大日本帝國召喚   作:もなもろ

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裏方の戦いです。会津松平家は史実では徳川の忠臣として戊辰戦争を戦いました。となると、何のための会見か・・・。
久々にアンケート取ります。


アルタラス王国王都ル・ブリアス アルタラス外務局 中央暦1639年8月9日(日) / 立憲民政党福島県連内部文書

アルタラス王国王都ル・ブリアス アルタラス外務局

 

「その箇所は、他の正文では「以下の」となっておりますが、「左の」と翻訳をお願いします。」

 

 アルタラス王国の外務局は、連日に渡って条約正文の作成と翻訳の作業に追われていた。外務局の大会議室には各種の機材が迎賓館から運び込まれ、手の空いた外務局員と、日本国、満洲国、クワ・トイネ公国、クイラ王国、ロウリア王国の随行員も協力し、議事録の確認と文章化の作業を行っていた。

 この条約の正文は、第三文明圏公用語、日本語、協和語の三言語で作成されることとなっている。文章の構造には差異がある。第三文明圏公用語は横書きの文体しかないが、日本語は横書きもできるが、正式な文章としては縦書きのものになる。縦書き文書であることを前提とした指示語は、「左右」の語を以て表す。他の法文との体裁もある為指示語を変える必要がある。なお、協和語は横書きが基本となるため、大きな変更はない。

 

「なるほど。いや、日本語というのは難しいですな。」

 

 アルタラスの外務局員ジュール・サンカンに日本語の指摘をしたのは、日本の随行員朝田泰司。本省では、英国課長の職に在り、日本全権団の随行員として、交渉の裏方を差配する地位にあった。また、パーパルディア皇国の国家戦略局員パルソ・ツー・オーエンブルグと秘密裏に接触を行い、パーパルディア皇国との交渉に含みを持たせることに成功していた。

 

「ベルトラン殿。こちらの協和語訳ですが。」

「ふむ・・・。少々、お待ちを。そうですな。「ロウリア王国は、マース河西岸より同河の西方15キロメートルに引きたる線の内側に在る地帯に於て衛戍を目的とする軍事基地を保有し又は構設することを得ず。」と訳するのがよろしいかと思います。」

「ありがとうございます。」

 

 この文章化作成作業は、条約締結する各国の手を借りるとは言っても、作業の中心にはアルタラス王国外務局が行わなければならない。中立国として講和会議の仲介を行った以上は、講和についての「契約書」である条約の本文も中立国が担うべき仕事であるからである。

 だが、アルタラス外務局には日本語の専門家も協和語の専門家もいない。そこで急遽在日、在満の公使館職員のうち数名が本国に召還され、翻訳作業に従事する運びとなった。

 日満両国がクワ・トイネ公国とクイラ王国の公使館職員に対して始めた外国語学校へのアルバイトの斡旋は、他国の公使館員にも適用され、彼ら自身の所得の向上と文字の習得に繋がっていったのである。そうして、僅かばかりではあるが日本語と協和語の習得をした在外外交官によって、条文化の作業は進んでいく。

 パソコンからUSBメモリを引き抜いた外務局職員が小間使いの人間を呼んだ。

 

「ミランダ君。これを外務卿に届けてくれ。外務卿には、条約の第三文明圏公用語文書の確認をお願いしたいと併せて伝えてくれ。」

「かしこまりました。」

 

 小間使いの女性が両手で受け取り、部屋の外に出ていく。講和会議開催当初は、パソコンを見たこともなく、使い方などわからなかった彼らだが、一月以上たった今はある程度使いこなしている。

 

 ―――――

 およそ一時間ほど経った頃、昼食を取ろうかと誰かが言った。在日満の公使館職員は在国から様々な食料品を持ち込んだ。なかでも人気はインスタント食品。お湯を注いで数分で完成する食品は、超繁忙期のこの職場にはもってこいの商品であった。

 

「ミランダ君。皆さんに食器の用意をお願いしたい。・・・ミランダ君?」

「あれ?ミランダさんがいません。」

「おかしいな。トイレか?」

 

 会議室がざわざわとする中、朝田はやおら立ち上がり言った。

 

「不在ならやむを得んでしょう。容器にお湯を淹れるだけですから、私がやりましょう。」

「いやいや、朝田殿の御手を煩わせるわけにはいきません。ここは各自で好きなようにやりましょう。」

 

 そう言って、クワ・トイネの外務局員は本国から取り寄せたカップ麺を持って、部屋の隅に設置しているポットに向かい始めた。

 

「しかし、彼女はどこに?」

「私が彼女にお使いを頼んだ後、戻ってきた姿を見た者はいるか?」

 

 ジュール・サンカンは周りを見渡しながら聞くが彼に応える者はいない。彼が異常事態と感じたのも無理はないだろう。本日は日曜日。常ならば、官庁は休日であり、小間使いも休日であった。しかし、条約文書作成作業の為、外務局員の多数が休日出勤を行っている以上、作業補助者でもある小間使いも必要になっていた。書類の移動、簡単な給仕、コピー取りなど2,3人の小間使いが出勤し、業務を行っていた。その一人が消えた。

 

「外務卿執務室の小間使いに確認しましたが、ミランダは来ていないそうです。」

 

 それも、日満両国から借りているムー国でも開発されていない超小型文書記憶媒体を持って消息を消した。

 

「とりあえず、小間使いの部屋を調べてみるとしよう。」

 

 サンカンは部下に命じて、小間使いの部屋などを改めるように指示した。

 

 

―――――

立憲民政党福島県支部連合会

県連事務局内部文書

 

8/8

午前11時

東北新幹線にて、吉崎党幹事長、福島県入り

篠田県連会長、松平県連幹事長、国鉄福島駅まで出迎え

 

午後0時

吉崎党幹事長選挙区入り

官立福島大学講堂にて、国政報告会実施

 

午後1時30分

福島県立公会堂にて、国政報告会実施

 

午後4時

郡山市立公会堂にて、国政報告会実施

 

午後7時30分

会津若松市入り

鶴ケ城、会津松平伯爵邸にて松平伯爵と御会食

国政について意見交換

吉崎党幹事長以下随行員伯爵邸に宿泊

 

 

8/9

午前7時

伯爵邸にて朝食会

引き続いての意見交換を実施

 

午前11時

二本松市総合体育館にて、国政報告会実施

 

午後1時30分

福島県農会事務所にて、農会関係者との間に昼食会

農業政策についての意見交換

 

午後3時

福島県連事務所にて、県内主要企業経営者との政策懇談会実施

 

午後5時

東北新幹線にて、吉崎党幹事長、帰京

篠田県連会長、松平県連幹事長、国鉄福島駅までお見送り

 

―――――

 

 




アンケートの設問は、スパイかただの被害者かと言うところですが、いずれにしても、USBメモリは盗まれます。
拘禁された場合も殺害された場合も、被害者は外務局内で発見されます。
門閥貴族についてですが、銀英伝でいうところのアンスバッハやシュトライトのような人物もおりますので、そういう人物が動いているということでよろしくおねがいします。

行方を晦ませた小間使いについて?

  • パ皇国家戦略局のスパイ。
  • パ皇門閥貴族のスパイ。
  • パ皇その他のスパイ。
  • ムーのスパイ。
  • ミリシアルのスパイ。
  • 被害者拘禁。国家戦略局。
  • 被害者拘禁。門閥貴族。
  • 被害者拘禁。パ皇その他。
  • 被害者拘禁。ムー。
  • 被害者拘禁。ミリシアル。
  • 被害者殺害。国家戦略局。
  • 被害者殺害。門閥貴族。
  • 被害者殺害。パ皇その他。
  • 被害者殺害。ムー。
  • 被害者殺害。ミリシアル。
  • 其の他
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