大日本帝國召喚   作:もなもろ

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捕虜を尋問して分かったこと・・・。ターニングポイント第二弾です。


フェン王国ショーンレミール市 中央暦1640年1月6日(水)

フェン王国ショーンレミール市 中央暦1640年1月6日(水)

 ―パーパルディア皇国陸軍独立魔導兵中隊第二小隊長カール・エドワルド・ツー・ヘルゲン

 

「まさか、こんなことがあるとはな・・・。」

 

 昨日、自白した捕虜から得られた情報は、私にとって予想外と言うべきものであった。

 

「拷問官、この女を羽交い絞めにしろ」

 

 拷問官が女の背後に廻り、身動きができないように羽交い絞めにしようとすると、女が身じろぎだした。

 

「ほう、その反応。貴様田舎者のクワ・トイネ人の中でもさらに田舎者の分際で、この薬物の存在を知っているのか。ふむ、興味深いな。田舎の蛮族が、外の情報を仕入れているのか、それとも中央から抜擢された際にいろいろと学習したのか。ふむ、興味深いな。」

 

 そう、あの時の私はあの女がクワ・トイネの者だと決めつけていた。

 拷問官は女の首を固定し、魔導師は、女の口元に香の煙が留まるように空気の流れを固定した。香の煙を女の口元に運びつつも、我等に影響がないようにするためだ。

 女は怯えも見せずに私を睨みつけていたが、愚かにも舌を噛み切ろうとした。馬鹿な女だと思った。さっきまで魔導師に強制的に治癒させられていたのだ。案の定すぐさま魔導師が治癒魔法を使って女を癒した。猿轡を噛ませられ、涙目になりながらも、憎悪の視線を私を向けて、睨みつけていた。

 香の煙が口から入り込み、しばらくすると女は眠そうな顔になり、憎悪の視線は向けられなくなった。口からは涎をたらし、目の焦点は合わずに

 

「さて、まず貴様の名前から聞かせてもらおう。」

 

「コレット・・・コレット・アンヌ・クロエ・ジヌー・・・」

 

「ふむ。生意気にも家名を持つか。では次に、貴様は何のためにこの基地に侵入したのだ。」

 

「パーパルディア皇国の前線基地である、この基地の動向を調査するため・・・。」

 

 女はよどみなく私の尋問に答えていく。フフフ。素晴らしいではないか。そのにしても、クワ・トイネの愚か者が。自ら滅びの途を行くとはな。それにしても、クワ・トイネの特務機関は名はなんといったか・・・、ふむ・・・確か「リーン・ノウの擁護者」であったかな。なんともお粗末な連中であったな。おおそうだ、この愚か者の上司の名を聞いておかなくてはならぬな。我が、パーパルディアを恐れぬ、増上慢のクズには念入りに甚振らねばならぬまい。

 

「では、貴様を我が国の基地に派遣させた命令者の名前を聞いておこう。」

 

「わ・・・わたしの上司は、対外治安総局極東支部エルキュール・ジャン・グラシアン・ルニエ・・・。」

 

 む?なんだ、この女は何と言った?

 

「貴様今何と言った?」

 

「私の上司はエルキュール・るにえ?」

 

「違う。貴様の所属する機関の名前だ。」

 

「対外治安総局。」

 

「何?貴様の所属する機関は、リーン・ノウの擁護者ではないのか?」

 

「え?・・・なにそれ・・・?」

 

 なんだこれは?いったいどういうことだというのだ?クワ・トイネは情報機関を二つ持っているというのか?

 

「貴様・・・。クワ・トイネ人ではないのか・・・?」

 

「私?・・・私はフランス人・・・。」

 

 フランス人?フランス?どこの国だそれは?まさか日本国や満洲国以外に新興国家があったのか?それとも第一文明圏や第二文明圏にそのような国があったか?魔導師や拷問官も訝しげな顔をしている。

 

「女。貴様の生国について話せ。」

 

 そうして、女が話した内容は驚くべき内容であった。日本国や満洲国が転移国家であると言う話は聞いたことがある。正直真偽のほどは定かではないが、それはこの際どうでもよかった。重要なことはフランスと言う国が日満両国と深い関わり合いがあるということであった。

 

「閣下・・・。」

 

 拷問官と魔術師が不安そうな顔をしている。これは、いかん。

 

「女。それでは、貴様は日本国からフェン王国に入国して、我が基地に潜入したというのだな。」

 

「はい、そうです。」

 

 ふむ・・・。

 

「日本国から入国したということは日本の臣民なのか?」

 

「いえ、私はフランス人です・・・。」

 

「ふむ・・・。日本人や満洲人は他国へ入国する際に旅券というものを提示してると聞くが、貴様の持ち物にそのようなものはなかったが、これはどういうことだ。」

 

「私の旅券は偽造です。偽造旅券を持っていることは犯罪なので、手元においてはおりません・・・。」

 

 何!!これは、ひょっとして・・・。

 

「その偽造旅券はどこにおいてあるのだ?」

 

「現地の協力者に預けてあります。」

 

 む?これはいかんな。

 

「閣下!このままでは、まずいですよ。この女と連絡を取れなくなったことが日本国にもしられると・・・。」

 

「うろたえるな。案ずるな。女、その協力者はどこに潜伏しているのだ?彼ははどういう身分だ。」

 

「彼らは、ニシノミヤコで映画制作の現場に潜り込んでいます。エキストラなどで渡航しており、彼らは正規の旅券を持っています。」

 

 ふ、フハハハ!!やはりか、やはりそうであったか。あの遠くから我々の基地を眺めていた連中には工作員がいたか!

 

「お前たち喜べ。この女の証言で、あの映画の製作とやらでやってきている連中には我が国を狙うスパイが紛れ込んでいるということが明らかになったぞ!!これで、ポクトアール提督も動かざるを得まい。あの連中を捕縛して、日本国の非を咎めれば、有利に立てるぞ。」

 

 拷問官と魔導師も笑っている。ふふふ。哀れな女だ。しかし、この女、殺すわけにはいかぬな。生かして置いて、生き証人として扱わねばならぬな・・・。

 

 

「フフフ・・・まさか、こんなことがあるとはな・・・。」

 

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