大日本帝國召喚   作:もなもろ

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講和条約締結後のロウリア王国気が抜けない状況は続きます。


ロウリア王国首都ジン・ハーク 中央暦1639年9月10日(木)正午

ロウリア王国首都ジン・ハーク ハーク城 王領顧問官会議室

 ― 王国外務卿 ヨースコネクト・マオス

 

 講和会議は無事終了した。祖国を崩壊の危機から救ったと浮かれていた我々は凱旋気分で2か月ぶりに祖国に戻ってきた。帰国が遅れたのは、この機会に交戦四か国と国交樹立についての話をするためだ。

 色よい返事はもらえなかった。そもそも、各国の全権団は講和会議終了後1日程度置いたのちにすぐ帰国した。四か国の大公使と会談を行ったが、まずは秘密協定即ち、国王ハーク・ロウリア陛下の退位が行われてから本格交渉を行うというのが、交戦四か国で話し合われていた規定路線だったようだ。それでも、駐アルタラス大使のベルシュが粘って、国交樹立の際は、日満両国は、クワ・トイネとクイラと結んだ条約と同じ程度の条約を結ぶことで仮合意できた。

 そのほかには、神聖ミリシアル帝国とムー国と国交樹立の話をした。ミリシアル側は、「お前たちは亜人排斥政策を立てていたようだな。我等の国の皇帝陛下が誰か分かって言っていたのか。そのような国が、これまでの政策を捨てましたので以後は昵懇にと言ってきたとして受け入れるかと思うか」と言われ、けんもほろろであった。それでもムー国は、まあ日本国と満洲国と国交を樹立した暁には、我等も交渉に応じましょうと言ってもらえた。ムー国はやはり、日本国と満洲国に一目を置いている。列強が一目を置く国と交戦した我が国は結果論ではあるが、愚かだったとしかいいようがない。だが、我が国は首の皮一枚でつながった。それも、良いように講和した。

 そのように浮かれていた我々が目のあたりにした祖国の状況ははっきり言って最悪の一途を辿っていた。

 

「王国南西部バルダイル伯爵領にて反乱発生。旧主の遺児を名乗る者を押し立てて、独立を宣言しました。」

「クラッセンブルク公爵領にいる赤色魔法騎士団を差し向けろ。あそこはわずかだが鉱山がある。独立させるわけにはいかんぞ。」

「中央西部ダールドルフ騎士団より声明!我々はまだ戦場に立ってすらいない。王国の敗北など認められない。代々テールマエ家にお仕えした騎士団は、テールマエ家の恩顧に報いるため我々だけでも戦争を再開する。との檄文が届きました。」

「王家の使者を向かわせろ。テールマエ家は断絶したわけではない。代々の忠臣ならば、テールマエ家当主のハーク・ロウリア陛下の命令を奉じよと。」

「西部海岸部のアンデリウム伯、グロリー伯、ウェンジー伯より緊急連絡。諸侯お抱えの海軍衆が離反。概算でも帆船3隻、ガレー船13隻が軍港よりいなくなりました。おそらく海賊行為に走る模様。至急王国海軍による討伐を望むとのこと。」

「王国海軍は動けぬ!!」

「ですが、海路を荒らされましたら、中央市場の物価高騰が止まらなくなります。既に王都より離脱する民衆がおります。このままでは、王都の経済が崩壊します。」

「中央騎士団・テールマエ騎士団・王都防衛騎士団に命令。陸上交通路を保護し、かつ物資の流通を行商人に代理して実行せよ。」

「なっ!!騎士団を人足扱いするというのですか!!」

「この事態に何を考えておるか馬鹿者!!騎士団の誇りなど犬に喰わせてしまえっ!!」

 

 王国宰相室とも呼ばれる王領顧問官会議議長室。この隣に設置されているのが王領顧問官会議室だ。常ならば、王国宰相たる父フランチェスコ・マオスが中央に座り、その左右を王領顧問官たる我々が座り、穏やかな雰囲気で閣議が行われていた部屋は喧騒に包まれていた。

「戻ったか、マイヤーハイム。遅い!!なぜ、卿だけでも先に帰らなんだか!」

 再開し、挨拶をと思っていた我々に父から先制の言葉が投げつけられた。

「まず卿はこれを読め。王国の今年度予算の概算修正じゃ。」

 羊皮紙の束、高々ときずかれた山になった書類に手を叩きつけながら、父はマイヤーハイム大蔵卿に言った。

「それから、パタジン将軍。王都防衛騎士団を統督して、先のわしの命令を監督してもらいたい。ミミネル将軍とスマーク将軍には国王陛下より、中央騎士団とテールマエ騎士団への命令権を降してもらった。ここが正念場ぞ。王都防衛騎士団としての任務を果たしてもらう。三個騎士団を動員して、王都への流通網を死守せよ。何としてもだ。海上交通路はもはや死んでおる。先ほども報告があったが、あれが始まりではない。すでに何件も地方諸侯の海軍衆が海賊となり果てた。ロデニウス大陸西部の海上交通網は死んでおる。」

 思わずぞっとした。海上輸送はロウリア王国を支える大動脈だ。船は馬車よりも多くのものを運べる。その船が使えないとあっては、大消費地たる王都の経済はどうなるか。

「宰相、王国海軍が動けぬのはなぜですか。」

 パタジン将軍の問いに父は苦虫を噛みつぶしたような顔をした。

「シグネス卿が急死したからじゃ。」

「なんですと!」

「まさか!」

 我等一同一斉に驚いた。サンデル海軍卿に代わって、王立海軍の総指揮をとっていたはずのシグネス卿が急死した!?なぜだ。

「シグネス卿は、各諸侯の海賊衆の反乱鎮圧に動こうとした。だが、これまでの仲間を撃ちたくないという者や、先のクワ・トイネ公国沖海戦の生き残りが海に出たくないと騒ぎ立ててな。それに、無理やりに動かそうにも艦隊を動かす提督も数少ない状況じゃ。この状況で、おまけに水兵のサボタージュも発生したとあっては、流石にシグネス卿も責任を感じたということなんじゃろうな。あのバカ者が・・・。」

 父の言葉は最後のほうはしんみりとしたものになった。そうか、シグネス卿は・・・。

「父上、捕虜返還で戻ってきた提督はおらぬのですか。シャークン提督などの名将の指揮下ならば、きっと水兵も。」

「捕虜返還は確かに実行に移されておるが、まだ全員は帰ってきてはいない。提督や将軍などの軍の高官は兵を全て送り出してからと考えたらしいのじゃ。こちらの状況を聞いて、順番を繰り上げたと聞いたが、今となってはな。」

「では、サンデル伯に総指揮を取らすわけには。」

「このタワケが!サンデル伯まで死に追いやるつもりか、この馬鹿息子がっ!」

 父の怒号が私に向いた。しまった、失言だった。

「フゥー。そういうわけでな、パタジン将軍。卿には何としてでも防衛騎士団を動かしてもらわねばらならん。王宮は近衛隊の数名を残して、王都から騎士団を全て出動させてもらいたい。」

「全てですか!それでは、王都の守護が。」

「今必要なことは、王都を維持することじゃ。王都の守護は衛兵に頼むより他にない。陸上交通路を維持することが最優先なのじゃ。つい先日、小麦の値段が開戦前の3倍に膨れ上がった。このままだと数日後には4倍になるやもしれぬというほどだ。それにつられて他のものの値も上昇し続けておる。もはや楽観は許されぬ。この任務こそ王都の守護なのだと心してくれ。」

 父がはっきりとした口調でパタジン将軍に迫った。将軍もまた苦虫をかみつぶしたような顔をして首を縦に振った。

「父上、私は、私はこの未曽有の事態何をすれば宜しいでしょうか。」

「其方の職掌は外務卿だ。いまだ国交のある諸国、パーパルディア、アルタラスなど各国から緊急の食糧取引を頼むのじゃ。いや、それだけではない。やはり、日本国。日本国と満洲国に対して支援を。支援を依頼するのじゃ。」

「なっ!!まだ、かの国とは国交を樹立しては、しかも、その交渉は、畏れ乍ら国王陛下の」

「今この状況で国王陛下の件をどうするつもりじゃ。この状況であの件を実行しようとすれば、国内の混乱は最早止めようがなくなるぞ。」

 そうだ。確かにそれはそうだ。だが・・・。どうすれば。

「遅くなったが、皆講和会議の成功への尽力に感謝する。だが、慰労会はこの状況ではまだできそうにない。慰労会はな、もう少し落ち着いてから行うのでな。それまではな、頼むぞ。」

 父が我々をじっと見つめてきた。これは、やるしかない。やるしかないが・・・。




1番が先行し、4番が追走する。2番との差はちょっと開いて、各人1コーナーから2コーナーへとむかっているというところであります。


1 海軍中佐シャクール・バウワーブ
2 陸軍魔法大佐ウスマン・ガンボード
3 陸軍魔法大佐バハル・バイダス
4 大魔導師サーリム・ハルビー
5 魔導師カリム・アンマール
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日本国に派遣される人物は?

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