終わらぬ夢とその結末 作:西去
昔々、ある森に抱かれた集落に力自慢の男がいました。
それはそれはいい男で純金を溶かして作ったような美しい金髪にまるで
その頃その集落ではとあるうわさがありました。
それは、“森の中には大きな鹿の姿をした神がいてその神を倒しその神を祀ると倒した者を王として永劫の繁栄が約束される”という物でした。
しかし、“森の中で神の様な鹿を見たという”いう者はいれどだえ一人として神と戦えたえた者は一人もいなかった。
男ととて野心もある。
男は森に入っていきました。
「ああ˝、くそ。いい感じに話の辻褄合わせが出来ん......。こんなんじゃ紙の無駄だ。」
昏い部屋の中、ランプで照らされた机の上で一人の少年...とは言っても15~14程の見た目だが...がペンを放り投げて叫ぶように言った。
と、部屋の扉が開き恐る恐ると言った様子で同じ位の年頃の少女が入っていた。
雪の様に白い肌。
純金の様な金髪に
まだ華奢ながら少し丸みを帯びた女性らしい見た目だが少年にも見える少女。
先ほど出て来た男の血族にして第十六代目の王の子。
この国の姫にして俺の弟子。
セリシア・エメラルド・ツァボラントリ。
「どうしたんですか?師匠?研究をしている様子でもないのに叫ぶなんて珍しいじゃないですか。」
「うん?あァ、姫さんですか?なァにちと辻褄が合わなくてイライラしてるだけっすよ。」
まぁ、あれだよ。所謂アルトリア顔ってやつなんだよな。
さてここで殆どの人は“あぁ、この人は所謂転生者か、前世の記憶持ちなんだろう”とでも思っているだろう因みに千里眼持ちというわけでもない。
「姫さんや、どうしたんだよはよく考えたらそのセリフはこっちのセリフだよ。」
「......。この教本のここの意味が分からなかったんです~。」
プイッという擬音が付きそうな感じで姫さんはそっぽを向きながら言った。
「あぁ、ここは覚えなくてもいいって言わなかったか?」
「いや、言わなかったか。」
「........。はぁ」
「じゃあこっちも?」
と聞いてきた。
「もちろんそっちは覚えろ。」
「え?こっちが分からないと、こっちの式の理解もできないんじゃないのですか?」
そんなことを抜かすので。
「いっつも言ってるがそもそも魔法に式は本来いらない、そんなものバカが考え出した哀れな文化だ。最初期の魔法はあくまで己が異能を制御する術の一つでしかなかった。」
「ここにもある通り、式と言うのは魔法の展開速度を上げるためだけのものにすぎぬし、
僕がそういいながら指先から炎を出しながら言う。
「それにお前が今魔法を学んでいるのはお前の場合はその異能の制御のためだろう?ならば、なおさら式を使うのをやめろ。」
「でっでも、感覚では分るけど、どうしても式の補正がないと発動しないんだもん。」
「ちッ、そんなんだから俺の話の十分の一も理解ができねえんだァ。」
「ひッ。」
「あァ、明日。練習場に来い。その腑抜けた思考をなおしてやる。そんな訳だから。夜もふけたしお休み。」
「?」
「また、明日~。」
今思うと当時の私は少々意固地になっていたと思う。
国を考えず自分なりに国民のためを考えていた。
そして無知にも歴代の王のみが継承している
そんなのだからその継承のために必要な技術を教えるためにやとわれる家庭教師のいう事は何一つとして聞いていなかった。
まぁ、先ほども言った通り無知だった私は私をどうしようも出来なかった教師たちがどうなっていたのかは一切しらなかった。
そして、私は“彼”と出会った。
私が彼を初めて見た時の感想は、
永劫の時間を歩んできたかのような白髪。
奈落の様に深く黒い左目に明らかにこちらが見えないようにかレンズの所にまで過度な装飾がなされた片眼鏡。
華奢で女の様だが少し角ばった体を黒一色で包み。
女顔で髪を後ろに伸ばしているので少女にも見えるが無表情なので台無しになっている。
そんな人が私を待っていた。
多分、私はその日、人生で初めて恐怖した。
彼は、一切の敬意を持たずに
「んで、この嬢ちゃんがその噂の無知が過ぎて白痴レベルってやつか?」
彼はそんな事を私をここまで連れて来た、貴族に聞きながら私をじろじろと嘗め回すように観察しながら言うと。
「今代の王に言ってやれ、“姫は才能は人外級だが、精神構造が魔法を使うのに最も向いていない人種だ”とでも伝えとけ。」
「そんなこと言わないでくださいよ....。どうにかしないと私が殺されてしまいます。私宮廷魔術師筆頭なんですからさ?どうにかお願いしますよ。なんでもしますから。」
「はっ、貴様ら今まで裏で、筆頭(笑)ッてたのにな。時の流れはすごいなァ?エクトラノスさんよォ?」
彼は貴族に対し、嘲笑を零しながら確認を取るかのように言葉を繰り返した。
「何でもって言ったな?言ったよな?姫さん言ってたよな?」
「え?.....はい、言っていました。」
突然、質問が飛んできて驚き少し、身構えながら言葉を返した。
「じゃあ。いいぜ。姫さんを指導してやるよ。」
「本当ですか‼‼‼‼」
貴族は小躍りしそうな勢いで言ったが彼の次の言葉で絶望の表情になった。
「ただし、お前は実験材料にさせてもらう。」
「「えっ?」」
「ちょうど、そろそろ人間が一人ぐらい欲しかったんだよ。それに最初の魔法使い達の血を継いだのなんかなかなかお目にかかれない代物だからな。」
彼は私たちの驚愕の声など気にしない様子で話し続けた。
「そんな。訳だから姫さん。こいつ貰ってくからな。」
「ほほかの者ではいけませんか。どうかどうかl@h@¥ygjhb」
「“
彼が恐らく魔法を使うと貴族の足元に底の見えない深い穴の様な物が現れあっという間に貴族を飲み込み消えていった。
「さて邪魔者も消えたし改めて自己紹介をしようか。
ニッコリとほほ笑む彼はまるで、底の見えぬ深淵の様だった。