どのような点がそうなのか、探してみて下さい。
「大日本帝國に関する視察報告書」(最終原案)
編集責任者 マキスイ=ハンキ
中央暦1639年2月3日~中央暦1639年2月20日
大日本帝國を視察した結果我が使節団が、見聞きした事項についての報告を取りまとめたので、以下のように報告する。なお、使節団はこのまま満洲帝國を訪問するため、口頭による報告会を後日帰国してから是非とも設けたいので、日程の調整を依頼する。
一、基礎概略
国号 大日本帝國
国旗 日の丸
国章 菊花紋章
政府章 五七桐紋
国歌 君が代
国花 菊・桐・桜
面積 715423平方km
人口 21554万人
首都 東京
皇都 京都(※1)
略史(日本の紀年法にて記載する。中央暦1639年=日本紀元2675年)
皇紀 中央歴 (西暦)
元年 -1036 -660 2月11日・建国、初代天皇、神武天皇即位
1305 269 645 大化の改新。
1454 418 794 平安京設立。現在の京都府京都市にあたる地域とのこと。
1852 816 1192 鎌倉幕府の成立。軍人政権の始まり。
2263 1227 1603 江戸幕府の成立。最後の軍人政権。
2432 1396 1772 天明の改革始まる。
2458 1422 1798 第1回目の遣欧使節団(寛政遣欧使節団)が派遣
2474 1438 1814 第2回目の遣欧使節団(文化遣欧使節団)が派遣。ウィーン会議出席。
2527 1491 1867 大政奉還。皇政復古の大号令。
2528 1492 1868 鳥羽伏見の戦い。
2537 1501 1877 内閣制度始まる。初代内閣総理大臣板倉勝静。
2541 1505 1881 大日本帝国憲法発布。
2554 1518 1894 日清戦争。
2564 1528 1904 日露戦争。
2574 1538 1914 欧州大戦。日本国も参戦。
2579 1543 1919 パリ講和会議。国際連盟組織。日本国も理事国(列強国)入り。
2581 1545 1921 大日本帝国憲法増補発布。大正憲法と呼ばれる。
2586 1550 1926 西太平洋戦争。
2587 1551 1927 ポツダム講和条約。
2591 1555 1931 満洲事変。
2592 1556 1932 満洲国建国宣言。
2603 1567 1943 満華戦争。日本国も同盟国として参戦。
2627 1591 1967 日本国、満洲国と同君連合となる。
2628 1592 1968 大日本帝国憲法増補発布。昭和憲法と呼ばれる。
2629 1593 1969 佐藤粛軍。軍隊の機構に大幅な改変が加えられる。
2675 1639 2015 1月16日。異世界転移。
二、政治経済
主要民族・言語 : 日本人(人間族)・日本語(大陸共通言語に酷似か?)
この国には、人間族以外の種族が見当たらなかった。市街散策でも、テレビという映像を以てする魔信のような情報受診する機械でもそのような情報は得られなかった。しかし、人間族以外を迫害しようとする動きはないといってよいだろう。一例として、使節団の団員の一人が、街で獣族風の亜人を見かけたところ、その亜人は亜人ではなく人間であり、亜人の耳に見えたものは偽物の耳であったそうだ。なんでも「ネコミミ」というらしく、日本の文化の一部であるとのことだ。このように日本の文化には獣人を差別するという文化はなく、獣人に変装することを良しとする文化がある。かような観点から使節団は日本国に亜人迫害政策は存在しないと結論づける。
政治体制 : 立憲君主制 (元首 : 天皇)
※日本国の説明によると、君主を国家元首とする体制のうち、政治が憲法の規定に依って行われるものであるとのこと。憲法を持たない君主制を絶対君主制と呼び、あまり好意的な印象を持っていない様子である。
統治機構
政府主席
内閣総理大臣 山上誠一
枢密院議長 飯尾義道
貴族院長 公爵徳川慶幸
貴族院議長 公爵近衛信通
衆議院議長 山崎繁
内閣
行政組織は、我が国と同様の構造を持つといえる。首班である内閣総理大臣と国務各大臣とで構成される内閣とそれを補佐する省(我が国でいうところの局)がある。
枢密院
我が国でいうところの長老会議に当たるだろうか。政府が発する命令に対する審査権限が与えられているらしい。
帝国議会
貴族院と衆議院とに分かれている。貴族院は名前の通り、この国の貴族が中心となっている議院らしいが貴族以外の議員もいるらしい。衆議院は全国民の代表とのことである。
裁判所
この国の裁判は、裁判所という行政機関ではない、独自機関によって行われている。また、日本側から我が国の法律についての詳しい説明を求められ、我が国国内での日本国民の安全に配慮するよう強く求められたことを特に報告しておく。また、我が国に訪れた日本人に対しての裁判については、当面の間普通ではない方法を用いるべきであると勧告する。
通貨
円という紙幣を持ち、10円、5円、1円に分かれる。
銭・厘の単位の貨幣を持ち、50銭、10銭、5銭、1銭、5厘、1厘の単位に分かれる。
産業
様々な分野に於て、我が国の水準を上回っており、我が国とは比較にならない。現物を確認されるのが一番だと判断した。使節団は、日本から様々な製品を我が国に持ち込む許可を得たが、これらの機械を恒常的に動かすためには、電気なるものが必要である。
三、社会
教育
国民のすべてが一律の教育を受ける義務を負っている。おおよそ6歳を迎えたのちに小学校という初等教育を学ぶ学校に通う。ここでは、全員がある程度の読み書きをできるようになり、新聞という世間一般で起こった出来事や政府からの命令など記載している情報媒体を理解することができるようになるための基礎を学ぶのだという。その後は、中等教育を学ぶ学校に通うそうだが、ここから先は、その後の進路によって進む学校が違う。
高等教育を学ぶためには男子は中学校を経て高等学校、女子は高等女学校という教育機関に進む。その後は大学という高等教育機関に至る。このコースに進んだ者からこの国家の官僚集団を産み出しているといっても過言ではないだろう。次には農業や工業などの専門的な職能を得るために通うのが実業学校と呼ばれている学校である。実業学校を卒業した場合はその手の職に就くことがあるが、さらに高度な職能を得るために専門学校という学校に通う者も多いという。最後に一番多くの人間が通う青年学校という学校があり、中等教育を幅広く学習し、ここを卒業すれば、世間で生きていくための必要な資質が完成されるのだという。
日本国樺太地方のある小学校と青年学校を視察したが、児童生徒の教育レベルの高さは特筆すべきである。いわば、国民全員が貴族子弟レベルの教育を小学校で習うのだという。男女ともにだ。この国の国力の高さはこういう国民が支えているのだという。我が国も何らかの形で導入することはできないだろうか。
魔法
特筆すべきこととして、日本人は魔法を使うことができないという事を報告しなければならない。彼らは、我々が魔法を扱うさまを見て驚いていた。隣国クイラから聞いた話によると、ムーという国が持っている科学文明と同じもののようであるが、日本国の歴史を教えてもらったところ、おおよそ100年位前の技術のようであるらしい。我々が魔法を担当し、日本が科学を担当することで、ある程度は、お互いが協力できる素地があるのではないかと思われる。
四、軍事
陸海軍に分かれているとのこと。ただし、事実上の空軍と扱われている別の単位があるらしい。
陸軍
26個師団を持つ。師団というのは、日本側の説明によれば、戦場で自由に動ける最低の単位ということで、主戦力となる歩兵部隊に加えて、大砲を扱う砲兵、戦車を扱う騎兵、戦場において工作作業を行う工兵、飛行機械を扱う飛行兵、後方支援を担当する輜重兵、戦傷者を救護する衛生兵などを一まとめにした部隊を指すとのことだ。
第一師団から連番に第二十五師団まで存在し、残り1つは近衛師団という天皇守護に当る師団であり、戦時の際には敵軍攻撃の尖兵としての果敢に戦闘を行うことを想定しているとのことである。
特筆すべきは、歩兵が全員銃を所持していることであり、つまるところパーパルディア皇国並みの戦力を持っているということである。
また、騎兵が持つ戦車という大砲を備えた車はたとえパーパルディアであっても破壊することはできないと判断する。
海軍
5個の艦隊といくつかの潜水艦隊があるらしいが、詳細は軍機とのことである。潜水艦とは海の中にもぐって進む軍艦とのことである。
軍艦は戦艦、航空母艦という大型艦と巡洋艦という中型艦、駆逐艦という小型艦がある。小型艦である駆逐艦ですら、我が国の海軍の軍艦を上回る規模と、我が国の軍艦では比較にならない武装を備えている。
陸軍航空隊
異世界転移前は、諸外国から空軍と扱われていたらしい。空を飛ぶ飛行機を使った軍で、我が国でいうところのワイバーン部隊がこれに当たるだろう。だが、その武装は、我が国のワイバーンでは話にならないだろうことが容易に推測できる。一撃も与えることができずにワイバーンは全滅するだろう。
総論として、日本軍は絶対に敵に回してはいけない。我が軍の軍備ではただ蹂躙されるだけである。
五、総括
総括として、この国の国民はこれだけの軍備を持ちながら、我々と敵対しようという意識は全くないといってもよいと感じられることである。これは、私だけではなく、使節団全員の総意である。さまざまな政府高官との会談の結果、日本国が我が国に対する領土的野心を有していると根拠づける態度や物的証拠を指摘することはできない。現状においては、平和的に貿易を行い、国内において不足している穀物等の取得を希望していると十分に判断しうる。
※1 日本政府によると、東京はあくまでも仮の首都という扱いで、本来の首都は京都であるとの説明であった。その根拠として、天皇の即位式は京都にて行われる。
初投稿から、早くも一か月が過ぎました。当初の予定では、月の半ばから後半にかけて国交樹立を描くつもりでしたが、書いているうちにアイデアがいろいろ増えてきてしまいました。なかなか先に進まない拙作ですが、これからも苦笑したり、クスりとしていただければと思います。
読者様の指摘により、日本に魔法がないということを追加させていただきました。
読者様の指摘により、教育欄を加筆修正させていただきました。