大日本帝國召喚   作:もなもろ

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捕虜解放の報は帝国全土に知らせられ、捕虜は速やかに送り返されることとなりました。でも、帰還者は全員ではないんですよねえ・・・。理由は何だと思います??


東西新聞朝刊 2675(平成27・2015)年7月26日(日)

ロウリア人捕虜送還記念式典、各地で挙行

(写真:台東俘虜収容所送還記念式典で握手する捕虜達と現地住民達の様子)

 

 今月24日、ロウリア王国政府は同国人捕虜の宣誓解放規則遵守の声明を発し、その事実は魔信を傍受したクワ・トイネ公国政府から外務省へと速やかに知らせられた。外務省は直ちに政府及び大本営に通報し、帝国政府は兵部省を通じて全国に設けられた捕虜収容所に通知し、捕虜移送の手続きが始まった。翌25日には、全国各地の捕虜収容所で捕虜の送還記念式典が挙行された。

 日本国内には、今次の戦争による3箇所の「俘虜収容所」と16の収容分所が設けられた。俘虜収容所は、台東第二十五師団歩兵第七十一聯隊本部内、那覇第一旅団歩兵第八十三聯隊本部内、熊本第六師団歩兵第四十五聯隊本部内に設置され、それぞれ台東歩兵第七十一聯隊長・黄六輔陸軍大佐、那覇第八十三聯隊長・浦地雄介陸軍大佐、鹿児島歩兵第四十五聯隊長・下河内紀子陸軍大佐の三名が俘虜収容所所長を兼任した。

 これら三か所の俘虜収容所を本部として更に収容分所を設けて、捕虜を収容している。これによれば、帝國の捕虜収容総数は3512名となっており、今回の宣誓解放によりロウリア王国に送還される捕虜は1932名に上る。一方で、宣誓解放の条件である、職業軍人ではないと認められる者は、2885名となっており、950名もの捕虜が宣誓を行っていないことが、兵部省俘虜情報局の集計で明らかとなっている。(各収容所・収容分所の詳細は末尾資料を参照)

 これについて、俘虜情報局長官陸軍少将大島幸雄閣下は、「捕虜の中には、文字が読めないものが多く、宣誓についてかみ砕いて説明することの難しい状況が続いていると報告を受けている。ロウリア人捕虜を一日も早く故郷に戻してあげられるよう、引き続き、関係各所の協力を得て、宣誓文書への署名を促していきたい」と述べた。

 25日の正午から各地の収容所、収容分所では、帰還する捕虜に対する送還式が行われた。各所では所長の挨拶に始まり、当該収容所内の最も階級が高い者からの捕虜解放に対するお礼の言葉に続き、解放捕虜の最上位の者からの代表宣誓、駐屯地所属自治体関係者の挨拶、駐屯地近隣住民からのねぎらいの声掛けへがおこなわれた。

 都市部以外の収容所では、捕虜は近隣耕作地での農作業の補助も行っていた。小規模での交代制の捕虜使役ではあったが、近隣住民は捕虜との交流を楽しんだと言えるだろう。都市部の収容所では、捕虜向けの算盤の講習会が開かれたり、街の清掃業務の委託が行われたりと地方の収容所と比較すれば、近隣住民との交流の機会はそれほどまで多くはなかったようではある。だが、都市部の住民であっても地方の住民であっても、彼らを敵視するような言動を行うものはおらず、文明的な対応ができていたということは、数々の捕虜からの証言で明らかになっている。

 東西新聞社会部取材班は、徳之島俘虜収容分所に収容中のある捕虜と近隣住民との交流を取材した。取材地域が駐屯地付近の為、軍機保護法及び新聞紙法により陸軍の認可を以て紙面に掲載するつもりである。

 

 

―――――

【帝国内収容ロウリア人捕虜の状況】

①収容所・収容分所名(管轄)

②収容所所長・収容分所所長

③所在地

④収容人数

⑤宣誓解放資格保持者

⑥宣誓解放規則に同意し宣誓した者

 ―――――

①台東俘虜収容所

②台東歩兵第七十一聯隊長

③台東県台東市・陸軍台東駐屯地内

④245

⑤189

⑥141

①高雄俘虜収容分所(台東俘虜収容所管轄)

②高雄鎮守府陸戦隊長

③高雄県高雄市・海軍高雄鎮守府陸戦隊駐屯地内

④273

⑤219

⑥101

①台南俘虜収容分所(台東俘虜収容所管轄)

②台南歩兵第六十七聯隊長

③台南県台南市・陸軍台南駐屯地内

④234

⑤191

⑥114

①嘉義俘虜収容分所(台東俘虜収容所管轄)

②嘉義高射二十五聯隊長

③台南県嘉義市・陸軍嘉義駐屯地内

④223

⑤169

⑥103

①東港俘虜収容分所(台東俘虜収容所管轄)

②屏東歩兵第七十二聯隊長

③高雄県東港町・海軍高雄鎮守府陸戦隊東港分隊駐屯地内

④264

⑤219

⑥154

①台中俘虜収容分所(台東俘虜収容所管轄)

②台中歩兵第七十聯隊長

③台中県台中市・陸軍台中駐屯地内

④211

⑤174

⑥124

 

①台東俘虜収容所管内合計

④1450

⑤1161

⑥737

 ―――――

①那覇俘虜収容所

②那覇歩兵第八十三聯隊長

③沖縄県那覇市・陸軍那覇駐屯地内

④265

⑤216

⑥185

①宮古俘虜収容分所(那覇俘虜収容所管轄)

②第一旅団宮古警備隊長

③沖縄県宮古島市・陸軍宮古島駐屯地内

④99

⑤87

⑥45

①石垣俘虜収容分所(那覇俘虜収容所管轄)

②第一旅団八重山警備隊長

③沖縄県石垣市・陸軍石垣駐屯地内

④95

⑤82

⑥42

①名護俘虜収容分所(那覇俘虜収容所管轄)

②第一旅団名護戦車第一大隊長

③沖縄県名護市・陸軍名護駐屯地内

④78

⑤69

⑥45

①嘉手納俘虜収容分所(那覇俘虜収容所管轄)

②嘉手納飛行第三十四戦隊長

③沖縄県嘉手納町・陸軍航空隊嘉手納駐屯地内

④221

⑤198

⑥154

①うるま俘虜収容分所(那覇俘虜収容所管轄)

②第一旅団うるま工兵第一大隊長

③沖縄県うるま市・陸軍うるま駐屯地内

④178

⑤154

⑥87

 

①那覇俘虜収容所管内合計

④936

⑤806

⑥558

 ―――――

①鹿児島俘虜収容所

②鹿児島歩兵第四十五聯隊長

③鹿児島県鹿児島市・陸軍鹿児島駐屯地内

④223

⑤164

⑥114

①都城俘虜収容分所(鹿児島俘虜収容所管轄)

②都城歩兵第二十三聯隊長

③宮崎県都城市・陸軍都城駐屯地内

④201

⑤155

⑥103

①奄美俘虜収容分所(鹿児島俘虜収容所管轄)

②第六師団奄美警備隊長

③鹿児島県奄美市・陸軍奄美駐屯地内

④97

⑤84

⑥54

①種子島俘虜収容分所(鹿児島俘虜収容所管轄)

②第六師団大隅警備隊長

③鹿児島県西之表市・陸軍種子島駐屯地内

④98

⑤85

⑥52

①徳之島俘虜収容分所(鹿児島俘虜収容所管轄)

②第六師団奄美警備隊徳之島分隊長

③鹿児島県徳之島町・陸軍徳之島駐屯分地内

④92

⑤79

⑥56

①知覧俘虜収容分所(鹿児島俘虜収容所管轄)

②知覧飛行第六聯隊長

③鹿児島県南九州市・陸軍知覧駐屯地内

④174

⑤154

⑥104

①宮崎俘虜収容分所(鹿児島俘虜収容所管轄)

②宮崎高射第六聯隊長

③宮崎県宮崎市・陸軍宮崎駐屯地内

④241

⑤197

⑥154

 

①鹿児島俘虜収容所管内合計

④1126

⑤918

⑥637

 ―――――

 

①帝国内収容捕虜数合計

④3512

⑤2885

⑥1932

 ―――――

(出展:兵部省俘虜情報局平成27年7月25日報道発表資料より抜粋)

 

 

―――――

休戦協定延長へ

 

 24日正午より行われた、フランチェスコ・マオス、ロウリア王国宰相による、同盟四か国が拘束している捕虜が解放された場合に於てその身柄を再び軍籍への編入を行わないという宣言は、きわめて強力な出力の魔信によって、ロデニウス大陸はおろか遠くトーパ王国に於いても感知されたことが分かっている。このような広域魔信を行う為には高純度の魔石を必要とするらしく、今回は講和会議仲介国のアルタラス王国から提供された魔石が使用された。

 当初は相応の対価とともに魔石の提供が行われる予定であった。しかし、敗戦による経済的な混乱が発生しつつあるとされているロウリア王国に於いては、その魔石購入費用も高負担のものとなっている。魔石の購入費用をめぐり、ロウリア側とアルタラスの貿易当局との間で交渉が行われていたが、アルタラス王国の第一王女ルミエス殿下によって、同盟四カ国がカルーネス休戦協定の無条件での延長を承認してもらえれば、アルタラス王国はロウリア王国に対して、魔石の購入費用の大半を割引き、後日の支払いとすることに合意し、購入費用の保証人として自身が名乗り出るということを、同盟四か国に申しいれた。

 在アルタラスの全権団は緊急会合を開き、これを了承する旨の回答をアルタラス当局に行った。これにより、カルーネス休戦協定の第二項に定めた7月28日までの協定有効期限は延長され、明日にもル・ブリアスにおいて、カルーネス休戦協定追加議定書が調印される見込みとなった。

 どの程度の期間延長されるのか、詳細は未だ公表されていないが、野党民政党は、「ロウリア王国は敗戦国としての自覚が足りないのではないか。簡単に休戦期間を延長することを認めていては、我々は舐められはしないだろうか。外交当局には、そのあたりについて考慮願いたい。」との山井政調会長談話を発表した。

 一方で駐日クイラ王国公使のターミル・バフール閣下は、「戦争が早期に終結しなかったのは残念ではありますが、戦争が再開されなったというのは重畳であると思います。クイラ王国は、友好国である日本国及び満洲国の精鋭なる軍人書士が、父母兄弟や妻子の下に戻れる日が一日も早くなるよう願ってやみません。」とコメントを発した。

 

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フェン王国にて通信障害発生

 稲葉日本電電総裁「原因は究明中」

 

 昨24日から25日にかけて、フェン王国西部の都市ニシノミヤコ周辺で大規模な通信障害が発生した。稲葉博興日本電信電話公社総裁は、この件に関して、現在原因は究明中であるとのコメントを発した。

 24日午後1時頃より、ニシノミヤコ近辺に滞在していた者と帝国内に居住する者との無線による連絡が遮断される事態が発生した。フェン王国首都アマノキにおいても、電波の乱れが発生し、通信が不安定となる事態が発生した。アマノキの日本電電フェン支局と電電本社との通信も不安定な状態が続き、会話が途切れ途切れになる事態が発生した。この事態は、翌25日の午前11時頃まで続いた。

 稲葉博興日本電信電話公社総裁は、逓信省に招集を受け、原因の究明と対処を指示されたことを記者団に告げ、現在原因の究明を急いでいる。詳細は発表できる段階になったら発表するとコメントを発した。

 なお、同様の通信障害は満洲電電公社とフェン王国との通信でも確認されているほか、満洲国内南西部において無線通信に不具合が生じていたことが確認されている。

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