大日本帝國召喚   作:もなもろ

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察しの良い読者諸君には展開が丸わかりだと思います。ウフフ。


魔導通信機開発現状報告書 / 魔導技術研究所倉庫保管目録

魔導通信機開発現状報告書

[ 帝前会議配布資料:会議参加者及びその補佐のみ閲覧可 ]

 

作成

主筆

 先進兵器開発研究所

補佐

 魔導技術研究所

 

魔導通信機と魔法通信機

 魔導通信機とは、神聖ミリシアル帝国において、古の魔法帝国の技術を解析して制作されている、距離的に離れた地点間で音声、静画そして動画をやり取りする機械である。

 第三文明圏において魔信と呼ばれる魔道具は、音声のやり取りのみを行う魔法通信に限られていた。これは自然界に存在する魔素を利用して術者が行使する魔法の発動によって行われるものであり、原理的には魔道具を使用しなくても行使可能なものである。しかしながら、魔法の発動には詠唱が必要であり、また魔法を行使する術者の力量や魔力量によって通信可能な範囲が限られるなど、魔道具を介さない魔法通信はその実用性に乏しいものである。

 この点を解決するために、魔道具を通じた魔法通信の機械が生まれた。その初期製造は、神聖ミリシアル帝国においてなされた。古の魔王帝国の技術を参考にしたその魔道具は、その簡単な構造からミリシアルが囲い込むべき技術とされなかった。また魔法通信の魔道具は、神聖ミリシアル帝国と国交を有する諸外国との通信に利便性が高いということから、全世界にこの魔道具の基本的な構造が公開された。神聖ミリシアル帝国と交信を希望する国家は、この通信により大使と本国が情報を共有し、帝国が通信を希望した際は大使と本国間で速やかな通信を行って意見を纏めるようにとの通達も併せて行ったことから、迅速な国家間交渉の実現と言う点を重視していたということが言えよう。

 

魔導通信機

 魔導通信は、魔法通信と違い魔石による魔力を使用して通信を行うという点で魔法通信とは方式が異なる。ただ、魔法通信の魔道具にも魔石は使用されている点には注意が必要である。魔法通信機と魔導通信機における魔石の用途の違いは、あくまでも魔法通信機の場合は術者の魔力によって通信を行い、魔石は補助に留まるのに対して、魔導通信機の場合は魔石そのものの魔力を使用して通信を行っているという点である。

 魔導通信の技術によって、通信の幅は格段に広がった。魔法通信は音声のやり取りのみしかできなかったが、魔導通信は映像のやり取りが可能となったのである。最もその製造技術は極めて高度なものである。魔法通信の場合とは比べ物にならぬ高度な魔法陣と高純度の魔石が必要となる。このため、皇国においては、魔導通信機は、パラディス城や中央官衙、軍司令部などにのみ配備されており、各部隊や軍艦などに配備されているのは、魔石による出力補助を行った魔法通信機である。

 この高度な魔道具の製作は、神聖ミリシアル帝国の独壇場であった。古の魔法帝国の異物を解析し、それを基にして彼らは色付きの動画を通信することに成功している。我がパーパルディア皇国の魔導通信に関する技術は、彼らから数世代遅れた状況にあった。だが、今年に入り国家戦略局からもたらされた資料によってこの状況が大きく動いた。これまでの我々の魔法学の知識では解読困難とされてきた魔法陣の構成について、全く別の視点から魔導通信に必要な魔法陣の作成に向けての知見が発見されたのである。国家戦略局をお造りになられたのは皇帝陛下であり、我々は皇帝陛下のご慧眼に殊の外心服せざるを得ぬ状況にあると申し上げたい。

 

34型魔導通信機の完成と今後の発展課題

 その国家戦略局の資料を基にして、技術的な障壁のいくつかが突破され、最初の試作機が完成した。それが、今年中央暦1639年9月23日に帝前会議にて皇帝陛下のご検分の栄誉に預かった機械である。この時の魔導通信機は34号機と35号機と番号づけられた機械である。34号機がこれまでの機械と異なるの点はいくつかあるが、最も大きな違いは色付きの映像を送受信できるという点にあった。この点においては皇国で初めて製造した色付き映像送受信機であり、画期的な機会であった。もちろん、送受信のどちらの機械も色付きの映像を送受信できる機械でなければ、この機能は使用不可能であり、片方が白黒の画像しか送受信できない機械であると逆に映像に乱れを生じるという不都合があった。また、最大の問題としては魔力使用量が桁外れに大きく、魔石の魔力変換効率も悪いという問題もあった。これまでの魔導通信機が二等級又は三等級の魔石で動いていたのを一等級の魔石を使用せねば動かぬというのは、ランニングコストの観点からは実に不都合であった。

 そこから、我等先進兵器開発研究所と魔導技術研究所の研究員は、不眠不休とも言うべき熱意をもって機体の改良に及んだ。研究員は三つのチームに分かれた。一つは、これまでの白黒映像の魔導通信機の改良を行った。色付き映像の魔導通信機の製造で培った技術は従来の魔導通信機の性能を向上する可能性を秘めており、その研究自体は色付き映像の魔導通信機を設計製造していたころから行われている。魔力の省効率化、低出力で稼働できる魔導通信機は、使用する魔石の等級を落としても稼働できるものになり、それは37号機の開発成功により一定の効果を得た。

 次のチームは、魔導通信機の小型化の研究を行っている。まずは、白黒映像の小型送信機の開発に着手した。戦場に持ちこめるように魔導通信機を小型化し、映像を瞬時に後方司令部や統帥本部に送ることを意図している。迅速な判断は戦場を自在にコントロールできるようにすることができると考える。だが、現用魔導通信機には多くの魔法陣が使われており、省くことは難しく試作機の製造にも至っておらず、研究段階に在る。

 最後に、色付き画像の魔導通信機の改良を目的としたチームである。使用魔力量の省力化と魔石品質を落としても稼働可能とする魔力品質の省力化が焦点であったが、現在は魔力使用量の省力化を一番の問題としている。これは、近隣の高品質魔石産国であるアルタラスを我が国が勢力圏に置いたことで、高品質の魔石が手に入りやすくなったことを原因としている。その開発については順調であり、試作機の製作のたびごとに使用魔力の省力化が進んでいる。だが、仮に同じ一等級の魔石を使用したと仮定すると白黒送受信機では2,3日(最近開発に成功した新型機だとそれ以上と予想される)は稼働可能なのに対して、色付き送受信機では1時間程度しか稼働時間がないのが現時点で判明している。魔導通信機の改良において効率化が急務である。

 最終的な結論として言えるのは、現時点では、白黒魔導通信機の改良が我が国の国益に沿うものであり、各官庁各部隊への改良した魔導通信機への転換が重要であると考えられる。これにより魔石の消費が抑えられ、従来機よりも鮮明な映像を送受信することが可能となると判断する。

 

(資料1)

魔石品質等級表(ミリシアル魔石品質基準協会、中央歴1627年制定)

 特一等 魔力純度が100%かそれに近い

 一等  純度90%以上

 準一等 純度90%に近い

 二等  純度80%以上

 三等  純度70%以上

 四等  純度60%以上

 五等  純度50%以上

 

(資料2)

皇国製魔導通信機の配備状況について

 1号機 : 1型   : 2号機と共に魔導技術研究所の倉庫に保管

3号機から15号機まで 改良型に転換され、廃棄

16号機 :16型   : パラディス城にて現役配備(予備機)

17号機~32号機 皇国各官庁、各軍部隊などに配備中

33号機: 16型   : 配備中止、先進兵器開発研究所の倉庫に保管

34号機: 34型   : カラー、先進兵器開発研究所の倉庫に保管

35号機: 34型   : カラー、魔導技術研究所の倉庫に保管

36号機: 34型改  : カラー、魔導技術研究所の倉庫に保管

37号機: 37型   : 白黒、パラディス城にて現役配備

38号機: 37型   : 白黒、統帥本部にて現役配備

39号機: 34型改  : カラー、魔導技術研究所の倉庫に保管

40号機: 37型   : 白黒、魔導技術研究所の倉庫に保管

41号機: 34型改2 : カラー、先進兵器開発研究所の倉庫に保管

42号機: 37型   : 白黒、先進兵器開発研究所の倉庫に保管

43号機: 37型   : 駐アルタラス皇国軍へ試験配備

44号機: 34型改3 : カラー、先進兵器開発研究所の倉庫に保管

45号機: 37型   : 白黒、駐アルタラス皇国軍へ試験配備

46号機: 34型改3 : カラー、フェン王国ショーンレミールへ試験配備

47号機: 37型   : 白黒、フェン王国ショーンレミールへ試験配備

48号機: 37型   : 白黒、臣民統治機構本部へ現役配備

49号機: 34型改4 : カラー、魔導技術研究所の倉庫に保管

 

(資料3)

魔導通信機各型

1型機

 皇国最初の白黒映像魔導通信機。ミリシアルのそれとは比べ物にならぬ性能ではあるが、量産できる程度の魔法陣の構造と魔力消費を成し遂げた。現在では、新型の16型機に主力の座を譲っている。

16型機

 皇国で現用とされている白黒映像魔導通信機。皇帝府、宮内府、各官庁、軍司令部などに配備されている。1型と比べて魔力消費量が60%程度に抑えられ、魔法陣の構造にも改良が加えられ、機械の小型化(おおよそ半分の大きさ)に成功した。パラディス城と統帥本部の魔導通信機は最新型の37号機への換装が行われた。

34型機

 皇国最初のカラー魔導通信機。膨大な魔力を消費する為、実用機とは言えないが、皇国において初めてのカラー映像送受信を可能とした。この機械を基礎として現在は魔力消費量の省力化の研究が進められている。

34型改機

 34型機は、魔力消費量が莫大なため実用機とはされていないが、魔石の魔力が枯渇し、映像の送受信機能が喪失した場合となっても、魔法通信ができるだけの音声通信機能を付加した機械。実用弾愛には至っていないが、緊急時の通信機能の確保を果たした。以後、改2、改3の改良と共に魔導通信を行える時間は伸びているが、それでも1時間に満たない程度である。

37型機

 皇国現用機の改良版。16型よりも魔力消費量を抑え、最大通信可能時間を伸ばした。国家機関の機械は順次、この型に転換中である。

 

 

―――――

魔導技術研究所倉庫保管目録

 

魔導技術研究所総務部作成

(目次)

(魔石保管容器)

特等品質魔石厳重保管容器

高品質魔石厳重保管容器

通常品質魔石保管容器

クズ魔石保管袋

(魔石)

一等魔石

二等魔石

三等魔石

四等魔石

(魔道具)

魔法通信機

魔導通信機

 

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魔導通信機

1号機  在庫(永年保管)

2号機  在庫(永年保管)

35号機 在庫

36号機 在庫→フェン王国ショーンレミール根拠地隊へ配備。出庫済。

39号機 在庫

40号機 在庫→海軍本部へ配備予定。手続中。

46号機 在庫

49号機 在庫(研究棟貸出中)

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