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テレビ東西情報番組 午後も元気に!!
〇司会 矢澤光喜
〇アシスタント 田中姫子
コメンテーター
〇政治評論家 竹本萬斎
〇経済アナリスト 山井善治
〇東西新聞論説委員 吉井咲子
〇東京帝國大学法学部教授(国際法) 李甚太郎
〇タレント 武田純一
〇元プロ野球選手(東京帝都巨人軍一塁手) 大澤大二郎
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〇矢澤 ではここで、ル・ブリアスと中継を結んでみましょう。アルタラスの中根さん。
(画面が切り替わる。スタジオの画面はワイプとして小さくなる。)
〇中根
はい。アルタラスの中根です。今、私は明日の正午から講和条約の調印式が行われます、アテノール城太陽の間に来ております。アルタラス外務局の関係者の方から話を聞きますと、この太陽の間は普段は正月に国内諸侯を招いての新年祝賀会・宮中晩餐会などに用いられるなどの非常に格式の高い部屋になっているということです。
太陽の間では講和条約調印式を明日に控えて、式典の為の室内の装飾のため、職員がひっきりなしに出入りをしております。われわれ取材陣は職員の邪魔にならないようこうして部屋の隅から中継を許されております。
部屋の奥をご覧ください。この講和会議の構成国である我が国と満洲国、クワ・トイネ公国、クイラ王国の四か国の国旗とロウリア王国の王室旗が部屋の奥の壁に貼られております。
部屋には装飾品も多く運ばれてきております。この会議場ついての解説をお願いししております、アルタラス外務局ジュール・サンカン氏です。サンカンさん本日はよろしくおねがいします。
(サンカンには耳にマイクを入れている。)
〇サンカン はい、宜しくお願いします。
〇中根 早速ですが、まず、あちらにあります大きな鉢に入っている植木なのですが、私の目が間違いなければ、盆栽ではないかと思うのですが。
〇サンカン ハハハ。まさしくその通りですよ。あの盆栽は、貴国との国交樹立の際に、それを祝して、貴国の貴族の方からターラ国王に献上された品と聞いております。
〇中根 おー、やはり、そうなのですね。貴国には、盆栽を楽しむという文化はあるのでしょうか。
〇サンカン いえ、卓上で植木を楽しむという文化はこれまで我が国にはありませんでした。王室に献上されたものですので、私も見るのはこれで二回目ですが、なんというか凄いですね。あの木の枝が、左右に広がっている様が、まるでワイバーンが羽ばたいて、上空に舞おうとしているように見えることから、あの鉢はワイバーン飛翔と銘を打たれたと聞いております。
〇中根 なるほど。となると、あの隣にあります白い大きな壺も同じく我が国から贈られた品でしょうか。
〇サンカン いえ、あちらは満洲国の政府関係者の方から贈られたものと伺っております。白磁の壺と言われるものだそうで、これも私どものこれまでの理解では、壺は物を特に液体物を入れて保存したり、運送したりする際に使用するものであって、このように美しい光沢があって、飾って楽しむというのはなかなかありません。そういった意味では、日本国と満洲国との国交樹立は我が国にとって新しい発見、新しい価値観を産んだものと思っております。
〇中根 国家間の交流がこういった新たな動きを産み出すという点からも新世界各国との交流はもっと大事にしていきたいと思いますね。
(ワイプより、矢澤発言「中根さん、中根さん」)
〇中根 はい!?
(矢澤「あの銅像みたいなのはなんでしょうか?」)
(中根、サンカンを見る。サンカン頷く。)
(矢澤「あっ、サンカン殿。テレビ東西の矢澤と申します。本日は取材の協力ありがとうございます。」)
〇サンカン はい、こちらこそ宜しくお願いします。えー、あの像は我がアルタラス王国の初代の王とされております、タス陛下の御姿を現していると言われている像です。明日の調印式には、仲介国である我が国の創世王も見守るという形を取りまして、あのように部屋の端に設置させていただいております。
〇中根 はい。それで、サンカンさん。明日の講和条約調印式ですが、この会議場の広さを見る限りですと、非常にたくさんの来賓の方々をお招きしているようなのですが、どれくらいの数の方々が見えられるのでしょうか。
〇サンカン はい、まず我が国と国交を樹立している国々ですが、我が国は文明圏外国家に属しながらも非常に多くの国と国交を樹立しております。五大列強の各国とも国交がございまして、列強一位の神聖ミリシアル帝国を始めとして、すべての列強国に招待状を出しております。
〇中根 ということは、五大列強がそろい踏みされるということですか?
〇サンカン それが、誠に不甲斐ない話ではありますが、ミリシアルとムーは参加の返答を頂いておりますが、他の国々はまだなのです。第三位のエモール国はパーパルディア皇国の大使が我が国の大使も兼任している関係で任地を離れられないので、おそらく副使あたりが向かうかもしれないということを聞いてはいるのですが、返答はまだでして。他のパーパルディア皇国とレイフォルですが、レイフォルは欠席の連絡がありましたが、パーパルディア皇国はまだ何の連絡もないので、出席されるのかどうか不明でして。
〇中根 なるほど。出席者には席次もありましょうから、参加かどうかが決まらないということは、運営に支障が生じますね。職員さんが、こうひっきりなしに出入りしているのも、やはりそれが原因ですか。
〇サンカン ええ、その通りです。他の国々は、特に文明圏外国家については、全員出席することが決まっておりますし、外交官の席次として大使の年齢を基準にされてもらいましたので、これは簡単に席次が決まりました。
〇中根 それで、広間の配置はだいたい決まっているのでしょうか。
〇サンカン
ええ、会場の大体の見取り図はできています。部屋の端に我々アルタラスの外務局が仲介国として壁を背にして座ります。その前に調印のための机を1つ設けます。そしてその前に、ロウリア王国、大日本帝国、満洲帝国、クワ・トイネ公国、クイラ王国の順番で全権委員と随員の座席を設けます。この後ろにロープで区切りを設けまして、列強各国の大使と大使随員の来賓席を設けます。その後ろにそれ以外の文明圏各国大使の席、その後ろに文明圏外の大使の席となります。最後に我がアルタラスの国内諸侯の観覧希望者の席と、各国の参加希望者の席を設ける予定です。そして、部屋の端と隅、だいたい文明圏国家群の大使関係者の来賓席のあたりから後ろにかけてとなりますが、報道関係者の取材席を設けております。
取材陣の方々については、別ですが来賓は200名前後を予定しております。これに講和会議参加国の全権と随員、我が国の外務局員をあわせますと250人前後の出席者となる予定です。
〇中根 250人!?なかなかの大規模な数だと思いますが。
〇サンカン ええ。我が国としても今回の講和条約調印式は大きな行事と考えています。何しろ、敵味方五か国の交戦国が署名する講和条約の調印式です。この世界の歴史をみましても、5カ国も集まった交戦国の仲介を行ったというのは、そうそうありません。それだけを取ってみても、我が国にとって大きな話であるということが想像できるかと思います。
〇中根 大変なお話なのですね。それで、明日の式次第はどのようになっているのでしょうか。
〇サンカン そうですね、まず我が国の外務卿が、開式の宣言を行います。その後、式進行について、我が国の外務局次長が司会進行を務めることについての同意を取ります。これはまあ、事前に参加各国に同意を取り付けていますので、そのまま進行が進みます。外務局次長が作成された講和条約の正文を読み始めます。条約文章は長いので、途中で他の外務局員と交代しながら、読み進めます。そして、最後まで進んだら、局次長が、以上の内容に相違ないかを各国に問いますので、これへの返答が行われます。返答がありましたら、参加各国が、内蔵王国から順番に呼ばれますので、前に進んで署名をしていきます。各国全権全員の署名が済みましたら、仲介国としての我が国もこれに署名をします。外務卿とルミエス王女が署名することになっています。こののち、講和会議各国首席全権より講和に当たっての声明を発言していただきます。最後に条約への各国の署名が済んだことと閉式の宣言をルミエス王女にしていただくという運びになっています。
〇中根 なるほど。条約の正本についてお伺いしてもよろしいですか。
〇サンカン
はい。まず条約正文は3言語で作成されています。日本語、協和語、そして第三文明圏公用語の3つですね。それを一冊にまとめたものは既に調製済です。まず第三文明圏公用語の文章を置き、次に協和語、そして最後に日本語の文章を載せております。その条約正本の表紙の次のページに見開きの署名欄を設けております。この署名欄に講和会議参加国の全権委員が順番に署名をしていくということになっています。
条約正本は我がアルタラス王国の外務局の金庫にて保管しております。調印後は、同じく外務局かまたは王家の大金庫に於て保管いたします。講和条約参加各国には、謄本をお渡しする形になっております。
〇中根 既に準備は済んでいるということなのですね。では、調印式来賓参加国の最終的な決定がでるのは何時頃なのでしょうか。
〇サンカン それはさすがに私も・・・。なんとか、空席がでないように配慮したいと我々は考えております。
〇中根 なるほど。お忙しい中、貴重なお時間を頂きましてありがとうございました。
(矢澤「ありがとうございました。」)
〇サンカン はい、こちらこそありがとうございました。
〇中根 以上アルタラス王国からの中継を終わります。画面をスタジオにお返しします。
(画面がスタジオに切り替わる。)
〇矢澤 はい、アルタラスの中根さんからでした。CMの後は、明日に迫った調印式についてコメンテーターの皆様と深堀していきたいと思います。
(CMに入る。)