大日本帝國召喚   作:もなもろ

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新世界の在外公館の一覧でございます。領事館は、在外自国民の保護や外交事務、情報収集や国際交流・広報などの拠点となりますので、首都以外におかれます。ですが、置かれていませんねえ。拙作日本の関心は、クワ・トイネとクイラばかりと言うお話を事実面から表現してみました。あと、フェン王国のニシノミヤコには、名誉領事が置かれています。観光客が多いので便宜を図るために名誉領事を置いています。それなりに関心は持っていますが、正規の組織ではないというところに関心の薄さが表れているというところです。


外交官及領事官官制(明32勅280)・臨時在外公館職員定員令(平27勅273)・大公使館官制(康5勅197) / トーパ王国王都ベルンゲン 在豆日本公使公邸 中央暦1639年12月5日(土)午後

外交官及領事官官制(明治三十二年勅令第二百八十號)

 ―――――

朕外交官及領事官官制ノ改正ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム

勅令第二百八十號

   外交官及領事官官制

第一條 外交官ノ区分左ノ如シ

  特命全權大使

  特命全權公使

  大使館參事官

  大使館商務參事官

  大使館一等書記官

  大使館二等書記官

  大使館三等書記官

  大使館商務書記官

  大使館理事官

  公使館參事官

  公使館一等書記官

  公使館二等書記官

  公使館三等書記官

  公使館商務書記官

  公使館理事官

  外交官補

第二條 特命全權大使ハ親任トシ特命全權公使ハ親任又ハ勅任トシ大使館參事官又ハ大使館商務參事官ハ勅任トシ其ノ他ノ外交官ハ奏任トス

第二條ノ二 南洋群島連邦ニ派遣スル外交官ニ付テハ勅令ヲ以テ別ニ之ヲ定ム

第三條 領事官ノ区分左ノ如シ

  總領事

  領事

  副領事

  領事官補

第四條 總領事ハ勅任又ハ奏任トシ領事、副領事及領事官補ハ奏任トス

第四條ノ二 外務大臣ハ須要ニ應ジ大使館ニ特命全權公使ヲ配置スルコトヲ得

 外務大臣ハ須要ニ應シ大使館又ハ公使館ニ副領事ヲ配置スルコトヲ得

第五條 外交官ヲ置カサル地ニ於テハ外交事務官ヲ置クコトヲ得

 外交事務官ハ領事官ヲシテ之ヲ兼ネシム

第六條 領事官ヲ置カサル地ニ於テハ貿易事務官又ハ名譽總領事、名譽領事若ハ名譽副領事ヲ置クコトヲ得

 貿易事務官ハ奏任トシ名譽總領事、名譽領事及名譽副領事ハ奏任待遇トス

第七條 公使館、領事館及貿易事務館ニ外務書記官補ヲ置ク

 外務書記官補ハ判任トス

第八條 外國語ノ通譯ヲ要スル大使館及公使館ニ大使館一等通譯官、大使館二等通譯官及公使館一等通譯官、公使館二等通譯官ヲ置クコトヲ得

 大使館一等通譯官、大使館二等通譯官、公使館一等通譯官及公使館二等通譯官ハ奏任トス

第九條 外國語ノ通譯ヲ要スル大使館、公使館、領事館及貿易事務官ニ外務通譯手ヲ置クコトヲ得

 外務通譯手ハ判任トス

第九條ノ二 須要ニ應ジ大使館及公使館ニ大使館電信官及公使館電信官ヲ置クコトヲ得

 大使館電信官及公使館電信官ハ奏任トス

第九條ノ三 須要ニ應ジ大使館、公使館、總領事館及領事館ニ外務電信手ヲ置クコトヲ得

 外務電信手ハ判任トス

第九條ノ四 須要ニ應ジ大使館及公使館ニ大使館調査官及公使館調査官ヲ置クコトヲ得

 大使館調査官及公使館調査官ハ奏任トス

第九條ノ五 須要ニ應ジ大使館及公使館ニ大使館技師及公使館技師ヲ置クコトヲ得

 大使館技師及公使館技師ハ奏任トス

第九條ノ六 須要ニ應ジ大使館、公使館、總領事館及領事館ニ外務技手ヲ置クコトヲ得

 外務技手ハ判任トス

第十條 外交官又ハ領事官ニシテ一時外國在勤ヲ免シタル者ヲ待命トス

 待命ノ外交官及領事官ハ其ノ本官ヲ奉シテ職務ニ從事セス其ノ他本令及在外公館費用條例ニ特別ノ規定アル事項ヲ除ク外總テ在職官吏ト異ナルコトナシ

 待命ノ外交官及領事官ハ臨時外務省ノ事務ニ從事セシムルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ在職官吏ニ關スル規定ヲ適用ス

 待命ハ滿三箇年ヲ以テ期トス期滿レハ其ノ官ヲ免スルモノトス

 待命ノ外交官及領事官ニハ休職ヲ命スルコトヲ得ス

 前各項ノ規定ハ貿易事務官、大使館一等通譯官、大使館二等通譯官、公使館一等通譯官、公使館二等通譯官、大使館電信官、公使館電信官、大使館調査官、公使館調査官、大使館技師又ハ公使館技師ニ之ヲ適用ス

   附 則

第十一條 明治二十八年勅令第八十二號及同年勅令第八十七號ハ本令施行ノ日ヨリ廢止ス

第十二條 本令施行ノ際一等領事又ハ二等領事タル者ニシテ別ニ辭令書ヲ交付セサルモノハ領事ニ任セラレタルモノトス

 

 ―――――

臨時在外公館職員定員令(平成二十七年勅令二百七十三號)

 ―――――

朕臨時在外公館職員定員令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム

勅令二百七十三號

   臨時在外公館職員定員令

第一條 在外公館職員(特命全権大使ヲ除ク)ノ定員左ノ如シ

  特命全權公使

       十二人

  大使館參事官

  大使館商務參事官

  公使館參事官

        六人

  大使館一等書記官

  大使館二等書記官

  大使館三等書記官

  大使館商務書記官

  公使館一等書記官

  公使館二等書記官

  公使館三等書記官

  公使館商務書記官

      五十五人

  總領事

  領事

  貿易事務官

       十七人

  大使館一等通譯官

  大使館二等通譯官

  公使館一等通課官

  公使館二等通譯官

       十八人

  大使館理事官

  公使館事務官

       十九人

  大使館電信官

  公使館電信官

        三人

  大使館調査官

  公使館調査官

      二十一人

  大使館技師

  公使館技師

       十八人

  副領事

      五十三人

  外交官補

  領事官補

       十四人

  外務書記官補

  外務通譯手

  外務電信手

  外務技手

    二百三十五人

 前項定員ノ外訴訟事件及非訟事件ニ關スル事務竝登記事務ニ從事セシムル爲奏任總領事、領事、副領事ヲ通シテ七人及外務書記官補十六人ヲ置ク

 外交官領事官ヲ兼任シ又ハ領事官外交官ヲ兼任スルトキハ其ノ兼任ハ定員ノ内ニ算入セス

第二條 待命ノ外交官、領事官、貿易事務官、大使館一等通譯官、大使館二等通譯官、公使館一等通譯官、公使館二等通譯官、大使館電信官、公使館電信官、大使館調査官、公使館調査官、大使館技師又ハ公使館技師ハ通ジテ六人トシ前條定員ノ内ニ算入セス

 

<参考>

 

【挿絵表示】

 

 

 ―――――

大公使館官制(康徳五年勅令第百九十七號)

 ―――――

朕參議府ノ諮詢ヲ經テ大公使館官制ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム

勅令第百九十七號

   大公使館官制

第一條 特命全權大使又ハ特命全權公使ヲ駐剳セシムル國ハ別ニ之ヲ定ム

 必要ニ應ジ大使館ニ特命全權公使ヲ置クコトヲ得

 特命全權大使ハ親任トシ特命全權公使ハ親任又ハ勅任トス

第二條 特命全權大使又ハ特命全繼公使ノ下ニ左ノ職員ヲ置ク

  參事官  勅任又ハ薦任

  理事官  薦任

  理事官補 薦任

  翻訳官  薦任又ハ委任

  技佐   薦任

  主事   委任

  技士   委任

 必要ニ應ジ大使館ニ薦任タル技正ヲ置クコトヲ得

第三條 特命全權大使及特命全權公使ハ駐剳國ニ於テ外交交渉、通商、在留民ノ保護其ノ他ニ關スル事務ヲ掌理ス

第四條 特命全權大使及特命全權公使ハ所屬ノ職員ヲ指揮監督シ其ノ進退及賞罰ニ付外交部大臣ニ上申ス

第五條 參事官ハ特命全橫大使又ハ特命全權公使ヲ輔佐シ事務ヲ掌ル

第六條 理事官、理事官補及事務官ハ上司ノ命ヲ承ケ事務ヲ掌ル

第七條 繙譯官ハ上司ノ指揮ヲ承ケ繙譯ニ從事ス

第七條ノ二 技正及技佐ハ上司ノ命ヲ承ケ事務ヲ掌ル

第八條 主事ハ上司ノ指揮ヲ承ケ事務ニ從事ス

第九條 技士ハ上司ノ指揮ヲ承ケ技術ニ從事ス

   附則

本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス

 

―――――

トーパ王国王都ベルンゲン 在豆波日本公使公邸 中央暦1639年12月5日(土)午後

 

 王国北東部の都市トルメスからの凶報に一時混乱したトーパ宮廷であったが、国王ラドス16世とその側近は徐々に落ち着きを取り戻し、善後策を検討するに至った。宮廷会議の結論は次の2つ。世界各国に魔王の復活を伝えること、そして種族間連合の故事に倣い各国からの軍事物資の援助を要請することであった。会議中、騎士団長が自信を以て援軍は不要と発言した。これに対してトーパの外務卿は魔王軍を侮ってはならないが、トーパの気候は諸外国の人間には厳しいこともあるだろうと言い、援軍までは求めないが、矢玉や替えの武具、魔石などの援助を要請することとした。ただ、比較的に強力な軍事力を保有しているという観点からパーパルディア皇国と日満両国には、援軍を求めることで会議は決した。トーパ王国外務卿、トイミ・イント・ノウシアイネンは、日本公使館に対してこれから緊急の会談を行いたいという、そして満洲公使館には満洲公使に日本公使館までご来館願いたいという先触れを発した。

 日満両国の公使館は、それ以外の諸外国の例にもれず、隣同士で設置されており、かつ王都ベルンゲンの市街地からはやや離れたところにあった。だが、クワ・トイネやアルタラスの公使館は元より、講和会議の為に情報処理機器を大量に導入するために電源設備にテコ入れがなされたアルタラスの公使館や、占領の為国土の一部を統治している関係で一部が発展しつつあるロウリアの占領軍司令部とその周辺施設などとは違い、トーパの日満公使館は、中世風のレンガ造りの平屋の建物があるに過ぎなかった。最低限の通信機器とそれを動かすための携帯用発電機はあるが、発電燃料の確保が難しいという関係から太陽光発電を主軸としているため、通信環境は快適とは言えない。また、日満両国から持ってくる化石燃料は灯油が主であり、これはこの時機ストーブに使われる。交通環境も悪いため、冬の時期に備えて夏の時期から運んでいた。

 在トーパ日本公使館の敷地内には公使館官舎、公使公邸、公使館職員官舎、厩舎の四つの建物が置かれており、この構成は満洲公使館も変わりない。公使館官舎は公使執務室、公使応接室、公使官房兼総務掛室、外交兼経済協力掛室、職員応接室、受付兼当直室が置かれている。公使公邸は6畳ほどの部屋が3部屋に食堂兼台所に浴室、便所、使用人室という間取りである。厩舎はこの国での移動手段として、自動車やバイクと言った交通手段が燃料の関係から利用できないことから、馬車を使用するために設置されており、馭者や馬丁の控室ともなっている。

 日満両国公使館の最大の違いは公使館員宿舎であろう。どちらの外交使節団も公使を入れて15人前後であり、構成員に差異はない。だが、日本の公務員宿舎が高等官には個室、判任官は2人の相部屋、雇員傭人には4人部屋で対応しているのに対して、満洲の公使館は高等官の内勅任官には個室が用意されるが、薦任官と委任官は相部屋、雇員傭人は集合部屋になっていることであろう。流石に風呂は共同であるが、日本の場合は食堂も便所も高等官用と判任官雇員傭人用と区別されているところも本国の仕様と同じである。一方の満洲公使館は本国とは違い食堂も便所も職員共用である。この辺り、満洲側は公使館の費用を削減している感があり、海外赴任の外交官たちにとって不満な点ではある。

 

「土曜の午後と言うのに関わらず、緊急の面会とは尋常ではありませんが。」

 

 トーパ王国駐箚日本公使の三浦治三郎は、体面に座ったノウシアイネン外務卿に語りかける。トーパ王国駐箚満洲公使のゴルジェイ・ミロスラーヴォヴィチ・シロトキンも左様と言い、トーパ王国では冬季は特に土日は安息日と聞いていましたがと重ねて問う。冬は寒いため、なるべく動かないというのがトーパの風習のようである。

 

「いささか、いや、極めて厄介なことが出来しました。」

 

 外務卿は心底神妙な顔をして、うつむき気味に話し始めた。日満両国公使は始めは黙って話を聞いていたが、徐々に困惑の表情を浮かべた。

 

「その、お話の向きは分かりましたが、何ですかその、魔王ですか。」

「はい、魔王討伐の為日本軍および満洲軍の援軍を要請したいのです。」

 

 外務卿の話に両公使は再び顔を見合わせる。困惑の表情はやや強くなった。ノウシアイネン外務卿は、不安な顔になった。あの、と問いかけると、両江氏はハッとした顔になり、三浦公使から話し出した。

 

「いや、失礼しました。その、神話の話にあった、魔王軍が復活したという話でございましたから、いささかその、」

「左様、その、何と言いますか、現実離れしているというか、何と申し申しましょうか。」

 

 ノウシアイネン外務卿は愕然とした。そういえば、日満両国は、異世界から転移してきた国と言うことだった。危機感が伝わらないということに合点がいった。

 

「いや、御両所にとって実感がわかないということは理解いたしました。しかし、これは現実なのです。御両所ともに、世界の扉を御視察なされたと聞き及んでおります。ならば、かつて魔王という存在がいたということは、ご理解いただけると思います。このことは、おとぎ話なんかではなく、現実にあったということなのです。そして、今魔王の結界が破られ、魔王の侵攻が再興されたということは確かなのです。いや、百歩譲って、魔王のことを抜きにしても、この国が攻められているのは確かなのです。」

 

 外務卿は訴えかけながら、徐々に前のめりになっていった。外務卿の真剣な思いが伝わったのは確かであり、日満両国公使は再度顔を見合わせ、今度は力強く頷いた。

 

「わかりました。魔王のことはさておき、この国が侵攻を受けているということは確かに理解いたしました。」

「援軍の要請については、我々の業務日報を本国に報告する際に伝えておきます。」

「それで、魔王についての説明は我々の本国の外務省にも説明してもらいたいと思います。駐日駐満のトーパの公使にアポを取るように連絡をお願いいたします。」

「我々から報告を挙げましてもなかなか本国も理解しきれないと思いますので。」

 

 ノウシアイネン外務卿は安堵した。少なくともこの国が侵攻を受けていることは伝わったからである。

 

「ありがとうございます。それで援軍の見込みはどの程度になるでしょうか。こちらとしましては少しでも早く受け入れの準備を進めておきたいのですが。」

「まことにすみません。それは、私ではわかりません。ただ、武器弾薬は元より、軍隊の移動に際しては糧食についても運んでくることになりますから、あまりご心配はなされずに。」

 

 外務卿は驚いた。自分の知る常識では軍隊の補給は現地調達が基本だ。日満両国の軍が持つ武器は、我が国の軍が持つ武器とはまるで違うということは聞いていた。だから、自分たちの武器を分け与えるということにはならないと思っていたが、まさか食事までとは。

 

「わかりました。私はこれからパーパルディア皇国の大使館も訪問して、援軍の要請をしなければなりません。駐日駐満公使への連絡はその後すぐにでも行いますので、ではこれにて失礼させていただきます。」

 

 外務卿は立ち上がり、日満両国公使と握手をしながら、再度宜しくお願いしますと頭を下げた。そして、部屋を出ていった。日満両国公使はこれから本国へどのような報告をするべきか頭を悩ませていた。

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