大日本帝國召喚   作:もなもろ

100 / 362
感想欄の指摘を組み込んでみました。


東西新聞朝刊 2675(平成27・2015)年4月28日(火)

日豆漁業協定締結す

 トーパ王国、我が方の水産資源調達に大筋合意

(写真:合意修了後に握手する駐豆日本公使とトーパ王国外務卿)

 

 27日に在トーパ日本公使館で行われた、第4回日豆漁業協定交渉に於て、日本漁船団によるトーパ王国近海における水産資源の出漁に関する国際的な取り決めが大筋合意したことが外務省より発表された。近く、徳川外相が訪豆し、正式な漁業協定調印が行われる見込みだ。

 新世界転移後、帝國政府・農務省は、全国の遠洋漁業関係者に対して、海域の安全が確認されるまでの間及び周辺の統治主体との間に平和的な漁業協定が締結されるまでの間の操業停止を命令した。樺太道・北海道の漁業関係者に対しては、ロシア帝国との間の漁業協定が当然に失効したために、ロシア帝国経済水域で実施されていた北洋漁業も無期限停止となった。

 新世界転移後にトーパ王国と接触し、平和的に国交樹立が図られるのと同時に日豆両国間で暫定漁業協定の締結が図られたが、日本側が希望する漁獲量は、転移前の漁獲量を基準としており、年間9万トンと、トーパ王国の予想するそれを大きく上回っていた。暫定漁業協定は試験操業のみを許可し、正式な協定締結までの間に日豆間の調整を行うことで合意した。試験操業は、樺太道・北海道の農政部が操業希望者を募り、農務省において抽選を行うことで、事業者を決定した。試験操業は、半月単位の免許制で行われることとなり、3月15日には第一次の試験操業が実施された。

 一回の試験操業期の上限漁獲量は1500トンに抑えられており、操業事業者枠は10枠とされた。ただし、日魯水産(株)、北洋水産(株)の北洋漁業の大手に対しては、雇用の維持も図るためにそれぞれに2枠が割りあてられており、それ以外の6枠を二道内の漁業関係者で割り当てられた形となった。

 北洋漁業の全面的解禁を望む、漁業関係者の声もあり、政府・外務省はトーパ王国側と予備交渉、事務レベル協議を重ねてきたが、今般漁業協定の大筋合意が図られたとのことであった。

 外務省消息筋の説明によれば、トーパとの間に仮合意された漁業協定とその付属議定書に定められた漁獲量は、6万トン規模と転移前からすれば減少したが、付属議定書の更新については含みを持たせたものとなっている。農務省とも協議の上、更なる許可量増大に向けての取り組みは継続していると述べた。

 漁業協定の枠組みとしては、日本漁船が、トーパ王国近海で操業する場合においては、トーパ王国が発行する漁業許可証の携帯が必要であると定められており、漁船には国籍を識別する標章を掲げる必要がある。同時に、トーパ王国側からの指示を受けるため、魔信設備を日本漁船には搭載する必要を定めている。

 今回の漁業協定における日本側の最大の問題点がこの魔信設備導入であろう。トーパ王国側に無線設備が存在しない以上、日本側が魔信設備を導入することにより、トーパ王国側と連絡を取る体制を構築する以外に連絡手段がない。帝国政府は、魔信設備を安価で導入することができるよう漁業関係者へ補助金を給付する勅令案を検討中とのことで、早期の成立が期待されている。

 同時に日本側に有利になる条項も設けられており、それが日本船員に対する身体拘束の制限条項である。トーパ王国官憲は、日本漁船が漁業協定に違反すると思慮される事態に遭遇した際は、日本公使館もしくは日本領事館に連絡を取り、日本政府人員の同席を待って、日本漁船に対する立入検査及び船員の取調べを行う必要があると定めている。ただし、この条項は、日本漁船がトーパ官憲から取調べの通告を受けた時点で、機関停止し、同海域にて待機する必要性を充足する必要があるとも規定しているため、その規則の周知義務を日本側に課していることに留意する必要はある。

 

 

――――――

アルタラス原産魔石の密輸入の疑いで都内在住の男性逮捕

 都内在住、自称魔石研修者宅にも捜索差押

 

 東京地方裁判所検事局は、27日、アルタラス産魔石を密輸入した疑いで、東京都内在住の45歳の男性を現行犯逮捕したことを公表した。一定の純度の魔石の保有保管には、乙種第七類危険物取扱者の認定を必要とし、その取引には外国為替及外国貿易法における輸入業者としての届出を必要とする。男性は、このいずれの資格も取得しておらず、転売目的で購入した嫌疑を受けており、現在、警視庁刑事部捜査二課にて取調べを受けている。

 検事局の発表によれば、男性は今月23日から27日までの間クワ・トイネ公国に旅行した際に現地の商人から魔石の買取を行ったものとされており、この買い取った魔石を都内のある研究者に売却する予定があったと供述している。この供述を受けて、警視庁は、都内在住の55歳の自称魔石研究者宅に向かい、任意での事情聴取を行おうとしたが、研究者はこれを拒否したため、検事局は東京地方裁判所の予審判事に捜索押収の処分請求を行い、予審判事は即日処分の令状を発布した。

 研究者の男性は乙種第七類危険物取扱者の認定を受けており、自宅からは、保有保管が制限されている高純度のアルタラス産魔石が発見・押収された。男性が、保有保管するのは法令上違法性はないものの、その入手経路について質問した警視庁当局からの質問に対して、返答を明らかにしておらず、警視庁は任意での事情聴取を継続し、慎重な調べを継続している。

 高純度の魔石は取扱が難しく、爆発の危険性も指摘されているため、危険物取扱者資格を必要としており、魔石は乙種第七類の指定を受けている。

 

 

――――――

訂正記事とお詫び

 

先日発行の朝刊紙面におきまして帝國海軍艦船の武装を「20mm機関砲」と記述しましたが、正しくは、「20mm機銃」の誤りであったことが判明いたしました。訂正してお詫び申し上げます。東西新聞編集部では、記事の内容につきまして、今一度チェック体制を見直し、読者の皆様に渡る記事の正確性の向上に努めていくことをお約束いたします。

編集部

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。