<特集>ロデニウス大陸開発のこれまでを振り返る
~軽便鉄道事業を中心に~
本年3月のクワ・トイネ公国及びクイラ王国との国交樹立以来、満日両国の建築関係企業は、同国の近代化を目的として、ロデニウス大陸への進出を行っていた。この際、満日両国は、鍬杭二か国の近代化に最も必要なものである物流網の大構築の為に鍬杭それぞれ二か国との間に、租界設立の条約を締結した。この条約は正式には経済文化振興協定と称しており、鍬杭両国の経済と文化を興隆させることを目的として締結された条約であり、満日両国がロデニウス大陸に租借地を獲得したという、いわば「帝国主義」的な意図の趣旨に歪曲してはならない。とはいえ、この条約は全14条中6条を租借地の規定として置いており、この条約の中心的な意味を持つものとしてとらえるのが相当である。
租借地内の行政は、我が国と日本国が租借地に置いた行政委員会を通じて執行するものとされた。満日両国は、それぞれほぼ同時期に鍬杭両国と国交を樹立し、租界についての規定を調整することなく条約を締結したため、一時期は我が国の行政委員会と日本国の行政委員会が並列していた。しかし、同じような組織を並列させておくのは不合理であるという声もあり、満日両国と租界を置いた国との間で、新たな行政協定を締結し、租借地の共同租界委員会を設置した。クワ・トイネ公国においてはマイハーク共同租界員会、クイラ王国においてはバッスラー特別行政区統治委員会が設置される運びとなったのは、4月上旬のことであった。
鍬杭両国の開発の拠点となる租界地域は、極めて迅速に発展させなければならない。国家の大事業となるからには、その参入業者も厳選する必要がある。常ならばこの二つの命題はある程度それぞれが妥協して並列することができる。迅速さを優先するのであれば、随意契約によればよいし、慎重さを優先するのであれば、競争入札の方式で行えばよい。しかし、今回の事業は何よりも迅速さを最優先に置くべきととらえた満日両国政府は、行政による通達・行政指導などを通した間接的な支援に留め、民間の力を最大限に発揮させることを意図して、ジョイント・ベンチャー方式による企業総体に開発事業を担わせた。
この国家方針のもとに、ロデニウス綜合開発共同事業体は誕生した。幹事会社には、満洲国鉄たる満州鉄道株式会社が就任し、両国の租界と租界外地域を繋ぐ軽便鉄道敷設計画を一手に引き受けた。それ以外の租界内の土木建築は主にマイハーク租界には日本企業を、クイラ租界には満洲企業に担当させた。企業がそれぞれ独自に取り組む方式で共同委員会の都市計画に自由に参画させることで、開発の迅速性を向上させたのである。
この開発の迅速性を後押ししたのが、租界地域に満日両国の法令の適用を制限したことであろう。たとえば、満日両国で施行されている建築基準などの土木建築の安全基準は、租界内では未適用とされた。その代わりに租界内では当面の間、3階建て以上の建築物の建設が禁止された。ただ、一月も過ぎれば、租界内にはコンテナハウスが大造設され、開発に向けた拠点の設置が終わったと判断されたことから、満日両国内の安全基準に適した建築物の建設が解禁された。
とはいえ、本国にあるような数十階もあるような高層建築物は、未だ鍬杭両国の経済規模を考えれば不要である。そのことも意識して、租界委員会は、建築の専門家の意見も交えて、租界内に於ける建築安全基準の策定を行った。租界内領域で建築可能な建物の高さは、15メートル5階建てを限度としたこの建築基準は、5月中旬それぞれの租界委員会で採択され、現在両国租界内で建築される建物は3階または4階建てが主流である。
6月の末には、クワ・トイネとクイラ両国における軽便鉄道が完成した。
クワ・トイネにおいては、租界のあるマイハークと農業の盛んな地帯を結ぶことを主眼として、マイハーク租界から公都クワ・トイネ、スーイデンを経てトースイに至る路線を建設していたが、対ロウリア戦を見据えて、マイハーク租界から公都クワ・トイネ、エジェイを経てギムに至る路線の早期完成が要求され、計画が変更された。このため先に記載した一号線が完成された後に、マイハーク租界から直接スーイデンを経てトースイに至る二号線の2種類がこれまでに作られている。
クイラにおいては、内陸部にある鉱山地帯に向けて複数の軽便鉄道が通っている。バッスラーから王都バルラートを経てアガン油田、トブログ鉱山、バリューミドル鉱山を結ぶ一号線と王国南部のジワーグラッサからニコレシア鉱山、ランバート鉱山、ドルアバニ油田を結ぶ二号線が存在している。ジワーグラッサは租界として満日両国に開放されていないため、この地域は発展していない。港湾施設も貨物の積み込みをできるだけの設備は無いため、湾岸には大量のコンテナが置かれており、この地に派遣されたクレーン船によって輸送船に積み込みが行われている状況である。クイラ王国政府はこの地も満日両国に租借したいと外交ルートを通じて交渉を行っているが、満日両国ではこれ以上の土木建築をおこなう余力はないとして断っている状況である。
この軽便鉄道の運営については、満日両国と鍬杭それぞれの国で株式を保有する「軽便鉄道株式会社」が設立され、JV管理の手を離れている。クワ・トイネのそれは、日本:満洲:クワ・トイネで40:30:30の比率での株式保有となっており、クイラの場合は我が国と日本との株式比率が逆転する形での株式保有となっている。会社には、3名の取締役を置き、代表取締役には、現地の人物を充てることとしている。なお、クイラには別途総裁を置き、クイラ王族でもあり、鉄道大臣のエジンバラ・ハイヤート公爵殿下を推戴した。
満日両国は、ロデニウス大陸に敷設する軽便鉄道を一元管理保守するため、ロデニウス大陸軽便鉄道株式会社設立条約を本年4月に締結した。この会社は非上場の特殊法人として、満日両国でそれぞれ35%ずつ株式を保有しており、残り30%を株式募集とした。畏れ多くも御内帑金より一部出資を得、4月29日、昭徳節(日本国における昭和節)の祭日に新京特別市旭町パレスビルにおいて設立総会を開くに至った。本社は、同じく新京特別市の旭町パレスビルに置かれた。会社組織は、総裁、副総裁、理事四名からなる執行部が置かれた。総裁には満鉄総裁の陳省吾氏が兼任し、副総裁には日本国の帝國鉄道公社総裁の篠田万里氏が就任した。四名の理事には、日満鍬杭四か国1名づつが就任し、我が国は国務院交通部大臣が、それ以外は赴任中の特命全権大公使が就任した。とはいえ、総裁・副総裁以外は鉄道事業についてのイロハもしらず、副総裁は社内にいないため、会社組織は事実上総裁の手で実務が行われていた。
このような素人を経営に参画させる方式は、流石に一般株主から批判を浴びた。陳総裁は、このような取り扱いはあくまで経過措置であり、将来的には鉄道事業に理解のあるものを経営に参画させると釈明をしたものの、欧米系の株主を中心に、鉄道建設は急務であるが、経営方式が稚拙という批判の声はなかなかやまなかった。
事態が動いたのは7月に入ってからであった。クイラ王国で商法典が発布され、近代的な会社組織が設立される準備が整いだした頃、鳴り止まぬ批判に満日両国政府内部の一部では、ロデニウス大陸軽便鉄道株式会社を発展的解消させる計画を始めた。ロデニウス大陸全土の軽便鉄道の保守管理をそれぞれの国の軽便鉄道会社に移管し、軽便鉄道会社を満鉄標準軌を使用する鉄道路線も建設保守管理させる鉄道会社へ移行させることを計画し始めた。この計画は、国務院交通部と日本国運輸省を中心にして鍬杭両国の鉄道担当官庁との間に交渉が行われた。
この交渉は非常に難航した。クイラとクワ・トイネの間で足並みがそろわず、クイラ王国側は満日両国のバックアップがあればと消極的な賛成を得ることに成功していたが、クワ・トイネ側は、クイラ王国のような会社組織を保護するような法を作ることは現段階では難しいと難色を示していたのだ。クワ・トイネ国内の諸侯は、軽便鉄道の線路が自身の領地内を通ることは許可してはいた。鉄道の保守管理は他国が行う、それも圧倒的な武力を持った他国が行う以上、他国の人間が自分の領地に入ってくることに対して、各諸侯に抗う選択肢はなかった。この鉄道線路の保守までをクワ・トイネが主体として担当するとなれば、領地内のことは各諸侯が責任を負うことになる。下手な責任は負いたくはないというのが、各諸侯の本音であったのだろう。
これに対して、クイラ側では王権が強固であったことに加えて、現時点で鉄道が通っている地域は王家の土地がほとんどであった。そして、鉄道事業については、中央官庁である鉄道省にて一元管理していた。線路が諸侯の土地の一部を通過している場合は、鉄道付属地として領地を一部買い上げていた。鉄道大臣が王家の一員であることも、この政策が奏功した原因であろう。
このような経緯で、クイラとクワ・トイネとの間で鉄道事業を巡る取り扱いはなかなか決着を視なかった。そうこうしているうちに、鉄道条約を締結させた外交部局が横槍を入れ始めた。鍬杭両国が一致して近代化に邁進するまで、我々が善導するのだと言わんばかりにロデニウス大陸軽便鉄道株式会社の発展的解消の計画を中止に追い込もうとしていた。
一般に外交部局と運輸産業の監督官庁とでは前者が「一流」、後者が「二流」に分類される。エリート層の仕事に手を入れていたのが後者という立ち位置であるため、非常に分が悪い状況であった。しかし、今回は後者には、欧米系の株主という味方がついていた。鍬杭分離方式を説得材料に欧米系の大使も加わっての会合が開かれ、クワ・トイネとクイラで鉄道事業の分離が行われる運びとなった。
新方式では、クワ・トイネにおける鉄道事業は従前の通りに、ロデニウス大陸軽便鉄道株式会社が軽便鉄道の保守管理を行い、運用はクワ・トイネ軽便鉄道株式会社が行う。一方で、クイラ王国に於いては、従来、ロデニウス大陸軽便鉄道株式会社が持っていた保守管理に関する業務は、新会社である「クイラ鉄道株式会社」に業務が移管される。クイラ軽便鉄道株式会社の資産は全て新会社に譲渡される。
クイラ鉄道株式会社は、クイラ商法典の会社編の規定を準用しつつ、クイラ王国が特別法を制定して、設立する特殊法人として成立する。すなわち、これまでが、満日両国の法令を限定的とはいえ適用した上での、いわば海外支店的な扱いであったのに対して、現地法人として発足するのである。定款も従業員規則もクイラの法制度によって認可され、たとえば、従業員の給与などは現地の物価水準で決定することができるなど、クイラ王国にとっては非常に魅力的な話である。これまでは、満日両国の法令が間接的にも適用されていたため、給与はクイラの通貨で支払われることがなく、また満日両国の憲法には、外国人に対する不当な差別を禁止する規定があったため、給与水準も満日両国人とクイラ王国人に圧倒的な差異を設けることができなかった。今後は満日両国人に従前の給与水準を維持しつつ、クイラ王国人には現地の物価を基準として多少の色を付ける程度で済むはずである。
クワ・トイネ軽便鉄道株式会社が、満洲国及び日本国の政府が株式の過半数を出資して設立された国策会社であるのに対して、クイラのそれは、増資により満日両国政府の持株比率が低下している。新会社は設立の際に100%の増資を行い、これにより軽便鉄道株式会社時代、日本政府:満洲政府:クイラ政府が30:40:30の持株比率であったが、日本政府:満洲政府:クイラ政府:クイラ王室:日本皇室:民間が、20:25:27.5:5:2.5:25の持株比率に変動した。満日両政府の持株比率は70%から45%と過半数を割っており、代わってクイラ王国政府は27.5%の持株比率を以て筆頭株主となった。これにより、クイラ王国が鉄道事業の主体として経営をしていくということになったのである。
クイラ鉄道株式会社は、今月15日にも設立総会を王都バルラートにて行う。クイラ国内では、バッスラー特別行政区内で活動していた、満鉄を幹事会社とするロデニウス綜合開発共同事業体も発展的解消へ向かうこととなっている。クイラ王国の近代化は猛烈なスピードで進んでいるといってよいだろう。
エクセルで数式を組んだ結果現状こんな感じになりました。
パ皇という観点で見ればダントツですが、設問という単位で見れば、ミリシアルが強い。面白い分析結果です。アンケート面白いですね。もうちょっと開放します。
合計 スパイ 拘禁 殺害 其の他
パ皇 47 22 10 15 0
戦略 16 11 3 2 0
門閥 14 7 5 2 0
その他17 4 2 11 0
ムー 13 9 4 0 0
ミリ 21 11 8 2 0
其の他 4 0 0 0 4
合計 85 42 22 17 4