ありふれたデスゲームの生き残りが世界最強 作:香織雫推し
もし、あなたは友達を殺さないといけない時どうする?
もしあなたは自分の恩師を、両親を、愛する人を殺さないといけない場合はどうする?
一緒に戦ってきた仲間を失ったらどうする?
10人で最初に始まった殺し合いはついに生きているのは俺だけになった。
「……はぁはぁ。」
目の前にあるのは血で真っ黒になった部屋と二つの死体。メガネをかけていた優等生な多分先輩だった人。そして俺の恨むべき愛する人を処刑した最後の一人だ。
そして俺の手には真っ黒な血で汚れていた狼のカードが握られていた。
「…大崎大牙くんは人狼でした。ゲームクリアです。大崎大牙くんには賞金10億円が与えられます。」
どこからか薄気味悪い音が聞こえる。そして目の前に落ちてくるアタッシュケース。
おそらく本当に10億円が入っている確信がある。だって今まで起こったことは、明らかに本当のことなんだから。
「…終わったのか?」
その答えは誰も答えはない。答えられる答えはない。それでもここであった殺し合いは忘れられない。
……殺さないと殺される。
そんな感情を胸に小さく息を吐く。
好きだった先生は1試合目の占い師だった。そして二日目に人狼に殺され死んでしまった。
自分の嫌いなDVで問題されていた父親は人狼だった。先生の最後の望みで俺が白だと占われ、守ってくれたおかげで最終日まで生き残り、そして俺自身で殺した。
そして好きだった由佳は、1試合目で噛まれそうな俺を守ってくれて、2試合目で人狼だとばれ、俺は守れずに市民陣営に処刑されてしまった。
目の前に10億が置かれるが何も感じないと思ったが思った以上に様々な感情が遅いかかってくる。ただの生き残った嬉しさ、鉄臭い血の匂い。もう何人も殺した罪悪感。
そして大事な人を失った喪失感。
「……っ。」
何も感じないと思っていた。もう自分には誰もいない。目の前にも元に戻っても。
嫌いだった親父も、好きだった人たちももういないのに
「ごめんね。」
誰に言ったのか分からない。でも殺した人たちなのか?守れなかった人たちなのか。
またこんなクソゲームを考えた運営なのか
「帰るか。」
重い足を引きづりながら俺は立ち上がる。
『ごめんね。生き残れなくて。大牙は生きて幸せになってね。』
「…生きてか。」
由佳に最後の自由行動、すれ違いざまに言われたことを思い出す。
生きるけど幸せにはなれない。
好きだった君はもういないのだから。
でも生きるよ。そう約束したのだから。
俺は小さく息を吐きアタッシュケースを拾う。
……さようならみんな。
俺は館の出口へと向かう。血だらけの服を着ながら俺は館の外へ向かうのであった。