サービス終了のお知らせの巨神   作:コウイチ@巨神と誓女一周忌用

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サービス終了の章

 『設定資料として送られてきた本はワープゲートだった』

 

 何をいっているのかわからんと思うが俺にもわからん。

 

 とうとう俺の頭はおかしくなったらしい。

 

 しかし、そんなことはどうでもよかった。

 

 

 

 

 ワープした先は巨大な図書館だった。

 

 『ハイランド女王国史』『フロギストン論考』『咒歌0617』……

 

 俺が知っているゲーム世界の、俺が知らないことが書かれた本が無限に収められている。

 

 この本が読めるなら俺の頭はおかしくなっても問題なかった。

 

 

 

 

 「このすばらしい資料の山を独り占めするのはもったいない」

 

 「同じゲームを愛した仲間たちにも教えなければ!」

 

 そこまで考えて急に心配になった。

 

 これは全て幻で他人に見せようとしたら消えてしまうのではないか。

 

 あるいは解釈違いという可能性もある。

 

 

 

 

 そうなると公開方法はひとつしか思いつかなかった。

 

 俺はゲートを通って自室に帰り、部屋から飛び出す。

 

 金を借り、人を雇い、7月21日、サービスを開始した。

 

 ゲームタイトルは『巨神と誓女』だ。

 

 図書館にある本をゲームとして公開することにした。

 

 

 

 

 素人のゲーム運営なのではじめは上手くいかなかった。

 

 キャラクターが無敵になるバグが起きたり、

 

 巨神のリジェネ効果が強すぎてプレイヤーが勝てなかったり。

 

 初のイベントである『大地探索 教導の巨神』ではユーザーに競争要素を入れたが反省点も多かった。

 

 ユーザーには半年もたないとかいわれた。

 

 

 

 

 バグは直したし、ユーザーから不満のでたシステムもできる限り直した。

 

 次に開催した『絹の塔 誓花の巨神』は成功だった。

 

 なにより図書館で見つけた物語はどれも最高だ。

 

 そのかいあって口コミで徐々にユーザーは増えていった。

 

 

 

 

 クリスマスイベントを終えて正月をこえて、システムのバランスの調整も行った。

 

 冬がすぎて春がきて一周年は目前。

 

 すべて順調だった。

 

 あの図書館から、最高のシナリオをいくらでももってくることができる。

 

 ゲームはいつまでも終わらずに続けることができる。

 

 

 

 

 4月の某日、一周年と夏イベントのシナリオを書くために俺は図書館へとワープした。

 

 あまりにも突然の出来事だった。

 

 図書館に本はなかった。

 

 無限にあった本が、一冊もなかった。

 

 意味がわからなかった。頭がどうにかなりそうだった。

 

 

 

 

 なぜ? どうして? いや、夏イベントはどうすればいい?

 

 ゲームは今後どうやって続ければいい?

 

 答えのない疑問が頭のなかをぐるぐるまわる。

 

 本のない図書館の中で、俺は茫然と立ち尽くすしかなかった。

 

 

 

 

 Fin.




サービス終了になってしまった原因はこうだったと思います。
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