大日本帝國召喚   作:もなもろ

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テレビ東西情報番組 午後も元気に!! 2675(平成27・2015)年2月2日午後0時

2月2日、本日も「午後を元気に!!」始まりました。司会の矢澤光喜です。

 

アシスタントの田中姫子です。今日の情報ラインナップは、こちらです。

 

・徳川外相帰国。今後の外交活動の方針は。

・帝国議会の再開決定か。予算委員会審議の行方を占う。

・大本営満洲派遣軍建制を正式決定。二個師団規模の見込み。

・経済安定臨時給付金の概要定まる。

・大相撲春場所、予定通り開催するか審議。

・日本職業野球連盟、本日予定通りキャンプイン。

・中央競馬、フェブラリーステークスは22日予定通り施行

 

(矢澤)本日のコメンテーターの方々はこちらの方々です。

 

「(テロップ)

政治評論家 竹本萬斎

 

経済アナリスト 山井善治

 

東西新聞論説委員 吉井咲子

 

東京帝國大学法学部教授(国際法) 李甚太郎

 

タレント 武田純一

 

元プロ野球選手(東京帝都巨人軍一塁手) 大澤大二郎

 

(矢澤)本日初めのニュースはまずこちら。

 

(田中)はい、昨日クワ・トイネ公国へ会談に向かった徳川外相が、同日中に会談を終え、夜九時陸軍航空隊の輸送機で羽田空港に到着しました。その後外務省に戻った大臣は、玄関ロビーで待ち構える報道陣の囲み取材に応じました。

 

(矢澤)そのときの映像がこちらです。

 

(映像切り替わる)

 

--大臣、外遊お疲れ様でした。外交交渉の手ごたえのほうはいかがでしたでしょうか。

 

(徳川)うん、手応えねえ。まあ、相手国は我が国との国交樹立について前向きに考えてくれているとは思うよ。うん。まあ、詳しくはだ、総理に報告してからだね。

 

--大臣、相手国の首脳はどのような方でしたか。

 

(徳川)そうだねえ、もともと話には聞いていたことだけどね、日本語が通じるので、他国の人間と話しているという感覚はなかったよ。人柄は温厚だね。決して話ができない相手ということではない。

 

--侯爵、こちらの調査では、この世界の文明レベルは相当に低い、中世世界のようだとの話がありますが、そのあたりはいかがでしょうか。

 

(徳川)まだ、情報を精査していない段階だからね。詳しくはいえない。ただ、この世界はもといた世界とは違うということは諸君ももう理解していることとは思う。

 

--そのあたりは、国会答弁で明らかになさるのですか。

 

(徳川)それも総理と相談の上だよ。

 

(秘書官)総理への報告がありますので、すみません、この辺で。

 

(徳川外相歩き出す)

 

(映像、スタジオに切り替わる)

 

(矢澤)いや、しかし、一日で行って戻ってくるというのは、相当な強行スケジュールですね武田さん。

 

(武田)いや、すごいですよ。東京から台湾南部まで空軍の輸送機で飛んで、そこからはヘリを乗り継いで、クワ・トイネ公国でしたか、そこまで行って戻ってくるというのですから、外相よりも若い42歳の僕でも体がきついですね。

 

(矢澤)新世界の状況について、まだ詳しいことがよくわかってないようですが、李先生、考えられる状況としてはどのようなものがあるでしょうか。

 

(李)いや、難しい質問ですね。漏れ聞く話を総合すると、複数の国家があり、その国はある程度の文明を持ち、相互に交流があるというところまでは、今わかっている情報のようですから、これを考えると、何らかの国際的な規範というのはないとおかしいとは思います。それが、どのようなものかと言われれば、文明のレベルが中世であることを考えると、地球の常識に当てはめると、力のある国が力のない国を従える、植民地や属国といった存在があることはまあ、間違いないとは思いますがねえ。

 

(吉井)我が国の中世、戦国時代でも力の強い大名が国人領主を従えていた時代がありましたものね。そういう関係性があると考えた方が自然ではないかと思います。

 

(矢澤)なるほど。たしかにそう考えた方が自然ですね。しかし、そうすると、自然とそういうことが理解できるというのに、この辺りの情報が政府から発表がないというのはどうとらえたらいいのでしょうか。竹本さん。

 

(竹本)私が東西新聞で政治記者をしていたころですが、当時外務政務次官であった、侯爵とお話したことがあります。昔から外務大臣のポストだけは、政友会の時代も民政党の時代も貴族院の三葵会(サンキカイ)が独占しているポストなのですが、この関係で、政務次官も副大臣も三葵会の関係者が就任することが多いのです。政務次官になる少し前に先代の尾張候から家督相続を受けて、義輝氏が侯爵位を相続されたので、ゆくゆくは大臣と考えられていたのですが、外交の要諦とは何かと私が質問したことに対して、侯爵は口が重いことだと答えられたのです。これは何も秘密主義という話ではなくて、外交とは相手のある話ですので、相手国の状況も考慮に入れたうえで話をしないといけないという話なんです。根回しもしないうちに話が漏れてしまうと話がダメになってしまう、口の軽い奴には外交の仕事はできないとおっしゃられたわけです。私は、新聞記者ですので、とにかく情報を集めないといけないわけですから、侯爵に話を聞きに行ったりするのですが、きわどいところになるとなかなか話してもらえない。侯爵だけではなくて、三葵会の会派の議員は特に情報を漏らすことが本当にないので苦労しました。

 

(矢澤)なるほど、ということは、この世界の常識というのには、まだ何か表に出せない事情があるとこういうわけですか?

 

(竹本)それが何なのかはわかりませんが、おそらく表に出すとまずい情報があるのではないかと思います。

 

(矢澤)そのあたりは、国会で話されることはありうるのでしょうか。

 

(竹本)うーん。そのあたりは総理の判断になるのかなとは思いますが。

 

(山井)経済に関することは積極的に情報開示していただかなくては困ります。東証の株価も値下がりの状況が続いており、輸出入にかかわる関連企業の業績が不透明すぎます。好転的な材料でもそうでない情報でも開示されなくては、投資家の動きが定まりません。

 

(大澤)私も持っている株を手放して、金でも買おうかどうか迷っている次第です。判断材料がないというのは痛いですね。

 

(矢澤)そのあたりも含めて通常会再開というわけですが、田中さん。

 

(田中)はい、次のニュースです。帝國政府は停会していた議会を再会し、来年度予算審議を再開することで閣議決定を行い、近く上奏する方針を固めたことが政府関係者への取材で明らかとなりました。近く、内閣書記官長が会見を行う予定となっているとのことです。

 

(矢澤)この件でも一荒れ、二荒れきそうですが、吉井さん。

 

(吉井)はい、再会された議会では、先ごろに発布された輸入食料品目等臨時統制令の審議が最優先で行われます。民政党関係者への取材によると、議会閉会中ではない、停会中の緊急勅令の発布は違憲・非立憲だとして、民政党では、予算委員会で徹底抗戦する構えを見せているとのことです。

 

(武田)でも、食料事情は未だ改善されていないじゃないですか?そりゃあ、生活は苦しいですが、先行きの不安を思えば、強制的にでも節約する必要があったんじゃないですか?

 

(矢澤)法的な見解としてはどうでしょうか教授。

 

(李)法的な見解からすると帝國憲法第八条においては、緊急勅令は議会閉会の場合に発布されるものとされており、停会の場合は含まれないと解されますが、これは緊急性の必要があることが前提であることから、当時の状況を鑑みれば、緊急性の条件は充足されており、閉会という言葉の意味には、停会という場合も含めるに差し支えないという言い方もできます。かといって、緊急勅令は議会の天皇に対する立法協賛権を排除して定められるものでもありますから、その性格は抑制的であるべきともとらえられます。民政党の見解が正しいとも言えませんが、一方的に間違っているとも言い難いところですな。

 

(大澤)しかし、先生。これは、法廷の場で争うものでは、議会という政治の場で論じられるものですよね。法律論はさておき、我々の生活、食うものがどうなるかわからない時期のことでしたし、政府を責めるは間違っているのでは?

 

(竹本)それが政治ですから(苦笑)

 

(大澤)ううん。僕は納得いかないなあ。まだまだ非常時は終わってないでしょう。そんなことに時間を使うより、もっと大事なことがあるような気がするのですが。

 

(武田)僕もそう思います。なんか政治家ってのはどうでもいいことで争ってばかりだと思うんですよねえ。

 

(矢澤)ま、まその辺でその辺で。さて、CMをはさみまして、次からは満洲派遣軍の動員について話を見ていくとしましょう。

 

(CMに入る)

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