テレビ東西情報番組 午後も元気に!! 2675(平成27・2015)年12月23日(水) 午後2時
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〇司会 矢澤光喜
〇アシスタント 田中姫子
コメンテーター
〇政治評論家 竹本萬斎
〇経済アナリスト 山井善治
〇東西新聞論説委員 吉井咲子
〇東京帝國大学法学部教授(国際法) 李甚太郎
〇タレント 武田純一
〇元プロ野球選手(東京帝都巨人軍一塁手) 大澤大二郎
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「特集トーパ派遣軍を追う」
〇矢澤 竹田さん、一昨日の我が軍の破竹の勢いは心がわき踊りましたね。
〇武田 ええ。わずか50名の小規模の部隊で2万の敵を退けたということですからね。血湧き肉躍る感覚とはこういうことを言うのでしょうねえ。
〇矢澤 さて、先日に引き続き、昨日もまた我が陸軍が大活躍を為したということです。田中さん。
〇田中 はい。昨22日夜になって、大本営陸軍部の報道官が発表したところによりますと、トーパ情勢に大きな変化がみられました。22日払暁、トーパ王国にて呼称されておりますところの魔王ノスグーラ率いる魔王軍が、トーパ王国城塞都市トルメス郊外北東部の平原に軍を進めました。この動きに対して我が陸軍先遣小隊は、トーパ王国騎士団と協力して、彼の軍に対して決戦を敢行。我が陸軍先遣小隊は単独で魔王ノスグーラの討伐を敢行し、その間にトーパ王国騎士団は敵の大軍をトルメス城外において食い止めました。斯くして、我が軍は魔王ノスグーラを討ち果たし、頭目を失った魔王軍は北部大陸へ敗走したということです。即ち、トーパに於ける戦いは、我が軍の大勝利に終わりましたことが発表されたのです。
〔沸き返るスタジオ。拍手するコメンテーター。〕
〇矢澤 いやはや、すさまじい展開ですね。初めの戦いからわずか二日です。わずか二日で全面勝利に終わるとは、大澤親分、これはもう天晴ですよね。
〇大澤 おおよ、まさにまさに、これこそ天晴だよ。
〔チャカチャン、あっぱれえぇぇ〕
〇矢澤 さあ、大澤親分の天晴もいただきまして、細かく見ていきましょうか、田中さん。
〇田中 はい。まず、今回報道します内容に関しましては、昨日に引き続き、参謀本部の発表と現地特派員が取材した事実につきまして参謀本部の検閲を得た情報をお送りしてきます。まず、昨日の払暁の場面からですね。
〔画面が切り替わる。現地の明け方。遠くで地鳴りがしている。〕
〔カメラが揺れており、映像が震えている。〕
〇矢澤 地震ともちょっと違う、小さな揺れが繰り返し繰り返し起こっていますね。
〇武田 記者さんたちも寝ているところを飛び起きた様子ですね。
〔『カメラ、カメラ!!急いで!!外だ!!』〕
〔『なんだあれは!岩山だ。岩山です。巨大な人の形をした岩がこちらにやってきます。』〕
〇吉井 巨大な岩が集まってできた人形ですかね。
〇武田 いや、吉井さん。あれは、ゴーレムっていうんですよ。漫画やアニメとかで出てきますよ。
〇吉井 はあ。漫画に出てくるような存在が本当にあるんですねえ。
〔『おい、マスコミは下がって。危ないから下がって。』〕
〔『カメラは後ろに下がりながらも、正面をとらえ続ける。』〕
〇山井 おや、軍服に腕章が。憲兵ですかね?
〇李 あれは、野戦憲兵の腕章ですねえ。戦地で交通整理にあたることを任務としています。ほら、マスコミを下がらせて陸軍のトラック歩兵戦闘車を誘導していますよ。
〔『小隊非常呼集。非番、夜勤者も小隊本部前に集まれ!!』〕
〔『小隊本部、前に出ます。』〕
〇山井 流石に動きが速いですね。あっという間に集合がかかって、兵士が出動していきましたよ。
〇矢澤 小隊本部が前にでるというのはどういうことでしょう?
〇竹本 小隊長が前線で陣頭指揮をとるためでしょうな。百田隊長は、戦場後方において小隊本部で指揮を採るではなく、戦車に乗り込んで直接陣頭指揮を執るようですな。指揮官先頭を誉とする陸軍軍人の鏡と言うべきでしょうな。戦車砲で敵を攻撃すると同時に全体の士気を採る為に装甲車が追随するようですね。装甲車に小隊本部要員が乗り込んで、分隊長やトーパ側との間に通信を維持するのでしょう。
〇大澤 うーむ。敵陣において先陣を切る。見事だ。勇敢な軍人精神の発露だ。ゆくゆくはあっぱれ名将とならん器だ。
〔『第一分隊、出動!騎兵分隊も準備出来次第出動!』〕
〔『輜重は、経理部員と協同して銃砲弾薬の輸送を急げ。』〕
〇吉井 早いですね。一個分隊を乗せた歩兵戦闘車が出動していきましたよ。
〇李 流石は、即応聯隊を主体とした先遣小隊ですよね。兵の練度が違います。
〇竹本 それに今回の部隊は北海道や樺太の北部軍の兵士が主体ですからな、寒さはものともしとらんのでしょうな。
〔『第二分隊出動準備完了。これより、戦闘行動開始します。』〕
〔第二分隊員を乗せた車両が、野戦憲兵の誘導のもと出動していく。〕
〇武田 あと残っているのは?
〇李 第三分隊と第四分隊ですね。
〇山井 わずかではありますが、遅れているということですかね。
〇竹本 いや、後方を空にするわけにはいかんからな。どちらかは予備隊として後方に残さねばな。
〇矢澤 なるほど。あっと、戦車が出動していきますよ。百田隊長がキューポラから顔を出していますね。
〔映像が終了し、スタジオにカメラが移る。〕
〇田中 現地特派員が撮影した映像で陸軍の検閲が間に合ったのはこの出撃前のシーンまでです。このあと第三分隊が出撃していき、報道陣の警護と戦術予備の為に第四分隊と輜重兵の部隊が残った形となっています。
〇矢澤 はい。いやあ、緊迫したシーンの連続でしたね。
〇武田 それにしても、兵隊の皆さんの動きがきびきびとしていましたね。私はあんな動きしていたかなあ。
〇矢澤 おや、武田さんは徴兵経験者でしたか?
〇武田 ええ、20歳の徴兵検査の際に甲種合格でしたのでね。あのころは、まだ俳優としても売れてなかったんで、少額ではありますが金ももらえたので2年間しっかりと務めましたよ。
〇李 耳が痛いですね。わたしなんかは、在学者兵役特例制度を利用して、半年間の隊本部附でしたからね。
〇山井 会社勤務などと重なるのであれではありますが、兵隊時代に無料で運転免許を取れたりするので、結構待遇はいいとは聞きますよね。
〇武田 ええ、私はその口でしたね。あとは、私は活用していませんが、拳銃や猟銃の免許も取れるので、警察官の就職に有利だったり、イノシシとか熊が出る田舎では重宝されると伺ったことがありますよ。
〇矢澤 兵隊さんの御苦労にもいろいろとありますね。ではここでCMです。