシであった……思い出したら腹が立ってきたが、脇に置いておこう。
戸惑いは俺もまた同じではあるが、背後のオリアスの感じるそれは一入だろう。然もありなん、自身の声が自分以外から発せられており、しかもそれが気の抜けきったものなのだから。
『ああ……だ、大丈夫、です』
「そうか。仕事だ、開けてくれ」
『え、こ、こんな時間から……ですか?』
「いつもそうだろう」
いかにも渋々、といった声音のままに、ゆっくりと扉が開かれる。現れたのは髪もぼさぼさ、目も半開きで、寝衣を着崩した『オリアス』の姿。
何度目か分からないほどの嘆息……を隠し、疑問符を浮かべる彼、あるいは彼女に問いかける。
「入るぞ」
「あ、はい。……えっと、その人は?」
胡乱げな視線が、外套とフードで全身を隠したオリアスに向く。隠し立てすることでもないし、無駄に引き伸ばす話でもない。
彼女には、さっさと降伏してもらおう。
「ああ。それは――お前の方が、よく知っているだろう。なあ、ウィオラ?」
ばさり、とフードを外しその顔……『ウィオラ』の顔を露わにするオリアス。対するウィオラは『オリアス』の顔を驚愕に染め、そして咄嗟に振り返り逃げ出そうとする。
当たりだ、我が友の身体を操っている者の名は『ウィオラ』。つまり、彼と彼女は互いの身体と魂が入れ替わっていることになる。
反応は悪くない。此処は一階、窓から逃げるのも悪くない選択だ。だが――ただ、遅すぎる。
「無駄だ」
駆け出そうとしたその背中に殺気をぶち当てる。途端、彼女は脚を縺れさせてその場に転倒した。
全身を打ち付けたのであろう、痛みに顔を顰める――が、それ以上に喉と胸元を押さえて顔を青くするウィオラ。情けない、オリアスであればこの程度の威圧など受け流せるものを。
怯えきった眼で此方を見上げる彼女を見下ろしながら、一歩、二歩と近付く。ひっ、かはっ、とひきつけを起こしたように、痙攣した呼吸を繰り返し、脂汗を流すその姿を見ているのは余りにも辛い。
一度気絶でもさせるべきか、と右手をその顔に伸ばそうとして――
「待って! 待て待ってくれアッシュ!! 死んじゃう!! 僕の身体が死んじゃうから!!」
「……む?」
べしん、と腰を思い切り叩かれて意識を逸らし、向けていた殺気を霧散させる。威圧から解き放たれたウィオラは全身を震わせ、オリアスに背を撫でられながら荒く呼吸を繰り返している。
「大丈夫。大丈夫だからね。彼も悪い男じゃないんだ。ただちょっと理解されにくいだけでね」
「ごめんなさい……ごめんなさい……でも何も……何も知らないんです……ごめんなさい……」
顔を青褪めさせる、どころか真っ白にして震えるウィオラと、その介抱をするオリアス。我が友はそうやって、かつての自分の身体の背を摩りながらこちらへじとり、とした視線を向けてくる。
「やりすぎだよ、アッシュ」
「……そうだろうか」
「当たり前だろう!? 君の威圧は僕でも気合を入れないと耐えられないし、一般団員ですら膝を折るだろう!!」
「……だが、お前の身体だぞ?」
「だから傷付けないように威圧したって? あのね、まだ物理的に止めてた方が被害は少なかったよ。多分」
はあ、と呆れ顔で溜息を吐くオリアス。
その顔……というより、表情には見覚えがある。だが、今の顔でその表情をされるのは、中々に新鮮だ。
「……この子が落ち着くまで、そこで立っててね。くれぐれも近寄らないこと。あと、水か何か持ってきて」
解せぬ。
ぴっ、と扉を指差す白紫の少女の姿は微笑ましいが、それはそれとして解せぬものは解せぬのだ。
「何故だ……!」
「今の君がこの子に近付いたら、落ち着くものも落ち着かないでしょ? 言っておくけど威圧、消し切れてないからね」
「む……」
反論の余地はない、らしい。
こうして俺は一時間ほど、待ち惚けを喰らう羽目になったのであった。
Tips:ボインナイト事件
戦勝の打ち上げで騎士団員たちに泥酔するほど酒を飲まされた上に、男子校のノリで好きな女の子のタイプをぶっちゃける流れに巻き込まれた副団長アッシュくんがやらかした事件。
「俺は胸が大きくて! 背がこのくらい(今のオリアスくんくらい)で! 胸が大きくて! 髪が柔らかくて! 胸が大きくて! 俺を怖がらない(切実)女の子が好きなんだよ……!!!!」
と、今の今まで無愛想・無口・無敵の三点揃った近寄りがたい副団長が食堂のど真ん中で絶叫。
団を笑いの渦に叩き込み、団員との距離がぐっと近くなり、おっぱい大好き騎士――ボインナイトの称号を得た。
翌朝、団員と団長オリアスくんは立てなくなるまでボコボコにされた。