大日本帝國召喚   作:もなもろ

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CMの入りが唐突です。MCの人が冷や汗かいているかもしれません・・・。


テレビ東西情報番組 午後も元気に!! 2675(平成27・2015)年11月6日(金) 午後2時

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テレビ東西情報番組 午後も元気に!!

 

〇司会 矢澤光喜

〇アシスタント 田中姫子

コメンテーター

〇政治評論家 竹本萬斎

〇経済アナリスト 山井善治

〇東西新聞論説委員 吉井咲子

〇東京帝國大学法学部教授(国際法) 李甚太郎

〇タレント 武田純一

〇元プロ野球選手(東京帝都巨人軍一塁手) 大澤大二郎

 

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〇矢澤 昨日に引き続いて、アルタラス問題をまず始めに扱っていきましょう。吉井さん。今週は海外情勢が目まぐるしく移り変わってきましたが。

 

〇吉井 はい、まさしく、矢澤さんのおっしゃる通りですね。まずは、パーパルディア皇国からアルタラス王国に対してアルタラスの領土割譲の要求が月曜日に行われました。しかも、その領土と言うのがアルタラスの財政の屋台骨を支えている魔石鉱山。この譲渡と言うからまた驚きです。アルタラス側からしたら到底吞めない要求です。我々日本人にわかりやすく言えばですよ、中東の産油国に対して油田地帯を割譲せよと、こう言っているようなものなんですよ。簡単に割譲できるとは思えません。

 

〇矢澤 そうですね。この辺り、パーパルディア皇国がどのような見通しを持っていたかということなんですが、竹本さん。こういう一見すると無理な要求というのをしていくというのは、政治の世界においては、どういった性格を持つと考えられますでしょうか。

 

〇竹本 そうですなあ。吉井さんがおっしゃったことを前提として言えば、ということはですよ。まずは、無茶な要求を最初にすることで、本当に通したい要求を通しやすくするというブラフ。そういったことが考えられます。

 

〇矢澤 ということは、パーパルディア皇国としては、魔石鉱山の奪取は考えていなかったということなのでしょうか。

 

〇竹本 いや、そう結論付けることもまた早計です。アルタラス産の魔石と言うのはこの世界の各国、特に上位の列強国に対しても高値で売り付けられるという高い品質を有するものと聞いております。つまり、アルタラス産の魔石鉱山を抑えるということは、パーパルディア皇国が世界各国に対して、優位な位置を獲得するということにも繋がります。自国の勢威を向上させるという点では、一つの選択肢としては、まず有り得る選択肢と言えましょう。

 

〇武田 竹本先生。その、一つの選択肢といわれるのはいったいどういうことでしょう。

 

〇竹本 左様。ある意味では、パーパルディア皇国が、アドバンテージを得ることにはつながるということでは間違いではないとは思いますが、あまりアコギな真似をしていては、他の諸国からも冷たい眼で見られかねません。そのあたりについては、山井先生辺りがお詳しいのではないかと思いますが。

 

〇山井 そうですね。アルタラス産の魔石と言うのは、ミリシアル帝国を始めとした中央世界、つまりはこの世界における強国からクワ・トイネやクイラ、トーパなど文明圏外と呼ばれているいわば序列の低い国々まで、世界的な取引をアルタラスはしております。先ほどの吉井さんの言葉を借りるとすれば、中東の産油国、サウジアラビアやイランと言った国々、これらを全て一国の支配下に置こうとする行為です。地球世界でそんなことをしようとすれば、そう、列強の一か国がそのようなことをしようとすれば、他の列強国が総出で止める形となりましょう。さらに、そのような政情不安の地の中心にありますと魔石の価格も不安定なものとなりかねません。国際経済が不安定なことになることは間違いないでしょう。

 

〇矢澤 そうなりますとですよ。魔石の取引を行っているミリシアル辺りがですよ、パーパルディア皇国の行動を掣肘しようとするということが当然として考えられますが、これはいかがでしょう。

 

〇山井 そうなんです。魔石の円滑な流通の阻害ということであれば、これはミリシアルを始めとして、世界各国の経済に影響を与える可能性が高い問題なんです。ミリシアルは列強第一位を自認している大国です。世界の平穏に対して責任ある地位にあります。その彼らがパーパルディアの行動の見逃すということはないと考えられます。

 

〇大澤 しかし、先生方。いままでの解説をお聞きしていると、パーパルディア皇国は、ひっこめることを前提にして、提案を公範囲に公表したということになりますが、なぜそういう手間のかかるまどろっこしいことをしたのですか。そこがてんで分かりませんが。

 

〇竹本 いや、大澤親分のおっしゃるところがまさしくポイントでですね。今までの話はパーパルディア皇国が提案をひっこめるということが、前提での話であったのですが、実はその逆で、パーパルディア皇国は提案をひっこめない。つまりは、世界各国、少なくともミリシアルと当事国であるアルタラスの間には既に根回しが済んでいて、2日の広域通信は要求を通告したのではなくて、決定済みの内容を公布したに過ぎないというのもまた理論的には有り得るという話なんですがね。

 

〇矢澤 竹本さん。理論的にはというのは?

 

〇竹本 それが、初めに戻りますが、国家財政の屋台骨をどういう見返りでもってすれば手放させることができるのか。理論的にはこういう考え方のほうがしっくりは来るのですが、納得には程遠いというのが実情なのですよ。

 

〇武田 確かにですよね。合点はいきませんね。

 

〇大澤 うむ。列強第一位というミリシアルが格下のパーパルディア皇国の良いように動くっていうのはどうも気に入らねえ話です。

 

〇矢澤 皆さんのおっしゃる通りでして、裏で話が通じているのなら、なぜ昨日の話になったのかというのが最大の謎ですよね。

 

〇吉井 そうなんです。話が通じているのなら、あの事件が起こるはずはないと思うのです。あれは、パーパルディア皇国から国家財政にとって重要な鉱山の割譲を要求されたが、アルタラスはこれに抵抗して、その口論の最中に思い余ってというのが、本来考え付く自然な流れだと思うのです。

 

〇竹本 今の吉井さんの解説なんですがね、筋道としては、確かに自然なんですが、パーパルディア皇国の2日の広域通信では、パーパルディア皇国の在アルタラスの在外公館を通して交渉を重ねてていくというような話にはなっていないのですよ。在アルタラスのパーパルディア皇国大使館には回答を受理することだけを通信しています。それに、外交交渉を国王が直接するというのもおかしい。通常であれば、事務レベル・官僚レベルでのの交渉があり、次いで次席大使や外務次官レベルで行い、最後に大使と国王が調印するというのが自然な流れです。我が国も、クワ・トイネやムーなどと交渉したときも同じように事務レベルの会合を通して、詳細な条件を煮詰めたうえで、条約の調印迄こぎつけました。外交交渉のやり方としては、パーパルディア皇国もまた同じなはずです。いきなり国王と大使同士で交渉などとはちょっとありえないです。

 

〇矢澤 ええ、李先生。そのあたりいかがでしょうか。

 

〇李 いや、話そのものは竹本さんのおっしゃる通りですよというより、これは国家に限らず、どの組織だって同じことのはずですよ。トップ同士でやり取りをするというのは、初めに大枠をトップ同士で決めてから、その後にその大枠を意識したうえで詳細な条件を事務方同士で決めると言ったような形が当然とられる方法でしょう。今回は既にその大枠どころか、ある程度の詳細までパーパルディア皇国本国から一方的な通告で決められております。ここがポイントで、アルタラスが交渉を行うカウンターパートはパーパルディア大使館ではなく、パーパルディア皇国本国なんです。条件闘争をするというのであれば、大使ではだめなんです。そういう観点から言っても、この国王と大使の会談は不可解ですね。

 

〇武田 なるほど。確かにそうですね。しかし、条件交渉でもないのに、この時期に会談を行うなど、これもまた不自然ですね。受諾の通告ということであれば、大使と会見することは確かに正しいですが。国王陛下自らそういうことをするというのは心情的におかしいですよね。

 

〇大澤 そうさな。自分の領土を奪われるってのにへいこらと会いに行くっていうのはなあ。はいわかりましたって返答だけなら、誰かその辺の下っ端にでも行かせりゃすむ話だ。俺なら相手の顔も見たくないと思うわな。

 

〇矢澤 そうなると。このアルタラス国王とパーパルディア大使の会談と言うのもなにがなんだかわかりませんね。

 

〇李 ええ。不可解です。先ほど大澤親分もおっしゃったように、このような相手方の要求を受諾するというだけなら、外務大臣、アルタラスでいえば、外務卿の固有の権限だけで充分でしょう。そして、条件闘争をするのであれば、全権委任状を持った外交官をパーパルディア本国に送る必要があるでしょう。となると、アルタラス国王はパーパルディア大使と要求に対する返答を行うために会談したのではなくて、パーパルディア大使から情報収集を行う為に会談したというのがしっくりくるかもしれません。パーパルディア大使を通じてパーパルディア皇国本国の動向を確かめようとした、というのが一番納得がいく意味づけだと思います。 

 

〇矢澤 なるほど。直接交渉の全段階と言うことですか。竹本さんはどう考えますか。

 

〇竹本 うーん。一番納得のいく話ということであれば、李教授の話の通りなんですよね。アルタラス国王は情報を聞き出そうとして、パーパルディア大使との間に口論となり、打擲に及んだ。100%の納得ではないんですが、それしかないかなあと。

 

〇大澤 しかし、そうなると、アルタラスの国王陛下というのは、どうにも短気なお人のようですな。なにがどうなったのかは知らんが、手を出したってのはまずいよ。喝だよ喝。

 

〇武田 大澤親分の喝が出ましたね。いやなに、私もね、芸能活動が長いですがね、今までにいろいろと嫌なこともありましたよ。何だこいつと、張り倒してやろうかと思ったのだって今までに何人もいましたよ。それでもね、手を出したら駄目だ。我慢ですよ我慢。臥薪嘗胆。今に見ていろという気持ちね。とまあこういうね。アルタラスの国王陛下もね、上に立つ者として我慢が足らんかったと思いますよ。口論の末か、ちょっと気に入らん発言をされたかは知らんですがね、やはりね、手を出してはいかんです。

 

〇矢澤 なるほど。あ、はい、ではここでいったんCMです。

 

(CMに入る。)

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