大日本帝國召喚   作:もなもろ

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軍祭開始。フェン側も周辺諸国も困惑の中の開会式。もちろんパーパルディアも困惑。


東洋艦隊副官陣中日誌(メモ段階) / フェン王国首都アマノキ軍祭開会式会場 中央歴1639年9月25日(金)

東洋艦隊副官作成 陣中日誌(メモ段階)

・・・

9月25日

フェン王国主催軍事演習当日

ポクトアール提督以下艦隊司令部要員3名(私を含む)及び根拠地隊司令部要員2名並びに護衛4名、王国首都アマノキにある軍祭練兵会場にて、フェン王国の重臣マグレブ氏の歓待を受ける。

マグレブ氏、会合当初より顔面緊張した様子(警戒と表現すべきか)

一報のポクトアール提督は終始笑みを浮かべて応対

マグレブ氏、ポクトアール提督に式典での祝辞の依頼を行う。提督これを諒承す。

 

・・・

当日式次第

一、各国軍及び競技選手入場

  フェン王国

  ガハラ神国

  アルタラス王国

  シオス王国

  トーパ王国

  ネーツ公国

  アワン王国

  マオ王国

  クワ・トイネ公国

  クイラ王国

  ロウリア王国

  大日本帝国

   陸軍(分列行進曲)

   海軍(軍艦行進曲)

   選手団(君が代行進曲)

  満洲帝国

   陸軍(統帥本部選定儀礼曲・行進曲「観兵式」)

   海軍(渤海行進曲)

   空軍(行進曲「大空を制して」)

   選手団(行進曲「豊作の高粱畑」)

  (各国ともに軍人の行進後に競技大会の選手が入場)

一、開式の辞 (フェン王国講武所長)

一、神器入場 (フェン国王家家宝の剣が国母(ニイノアルマ)の差配により宮廷職員の手で運ばれてくる。軍祭期間中は王の宮廷から軍祭会場に安置されるらしい。)

一、武神誓文 (国王である剣王が祖先神でもある武神トキヒートへ軍祭の成功を祈るものらしい)

一、剣王勅語

一、選手宣誓 (フェン王国軍人による宣誓。)

一、来賓挨拶

  フェン王国駐箚ガハラ神国大使

  フェン王国駐箚大日本帝国特命全権公使

  フェン王国駐箚満洲帝国特命全権公使

  東洋艦隊司令官兼東方根拠地隊司令官 (挨拶の順番については副官より相手側に抗議したが、ポクトアール提督よりそのままでよいとの発言があった。)

一、軍祭規定

  武道・陸上競技・水上水中競技・球技の4部門で行われる。

  武道

   柔道

   剣道

   弓道

   相撲

   薙刀

  陸上競技

   短距離走

   中距離走

   長距離走

   伝令走

   馬術

   登山走

   綱引(個人・団体)

  水上水中競技

   近泳

   遠泳

   伝令泳

   手漕ぎボート走

   ボートレース(興業の扱いとのこと)

  球技

   蹴鞠

   蹴球

   闘球

   籠球

   卓球

   避球

    但し、日満両国は特別枠

 各部門各種目ごとに順位をつけ、一等から三等までの選手を表彰し、記念品を贈呈する。

 

・・・

 ポクトアール提督の式典での祝辞

 フェン王国と我が国の今後の友好

 ショーンレミールの発展はフェン王国の発展にもつながる。

 フェン人のショーンレミールでの雇用も今後拡大

 →異例の内容

 →しかし、今後の皇国の国策を考えると政策の転換は必要か

 

・・・

 ポクトアール提督より、本日の陣中日誌の取扱いは厳重にすべきこと通告される。

 同じく、本日式典に出席した司令部要員及び護衛にも、本日見聞きした内容は軽々に多言せぬようにとのこと。

 

 ―――――

フェン王国首都アマノキ軍祭開会式会場来賓席

 ― 第三外務局出向皇国監察軍東洋艦隊副官 クレメント・ツー・オンデイズ

 

 我々東洋艦隊がショーンレミール到着後間もなく、ようやく旗艦から個人の荷物などを陸に降ろして、荷解きを行っていたころ、本国第三外務局から緊急指令が届いた。明後日に迫ったフェン王国の軍祭開会式にポクトアール提督は出席するようにとのこと。馬車を乗り継いて、一日の距離。今すぐに出発せねば、間に合わない。ポクトアール提督に通信文をお見せしたところ、至急出発することとなった。新たにポクトアール閣下の副官となった根拠地隊の副官は、ショーンレミールに残留して、駐屯兵の監督をすることとなり、私が付き添うこととなった。

 

 馬車を乗り継ぎ、急いで軍祭会場にやってきたが、ようやく到着したという安堵感から、ふと思いついた。はて、本国は何故こんな田舎の軍事演習などに興味を抱いたのであろうか。

 軍祭会場には、急な出席にもかかわらずちゃんと席は準備してあった。それも中央に近い場所だ。うむ、きちんと列強国への敬意をはらっているな。結構なことだと思ったのもつかの間、フェン側からポクトアール提督に来賓として挨拶を依頼された。その要請自体は当然のものである。なければおかしい。だが、挨拶の順番は一番最後であった。それはおかしい。挨拶の順番は席次の上位者からすべきであろうと、私は抗議したが、ポクトアール提督は急な出席なのだ、式の運営に支障が出てはいかぬだろうとそのままでよいと相手方に伝えたのだ。私だけではなく、司令部要員も驚いた。もちろん、フェン側の担当者も驚いていた。どういうことなのだろうか。ポクトアール提督は、今はまだ理解できずともよいと我々に言うだけであった。

 

 入場行進が始まった。どの国も対して代わり映えのしない軍装備だった。弓だの鎗だのと前時代的な装備。軍以外の競技の選手に至ってはなんといってよいか、まあみすぼらしい服装であった。各国の入場行進時には、その国その国で使われる音曲が演奏されているが、太鼓をドンドカ打ち鳴らすだけの騒音だ。本国の精錬された音楽が懐かしい。

 こんな連中の軍事演習もどきを観戦させるために、フェンに到着したばかりのお忙しいポクトアール提督を出張させるとは・・・。本国の外務局には苦言を呈さねばならぬ。血迷ったとでもいうべきだろか。業務日誌のメモ書きに、外務局への抗議文書の内容を考えて、書き連ねていると入場行進の終盤にさしかかる。最近ロウリアとの戦争に勝ったクワ・トイネ公国とクイラ王国の行進が始まった時は、ほうと思った。弓だの鎗だのと言った装備の他に我々がよく目にするような軍装備を持っていた。司令部要員の同僚が、あれは我が軍が使用する魔導銃に似ているなと言うではないか。なるほど、数は10丁もないが、似ているな。行進曲も太鼓をドンドカ打ち鳴らすだけの騒音ではないし、選手の着ている服もなかなか上等な衣装のようだ。なるほど、ロウリアに勝利しただけはあるか。提督にそう話すと、まあそうだなと気の無い返事しか返ってこなかった。

 戦争に負けたにしては、なかなかきらびやかな衣装をまとったロウリアの行進が終わると、これまでとは全く違う音楽が流れてきた。なんという重厚な音楽だ。勇ましい曲調ではないか。我が軍にも欲しいと思ったが、それもつかの間のことだった。先頭で馬に跨り、刀を持っている者が指揮官だろうが、それに続く者が乗っているのはムーやミリシアルが製造している自動二輪車ではないか。式次第に目を移す。この国は、大日本帝国。大日本帝国陸軍。我が国が持っている魔導銃のような物を全員が装備している。そうか、先ほどのクワ・トイネとクイラの持っていた装備はこれか。彼らは日本国から武器の支給を受けたのだ。故にロウリアに勝利した。そういうことか。む、あれは、自動車。あれも、ムーの情勢を伝える報告書に乗っていた。

 そうか。わかったぞ。ムー国だな。ムー大陸を超えてさらに西に行くとフィルアデス大陸の東側に到達すると言われている。その途中に日本国があり、その日本国はムーの属領、それもかなり近い関係にあるのだろう。そこから、ロデニウス大陸に足を延ばした。目的は、クイラの石油と言う鉱物資源だな。

 曲が変わった。今度は先ほどの曲よりも軽快な曲だ。だが、精錬されているという点では変わりない。なんということだ。列強第2位のムー国もまた我が国と同様に国威を拡大しようとしているのだ。列強2位のムーと列強4位の我が国。どこまで我が国は抗えるのか。これは皇国の危機だ。

 

「提督。提督は、この事態、御存じだったのですか。」

 

 ポクトアール提督は実に難しい顔をして眼前を行進していく日本人達を眺めている。

 

「今はまだ詳しいことは言えない。というよりも、私もまだ詳しいことは知らないのだ。」

 

 つまり、提督がこの軍祭に急遽参加することになった理由というのは、そのあたりを調査するということか。難しいことではあるが、やるしかないのも確かだ。まずは、軍の装備についての調査が必要だな。ムー国の採用兵器のリストは、本国の軍務局あたりに問い合わせねばわからないため、比較のしようがない。ひとまず、この国の武器の性能をリスト化したいものだ。

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