大日本帝國召喚   作:もなもろ

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今回も結構長いものになりました。拙作世界の日本の学校についての詳述です。


文部大臣官房総務課・編『平成26年度 帝國文教施策』

 文部省の所管とする学校は、「諸学校令」にて規律される勅令校を謂い、陸軍士官学校等軍令にて設立される軍学校や学習塾や自動車教習所などの各種学校は含まれない。各種学校については、青年学校・実業学校の項でも扱う。

 

 

1.「諸学校令」と一号校

 諸学校令とは、帝国の学校教育機関について定めた法令の集合体を謂い、諸学校令と言う法令があるわけではない。諸学校令に含まれているとされる法令には、小学校令(昭和16年勅令第148号)、青年学校令(昭和14年勅令第254号)、中学校令(明治32年勅令第28号)、高等女学校令(明治32年勅令第31号)、実業学校令(明治32年勅令第29号)、高等学校令(大正7年勅令第389号)、専門学校令(明治36年勅令第61号)、大学令(大正7年勅令第388号)、帝國大学令(大正8年勅令第12号)、師範教育令(昭和18年勅令第109号)、幼稚園令(大正15年勅令第74号)、盲学校及聾唖学校令(大正12年勅令第375号)の勅令が存在している。これに、私立学校令(明治32年勅令第359号)を加えるという見解もある。

 枢密院の職掌について定めている枢密院官制第6條は、その職掌(諮詢事項と呼ぶ)を下記の如く第1号から第11号まで概括列挙している。

第六條 樞密院ハ左ノ事項ニ付諮詢ヲ待テ會議ヲ開キ意見ヲ上奏ス

  一 皇室典範及皇室令ニ於テ樞密院ノ權限ニ属セシメタル事項竝ニ特ニ諮詢セラレタル皇室令

  二 帝國憲法ノ條項ニ關スル草案及疑義

  三 帝國憲法ニ附属スル法律及勅令

  四 樞密院ノ官制及事務規程ノ改正

  五 帝國憲法第八條及第七十條ノ勅令

  六 國際條約ノ締結

  七 帝國憲法第十四條ノ戒嚴ノ宣告

  八 教育ニ關スル重要ノ勅令

  九 行政各部ノ官制其ノ他ノ官規ニ關スル重要ノ勅令

  十 榮典及恩赦ノ基礎ニ關スル勅令

  十一 前各號ニ掲ゲタルモノノ外特ニ諮詢セラレタル事項

 諮詢事項第3号、第8号、第9号及び第11号の各号に定むる諮詢事項の範囲について、昭和13年12月に御沙汰書「枢密院諮詢事項ノ範囲ニ関スル件」が勅諚せられ、

枢密院官制第六条第八号ノ教育ニ關スル重要ノ勅令ハ概ネ左ノ如シ

 一 各学校令(師範教育令ヲ含ム)及幼稚園令

 二 朝鮮其ノ他ノ外地ノ教育ノ基礎ニ關スル勅令

 三 学位ニ關スル勅令

 上記の如く定められた。この学校令、教育の基礎に関する勅令という言葉には先行する法令がある。明治33年に勅諚せられた枢密院の諮詢事項の範囲を定めた解釈では、枢密院の諮詢に付すべき「教育ノ基礎ニ関スル勅令」として、小学校令、中学校令、高等女学校令、師範教育令、高等学校令、大学令及び実業学校令の7勅令が列挙されている。

 この法令の流れから、昭和13年の御沙汰書中の「各学校令」には、「私立学校令」は含まれないと解し、諸学校令の中にも含まれないとするのが行政解釈である。最も、私立学校令も諸学校令の勅令と同様に枢密院の諮詢を経る勅令として扱われており、実質的な違いはないものとされている。また、御沙汰書第一号に定める学校については、他法令が参照するときは「一号校」と定義されるが、これについては、各学校令に基づいて設置された私立学校も一号校として扱われるので、その点においても異動はない。

 一号校か否かは上級学校への受験資格や資格試験の受験資格に影響する。この点において、「学習院女子学習院の教育課程に関する宮内大臣文部大臣間協定」、「陸軍幼年学校、陸軍予科士官学校、陸軍士官学校及び陸軍航空士官学校の普通学履修内容に関する陸軍大臣と文部大臣との協定」、「海軍教授が取り扱う海軍兵学校の一般教養学の程度に附海軍大臣文部大臣間諒解」の行政文書が存在し、上級学校への受験資格や資格試験の受験資格においては、一号校に準じると看做し、下記の如き取り扱いが了承されている。

 学習院・女子学習院初等科修了    ― 小学校卒業程度

 学習院・女子学習院中等科修了    ― 中学校・高等女学校尋常科卒業程度

 学習院・女子学習院高等科修了    ― 高等学校・高等女学校高等科卒業程度

 陸軍幼年学校卒業          ― 中学校・高等女学校尋常科卒業程度

 陸軍予科士官学校卒業        ― 高等学校・高等女学校高等科第二学年修了程度

 陸軍士官学校・陸軍航空士官学校卒業 ― 高等学校・高等女学校高等科卒業程度

 海軍兵学校卒業           ― 高等学校・高等女学校高等科卒業程度

 

 

2.教育段階

 国際連盟教育科学文化機関 (こくさいれんめいきょういくかがくぶんかきかん、League of Nations Educational, Scientific and Cultural Organization、略称: LONESCO、ロネスコ)が策定している統計フレームワーク、「国際標準教育分類」に基き、帝国の学校教育は下記の如く分類される。

 

レベル0 就学前教育

 ― 学校や社会への参加のための早期準備。初等教育の開始前のプログラムである。

  幼稚園

レベル1 初等教育または基礎教育ステージ1

 ― 読み書き、読書および数学などの基礎的なスキルを提供するプログラムである。

  小学校

  学習院初等科

  女子学習院初等科

レベル2 前期中等教育もしくは基礎教育ステージ2

 ― 初等教育や一般教科を基にしている中等教育の第一段階である。

  青年学校尋常科

  中学校

  高等女学校尋常科

  高等学校尋常科

  実業学校

  師範学校予科

  学習院中等科

  女子学習院中等科

  陸軍幼年学校

レベル3 後期中等教育

 ― 第3期の教育の準備または仕事に関連する技術、もしくはその両方に提供している。中等教育の第二段階である。

  青年学校本科

  中学校

  高等女学校尋常科

  高等学校尋常科

  実業学校

  師範学校予科

  学習院中等科

  女子学習院中等科

  陸軍幼年学校

レベル4 中等以降高等以前教育

 ― 中等教育を基にし、第3期の教育や雇用の準備、もしくは両方の準備をするプログラム。教育内容は広く高等教育ほど複雑ではない。

  高等学校高等科

  高等女学校高等科

  大学予科

  師範学校本科

  学習院高等科

  女子学習院高等科

  陸軍予科士官学校

  海軍兵学校

レベル5 短期高等教育

 ― 労働市場に直接結びつく技術的・職業的スキルを学ぶ最初の短期の第3期の教育。

  専門学校

  実業専門学校

  高等師範学校

  女子高等師範学校

  陸軍士官学校

  陸軍航空士官学校

  海軍兵学校

レベル6 学士

 ― 中間的な専門の知識、技術と能力を提供する。

  大学各学部

レベル7 修士

 ― 中間的な専門の知識、技術と能力を提供する。

  大学院修士課程

レベル8 博士

 ― 先端研究に結びつくことを目指したプログラムである。独自の研究と知識への重要な貢献が含まれた出版品質の論文の提出が必要となる。

  大学院博士課程

 

 

3.開設学校別解説

3-1.幼稚園

 幼稚園は、幼稚園令第一條で「幼稚園ハ幼児ヲ保育シテ其ノ心身ヲ健全ニ発達セシメ善良ナル性情ヲ涵養シ家庭教育ヲ補フヲ以テ目的トス」と定める学校教育機関である。国際標準教育分類レベル0(就学前教育)に担当する学校教育機関である。

設置者

 市町村、市町村学校組合、町村学校組合、私人

認可権者

 地方長官(東京都長官・道府県知事)

 小学校に幼稚園を附設することができる。

入園資格

 満3歳から小学校就学の開始期(6歳未満)に達するまでの幼児。

 3歳未満の幼児を入園させることもできる。

職員

 園長

 教頭

 保姆

 書記

職員資格

 保姆には男性職員も含む。男性職員は保父・守役と呼び、免許状にも保父免許と記載される。

 園長、教頭、保姆は、保姆免許保持者。

 保姆免許は、次の者に対して地方長官が授与する。

  師範学校女子部卒業生

  師範学校保姆課程履修者

  保姆検定合格者

保育入園料

 原則徴収。公立幼稚園では管理者が、私立幼稚園では設立者が地方長官の認可を経て、金額を決定。

 

 

3-2.小学校

 小学校は、小学校令第一條で「小学校ハ児童身体ノ発達ニ留意シテ道徳教育及国民教育ノ基礎並其ノ生活ニ必須ナル普通ノ知識技能ヲ授クルヲ以テ本旨トス」と定める学校教育機関である。国際標準教育分類レベル1(初等教育または基礎教育ステージ1)に担当する学校教育機関である。

設置者

 市町村、市町村学校組合、町村学校組合、私人

 市町村に小学校の設置義務

 町村の資力附則又は児童に適度の通学路程内に小学校が設置できないときは町村学校組合又は市町村学校組合を強制創立

 校地、校舎、校具及体操場を備えなければならない。

認可権者

 地方長官

修業年限

 6年(義務教育)

教科

 共通科目

  修身、国語、算数、公民、国史、地理、理科、外国語、習字、図画、工作、唱歌、音楽、情報、体育

 男児のみ

  武道

 女児のみ

  裁縫、家事

 児童の学年により科目の分合加除を認める。

進路

 1から2割割程度が中学校・高等女学校高等科へ進む。2割から3割程度が実業学校ヘ進む。残りが青年学校へ進む。

教科書

 教科書は原則として文部省が著作権を持つものを使用しなければならない。但し、副読本や教材資料などは、東京都学務局又は道府県学務部視学官が委員長を務める小学校図書審査委員会の審議を経て、学校長が随意に指定できるものとしている。

職員

 学校長

 教頭

 教員

 養護教員

 書記

教員資格

 小学校教員は、本科正教員(教科目全てを担当する者)、専科正教員(教科目中文部大臣の指定する一科目又は数科目を限り担当する者)、准教員(本科正教員を補助する者)及び養護教員に分けられる。

 本科正教員免許状は、以下の者に地方長官が授与する。

  師範学校卒業生

  本科正教員検定合格者

 専科正教員教員免許状は、以下の者に地方長官が授与する。

  実業学校・専門学校等の師範養成課程履修者

  専科正教員検定合格者

 小学校准教員免許状は、以下の者に地方長官が授与する。

  中学校・高等女学校尋常科・実業学校の卒業生(申請者)

  高等学校尋常科修了生(申請者)

  小学校准教員検定合格者

 養護教員免許状は、以下の者に地方長官が授与する。

  文部大臣が指定した学校の師範養成課程履修者

  養護教員検定合格者

 学校長及び教頭は本科正教員が兼務する。概ね学校長は奏任待遇、教頭、教員、養護教員及び書記は判任待遇である。

経費負担及び授業料

 公立小学校の費用は原則市町村、市町村学校組合又は町村学校組合の負担とする。財政的に厳しい市町村・学校組合には都道府県から補助を行わなければならない。

 公立小学校は無償である。但し、師範学校附属小学校では学校長が、私立小学校では設立者が地方長官の認可を経て、金額を決定する。

 

 

3-3.青年学校

 青年学校は、青年学校令第一條で「青年学校ハ男女青年ニ対シ其ノ心身ヲ鍛錬シ徳性ヲ涵養スルト共ニ職業及実際生活ニ須要ナル知識技能ヲ授ケ以テ国民タルノ資質ヲ向上セシムルヲ目的トス」と定める学校教育機関である。尋常科と本科に分かれ、それぞれ国際標準教育分類レベル2(前期中等教育もしくは基礎教育ステージ2)、レベル3(後期中等教育)に担当する学校教育機関である。

設置者

 都道府県、市町村、市町村学校組合、町村学校組合、私人

 市町村に青年学校の設置義務。小学校の近くに設置される例が多い。

 校地、校舎、校具及体操場を備えなければならない。

認可権者

 都道府県立の青年学校は文部大臣

 それ以外の青年学校は地方長官

修業年限

 5年(義務教育)

 尋常科2年

 本科3年

 補習科1年

教科

 尋常科と本科で科目が異なる。

 尋常科

  修身、国語、算数、数学、公民、法制及経済、国史、歴史、地理、理科、外国語、習字、図画、工作、情報、音楽、体育

 男児のみ

  武道

 女児のみ

  家政

 本科

  修身、国語、数学、公民、法制及経済、歴史、地理、理科、外国語、書道、美術、音楽、技術、情報、体育、職業、職業実習

 男児のみ

  武道

 女児のみ

  家事

 生徒の習熟度により科目の分合加除を認める。

入学資格

 尋常科

  小学校卒業。中学校等他の学校に進まない者は青年学校に入学する。

 本科

  尋常科修了

学級編成

 青年学校の学級編成は、生徒の学習習熟度によって決定される。小学校卒業時の学習成績が青年学校に通知され、クラス編成の考慮に入れられる。都道府県立の青年学校はこの点において、他の学校との編入の為に就学する者が多い。即ち、成績優秀者は中学校や実業学校など大学までの高等教育に適した学校に尋常科修了時に第三学年で編入することがある。

教科書

 教科書は原則として文部省が著作権を持つものを使用しなければならない。但し、副読本や教材資料、職業教育用の教科書などは、東京都学務局又は道府県学務部視学官が委員長を務める青年学校図書審査委員会の審議を経て、学校長が随意に指定できるものとしている。

職員

 学校長

 教頭

 教諭

 養護教諭

 書記

教員資格

 青年学校教員は、小学校教育とも密接する幅広い学習範囲を有し、かつ職業についての科目も存在していることから多種多様な教員資格を有している。教諭(本科各教科別免許を有する者)、尋常科教諭(尋常科の教科目のみを担当することができる者)、助教諭(教諭及び尋常科教諭を補助する者)及び養護教諭に分けられる。

 教科目別青年学校教員免許状は、次の者に対して地方長官が授与する。

  高等師範学校卒業生

  師範学校青年学校師範科卒業生

  大学・専門学校の師範養成課程履修者

  教科目別青年学校正教員免許状検定合格者

 青年学校尋常科教員免許状は、次の者に対して地方長官が授与する。

  師範学校卒業生

  大学・専門学校の師範養成課程履修者

  青年学校尋常科教員検定試験合格者

 青年学校助教員免許状は文部大臣が指定した学校の卒業生又は青年学校助教員検定合格者に地方長官が授与。

 養護教員免許状は、以下の者に地方長官が授与する。

  文部大臣が指定した学校の師範養成課程履修者

  養護教員検定合格者

 公立の学校長及び教頭は教諭が兼務する。概ね学校長は奏任待遇、教頭、教諭、養護教諭及び書記は判任待遇である。

経費負担及び授業料

 公立青年学校の費用は原則市町村、市町村学校組合又は町村学校組合の負担とする。財政的に厳しい市町村・学校組合には都道府県から補助を行わなければならない。

 公立青年校は無償である。但し、私立青年学校では設立者が地方長官の認可を経て、金額を決定する。

各種学校と青年学校

 青年学校の教育課程は習熟度別の柔軟なカリキュラムを準備しているが、職業教育を中心としている。そのため、国際標準教育分類では、中等教育施設として中学校、高等女学校尋常科、実業学校、青年学校が挙げられ、同レベルの学校に位置付けてあるが、その教育課程の程度は異なる。青年学校卒業資格では、高等学校や専門学校の入学資格は付与されない。別途検定試験を受ける必要がある。なお、陸軍予科士官学校のみは年齢以外の入学資格を課していない。

 青年学校ではダブルスクールによる資格取得を行うのが常例である。即ち、各種学校とされている調理師養成所や理容師美容師養成所などと提携して、職業科目、職業実習科目を外部委託することができる。

 

 

3-4.中学校・高等女学校尋常科・高等学校尋常科

 中学校、高等女学校尋常科及び高等学校尋常科(以下、中学校等)は、国際標準教育分類で同レベルの教育程度であり、レベル2(前期中等教育もしくは基礎教育ステージ2)、レベル3(後期中等教育)相当の教育機関であるとされる。中学校等の学校目的は、「中学校ハ男子ニ須要ナル高等普通教育ヲ為スヲ以テ目的トシ特ニ国民道徳ノ養成ニ力ムヘキモノトス(中学校令第一條)」、「高等女学校ハ女子ニ須要ナル高等普通教育ヲ為シ又ハ高等普通教育ヲ完成スルヲ以テ目的トシ特ニ国民道徳ノ養成ニ力メ婦徳ノ涵養ニ留意スヘキモノトス(高等女学校令第一條)」となっており、「高等普通教育ヲ為」すことを目的としている。法文上は、高等普通教育となっているが、これは中学校等の卒業後の進路延長線上に大学があるためであり、学習内容が早期から高等教育を意識して建てられているということである。

設置者

 都道府県、市町村、市町村学校組合、町村学校組合、私人

 都道府県は1校以上中学校及び尋常科を有する高等女学校をそれぞれ設置する義務がある。

 市町村は、土地や財政状況により設置することができる。

 校地、校舎、校具及体操場を備えなければならない。

認可権者

 設置及び廃止は文部大臣

 公立学校の位置は地方長官が決定

修業年限

 中学校、高等女学校尋常科:5年(但し、4年修了で上級学校への入学資格を付与することができる。)

 高等学校尋常科:4年

学科目

 修身、国語及漢文、数学、法制及経済、歴史地理、理科、化学及物理、博物、外国語、美術、音楽、体育、情報

 中学校のみ

  武道

 高等女学校尋常科のみ

  家政

 生徒の学年により科目の分合加除を認める。

入学資格

 小学校卒業又は同程度。

 小学校第5学年で受験資格を得ることができる。

進路

 凡そ6割が高等学校高等科・高等女学校高等科・大学予科に進学する。2割が専門学校や高等師範学校に進学し、2割が就職就業する。

教科書

 教科書は文部大臣の検定を経たものにつき、地方長官の認可を経て学校長が指定する。副読本等は、東京都学務局長又は道府県学務部長が委員長を務める学校図書審査委員会の審議を経て、学校長が随意に指定できるものとしている。

職員

 学校長

 教頭

 教諭

 養護教諭

 書記

教員資格

 中学校等教員は、教諭(各学科別免許を有する者)、助教諭(教諭を補助する者)及び養護教諭に分けられる。

 教科目別中学校等教員免許状は、次の者に対して地方長官が授与する。

  高等師範学校卒業生

  大学・専門学校師範養成課程履修者

  教科目別中学校等教員免許状検定合格者

 中学校等助教員免許状は文部大臣が指定した学校の卒業生又は中学校等助教員検定合格者に地方長官が授与。

 養護教員免許状は文部大臣が指定した学校の卒業生又は養護教員検定合格者に地方長官が授与。

 公立の学校長及び教頭は教諭が兼務する。概ね学校長は奏任待遇、教頭、教諭、養護教諭及び書記は判任待遇である。

経費負担及び授業料

 公立中学校等の費用は都道府県、市町村、市町村学校組合又は町村学校組合の負担とする。

 公立中学校等の入学授業料は原則徴収である。公立中学校等では地方長官が、私立中学校等では設立者が文部大臣の認可を経て、金額を決定する。公立中学校等では、義務教育期間中であることも考慮に入れて金額が決定され、保護者の資力に応じた減免措置が認められている。

 

 

3-5.実業学校

 実業学校は、国際標準教育分類で、レベル2(前期中等教育もしくは基礎教育ステージ2)、レベル3(後期中等教育)相当の教育機関であるとされる。中学校等の学校目的は、「実業学校ハ実業ニ従事スル者ニ須要ナル智識技能ヲ授クルヲ以テ目的トシ兼テ徳性ノ涵養ニ力ムヘキモノトス(実業学校令第一條)」となっており、職業訓練を目的としている。実業学校にはいくつかの種類が存在しており、工業学校、農業学校(獣医学校を含む)、商業学校、商船学校、水産学校及び其の他実業教育を為す学校と規定されている(実業学校令第二條)。大学及び医科大学には、附属看護学校が設置されているが、これは実業学校令の規定を受ける学校である。

設置者

 都道府県、市町村、市町村学校組合、町村学校組合、私人

 都道府県は土地の状況により1校以上実業学校を設置する義務がある。概ね工業学校、農業学校、商業学校の3校は必ず設置されており、海に面していない県以外は水産学校を設置している。

 市町村は、土地や財政状況により設置することができる。

 校地、校舎、校具及体操場を備えなければならない。

認可権者

 設置及び廃止は文部大臣

 公立学校の位置は地方長官が決定

修業年限

 5年

 研究科1年

実業学校の種類と学科

 農業学校 ― 農業科、林業科、蚕業科、園芸科、農業土木科、獣医畜産科

 工業学校 ― 機械科、航空機科、造船科、電気料、電気通信科、工業化学科、紡織科、色染科、建築科、土木科、採鉱科、冶金科、金属工業科、木材工芸科、金属工芸科

 商業学校 ― 商業科

 水産学校 ― 漁撈科、水産加工科、養殖科

 其の他実業教育を為す学校

学科目

 修身、国語及漢文、数学、法制及経済、歴史地理、理科、化学及物理、博物、外国語、美術、音楽、体育、情報、実業、実業実習

 男子のみ

  武道

 女子のみ

  家政

 生徒の学年により科目の分合加除を認める。

 実業及び実業実習は学科の別に応じて変更される。

 卒業後研究科に1年在籍し、実業学科の研究又は上級学校への進学資格の取得をすることができる。

入学資格

 小学校卒業又は同程度。

 小学校第5学年で受験資格を得ることができる。

 各学校で男女それぞれ2割程度が実業学校に進学する。

進路

 凡そ5割程度が卒業後、就職就業する。1割が専門学校に進学し、4割が研究科に在籍する。

教科書

 教科書は文部大臣の検定又は農務大臣、建設大臣、通商産業大臣等の各々の業種の所轄官庁の検定を経たものにつき、地方長官の認可を経て学校長が指定する。副読本等は、東京都学務局長又は道府県学務部長が委員長を務める学校図書審査委員会の審議を経て、学校長が随意に指定できるものとしている。

職員

 学校長

 教頭

 教諭

 養護教諭

 書記

教員資格

 実業学校教員は、教諭(各学科目別免許を有する者)、実業教諭、助教諭(教諭及び実業教諭を補助する者)及び養護教諭に分けられる。

 教科目別実業学校教員免許状は、次の者に対して地方長官が授与する。

  高等師範学校卒業生

  大学・専門学校の師範養成課程履修者

  教科目別実業学校教員免許状検定合格者

 実業教員免許は、次の者に対して地方長官が授与する。

  大学・専門学校の師範養成課程履修者

  実業科目別実業学校教員免許状検定合格者

 実業学校助教員免許状は文部大臣が指定した学校の卒業生又は中学校等助教員検定合格者に地方長官が授与。

 養護教員免許状は文部大臣が指定した学校の卒業生又は養護教員検定合格者に地方長官が授与。

 公立の学校長及び教頭は教諭が兼務する。概ね学校長は奏任待遇、教頭、教諭、実業教諭、養護教諭及び書記は判任待遇である。

経費負担及び授業料

 公立実業学校の費用は都道府県、市町村、市町村学校組合又は町村学校組合の負担とする。

 公立実業学校の入学授業料は原則徴収である。公立実業学校では地方長官が、私立中学校等では設立者が文部大臣の認可を経て、金額を決定する。公立実業学校では、義務教育期間中であることも考慮に入れて金額が決定され、保護者の資力に応じた減免措置が認められている。

各種学校と実業学校への昇格運動

 調理師学校と称する調理師養成所や理容美容学校と称する養成所は各種学校に該当する。近年高等教育への志向の高まりを受けて、これらの養成所設立者の中で養成所の実業学校への昇格運動が起こっている。実情学校への昇格となれば、卒業生は専門学校への進学資格を得ることができる。調理師は商学係の、理容師美容師は服飾関係を包括する家政学系の専門学校への進学が可能となる。研究科に進学すれば、高等学校への進学も可能となる。調理師免許等の検定試験もカリキュラムに含有させた無試験検定が可能となる点も大きい。

 実業学校への設置に際しては、設置基準であるところの校地や体操場の設置が、特に都市部に存在する養成所ではネックになっている。文部省令で定める実業学校規程や各都道府県令で定める実業学校設置基準が求めている用地の確保が事実上不可能である。

 また、青年学校の関係者からも異論の声が挙がっている。青年学校では調理師などに就職を希望する生徒の職業科目の外部委託を行っている関係から各種学校が一号校になるとダブルスクールが不可能となる。また、文部省が実業学校に求める教育程度は上級学校への接続の観点から青年学校のそれより高くなり、

 

 

3-6.高等学校高等科・高等女学校高等科・大学予科

 高等学校、高等女学校高等科及び大学予科(以下、高等学校等)は、国際標準教育分類で同レベルの教育程度であり、レベル4(中等以降高等以前教育)相当の教育機関であるとされる。高等学校等の学校目的は、「高等学校ハ男子ノ高等普通教育ヲ完成スルヲ以テ目的トシ特ニ国民道徳ノ充実ニ力ムヘキモノトス(中学校令第一條)」、「高等女学校ハ女子ニ須要ナル高等普通教育ヲ為シ又ハ高等普通教育ヲ完成スルヲ以テ目的トシ特ニ国民道徳ノ養成ニ力メ婦徳ノ涵養ニ留意スヘキモノトス(高等女学校令第一條)」となっており、「高等普通教育ヲ完成」することを目的としている。文科と理科の学科に分かれる。

設置者

 官、都道府県、市、私人

 市は、土地や財政状況により設置することができる。

 校地、校舎、校具及体操場を備えなければならない。

認可権者

 公私立学校の設置及び廃止は文部大臣

修業年限

 3年

 高等学校にあっては尋常科4年を併設することができる。

学科

 文科

 修身、国語及漢文、第一外国語、第二外国語、歴史学、地理学、哲学概説、心理及論理、法制及経済、数学、自然科学、書道、美術、音楽、体育、情報、武道、家政

 理科

 修身、国語及漢文、第一外国語、第二外国語、数学、物理、化学、植物及動物、鉱物及地質、歴史地理、心理、法制及経済、図学、書道、美術、音楽、体育、情報、武道、家政

 生徒の学年により学科の分合加除を認める。

 第二外国語、武道、家政は随意科目とする。

入学資格

 当該学校尋常科修了(高等学校高等科)。

 中学校・高等女学校尋常科第四学年修了程度。

 実業学校研究科卒業生。

 高等学校等入学資格試験合格者。

 専門学校入学者検定試験合格者。

 中学校等の5割が4修で入学、1割が中学校等卒業で入学。

進路

 ほぼ10割が大学に進学する。

教科書

 教科書は学内教授会にて審議の上、文部大臣の認可を経て学校長が指定する。副読本等は学校長が随意に指定できるものとしている。

職員

 学校長

 教授

 助教授

 書記

教員資格

 高等学校等教員は、教授(各学科別免許を有する者)及び助教授(教授を補助する者)に分けられる。

 高等学校等高等科教員免許状は次の資格を持つ者に文部大臣が授与する。

  文理科大学卒業生

  大学・専門学校若・高等師範学校の高等学校等高等科教員養成課程履修者

  高等学校等高等科教員免許状検定合格者

 高等学校等高等科助教員免許状は文部大臣が指定した学校の卒業生又は高等学校助教員検定合格者に文部大臣が授与。

 教員検定は、試験認定の外無試験認定もある。

 公立の学校長は勅任又は奏任待遇、教授は奏任待遇、助教授及び書記は判任待遇である。

経費負担及び授業料

 公立高等学校等の費用は都道府県又は市の負担とする。

 公立高等学校等の入学授業料は原則徴収である。公立高等学校等では地方長官が、私立学校では設立者が文部大臣の認可を経て、金額を決定する。

 

 

3-7.専門学校

 専門学校は、国際標準教育分類で、レベル5(短期高等教育)相当の教育機関であるとされる。専門学校の学校目的は、「高等ノ学術技芸ヲ教授スル学校ハ専門学校トス。専門学校ニ於テハ人格ノ陶冶及国体観念ノ養成ニ留意スヘキモノトス(専門学校令第一條第一項第二項)」となっており、「高等ノ学術技芸ヲ教授」することを目的としている。また、実業学校令第二條ノ二第一項及び第二項にて、「実業学校ニシテ高等ノ教育ヲ為スモノヲ実業専門学校トス。実業専門学校ニ関シテハ専門学校令ノ定ムル所ニ依ル。」と定めており、実業教育の高等教育機関としても位置している。

設置者

 官、都道府県、市、私人

 市は、土地や財政状況により設置することができる。

 校地、校舎、校具及体操場を備えなければならない。

認可権者

 公私立学校の設置及び廃止は文部大臣

修業年限

 3年

 医学専門学校に関しては5年(2年の臨床実習)、歯学薬学専門学校は4年(1年の臨床実習)

 研究科2年(大学の修士課程に相当)

専門学校の種類

 医学専門学校

 歯学専門学校

 薬学専門学校

 高等農業学校

 高等工業学校

 高等商業学校

 高等水産学校

 美術学校

 音楽学校

 人文科学学校

 体育学校

 武道学校

学科目

 修身、専門科目講義、専門科目実習、教員養成課程、師範養成課程

 教員養成課程は随意科目。

入学資格

 中学校・高等女学校尋常科卒業。

 専門学校の種類に相当する実業学校卒業者。

 専門学校入学者検定試験合格者。

 研究科は当該専門学校卒業。

進路

 凡そ8割が就職就業する。残りは研究科に進学する。

教科書

 教科書は学内教授会の認可を経て学校長が指定する。副読本等は学校長が随意に指定できるものとしている。

職員

 学校長

 教授

 助教授

 書記

教員資格

 専門学校教員は、教授(各学科別免許を有する者)及び助教授(教授を補助する者)に分けられる。

 専門学校教員免許状は、次の者に対して文部大臣が授与する。

  文理科大学卒業生

  大学研究科、専門学校研究科卒業生

  専門学校教員免許状検定合格者

 専門学校助教員免許状は文部大臣が指定した学校の卒業生又は高等学校助教員検定合格者に文部大臣が授与。

 教員検定は、試験認定の外無試験認定もある。

 公立の学校長は勅任又は奏任待遇、教授は奏任待遇、助教授及び書記は判任待遇である。

経費負担及び授業料

 公立専門学校の費用は都道府県又は市の負担とする。

 公立専門学校の入学授業料は原則徴収である。公立学校では地方長官が、私立学校では設立者が文部大臣の認可を経て、金額を決定する。

 

 

3-8.師範学校

 師範学校は、師範教育令第一條第二項で「師範学校ハ小学校ノ教員タルヘキ者ヲ養成スル所トス」と定める学校教育機関である。予科と本科に分かれ、予科は、レベル2(前期中等教育もしくは基礎教育ステージ2)、レベル3(後期中等教育)に、本科は、レベル4(中等以降高等以前教育)に担当する学校教育機関である。

設置者

 官、都道府県、私人

 官は都道府県に一校設置する。

 私人が師範学校の教育課程に該当する学校を設置する場合は、大学附属師範部又は専門学校附属師範部の形を取り、単独での設置は認められていない。

 校地、校舎、校具及体操場を備えなければならない。

認可権者

 公私立師範学校の設置及び廃止は文部大臣

修業年限

 予科:5年

  予科は男子部と女子部に分かれる。

 本科:1年(予科進学生)又は2年(本科編入生)

 師範科:1年

 青年学校師範科:2年

学科目

 予科

 修身、教育学、国語及漢文、公民、歴史地理、数学、理科、外国語、図画、手工、音楽、体育、情報、武道(男子部)、家事裁縫(女子部)、各学科目指導論

 本科

 修身、教育学、国語及漢文、公民、歴史地理、数学、理科、外国語、図画、手工、音楽、体育、情報、武道(男子部)、家事裁縫(女子部)、各学科目指導論、教育実習

 予科進学生と本科編入生で教育課程が異なる。

 教育実習は附属小学校

 師範科

 本科学科目中一乃至数科目を履修。

 青年学校師範科

 本科学科目中一乃至数科目を履修。

入学資格

 予科

  小学校卒業。

 本科

  師範学校予科修了生。

  中学校・高等女学校尋常科卒業。

 師範科

  師範学校卒業生。

 青年学校師範科

  師範学校卒業生。

進路

 小学校教員となる。

 師範学校卒業生は卒後10年間の就業義務がある。但し、上級の学校に進学した場合は就業延期措置がある。

教科書

 教科書は文部大臣の検定を経たものにつき、学校長が指定する。

職員

 学校長

 教頭

 教諭

 養護教諭

 訓導

 養護訓導

 保姆

 書記

 訓導・養護訓導は附属小学校の教員となる。

教員資格

 師範学校教員は、教諭(各学科別免許を有する者)、助教諭(教諭を補助する者)及び養護教諭に分けられる。訓導、養護訓導及び保姆は、中学校等、小学校及び幼稚園におけるそれぞれの免許と同じである。

 教科目別師範学校教員免許状は、高等師範学校卒業生、師範学校師範科修了生又は教科目別師範学校教員免許状検定合格者に文部大臣が授与。

 師範学校助教員免許状は師範学校卒業生、文部大臣が指定した学校の卒業生又は師範学校助教員検定合格者に地方長官が授与。

 養護教員免許状は文部大臣が指定した学校の卒業生又は養護教員検定合格者に地方長官が授与。

 学校長は奏任官又は奏任待遇。教頭、教諭、養護教諭、訓導、養護訓導、保姆及び書記は判任官又は判任待遇である。

経費負担及び授業料

 公立師範学校の費用は都道府県の負担とする。

 師範学校の入学授業料は無償である。私立師範部では設立者が文部大臣の認可を経て、金額を決定する。

 

 

3-9.高等師範学校・女子高等師範学校

 高等師範学校・女子高等師範学校(以下、高等師範学校等)は、師範教育令第一條第一項及び第三項で「高等師範学校及女子高等師範学校ハ師範学校中学校及高等女学校ノ教員タルヘキ者ヲ養成スル所トス。前二項ニ記載シタル学校ニ於テハ順良信愛威重ノ徳性ヲ涵養スルコトヲ務ムヘシ」と定める学校教育機関である。レベル5(短期高等教育)に担当する学校教育機関である。

設置者

 官、都道府県、私人

 私人が高等師範学校の教育課程に該当する学校を設置する場合は、大学附属高等師範部又は専門学校附属高等師範部の形を取り、単独での設置は認められていない。

 官立の高等師範学校等は文理科大学附属となっている。

 高等師範学校等には附属中学校等、附属小学校が附置される。

 校地、校舎、校具及体操場を備えなければならない。

認可権者

 公私立師範学校の設置及び廃止は文部大臣

修業年限

 4年

 研究科:1年

 研修科:2年

学科

 文科

  修身、公民、哲学、教育、心理、国語及漢文、書道、歴史、地理、外国語、数学、自然科学、体育、情報、武道、家政、教育実習

 理科

  修身、公民、哲学、教育、心理、数学、物理、化学、生物、地学、国語、人文科学、社会科学、外国語、体育、情報、武道、家政、教育実習

 体育科

  修身、公民、哲学、教育、心理、体育、生理衛生、国語、人文科学、社会科学、自然科学、外国語、情報、武道、家政、教育実習

 芸能科

  修身、公民、哲学、教育、心理、音楽、美術、手工、国語、人文科学、社会科学、自然科学、外国語、情報、武道、家政、教育実習

 教育実習は附属中学校・附属高等女学校

 研究科

 各学科目中一乃至数科目を履修。

 研究科

 各学科目中一乃至数科目を履修。

入学資格

 文科・理科・体育科・芸能科

  師範学校卒業生。

  中学校・高等女学校尋常科卒業。

 研究科

  高等師範学校卒業生

 研修科

  高等学校等高等科卒業生

進路

 中等学校の教員になる。

 師範学校卒業生は卒後10年間の就業義務がある。但し、上級の学校に進学した場合は就業延期措置がある。

教科書

 教科書は学内教授会にて審議の上、文部大臣の認可を経て学校長が指定する。副読本等は学校長が随意に指定できるものとしている。

職員

 学校長

 教授

 助教授

 教諭

 養護教諭

 訓導

 養護訓導

 保姆

 書記

 訓導・養護訓導は附属小学校の教員となる。

教員資格

 高等師範学校教員は、教授(各学科別免許を有する者)、助教授(教授を補助する者)に分けられる。訓導、養護訓導及び保姆は、小学校及び幼稚園におけるそれぞれの免許と同じである。

 教科目別高等師範学校教員免許状は、文理科大学卒業生、大学若しくは専門学校高等師範学校教員養成課程履修者又は高等師範学校等教員免許状検定合格者に文部大臣が授与。

 高等師範学校助教授免許状は高等師範学校卒業生、文部大臣が指定した学校の卒業生又は高等師範学校助教授検定合格者に文部大臣が授与。

 教員検定は、試験認定の外無試験認定もある。

 公立の学校長は勅任又は奏任待遇、教授は奏任待遇、助教授及び書記は判任待遇である。

経費負担及び授業料

 公立高等師範学校の費用は都道府県の負担とする。

 高等師範学校の入学授業料は無償である。私立高等師範部では設立者が文部大臣の認可を経て、金額を決定する。

 

 

3-10.大学・大学院

 大学は、大学令第一條で「大学ハ国家ニ須要ナル学術ノ理論及応用ヲ教授シ並其ノ蘊奥ヲ攻究スルヲ以テ目的トシ兼テ人格ノ陶冶及国家思想ノ涵養ニ留意スヘキモノトス」と定める学校教育機関である。学部と大学院に分かれ、学部は、レベル6(学士)、大学院は、レベル7(修士)、レベル8(博士)に担当する学校教育機関である。専門学校との差異は、専門学校が教授に特化し、大学は教授と研究を併せ持つところである。

設置者

 官、都道府県、市、私人

 市は、土地や財政状況により設置することができる。

 私人が大学を設立するときは、大学を運営・維持できる収入を生むだけの基本財産を持つ財団法人でなければならない。

 校地、校舎、校具及体操場を備えなければならない。

認可権者

 公私立学校の設置及び廃止は文部大臣

 大学の認可は勅裁を必要とする。

修業年限

 3年

 医学部は4年以上(通例3年の基礎医学臨床医学試験合格後に、大学附属病院で医学部2年歯科医学1年の臨床実習。)

学部の種類と学科

 法学、医学、工学、文学、理学、農学、経済学、商学、家政学

 学部は上記の学部の種類に応じて学科を開設し、又は別に名称を設けることができる。法学は法学部政治学科、法学部社会学科など、医学部は医学部医学科の外歯学部、薬学部などである。

学科目

 修身、学部科目講義、学部科目実習、教員養成課程、師範養成課程

 学部科目実習は学部の種類に応じては欠くことができる。

 教員養成課程、師範養成課程は随意科目。

入学資格

 高等学校高等科・高等女学校高等科卒業。

 大学入学者検定試験合格者。

進路

 就職就業。

教科書

 教科書は学内教授会の認可を経て学長が指定する。副読本等は教授が随意に指定できるものとしている。

職員

 学長・総長

 教授

 助教授

 書記官

 助手

 書記

 司書

 技手

 概ね単科大学の場合は学長、帝國大学及び複数の学部を持つ大学は総長と呼ばれる。

 教授は教授会を組織する。

 帝國大学は評議会を組織する。各学部より数名の教授を選挙し、評議員を構成する。複数の学部を持つ大学も評議会を設立する。

大学教員

 大学教員は、教授(講座を担当する者・研究を担当する者等)及び助教授(教授を補助する者)に分けられる。いずれも、教員検定等の資格は不要である。

 学長・総長は勅任又は勅任待遇、教授、助教授、書記官は奏任又は奏任待遇、助手、書記、司書及び技手は判任又は判任待遇である。

経費負担及び授業料

 公立大学の費用は都道府県又は市の負担とする。

 大学の入学授業料は原則徴収である。公立学校では地方長官が、私立学校では設立者が文部大臣の認可を経て、金額を決定する。

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