そして、日本の撤兵ムードを作ろうとしています。
平成二十七年事件従軍記章令制定
忠勇無双の陸海将兵を顕彰
枢密院は昨日七月一日午前開議の枢密院本会議において内閣提出案件、「平成二十七年事件従軍記章令案」を内閣原案の通りに執行すべしとの枢密院審査報告書を全会一致で可決した。これを受けて、山上内閣は臨時閣議を開き、同勅令の裁可を上奏し、同日夕刻には公布手続を施行した。
従軍記章は、明治八年太政官布告第五十四號において「將卒ノ別ナク軍功ノ有無ヲ論セス凱旋ノ後從軍セシ徴ニ之ヲ賜フ」ものとされており、荒池内閣書記官長は、昨一日夕刻の記者会見で、政府は新世界転移という未曽有の事態が発生した後に出征した陸海軍将兵を慰労する意図を以てこの従軍記章を制定したことを明らかにした。カルーネス休戦協定の締結は、事実上の対朗講和条約の締結を意味するものであり、講和条約が発効されれば、順次出征部隊の凱旋が行われることとなる。
今回発行される記章は、表面に皇室の御紋章である菊花紋を上部に配置し、その下側に羽を大きく広げる鵄の姿を表現する。いうまでもないことであるが、鵄は、日本書紀、神武東征の逸話にある神武天皇の弓に止まったとされている瑞鳥である。神威を体現する常勝不敗の帝國陸海軍にふさわしきデザインと言えよう。また裏面には、今回共に戦った同盟四か国の国旗や王室旗を描いており、同盟四か国の堅い紐帯を示している。記章を胸に付ける綬の配色もこれを表しており、日章旗の赤色、満洲国の黄色、緑多きクワ・トイネは薄緑色、工業資源の多いクイラには濃青色とそれぞれの国をイメージした色が使用されている。
従軍記章は原則として、我が陸海軍軍人が授与対象となるが、我が軍の許可を得て従軍した者も授与対象となることから、4月26日のマイハーク沖海戦に観戦武官として従軍した、クワ・トイネ公国陸軍のマキスイ・ハンキ大将閣下やトーマス・ブルーアイ海軍大佐も授与対象となる。既にクワ・トイネ公爵やクイラ国王には国交樹立後に我が国の大勲位菊花章頸飾が贈られており、クワ・トイネ公国カナタ首相やクイラ王国アスアド・フラート・アル=バータジー首相にも勲一等旭日桐花大綬章が贈られるなど新世界に於ける外国人受勲は行われているが、今回の従軍記章の授与で外国人に対する栄典の授与が進んだ形となった。
(紙面末尾に該当法令を官報から転載)
<政治コラム 諸事雑感>
水交社理事長、政府発表に困惑か
財団法人水交社は、退役者も含む海軍士官や海軍士官候補生などからなる海軍軍人の福利厚生を扱う海軍の外郭団体である。陸軍には偕行社、陸航空軍には翔鷲社というような類似の団体があるが、彼らは、現役軍人が政治にかかわることを許されていないことの代わりに軍の意思を外部に表明するための隠れ蓑的な機関であったりすることもある。
その水交社が昨日の内閣書記官長の発表に困惑している。竹部退役海軍中将の名義のSNSアカウントで、昨日の政府発表について疑義の書き込みが見られた。開戦宣言を発するなどして、正規の宣戦布告を行った戦争にもかかわらず、政府発表は「事件」のままで、従軍記章も「事件」として扱うままである。なぜ、平成二十七年戦役と記載をしないのだろうかと。
このネットへの書き込みは数時間後に削除され、現在では確認ができない。報道各社から水交社総務部への取材に対しては、理事長の個人アカウントのつぶやきに対して、水交社はコメントしかねるとの返答であり、昨今の政府と海軍との関係悪化がこんなところにも波及しているのかと思うと今後の政軍関係は危ういと言わねばならないと思う次第だ。
(官報より該当記事を転載)
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朕樞密顧問ノ諮詢ヲ経テ平成二十七年事件従軍記章令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
平成二十七年七月一日
内閣総理大臣 山上誠一
勅令第百八十七號
平成二十七年事件従軍記章令
第一條 平成二十七年事件記念ノ表章トシテ特ニ従軍記章ヲ設ク
第二條 従軍記章ノ図式左ノ如シ
章 青銅円形径三糎トシ表面ニ菊御紋、背光及上代ノ盾ニ止マリタル鵄ノ図ヲ鋳出シ、裏面左上部ニ日章旗、右上部ニ五色旗、左下部ニ鍬途稲公国旗及右下部ニ杭羅王室旗ノ図ヲ鋳出シ、中央縦書ニテ平成二十七年事件ノ八字ヲ識ス
飾版 青銅トシ表面ニ従軍記章ノ四字ヲ識ス
鈕 青銅トシ表面及裏面ニ日陰蔓ノ図ヲ鋳出ス
綬 織地幅三糎六粍トシ中央濃紅色、其ノ左右内側ヨリ各黄色、薄緑色、濃青色トス
従軍記章ハ綬ヲ用ヒテ左肋ニ佩フ
第三條 従軍記章ハ左ノ各号ノ一ニ該当スル者ニ之ヲ授与ス
一 事件地ニ在リテ軍務ニ従事ニ又ハ軍事ニ関スル特別ノ任務ヲ受ケテ事件地ニ往復シタル陸海軍軍人軍属及文官
二 事件地ニ臨マザルモ動員部隊若ハ事件ノ為臨時編成シタル部隊ニ編入セラレ又ハ事件ニ関スル軍務ニ従事シタル陸海軍軍人軍属
三 事件ニ関スル軍務ニ従事シタル陸海軍官用船舶、航空機、鉄道又ハ車両ノ乗組船員、飛行士又ハ運転手
四 陸海軍官憲ノ監督ヲ受ケ事件ニ関スル傷病者ノ救護ニ従事シタル者
第四條 事件ニ関スル軍務ヲ幇助シ特ニ功績アル者又ハ許可ヲ得テ従軍シタル者ニハ特ニ従軍記章ヲ授与スルコトアルベシ
第五條 禁錮以上ノ刑ニ処セラレタル者ニハ従軍記章ヲ授与セス但シ刑ノ執行ヲ猶予セラレタル者及陸軍刑法又ハ海軍刑法ニ依リ一年未満ノ禁錮ノ刑ニ処セラレタル者ニハ其ノ情状ニ依リ之ヲ授与スルコトアルベシ
第六條 懲戒ノ裁判又ハ処分ニ依リ免官又ハ免職セラレタル者ニハ従軍記章ヲ授与セス但シ其ノ情状ニ依リ之ヲ授与スルコトアルベシ
第七條 前二條ノ規定ハ処刑、免官又ハ免職ノ後第三條又ハ第四條ノ規定ニ該当スル者ニ付テハ之ヲ適用セズ
第八條 従軍記章ヲ授与セラルベキ者ニ対シテハ其ノ授与前死亡シタルトキト雖仍之ヲ授与ス
第九條 従軍記章ハ本人ニ限リ終身之ヲ佩用シ遺族之ヲ保存スルコトヲ許ス
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
(従軍記章ノ図 略)
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閣令第二十三號
平成二十七年事件従軍記章授与規程左ノ通定ム
平成二十七年七月一日
内閣総理大臣 山上誠一
平成二十七年事件従軍記章授与規程
第一條 平成二十七年事件従軍記章令第三條又ハ第四條ノ規定ニ依リ従軍記章ヲ授与セラルベキ者ノ名簿ハ兵部大臣之ヲ賞勲局総裁ニ移牒スベシ
第二條 従軍記章ヲ授与セラルベキ者ノ名簿ハ行賞ヲ受クル者ニ付テハ其ノ行賞ノ日、其ノ他ノ者ニ付テハ賞勲局総裁ノ指定スル日ノ現在ノ官位勲功爵氏名ニ依リ之ヲ調製スベシ
第三條 従軍記章及其ノ証状ハ名簿移牒官庁ヲ経テ各本人ニ伝達スルモノトス
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